無料体験お申込み 資料請求・お問い合わせ

介護の基礎知識

「区分支給限度基準額」をわかりやすく解説|適用外のサービスや加算とは?

  • 公開日:2026年09月25日
  • 更新日:2026年09月25日

介護保険サービスでは、要介護度ごとに1か月あたりに利用できるサービス量の上限が定められています。これを「区分支給限度基準額」といいます。

区分支給限度基準額の範囲内であれば、利用者は原則として1割〜3割の自己負担で介護保険サービスを利用できます。一方で、限度額を超えてサービスを利用した場合、超えた分は介護保険の給付対象外となり、原則として利用者の全額自己負担になります。

そのため、ケアプランを作成するケアマネジャーや、実績・請求業務を行う介護事業所にとって、区分支給限度基準額の考え方を正しく理解しておくことはとても重要です。

また、介護保険サービスの中には、区分支給限度基準額の対象になるサービスと、対象外となるサービスがあります。さらに、加算や減算の中にも、限度額管理に含めるものと含めないものがあるため、請求時には注意が必要です。

この記事では、区分支給限度基準額の基本的な考え方や、適用されないサービス、限度額管理に含まれない加算・減算、限度額を超えた場合の扱いについてわかりやすく解説します。

区分支給限度基準額とは

区分支給限度基準額とは、要介護度ごとに定められている、1か月あたりに介護保険で利用できるサービス量の上限のことです。

介護保険サービスでは、どれだけサービスを受けても、全てに介護保険が適用されるわけではありません。要支援1~要介護5の要介護度ごとに、1か月に利用できる単位数の上限が決められており、その範囲内であれば、利用者は原則として1割〜3割の自己負担でサービスを利用できます。

たとえば、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与などを組み合わせて利用する場合、それぞれのサービス単位数を合計して、区分支給限度基準額の範囲内に収まっていることで介護保険の範囲でサービス利用を行うことができます。

この限度額を超えてサービスを利用することもできますが、超えた分については介護保険の給付対象外となり、原則として利用者の全額自己負担になります。そのため、ケアプラン作成時や実績確認時には、区分支給限度基準額に対してどれくらいの単位数を使用しているかを把握しておくことが重要です。

【2024年最新】区分支給限度基準額の単位数

介護保険では、要支援1~要介護5の認定区分によって、月ごとの利用上限額が設けられています。これを「区分支給限度基準額」といいます。区分支給限度基準額とは、介護保険の要介護度別に1か月間で利用できる介護サービスの費用上限を「単位数」で定めたものです。認定区分ごとの区分支給限度額の単位数と、金額目安の表は以下の通りです。

要介護度 支給限度基準額(単位) 金額目安(1単位=10円換算)
要支援1 5,032単位 約50,320円
要支援2 10,531単位 約105,310円
要介護1 16,765単位 約167,650円
要介護2 19,705単位 約197,050円
要介護3 27,048単位 約270,480円
要介護4 30,938単位 約309,380円
要介護5 36,217単位 約362,170円

上記の表から分かる通り、介護度が高いほど支給限度基準額が多くなっています。介護度が高いほど介護にかかる手間が多く、その分サービス量が増えるためです。

表の単位は1単位10円で換算しています。1単位あたりの単価はサービス種類や地域区分によって異なり、単位数に1単位あたりの単価(10円~11.40円)を掛けることで、金額への換算が行えます。サービスごとの単価は、自宅を訪問して行うサービスは人件費の割合が高くなる傾向があります。

サービス種類ごとの1単位あたりの単価の表は以下の通りです。例として表内では地域単価は1級地(東京都特別区)にて記載しております。

人件費割合 サービス 地域単価(1級地)
70% 居宅介護支援、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護 11.40円
55% 小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護 11.10円
45% 通所介護、短期入所療養介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護、介護療養型医療施設、認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型通所介護、介護医療院 10.90円
0% 居宅療養管理指導、福祉用具貸与 10円

1単位あたりの単価について詳しくは以下のブログをご参照ください。

【2024年最新版】介護報酬の地域区分一覧|1単位あたりの単価について

区分支給限度額が適用されるサービス一覧

介護保険では、介護度によって基本報酬の単位数が変わるサービスと変わらないサービスがあります。

介護度によって単位数が変わるサービスの場合、介護度が増えて区分支給限度額の枠が増えたとしても、介護度が高くなれば、その分単位数も高くなるため、必ずしも利用できる回数が増えるとは限らないので注意しましょう。

