介護の基礎知識
介護保険請求の返戻とは?再請求のやり方やエラーコード
- 公開日:2025年02月07日
- 更新日:2025年06月05日

介護保険請求を行う際、提出した請求内容に誤りや不備があると、国保連合会から支払いが保留され、返戻(へんれい)されることがあります。返戻とは、請求が受理されずに差し戻されることを指し、修正して再提出しなければ報酬を受け取ることができません。
この記事では、返戻の主な原因や対応方法について詳しく解説し、スムーズな請求手続きのポイントをご紹介します。
介護保険請求の支払いの仕組み
介護報酬を受け取るためには、請求書類を作成し、国保連合会に提出する必要があります。
介護保険請求の支払いは、以下の流れで行われます。
1.利用者と契約を結び、サービスを提供
2.居宅介護支援事業所へサービス提供の実績を報告
3.「介護給付費明細書」を作成し、国保連へ提出
4.国保連から介護報酬の支払いを受け取る
国保連への請求には期限があり、毎月1日から10日までに必要書類を提出する必要があります。また、請求方法は原則としてインターネットでの伝送、または電子媒体(CD-Rなど)を使用した提出が定められています。
国保連請求の基本的な流れは以下の記事を参考にしてください。
介護保険請求の重要性

介護保険請求が重要なのは、レセプト業務を正確に行わなければ、介護事業所の収益が減少してしまうためです。そもそも介護保険請求とは、介護事業所が利用者にサービスを提供した際の費用を利用者が一部負担し、残りを国民健康保険団体連合会(国保連)に請求する仕組みを指します。介護サービスでは、利用者が費用の1割または2割を自己負担し、残りの金額を 介護事業者がいったん立て替えたうえで、国保連へ請求します。この介護保険請求(レセプト業務)を適切に行わないと、立て替えた費用が事業所の負担となり、収益の減少に直結します。
事業所の経営を安定させるためにも、介護保険請求の仕組みと手順を正確に把握し、ミスのない請求を心がけることが重要です。
介護保険請求の返戻とは
「返戻」とは、介護保険報酬を請求した際に、介護給付費明細書の内容に不備(エラー)があり、国保連合会から書類が差し戻されることを指します。返戻となった事業所には、「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が送付されます。
この一覧表には「エラーコード」が記載されており、その内容を確認することで、どの部分にエラーがあったのかを特定できます。エラーコードは以下のような複数のカテゴリに分類されています。
エラーコードのカテゴリ一覧
- AA:形式誤り
- AB:項目属性誤り
- AC:二重登録(一次)
- AD:台帳突合誤り(一次)
- AE:サービス提供年月誤り
- AG:緊急情報関連
- AH:特定情報関連
- AN:二重登録(資格)
- AR:償還系誤り
- AS:計算誤り
- AT:数値不正(一次)
- AU:数値不正(資格)
- Y:医療
- ZZ:その他
- 10:事業所基本台帳またはサービス台帳
- 12:受給者台帳
- 13:法別管理台帳/公費負担者台帳
- 14:介護給付費単位数表/サービスコード管理/給付単価表/特定診療・特別療養・特別診療表
- 15:種類別市町村固有台帳
- 16:市町村特別給付台帳/地域密着型サービスコード台帳
- 20:介護予防・日常生活支援総合事業サービスコード台帳
エラーコードは、上記のカテゴリと、カテゴリ内の詳細コードの組み合わせによって表されます。例えば、「AAAO」は、AA(形式誤り)のカテゴリに分類されており、「レコードフォーマットの誤り」を表すエラーコードです。エラーコードの一覧は以下の「介護保険審査チェックエラーコード一覧」よりご確認いただけます。
返戻のよくあるケース

