介護の基礎知識
混合介護とは?いつから解禁なの?メリット・デメリットや始め方
- 公開日:2026年08月21日
- 更新日:2026年08月21日
介護保険サービスでは、要介護度やケアプランに基づいて、提供できるサービス内容や時間、回数が決められています。そのため、利用者や家族から「もう少し長く見守ってほしい」「家族分の家事もお願いしたい」「趣味の外出に付き添ってほしい」といった希望があっても、介護保険サービスとしては対応できない場合があります。
こうした介護保険だけでは対応しきれないニーズに応える方法として注目されているのが、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて提供する「混合介護」です。
混合介護を活用することで、利用者や家族の多様な希望に応えやすくなり、事業所にとってもサービスの幅を広げるきっかけになります。一方で、介護保険内サービスと介護保険外サービスの区分があいまいになると、利用者とのトラブルや不適切な請求につながる可能性もあるため、正しい理解と運用が欠かせません。
この記事では、混合介護の基本的な考え方や、いつから利用できるのか、介護事業所が提供するメリット・デメリット、始める際の流れや注意点についてわかりやすく解説します。
「混合介護」とは
混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて提供することを指します。たとえば、訪問介護で利用者本人の生活援助を行った後に、介護保険外サービスとして家族分の家事や庭の草取りを行うケース、通所介護の利用前後に自費サービスとして見守りや付き添いを行うケースなどが考えられます。
介護保険サービスでは、要介護度やケアプランに基づいて、利用できるサービスの内容や回数、範囲が決められています。そのため、利用者や家族が希望する内容であっても、介護保険の対象として提供できない場合があります。たとえば、利用者本人ではなく家族のための家事、趣味や外出の付き添い、介護度によって決められている区分支給限度額を超えたサービスの提供は介護保険の対象外となることがあります。
このような介護保険だけでは対応できないニーズに応えるために、混合介護が提供されるケースがあります。
介護事業所が混合介護を導入するメリット・デメリット
介護事業所が混合介護を導入する際はメリット・デメリットが存在します。メリット・デメリットを踏まえた上で導入を検討しましょう。
介護事業所が混合介護を提供するメリット
事業所の経営が安定する
介護事業所の中には、介護保険サービスの介護報酬のみでは経営が厳しい中小規模の事業所もあります。介護保険外サービスは価格を自由に設定できるため、介護事業所にとって新たな収益源となる可能性があり、継続契約が取れれば固定収入になります。
介護保険サービスは3年に1回の介護報酬改定により基本報酬が変わりますが、介護保険サービスに加えて介護保険外サービスを提供することで、報酬改定に左右されない収入源を確保することができます。将来的に保険収入だけだと先細りとなる可能性がありますが、介護保険外サービスを提供することで売上の底上げが可能です。
サービス向上につながる
介護保険サービスでは、制度上提供できる内容や時間、回数に制限があるため、介護保険サービスだけでは利用者や家族から要望があっても対応できない場合があります。介護保険外サービスを組み合わせることで、こうした介護保険だけでは対応しきれないニーズに応えやすくなり、利用者の生活により寄り添った支援が可能になります。
他事業所との差別化が行える
介護保険サービスは、制度に基づいて提供されるため、サービス内容や提供時間に一定のルールがあります。そのため、同じサービス種別の事業所では、提供できる内容に大きな差を出しにくい面があります。一方で、介護保険外サービスを組み合わせることで、事業所独自のサービスを提供しやすくなります。たとえば、外出付き添い、長時間の見守り、家族分の家事支援、買い物代行、自費リハビリなど、利用者や家族の困りごとに合わせた柔軟な支援を用意できます。
「介護保険では対応できないことも相談できる事業所」として認知されれば、利用者や家族にとって安心感につながります。また、ケアマネジャーからも、幅広いニーズに対応できる事業所として紹介されやすくなる可能性があります。
特に、地域内に同じような介護サービスを提供する事業所が多い場合、介護保険外サービスの有無は選ばれる理由のひとつになり、他事業所との差別化を図りやすくなります。
利用者家族の負担を減らすことができる
混合介護を提供することで、利用者本人だけでなく、家族の負担軽減にもつながります。介護保険サービスだけの場合、支援が足りない分は、家族が補っているケースも少なくありません。たとえば、家族が仕事をしている間の見守り、通院や買い物への付き添い、家族分を含めた家事支援などを介護保険外サービスとして提供できれば、家族の時間的・身体的な負担を減らしやすくなります。
また、同じ事業所に介護保険サービスと介護保険外サービスを相談できることで、家族にとっても安心感があります。別の事業者を探したり、サービス内容を一から説明したりする手間が減るため、介護に関する相談先を一本化しやすくなります。
