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介護の基礎知識

ケアマネ更新研修が廃止 いつから施行なの?費用は?最新情報を徹底解説

  • 公開日:2026年10月20日
  • 更新日:2026年10月20日

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制度が、大きく変わろうとしています。

2026年6月19日、「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立し、ケアマネジャーの資格更新制と、それに伴う更新研修の廃止が決まりました。これまでケアマネジャーは、原則5年ごとに研修を受講し、介護支援専門員証を更新する必要がありました。しかし、研修にかかる時間や費用が大きな負担となっていることから、制度の見直しが進められてきました。

この記事では、厚生労働省の資料をもとに更新研修の廃止時期や新しい研修制度、ケアマネジャーや事業所への影響について分かりやすく解説します。

ケアマネジャーの更新研修廃止が決定

2026年6月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」では、介護支援専門員の資格更新制度について、次の見直しが盛り込まれました。

  • 介護支援専門員証の有効期間を廃止
  • 資格の交付や更新のために必要だった研修を廃止
  • 専門性を維持・向上するための定期的な研修受講は継続
  • 事業者による研修受講機会の確保を義務化

今回の見直しによって、更新研修を受講しなかったことで介護支援専門員証の有効期間が満了し、業務を続けられなくなる仕組みが見直されます。

ケアマネの更新研修はいつから廃止される?

更新制廃止の施行日は、2027年12月1日を予定しています。施行時点で有効な介護支援専門員証を持つ人は更新のための研修受講と5年ごとの更新手続きが不要になります。一方で、2027年11月30日以前に期限を迎える人が業務を継続するには、従来どおり更新に必要な研修の受講と手続きが必要になります。

ケアマネの更新研修が廃止される背景

ケアマネの更新研修が廃止される背景には、深刻なケアマネ不足を解消する目的があります。これまでの更新制度では、ケアマネジャーの資格維持に伴い、時間や費用面での負担がありました。今回の更新研修廃止では、それらの負担を軽減し、現役ケアマネジャーが働き続けやすい環境を整えることで、離職を防ぐとともに、資格を持ちながら業務に従事していない「潜在ケアマネ」の復職を促す狙いがあります。ケアマネ不足の背景や、現在の更新研修の課題は以下の通りです。

①ケアマネ不足

現在、介護業界では深刻なケアマネ不足が続いています。厚生労働省の資料によると、介護支援専門員の従事者数は平成30年度の189,754人をピークに減少し、令和4年度には183,278人となっています。特に居宅介護支援に従事するケアマネジャーは、平成29年度の120,728人から令和4年度には111,706人へと、約7.5%減少しています。

参考:第3回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 資料

ケアマネジャー不足の背景には、業務量の多さや処遇面の課題、ケアマネジャーの高齢化、更新研修の負担などにより資格を更新せず、実務から離れた層が存在していた可能性が考えられます。

参考:厚生労働省老健局 幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について

高齢化については、厚生労働省が公表した「介護支援専門員の年齢状況の推移」によると、60歳以上のケアマネジャーの割合は年々増加しています。一方で45歳未満の世代の割合は減少傾向にあります。このような状況が続けば、今後、ベテランのケアマネジャーが退職する一方で、若い世代の人材確保が追いつかず、人手不足がさらに深刻化することが予想されます。

こうした背景から、今後も人手不足が進むことが予想されるため、更新研修を廃止することで現役ケアマネジャーが働き続けやすい環境を整える目的があります。さらに、資格を保有しているものの、現在はケアマネジャーとして働いていない「潜在ケアマネ」の復職を促し、人材不足の解消につなげることも期待されています。

②研修時間の負担軽減

ケアマネジャーの法定研修は、対象者によって必要な時間が異なり、32時間以上から長いものでは88時間以上に及びます。研修を受講するには、日々の業務と並行してまとまった時間を確保しなければなりません。特に小規模事業所では、研修中の業務をほかの職員がカバーする必要があり、職員の負担が増えることもあります。さらに、研修が複数日に分けて実施される場合は、その都度スケジュールを調整する必要があるため、受講者本人だけでなく事業所にとっても負担になります。

こうした研修に伴う時間的な拘束や業務調整の難しさが、更新研修を受講するうえでの大きな課題となっています。

③費用面の負担軽減

ケアマネジャーの更新研修では、受講にかかる費用も大きな負担となっています。

参考:ケアマネジメントに係る現状・課題 参考:全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長 会議資料 令和8年3月 認知症施策・地域介護推進課

法定研修の受講料は全国一律ではなく、都道府県によって金額が異なります。地域医療介護総合確保基金を活用した補助制度の有無などによっても自己負担額に差があり、主任介護支援専門員更新研修まで含めると、都道府県間で最大約3.6倍もの開きが見られます。

なお、この比較にはテキスト代や交通費、宿泊費などは含まれていないため、実際の負担はさらに大きくなる場合があります。こうした地域による費用負担の格差や、資格を維持するために継続的な出費が必要となることも、更新制度の見直しが求められてきた背景の一つです。