介護度で単位数が変わるサービス

介護度によって単位数が変わるサービスは、介護度が重い方が介護の手間や職員の負担が大きいことから、そのように設定されています。

要介護度によって単位数が変わるサービスは以下の通りです。

  • 通所介護(デイサービス)
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 療養通所介護
  • 通所リハビリテーション
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 特定施設入居者生活介護

 

介護度によって単位数がどの程度変動するのか、代表的な3つのサービスの例を以下にまとめました。

通所介護(通常規模)
7〜8時間
通所リハビリ(老健・通常規模)
7〜8時間
短期入所生活介護
(併設型多床室)
要介護1 658単位 762単位 603単位
要介護2 777単位 903単位 672単位
要介護3 900単位 1046単位 745単位
要介護4 1023単位 1215単位 815単位
要介護5 1148単位 1379単位 884単位

要介護度で単位数が変わらないサービス

要介護度によって単位数が変動するサービスもありますが、変動しないサービスもあります。要介護度によって単位数が変わらないサービスは以下の通りです。

  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 福祉用具貸与

 

これらのサービスは介護度による単位数の変動がなく、基本報酬の単位数は固定されていますが、利用した時間数や回数、サービスの内容、加算によって単位数が変動することはあります。また、要介護の場合は同じ単位数に統一されていますが、要支援の場合、市町村によって単位数が異なる可能性があります。

区分支給限度基準額の対象外となるサービスとその理由

区分支給限度基準額は多くの介護保険サービスに適用されますが、一部のサービスには適用されません。

区分支給限度基準額は、基本的には在宅で複数の居宅サービスを組み合わせて利用する場合に、介護保険で利用できる1か月の上限枠を管理するための仕組みです。

そのため、サービスの性質上「月の利用量を限度額の枠で調整するものではないサービス」や「別の報酬体系で管理されるサービス」は、区分支給限度基準額の対象外になります。以下では、適用されないサービスの例と、その理由を解説します。

居宅療養管理指導

居宅療養管理指導は、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが、利用者の自宅を訪問して療養上の管理や指導を行うサービスです。

このサービスは、訪問介護や通所介護のように「利用者の生活支援や身体介護を何回利用するか」を調整するサービスではなく、医療的な管理・指導を目的としたサービスです。

また、居宅療養管理指導は、職種や対象者、同一建物居住者かどうかなどに応じて、介護報酬上で算定回数や単位数の上限が定められています。つまり、区分支給限度基準額の枠で管理しなくても、サービス自体の報酬ルールの中で一定の上限管理がされるため、区分支給限度基準額の対象外となります。

施設サービス

施設サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などに入所して受けるサービスです。

区分支給限度基準額は、在宅で生活する利用者が、訪問介護、通所介護、短期入所、福祉用具貸与などを組み合わせて利用する際に、1か月の利用上限を管理する考え方です。

一方、施設サービスは、施設に入所して包括的に介護サービスを受ける仕組みです。サービスごとに利用回数を組み合わせるのではなく、施設での生活全体に対して、要介護度や施設の種類などに応じた報酬が設定されているため、区分支給限度基準額の対象外となります。

居宅介護支援

居宅介護支援は、ケアマネジャーが居宅サービス計画、いわゆるケアプランを作成し、サービス事業所との連絡調整や給付管理を行うサービスです。

これらは、利用者に直接介護サービスを提供するものではなく、利用者が適切にサービスを利用できるように計画作成・調整・管理を行うサービスです。区分支給限度基準額は、訪問介護や通所介護など、実際に利用する介護サービスの量を管理するための枠です。一方、居宅介護支援は、その枠の中でサービスを調整する側の役割を持っています。

また、居宅介護支援費は、2026年9月現在、原則として利用者負担が発生しない仕組みです。利用者が「ケアプラン作成に限度額の枠を使う」という考え方ではないため、区分支給限度基準額の対象外になります。