介護事業所が混合介護を提供するデメリット
介護保険サービスと介護保険外サービスの区別が煩雑になる
介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて提供する場合、介護保険サービスと介護保険外サービスを明確に区別する手間が発生します。
具体的には、どの時間が介護保険サービスで、どの時間が介護保険外サービスなのかを分けて記録し、料金やサービス内容も別々に管理する必要があります。利用者や家族に対しても、「どこまでが介護保険の対象で、どこからが全額自己負担になるのか」を事前に説明しておくことが重要です。
介護保険内サービスと介護保険外サービスの区分があいまいなまま運用してしまうと、利用者との認識違いが起きたり、不適切な請求と判断されたりする可能性があります。混合介護を行う際は、提供時間、サービス内容、料金、記録、会計処理を明確に分け、職員間でも同じルールで対応できる体制を整えておくことが大切です。
介護保険外サービスの消費税についての配慮が必要になる
介護保険サービスは、社会福祉を目的としたサービスのため、原則として消費税が非課税とされています。
一方で、介護保険外サービスは、介護保険制度の対象外となる自費サービスです。そのため、サービス内容によっては消費税の課税対象となります。
料金表を作成する際は、利用者や家族が支払額をイメージしやすいように、税込価格で表示するなどの配慮も必要です。税抜価格だけを表示していると、実際の請求時に「思っていた金額と違う」と感じられる可能性があります。
また、事業者の年間売上高が一定の基準を超えると、消費税の納税義務を持つ「課税事業者」となります。介護保険サービスと介護保険外サービスの両方を提供している場合は、売上の区分経理がより複雑になるため、必要に応じて税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。
資格や許認可が必要な場合がある
提供する介護保険外サービスの内容によって、資格や許認可が必要になる場合があります。資格や許認可の例は以下の通りです。
| 介護保険外サービス | 資格や許認可 |
|---|---|
| 配食サービス | 都道府県の許可が必要です。外食業と同様に、食品衛生責任者の設置が義務付けられています。 |
| 移送・送迎サービス | 介護事業者ではない会社や個人が介護タクシーを開業する場合、「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の許可が必要です。 |
| マッサージサービス | 施術者として訪問マッサージを開業する場合は、「あん摩マッサージ指圧師」や「鍼灸師」といった国家資格が必要です。 |
| ベビーシッター | 「認可外の居宅訪問型保育事業」として自治体への届出が必要。 |
| ペットのお世話 | 第一種動物取扱業として都道府県知事または政令指定都市の長への登録が必要です。 |
| 不用品回収 | 古物商許可申請が必要です。 |
| 訪問理美容サービス | サービス提供者は有効な美容師または理容師の免許を保持している必要があります。多くの自治体では、訪問理美容サービスを開始する前に業務届出の提出が求められます。保健所への確認なども地域によっては必要となる場合があります。 |
特に食品関係や、人の送迎や物の運輸を担うもの、医療・美容については免許や必要な資格については、地方自治体の相談窓口で確認する必要があります。病院の付き添いサービスは、送迎を含まず、かつ医療行為を行わなければ、特別な許認可は必要ありません。
利用者の自立を妨げるリスクがある
混合介護は、利用者や家族の困りごとに柔軟に対応できる一方で、サービスを提供しすぎることで、利用者の自立を妨げてしまうリスクがあります。
介護サービスでは、利用者ができないことをすべて代わりに行うのではなく、本人ができることはできる限り自分で行えるよう支援することが大切です。しかし、介護保険外サービスは利用者や家族の希望に応じて提供しやすいため、本来は利用者自身でできることまで職員が行ってしまう可能性があります。たとえば、少し時間をかければ本人ができる家事や身の回りのことを、介護保険外サービスとしてすべて代行してしまうと、身体機能や生活意欲の低下につながるおそれがあります。
そのため、混合介護を提供する際は、単に「依頼されたことを行う」のではなく、利用者本人の状態や生活目標を踏まえて、どこまで支援するべきかを判断することが重要です。本人ができることは見守りや声かけにとどめるなど、自立支援の視点を持ってサービス内容を決める必要があります。
不要なサービスを提供するリスクが高まる
混合介護では、介護保険外サービスを組み合わせることで柔軟な支援ができる一方、事業者側の利益を優先して、利用者にとって必要性の低いサービスまで提案してしまうリスクがあります。