介護報酬の請求において、返戻となる主なケースは以下のとおりです。
① 請求準備段階の不備
- 事業所の体制変更が未提出
② サービス提供後の請求ミス(自事業所)
- 利用者の明細書が重複している
- サービス提供月の利用者情報の更新忘れ
③ 他事業所(居宅事業所)のデータ入力ミス
- 自事業所とのデータ内容に相違がある
これらの理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
事業所の体制変更が未提出
事業所の体制が変わった際には、都道府県や市区町村への届出が必要です。特に、新たに提供するサービス(加算)の種類によっては、届出を提出しないと算定が認められない場合があります。そのため、体制変更後に介護報酬を請求しても、国保連合会が保有する事業所情報と一致せず、返戻となる可能性があります。
事業所の体制を変更した際は、必要に応じて速やかに届出を行い、新しい加算を適用できるようにしましょう。なお、届出の提出期間は地域によって異なるため、事前に都道府県や市区町村のホームページで確認しておくことが大切です。
利用者の明細書が重複している
同じ月に利用者の請求明細書を重複して提出した場合、最初の1通目を除き、他の書類は返戻の対象となります。これは、最初に提出した書類に誤りがあり、修正した請求明細書を再提出した際に発生するケースです。
再提出が必要と判断した場合は、国保連合会へ請求の取下げ申請 を行う必要があります。申請後、「介護給付費過誤決定通知書」が送付されるため、その内容を確認し、取下げが認められたことを確認した上で、改めて請求を提出しましょう。
サービス提供月の利用者情報の更新忘れ
サービス提供中に要介護度が変更された場合は、請求時に注意が必要です。変更後のサービス単位数を反映せずに請求すると、返戻の対象となる可能性があります。たとえば、6月15日に要介護度が変更された場合、その日以降は新しい要介護度に応じた単位数で請求する必要があります。また、要介護度の変更手続きが完了していない間は、新しい要介護度が確定していないため請求できません。確定のタイミングによっては、翌月の請求になることもありますので、注意しましょう。
自事業所とのデータ内容に相違がある
居宅介護支援事業所が作成する給付管理票に不備や提出漏れがあると、返戻の対象となります。給付管理票が返戻されると、請求明細書の審査が行えず、支払いもされなくなってしまいます。請求業務を行う際は、ケアマネジャーに提出状況や返戻の有無を確認 し、スムーズに対応してもらえるよう依頼しましょう。
返戻の際の再請求の仕方

提出書類に不備があると返戻となり、請求月の翌月上旬に 「請求明細・給付管理票返戻(保留)一覧表」 が届きます。この一覧表には、不備の内容が記載されているため、内容を確認し、訂正したうえで請求明細書などの書類を再提出しましょう。再提出は翌月以降に行い、その月の請求書類と合わせて 1日から10日までに提出します。なお、返戻後の対応は地域によって異なる場合があるため、事前に管轄の国保連合会のサイトを確認しておきましょう。
介護保険請求業務でミスを減らすには?
介護保険請求の返戻がされると、請求分の審査が行われず、支払いが次回以降に持ち越されます。その場合事業所の資金繰りに影響したり、請求の再申請を行うために追加の事務作業が発生し、介護職員の負担になります。安定した事業所運営のためにも、できるだけ返戻がされないようにミスのないレセプト業務を行うことが重要です。
介護保険請求業務のミスを減らすためには、以下の対策が有効です。
- ケアマネジャーとサービス提供事業所の適切な連携
給付管理票と介護給付費明細書の内容に差異が生じないよう、定期的に情報を共有し、確認作業を徹底します。 - ダブルチェック体制の構築
請求業務における転記ミスを防ぐため、複数のスタッフによるダブルチェックを導入し、正確性を高めます。 - 介護ソフトの活用
記録と請求データが連動する介護ソフトを導入することで、記録から実績への転記が不要になり、転記ミスがなくなります。また、自動計算機能やアラート機能など、請求ミスを防ぐための機能が搭載されています。
以上の対策を行うことで、ミスを防ぎ、介護保険請求業務をより正確に進めることが可能です。
介護保険請求の返戻にお困りなら介護ソフトがおすすめ

介護ソフト導入のメリット
介護保険請求の際のミスを防ぐには介護ソフトの導入が効果的です。国保連請求の伝送機能の付いた介護ソフトを導入するメリットは以下の通りです。
- 入力ミスの防止
- 必須項目の入力チェック機能が備わっており、記載漏れや入力ミスを防ぎます。
- エラーの解決
- 入力エラーが発生した際、分類コード、備考のエラーコード、審査増減単位数通知書の内容をクリックするとQ&Aサポートが理由を解説します。
- 転記ミスの防止
- 記録と実績が連携していることで、簡単に1立てが完了。転記作業が必要ないので、転記ミスも無くなり、効率化にもなります。
また、サービス提供実績から介護給付費明細書と請求書を作成する作業も転記不要で簡単に行えます。 - 基本情報の一元化
- 利用者情報や事業所情報を一元管理できるため、書類作成の度に手打ちする手間が不要。入力ミスも防ぐことができます。
まとめ:返戻の場合はエラーコードを確認して再請求を行いましょう
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エラーが出た場合も、事由の分類コード、備考のエラーコード、審査増減単位数通知書の内容をクリックするとQ&Aサポートが理由を解説します。繋がりやすい電話サポートもあるため、困った時はいつでも問い合わせていただけます。
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