区分支給限度基準額に含まれない加算・減算

加算や減算の中には、区分支給限度基準額の対象外となるものがあります。これは、加算・減算の性質や制度上の公平性を考慮して、基本サービス費とは別に管理されるためです。ここでは、代表的な加算・減算ごとに、対象外となる理由を解説します。

サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算は、介護福祉士の配置割合や勤続年数の長い職員の割合など、事業所のサービス提供体制を評価する加算です。

この加算は、利用者がサービスを多く利用したことに対する評価ではなく、事業所の体制や職員配置に対する評価として算定されます。そのため、利用者の1か月のサービス利用量を管理する区分支給限度基準額には含めずに取り扱われます。

ただし、限度額に含まれないからといって、利用者負担が発生しないわけではありません。保険給付の対象となる加算であれば、利用者は負担割合に応じた自己負担額を支払う必要があります。

介護職員等処遇改善加算

介護職員等処遇改善加算は、介護職員などの賃金改善や職場環境の改善を目的とした加算です。

この加算も、サービス提供体制強化加算と同様に、利用者が追加でサービスを受けたことに対する単位数ではなく、介護職員の処遇改善を目的として算定されるものです。そのため、区分支給限度基準額の枠には含めずに取り扱われます。

もし処遇改善加算を限度額に含めてしまうと、同じサービス量を利用している利用者でも、事業所の加算状況によって限度額の残り枠が変わってしまいます。こうした不公平を避ける意味でも、処遇改善に関する加算は限度額管理の対象外とされています。

特別地域加算

特別地域加算は、離島や中山間地域など、サービス提供が難しい地域に所在する事業所を評価する加算です。

この加算は、サービス提供地域の地理的条件や移動負担を考慮したものです。利用者が通常より多くサービスを利用したことによって算定されるものではありません。そのため、特別地域加算を区分支給限度基準額に含めてしまうと、同じ回数のサービスを利用していても、特別地域に住む利用者の方が限度額を圧迫しやすくなってしまいます。

地域によって利用できるサービス量に差が出ないようにするため、特別地域加算は区分支給限度基準額の対象外として扱われます。

中山間地域等の小規模事業所加算

中山間地域等の小規模事業所加算は、中山間地域などで小規模にサービスを提供している事業所を評価する加算です。

中山間地域では、利用者宅までの移動距離が長くなったり、サービス提供の効率が下がったりすることがあります。この加算は、そうした地域特性や事業所運営上の負担を考慮して設けられています。

この加算も、利用者のサービス利用量そのものを増やすものではないため、区分支給限度基準額には含まれません。

中山間地域等提供加算

中山間地域等提供加算は、中山間地域等に居住する利用者に対して、通常の事業実施地域を越えてサービスを提供する場合などに算定される加算です。

この加算は、利用者が多くサービスを利用したことに対する評価ではなく、サービス提供に伴う移動負担や地域条件を評価するものです。そのため、区分支給限度基準額に含めてしまうと、中山間地域等に住む利用者の限度額だけが圧迫されやすくなります。地域による不利益を避けるため、この加算も限度額管理の対象外とされています。

同一建物減算

同一建物減算は、利用者が事業所と同一建物や同一敷地内の建物などに居住している場合に、一定の条件で単位数を減算するものです。

実際の請求では減算後の単位数で計算されますが、区分支給限度基準額の管理では、減算前の単位数を用います。これは、減算後の単位数で限度額管理を行うと、同一建物減算の対象者だけが同じ限度額内でより多くのサービスを利用できることになってしまうためです。

区分支給限度基準額に含まれない場合でも利用者負担は発生する

利用者やそのご家族のよくある勘違いとして、区分支給限度基準額に含まれない加算は利用者負担が発生しないという誤った認識をされているケースがあります。

区分支給限度基準額に含まれないとは、あくまで「限度額の枠を消費しない」という意味です。保険給付の対象となる加算であれば、利用者は負担割合に応じて1割〜3割を負担します。そのため、利用者や家族へ説明する際は、「限度額には含まれないが、自己負担額には反映される」と伝えると分かりやすいです。