特に、介護や医療、リハビリなど専門的な知識が関わるサービスでは、利用者や家族が内容の妥当性を判断しにくい場合があります。そのため、事業者からすすめられたサービスを十分に理解しないまま契約してしまう可能性もあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、サービスを提供する前に、本当にその支援が利用者の生活に必要なのかを丁寧に確認することが大切です。また、料金がサービス内容に見合っているか、他の支援方法で代替できないか、契約内容やキャンセル規定に不明点がないかなども確認しておく必要があります。
事業所は、単に介護保険外サービスを追加するのではなく、利用者本人の状態や生活課題、家族の負担を踏まえたうえで、必要なサービスを適切に提案する姿勢が求められます。
混合介護の解禁とは?
混合介護という考え方自体は、以前から存在していました。
ただし、介護保険サービスと介護保険外サービスをどのように組み合わせて提供できるのか、運用上のルールが分かりにくい部分もあり、事業所にとっては取り組みにくい面がありました。
こうした課題を受けて、厚生労働省では、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて提供する場合の考え方や注意点を整理し、事業所が適切に運用できるようルールの明確化を進めてきました。
また、東京都と豊島区では、2018年度から「選択的介護モデル事業」として、混合介護の仕組みを試験的に導入しています。この取り組みでは、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせることで、利用者の選択肢を広げられるか、事業所の運営上どのような課題があるかなどが検証されています。
「介護保険外サービス」とは
介護保険外サービスとは、介護保険制度の対象外となるサービスのことです。
介護保険サービスでは、要介護度やケアプランに基づいて、利用できるサービスの内容や回数、範囲が決められています。そのため、利用者や家族が希望する内容であっても、介護保険の対象として提供できない場合があります。
たとえば、利用者本人ではなく家族のための家事、趣味や外出の付き添い、介護度によって決められている区分支給限度額を超えたサービスの提供は介護保険の対象外となることがあります。
このような介護保険では対応できないニーズに応えるサービスが、介護保険外サービスです。介護保険外サービスは、原則として利用者が全額自己負担で利用します。
介護保険サービスと介護保険外サービスとの違い
介護保険サービスは、介護保険制度に基づいて提供されるサービスです。利用者は所得や年齢などに応じて、原則1割〜3割を自己負担し、残りは介護保険から給付されます。
一方、介護保険外サービスは介護保険の給付対象ではないため、費用は基本的に全額自己負担となります。その代わり、介護保険サービスでは対応しにくい内容にも、柔軟に対応しやすい点が特徴です。
介護保険サービスと介護保険外サービスの違いは以下の通りです。
| 介護保険サービス | 介護保険外サービス | |
|---|---|---|
| 費用 | 原則1割〜3割の自己負担 | 原則として全額自己負担 |
| 対象者 | 要介護認定・要支援認定を受けた本人 | 介護認定を受けていない人や、利用者の家族なども利用可能 |
| 内容 | ケアプランに基づく支援 | 事業者が定めた自由度の高い支援 |
| 時間 | 制度やケアプランの範囲内 | 合意により延長・調整しやすい |
介護保険で対応「できること」「できないこと」
介護保険外サービスとはなにかを理解する上で、介護保険で対応できることと、できないこと(介護保険外サービスとして提供すべき範囲)を整理しておくことが大切です。
介護保険のサービスは、利用者本人の日常生活を支えることを目的としています。そのため、利用者本人ではなく家族のために行う家事や、日常生活に支障がない範囲の作業などは、介護保険の対象になりません。
以下では、訪問介護などでよくある内容をもとに、介護保険で対応「できること」「できないこと」の例を紹介します。
| サービス分類 | 介護保険サービスで「できること」 | 介護保険外サービスとなる「できないこと」の例 |
|---|---|---|
| 家事援助 | 本人の食事準備、本人の部屋の掃除、日常的な洗濯 | 家族分の食事準備、来客対応、庭の草むしり、窓拭き、大掃除、ペットの世話 |
| 外出支援 | 通院の付き添い、日用品の買い物同行 | 趣味のための外出、冠婚葬祭の付き添い、お墓参り、デパートでの買い物同行 |
| 身体介護 | 入浴介助、排泄介助、食事介助 | 指定時間を超える長時間の見守りや介護、散歩の付き添い |
このように、利用者の生活をより快適にしたり、ご家族の負担を軽くしたりするための支援であっても、介護保険の対象にならないケースは少なくありません。現場では、「できれば対応してあげたい」と感じる場面があっても、制度上は介護保険サービスとして提供できないことがあります。こうした点は、職員にとっても判断に迷いやすく、利用者や家族との認識違いが起こりやすい部分です。
介護保険外サービスは儲かるの?