参考:ケアマネジメントに係る現状・課題

法定研修の受講料について実施された調査では、費用を負担に感じているケアマネジャーが非常に多いことが分かっています。受講料を「高い」と感じている人は74.2%、「どちらかといえば高い」と回答した人は19.9%で、合わせて94.1%が受講料を高いと感じている結果となりました。一方、「ちょうど良い」と答えた人はわずか5.0%にとどまっています。

また、勤務先の法人による費用負担の状況を見ると、51.2%が受講料の全額を法人が負担しており、13.7%は一部補助を受けています。その一方で、34.0%は受講料をすべて自己負担していることも明らかになりました。この調査からは、法人による費用面の支援が一定程度行われているものの、ケアマネジャー自身が研修費用を負担するケースも多く、資格を維持するための経済的負担が課題となっていることがうかがえます。

ケアマネの更新研修廃止後はどうなる?新しい研修制度の方向性とは

ケアマネジャーの更新研修が廃止されると、今後の研修制度はどのように変わるのでしょうか。今回の見直しでは、資格更新に伴う負担を軽減する一方で、ケアマネジャーの専門性や資質を維持・向上させるため、定期的な研修の受講は引き続き求められる方向です。

ここからは、更新制度廃止後の研修のあり方や、新たな制度で検討されている内容について解説します。

更新研修が廃止されても定期的な研修は必要

今回の改正で特に注意したいのが、資格更新のための研修は廃止されても、定期的な研修の受講は引き続き求められるという点です。

改正法では、一定の対象外となる方を除き、ケアマネジャーが資質の保持・向上のために、都道府県知事が行う所定の研修を受講する仕組みが設けられます。

これまでの制度では、資格の更新と研修受講が結びついていましたが、改正後は資格の更新とは切り離して研修を受講することになります。また、研修制度については、次のような負担軽減策が示されています。

  • 研修を分割して受講できる仕組み
  • 研修時間数の縮減
  • オンライン・オンデマンド研修の活用
  • 国による共通教材の整備

 

ただし、具体的な受講頻度や時間数、研修内容については、今後の省令や運用通知などで確認する必要があります。

研修を受講しなかった場合はどうなるの?

ケアマネの更新制が廃止されることで、研修を受けなかった場合の扱いも変わります。

従来は、更新期限までに必要な研修を受講しなければ、介護支援専門員証の有効期間が満了し、ケアマネジャーとして業務を行えなくなる仕組みでした。新制度では、研修を受講しなかったことだけを理由に、直ちに資格の有効期間が満了することはなくなります。

ただし、研修を受講しなくても問題ないという意味ではありません。

改正法では、正当な理由なく所定の研修を受講していない場合、都道府県知事が研修の受講を命じることができるとされています。さらに、その命令に従わなかった場合には、1年以内の期間を定めて、介護支援専門員としての業務を禁止することができる仕組みが設けられます。そのため、更新制廃止後も研修の受講状況を適切に管理することが重要になります。

研修が受けやすくなる予定

新制度では研修が受けやすくなるよう配慮がされています。現在検討されている内容には、次のようなものがあります。

  • オンライン受講の推進
  • オンデマンド配信の活用
  • 制度改正・報酬改定などの最新知識が学べるよう研修内容を見直し
  • 分割受講の導入
  • 研修時間数の縮減
  • 国による教材の一元作成

 

特に注目されているのが、分割受講の導入です。これにより、従来のように一定期間に集中して受講するのではなく、5年間などの期間内で少しずつ研修を受講できるため、従来の更新制度で課題になっていた研修に伴う時間的な拘束や業務調整の難しさが軽減します。

介護事業所にも研修受講機会の確保が義務化

今回の制度改正は、ケアマネジャー本人だけでなく、事業所にも影響します。

改正法では、対象となる介護サービス事業者や施設の開設者に対して、ケアマネジャーが研修を受講する機会を確保するための措置を講じることが義務付けられます。また、対象となる事業者・施設では、ケアマネジャーが業務に従事したときや、従事しなくなったときに、都道府県知事へ所定の事項を報告する仕組みも設けられます。

事業所が必要な報告や研修受講機会の確保を行わない場合には、都道府県から勧告を受ける可能性があります。さらに、勧告に従わなかった場合には公表や命令などの措置も規定されています。

具体的な受講機会確保の方法については、今後の省令等を確認する必要がありますが、事業所としても研修を受けやすい職場環境づくりが重要になるでしょう。

ケアマネの更新制廃止によって期待されるメリット

更新制の廃止によって、ケアマネジャーの働き方にも変化が期待されます。

研修に伴う時間的・経済的負担の軽減

ケアマネジャーの更新制度廃止に伴い、研修の受講方法や内容も見直され、時間的・経済的な負担の軽減が期待されています。

従来は、決められた日程に合わせてまとまった時間を確保する必要がありましたが、新制度では一定期間内に研修を分割して受講できる仕組みが導入される予定です。これにより、日々の業務や予定に合わせて、無理なく研修を進めやすくなります。また、オンライン・オンデマンド受講の推進により、自宅や職場から研修に参加できる機会が増え、会場までの移動時間や交通費、宿泊費などの削減も期待できます。