参考:区分支給限度基準額について 参考:介護報酬の算定構造 介護サービス

区分支給限度額を超えるとオーバーが発生する

区分支給限度基準額の上限を超えた分は保険が効かず、全額自己負担(オーバー)となります。

通常、介護保険サービスでは1~3割が利用者の負担金として請求され、残りの7~9割が国保連に請求されます。

ですが、利用者の区分支給限度額を超えて介護サービスを提供すると、そのオーバー分は利用者に10割を請求することになります。

例えば、要介護2の区分支給限度基準額の単位数が19,705単位で、月に利用した単位数が合計20,000単位の場合、20,000-19,705=295単位が利用者の自己負担の対象となる計算です。この295単位は「限度額を超えたサービス提供」として、通常の1割〜3割負担とは別に請求されます。

区分支給限度基準額をオーバーした場合、どのサービスに自己負担が発生するの?

ケアマネジャーが割り振りを行う際、「どのサービスの分を自己負担にするか」の判断は、利用者の負担額が最も少なくなるように割り振るのが原則です。割り振るサービスによって自己負担が変わる理由は、先述の通り、サービスごとに1単位あたりの単価が異なるためです。

同じ100単位のサービスが全額自己負担となった場合も、福祉用具であれば1,000円、訪問介護であれば1,140円となります。このようにサービス種別ごとに金額が異なることから、限度額をオーバーした際には、同じケアプラン内のサービスでも、自己負担金額の安いサービス種別の事業所にオーバー分を配分し、自己負担とします。

そのため、「福祉用具貸与が全額自己負担になる」ケースが多く見られます。福祉用具貸与は全国一律10.00円と固定されており、他のサービスより単価が低いため、超過分の“受け皿”にされやすいのです。

※地域区分が「その他」の場合、いずれのサービスも1単位10.00円なので、サービス種別による単価の違いはありません。そのため、地域区分が「その他」の場合は支払いやすい事業所・もっともサービスを多く利用している事業所などが割り当てられます。

まとめ

区分支給限度基準額とは、要介護度ごとに定められている、1か月あたりに介護保険で利用できるサービス量の上限です。訪問介護や通所介護、福祉用具貸与など、複数の居宅サービスを組み合わせて利用する場合は、合計単位数が限度額の範囲内に収まっているかを確認する必要があります。

限度額の範囲内であれば、利用者は原則として1割〜3割の自己負担でサービスを利用できますが、限度額を超えた分は介護保険の給付対象外となり、原則として全額自己負担になります。そのため、サービス追加や実績変更があった場合は、限度額を超えていないか早めに確認することが大切です。

区分支給限度基準額は、利用者が介護保険内でサービスを利用できる毎月の「使える枠」です。この枠を正しく把握し、サービスごとの単位数や加算・減算の扱いを確認しながら、利用者にとって必要なサービスを無理なく組み合わせていきましょう。

介護ソフト「トリケアトプス」なら区分支給限度基準額の利用状況を確認しやすくなります

介護保険の限度額オーバーを防ぐためには、ケアプラン作成時や実績入力時に、現在どれくらい限度額を使っているのかを把握しておくことが大切です。

しかし、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与など複数のサービスを組み合わせている場合、手作業で単位数を集計し、限度額内に収まっているかを確認するのは手間がかかります。月の途中でサービス回数が増えたり、実績が予定と変わったりすると、気づかないうちに限度額を超えてしまうこともあります。

介護ソフト「トリケアトプス」では、予定や実績の入力内容をもとに単位数総合計が確認できるため、区分支給限度基準額に対してどれくらい利用しているかを確認しやすくなっており、限度額オーバーが発生しそうな場合にも早めに気づきやすくなります。

居宅支援事業所では、限度額オーバーが発生した場合でも、利用している単位数が最も多い事業所に自動で振り分けられるため、割り振り忘れが無くなります。手動で割り振りした単位数に変更することももちろん可能です。

さらに、区分支給限度基準額の対象となるサービス・対象外となるサービス、加算・減算の扱いについてもソフト側で判断し、国保連請求帳票や利用者請求書の作成につなげることができます。手作業で複雑な計算を行う必要がなくなるため、請求業務の手間や請求ミスの削減にも役立ちます。

トリケアトプスは業界最安値220円~利用できる、一気通貫型のクラウド型介護ソフトです。最大3ヶ月の無料体験も行っていただけますのでぜひこの機会にお試しください。

介護の基礎知識一覧へ