介護保険外サービスは成長分野のため、儲かる可能性は十分にあります。経済産業省は、PHRや健康経営などの推進により、介護保険外サービスの市場は2020年の5兆円から2050年には18.9兆円に拡大すると予測しています。高齢化に伴い需要が拡大し、特に生活支援関連のサービスが顕著に拡大する見込みとのことです。
PHRとは、Personal Health Recordの略で、健康診断結果、服薬情報、歩数、血圧、睡眠、食事など、個人の健康に関する情報をデジタルで管理・活用する仕組みです。
また、健康経営とは、企業が従業員の健康づくりを経営上の重要な取り組みとして進める考え方です。
出典:厚生労働省「今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像~」P5(PDF P6)
【介護事業所向け】混合介護の始め方
ここからは、既存の介護事業所が介護保険外サービスを事業として始める際の基本的な流れを解説します。
「介護保険外サービスに興味はあるものの、何から準備すればよいかわからない」という経営者や管理者の方も多いのではないでしょうか。介護保険外サービスは、自由度が高い一方で、サービス内容や料金、契約内容、運営ルールをあいまいにしたまま始めると、利用者とのトラブルや行政指導につながるおそれもあります。
以下では、既存の介護事業所が混合介護を始めるための主なステップを紹介します。
ステップ1:事業コンセプトとサービス内容・対象者を決める
まずは、誰に向けて、どのような介護保険外サービスを提供するのかを明確にします。
介護保険外サービスといっても、家事代行、外出付き添い、見守り、自費リハビリ、買い物支援、ペットの世話など、提供できるサービスはさまざまです。すべてに対応しようとするのではなく、自事業所の強みや地域のニーズに合わせて、提供するサービスを絞り込むことが重要です。
たとえば、地域に一人暮らしの高齢者が多い場合は、安否確認や家事支援を組み合わせたサービスが考えられます。専門職が在籍している事業所であれば、自費リハビリや生活機能維持を目的としたサービスを検討することもできます。
既存の介護事業を行っている場合は、現在の利用者や家族から寄せられている相談内容を整理すると、ニーズを把握しやすくなります。
サービス内容があいまいなままだと、利用者に魅力が伝わりにくく、他社との差別化も難しくなります。どのような困りごとを解決するサービスなのかを明確にし、利用者や家族にとってわかりやすい内容に整理しましょう。
ステップ2:許認可や資格・届出が必要なサービスか確認する
提供するサービス内容が決まったら、許認可や資格、届出が必要なサービスに該当しないかを確認します。
介護保険外サービスは、介護保険の対象外となる自費サービスとして提供できますが、どのような内容でも自由に提供できるわけではありません。サービスの内容によっては、介護保険とは別の法令に基づく許認可や届出、資格が必要になる場合があります。
たとえば、配食サービス、利用者の送迎、訪問理美容、マッサージ、ペットの世話、不用品回収などを行う場合は、それぞれ関係する制度や自治体のルールを確認する必要があります。
特に、食品を扱うサービス、利用者を車で送迎するサービス、医療・施術に近いサービス、理美容サービス、ペットに関するサービス、不用品の回収・買取などは、事前に自治体、保健所、運輸支局、警察署、関係団体などへ確認しておくと安心です。
ステップ3:事業計画と資金計画を立てる
介護保険外サービスを安定して続けるためには、事前に事業計画を立てておくことが大切です。まずは、サービス開始に必要な初期費用を洗い出します。備品の購入費、車両費、広告宣伝費、チラシやパンフレットの制作費、ホームページ作成費などが必要になる場合があります。あわせて、毎月発生する運営費用も確認します。人件費、交通費、通信費、保険料、システム利用料、広告費などを想定し、どの程度の売上があれば事業を継続できるのかを計算します。