さらに、研修時間そのものの短縮や教材の共通化も検討されており、受講者の負担を抑える方向で見直しが進められています。

ただし、定期的な研修の受講は引き続き求められるため、研修費用がすべて不要になるわけではありません。 新制度における具体的な受講料や時間数については、今後の詳細な制度設計を確認する必要があります。

離職後の復職がしやすくなる

更新制度の廃止によって期待されるメリットの一つが、資格を持ちながら現在はケアマネジャーとして働いていない「潜在ケアマネ」の復職を後押しできることです。

従来は、離職中に介護支援専門員証の有効期間が満了すると、そのままではケアマネジャーとして業務に復帰できませんでした。復職するには、再研修を受講して介護支援専門員証の交付を受ける必要があり、時間や費用の負担が復職をためらう一因となっていました。更新制度が廃止されることで、こうした有効期間の満了によって業務に戻れなくなる仕組みが見直されるため、出産・育児・介護などで一時的に現場を離れた人も、復職を検討しやすくなると期待されています。

ただし、復職時の研修がすべて不要になると決まったわけではありません。新制度では、専門性を維持するための研修をどのように求めるかが重要になります。

現行制度では、介護支援専門員証の有効期間が満了した人が復職する場合、原則として54時間以上の再研修が必要です。これに対し、厚生労働省は、従来の再研修に代わり、離職中に変更された介護保険制度などの知識を補うための、より簡素な研修を新設する方針を示しています。つまり、復職のために幅広い内容を改めて学び直す負担を減らし、離職後に生じた制度変更等の知識のアップデートなど、必要な知識を効率的に習得できる仕組みを目指しています。

参考:介 護 保 険 最 新 情 報「介護支援専門員資質向上事業の実施について」の一部改正について|厚生労働省 参考:地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の整備について|厚生労働省

ケアマネジャーの人材確保につながる可能性

更新制度の廃止は、ケアマネジャーの人材不足を改善するための取り組みとしても期待されています。

従来の制度では、資格を維持するために定期的な更新研修を受講する必要があり、時間的・経済的な負担が生じていました。こうした負担が軽減されることで、現役ケアマネジャーが資格を維持しやすくなり、就業継続を後押しする効果が期待されます。

また、資格更新に伴う負担が小さくなることは、これからケアマネジャーを目指す人にとってもメリットです。資格取得後の負担に対する不安が和らぐことで、新たに資格取得を目指す人が増える可能性もあります。

さらに、離職中の「潜在ケアマネ」が復職しやすくなることで、現役人材の定着と新たな担い手の確保の両面から、人材不足の改善につながることが期待されています。

ケアマネの更新研修廃止に関するよくある質問

Q. ケアマネの更新研修は完全になくなりますか?

資格更新のための研修は廃止されます。ただし、専門性を維持・向上するための定期的な研修は引き続き求められます。

Q. ケアマネの更新研修の廃止はいつからですか?

更新制廃止の施行日は、2027年12月1日を予定しています。

Q. ケアマネの更新研修を受けないとどうなるの?

新制度では、従来のような資格の有効期間による更新はなくなります。ただし、所定の研修受講義務は残り、正当な理由なく受講せず、受講命令にも従わなかった場合には、1年以内の業務禁止の対象となる可能性があります。

Q. 現在の介護支援専門員証の更新期限が近い場合はどうすればよいですか?

2027年11月30日以前に期限を迎える人が業務を継続するには、従来どおり更新に必要な研修の受講と手続きが必要になります。

Q. ケアマネ試験の実務経験も5年から3年になりますか?

更新研修廃止とは別件になりますが、ケアマネジャー試験の受験資格についても、実務経験を現行の5年から3年に短縮する方針が示されています。詳しくは以下をご参照ください。

地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)|厚生労働省

まとめ|ケアマネの更新研修廃止後も研修は継続

2026年6月に成立した改正法により、ケアマネジャーの資格更新制度と更新研修の廃止が決まりました。一方で、専門性を維持・向上するための定期的な研修は引き続き必要となり、研修の受講方法や事業所の対応にも新しい仕組みが導入されます。

今回の改正で押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 介護支援専門員証の更新制と更新研修は廃止
  • 施行日は2027年12月1日~
  • 定期的な研修の受講は継続
  • 研修の分割受講や時間数の縮減などを検討
  • 事業所には研修受講機会の確保が求められる

 

更新研修の廃止は、研修をなくすことが目的ではなく、ケアマネジャーが専門性を維持しながら働き続けやすい環境を整えるための見直しです。今後も詳細情報が随時示される見込みです。厚生労働省や各都道府県からの最新情報を確認するようにしましょう。

介護ソフトの「トリケアトプス」は2027年度の介護報酬改定に対応予定です

ケアマネジャーの更新研修廃止をはじめ、介護業界では人材確保や業務負担の軽減に向けた制度の見直しが進められています。また、2027年度には介護報酬改定も予定されており、介護事業所では新たな制度への対応が求められます。

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