料金設定を行う際は、地域の相場や競合サービスの価格だけでなく、スタッフの人件費、移動時間、サービス提供にかかる負担も考慮する必要があります。安すぎる価格にすると利用者は集まりやすくなりますが、継続的な運営が難しくなる可能性があります。自己資金だけで開始が難しい場合は、融資や補助金・助成金の活用を検討する方法もあります。創業融資や自治体の支援制度などを利用できる場合もあるため、商工会議所や金融機関、専門家に相談しながら準備を進めるとよいでしょう。
事業計画を作成しておくことで、収支の見通しを立てやすくなるだけでなく、融資や補助金を申請する際にも説明しやすくなります。
ステップ4:運営ルールを整備する
最後に、介護保険外サービス提供に関するルールを整えておきます。
介護保険サービスでは、人員基準、設備基準、運営基準などが制度上細かく定められています。一方で、介護保険外サービスは、介護保険サービスのような指定基準がないものも多く、サービス内容や料金、対応範囲などを事業所側で明確に決めておく必要があります。
運用ルールがあいまいなままサービスを開始すると、利用者や家族との認識違いが起きたり、クレームや料金トラブルにつながったりする可能性があります。また、介護保険サービスとあわせて提供する場合は、介護保険内サービスと介護保険外サービスの区分が不明確にならないよう注意が必要です。
そのため、サービス開始前に、サービス内容や料金、キャンセル時の対応などを文書で説明し、利用者や家族と契約を交わしておくことが大切です。
特に、以下の点は事前に明確にしておきましょう。
- サービスの明確化:提供するサービスの内容と範囲を具体的に説明し、介護保険サービスとの違いを明確にする必要があります。
- 料金設定:介護保険外サービスは全額自己負担となるため、わかりやすい料金設定が重要になります。
- 法令遵守:提供するサービスによっては、特定の許認可や資格が必要な場合があります。サービス提供の要件を備えていることを説明しておく必要があります。
- 個人情報保護:利用者の個人情報を適切に管理するための規定を設ける必要があります。
- 安全管理:サービス提供時の事故防止や万一事故や緊急事態が起きた場合の対応を定める必要があります。
介護保険外サービスは自由度が高い一方で、事業所ごとの管理体制が重要になります。開始前にルールを文書化し、職員間で共有しておくことで、利用者や家族に安心して利用してもらいやすくなります。
混合介護を提供している事業所の事例紹介
ここでは、混合介護を提供している事業所の例を紹介します。自事業所で介護保険外サービスを検討する際の参考にしてみてください。
アースサポート株式会社
アースサポート株式会社は、訪問入浴をメイン事業として、日常生活に必要な在宅介護サービスをトータルに展開しています。
「おてがるプラン」では、自社の介護サービス利用時に限り、10分550円から介護保険外サービスの利用が可能。ご家族の家事支援や掃除、家電製品の困りごとや郵便物の仕分けや発送など、日常のちょこっとしたお困りごとの解消に活用できます。
例えば、ヘルパーさんが来た時に、介護保険の対象とならない、流し台の下の掃除や食料品の整理をしてほしいという利用者の要望に対して、月1回60分の介護保険外サービスの提供を行うことで、「今まで気になっていた介護保険ではできない部分のお掃除をしてもらい、気持ちにゆとりができました。自費サービスを組み合わせることで、家族の困りごとにも対応してもらうことができ、とても快適に暮らすことができるようになりました。(80代・女性)」といった利用者の声があります。
株式会社大起エンゼルヘルプ
株式会社大起エンゼルヘルプは、「今までと変わらない生活」を一日も長く続けていただくためのサポートをご提供することを基本スタンスとして、「生活支援」サービスを提供する介護事業所です。
株式会社大起エンゼルヘルプでは、訪問介護の介護保険外サービス、「ねこの手ブラウニー」を提供しています。介護保険では算定できない通院時の待ち時間や大掃除に該当する換気扇掃除や窓ふき、冠婚葬祭の付添、旅行の付添など、いつもきているヘルパーさんにお願いしたい事があれば対応が可能です。価格帯は1時間(日中帯8:00~18:00まで) 2,530円(税抜き2,300円)
(早朝・夜間・深夜帯)3,300円(税抜き3,000円)院内の待ち時間30分 1,650円(税抜き1,500円) 1時間だと2,530円になります。
株式会社日本エルダリーケアサービス
株式会社日本エルダリーケアサービスは、訪問介護、居宅介護支援、通所介護を提供する介護事業所です。介護保険外サービスとして、「暮らし応援サービス」を提供しており、炊事や洗濯、掃除、マッサージ、買い物代行といった日常の細かな困り事に対応することができます。
1時間あたりの生活サービスは3,850円(税込)、身体サービスは4,620円(税込)ですが、自社での介護保険サービスの前後に連続で利用の場合は15分962円と、短時間から利用することができます。
介護保険外サービスでもヘルパー2級以上の有資格者が対応するので安心です。
まとめ
混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて提供する方法です。介護保険サービスでは対応できない家族分の家事、長時間の見守り、外出付き添い、自費リハビリなどを介護保険外サービスとして提供することで、利用者や家族の幅広いニーズに応えやすくなります。
介護事業所にとっても、混合介護は新たな収益源の確保や他事業所との差別化につながる可能性があります。介護保険では対応しきれない困りごとにも相談できる事業所として認知されれば、利用者や家族、ケアマネジャーから選ばれる理由にもなります。
一方で、混合介護を提供する際は注意点もあります。介護保険内サービスと介護保険外サービスの区分があいまいなまま運用すると、不適切な請求や利用者との認識違いにつながるおそれがあります。また、利用者の自立を妨げたり、必要性の低いサービスを提供してしまったりするリスクにも注意が必要です。
混合介護を始める場合は、サービス内容、提供時間、料金、契約書類、記録、請求管理などを明確に整理しておくことが大切です。利用者や家族に対しても、どこまでが介護保険サービスで、どこからが介護保険外サービスなのかを丁寧に説明し、同意を得たうえで提供する必要があります。
混合介護は、適切に運用すれば、利用者の生活をより柔軟に支え、家族の負担軽減にもつながる取り組みです。介護保険サービスだけでは対応しきれないニーズを把握し、自事業所の強みを活かした介護保険外サービスを検討していきましょう。
混合介護の請求管理には介護ソフトの活用がおすすめ
介護事業所で介護保険サービスを提供する場合、国保連への請求分とは別に、利用者負担分の請求書を作成する必要があります。混合介護を提供する場合は、保険分の自己負担額に加えて、自費サービスの利用料もあわせて管理する必要がありますが、介護保険分と介護保険外サービスを別々に手作業で管理していると、請求漏れや金額の確認ミス、転記ミスが発生しやすくなります。
介護ソフトのトリケアトプスでは、介護保険サービスの自己負担分と、介護保険外サービスの利用料を含めた利用者請求書の作成が可能です。介護保険分と介護保険外サービスをまとめて請求書に反映できるため、利用者や家族にとっても請求内容を確認しやすくなります。事業所側にとっても、毎月の利用者請求業務を効率化し、請求漏れや確認作業の負担を減らしやすくなります。
また、介護保険外サービスを事業として継続していくためには、どの利用者が、いつ、どのサービスを利用し、いくら請求するのかを正確に管理することが大切です。トリケアトプスを活用することで、日々の実績や請求情報を整理しながら、介護保険分と介護保険外サービスを含めた請求業務をスムーズに進められます。
介護保険外サービスを始める際は、サービス内容や料金表の整備だけでなく、請求書作成や入金管理まで見据えた運用体制を整えておくことが重要です。利用者請求を効率化したい事業所は、介護ソフトを活用して、介護保険分と介護保険外サービスをまとめて管理できる仕組みを準備しておくと安心です。
トリケアトプスは、最大3ヶ月間の無料体験を実施しています。 この機会にトリケアトプスをぜひお試しください。