介護の基礎知識
【令和8年度介護報酬改定】居宅介護支援(ケアマネ)の処遇改善加算の単位数や算定要件とは
- 公開日:2026年01月23日
- 更新日:2026年01月27日
介護職員等処遇改善加算は、介護職員をはじめとする介護事業所で働く職員の賃金向上や職場環境の改善を目的とした加算で、介護業界における人材不足の解消を目指し設立されました。
今まで介護職員等処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援が対象サービスに新たに追加されることが決定しましたが、「どの要件を満たすと加算が受けられるの?」「ケアマネ事業所の加算率は?」など、迷われるケアマネ事業所さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、居宅介護支援事業所が処遇改善加算を受ける際に満たすべき加算要件や加算率、注意点を解説していきます。
ケアマネの処遇改善加算はいつから適応される?
令和8年6月1日から訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援が対象サービスに新たに追加されます。
ケアマネの介護職員等処遇改善加算の加算率
ケアマネの介護職員等処遇改善加算の加算率は2.1%です。令和8年度介護報酬改定以前から処遇改善加算の対象となるサービスは介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の区分ごとに加算率が異なりますが、令和8年度介護報酬改定にて追加されたサービスは区分によって加算率は変わりません。
ケアマネ事業所の介護職員処遇改善加算の算定単位数の計算方法
処遇改善加算の算定単位数の計算方法は、介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の1ヶ月あたりの総単位数に、2.1%の加算率を掛け合わせることで算出できます。
処遇改善加算の計算をするためには、まず1ヶ月あたりの総単位数を求めます。1ヶ月あたりの総単位数を求める計算式は、以下のとおりです。
- 1ヶ月あたりの総単位数 = 前年度1~12月の介護報酬総単位数 ÷ 12
1ヶ月あたりの総単位数が算出できたら、次の計算式で処遇改善加算の加算単位数を求めます。
- 加算単位数=1ヶ月あたりの総単位数×2.1%
ケアマネ事業所の処遇改善加算の算定要件
処遇改善加算の算定要件は「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つの要件区分に分かれます。令和8年度介護報酬改定以前から処遇改善加算の対象となるサービスは、要件をどの程度満たすかによって、介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の4つのどの区分に当てはまるかが決まりますが、ケアマネは(Ⅳ)に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件を区分ごとに1つ以上)または令和8年度特例要件を満たすことで算定が可能です。(要件を満たす見込みでも可能)
ケアマネが処遇改善加算を算定するために必要なキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件と令和8年度の特例要件は以下の通りです。
キャリアパス要件
(Ⅰ) 介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備する
(Ⅱ) 介護職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保する
a:研修機会の提供又は技術指導等の実施、介護職員の能力評価
b:資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)
職場環境等要件
2024年度の介護報酬改定により、介護職員等処遇改善加算に新たに「職場環境等要件」が導入されました。この要件は6つの区分に分かれており、従来よりも細分化され、より具体的な条件が設定されています。特に「生産性向上のための取組」については、定められた具体的な内容のうち2つ以上を満たすことが求められます。
入職促進に向けた取組
- 法人や事業所の経営理念やケア方針
- 人材育成方針、その実現のための施策
- 仕組みなどの明確化
- 事業者の共同による採用
- 人事ローテーション
- 研修のための制度構築
- 他産業からの転職者・主婦層・中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
- 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
資質の向上やキャリアアップに向けた支援
- 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
- 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
- エルダー・メンター制度等導入
- 上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保
両立支援・多様な働き方の推進
- 子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
- 職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
- 有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
- 有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている
腰痛を含む心身の健康管理
- 業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
- 短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断
- ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
- 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
- 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
生産性向上のための業務改善の取組
- 厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会 の活用等)を行っている
- 現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している
- 5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
- 業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
- 介護ソフトおよび情報端末の導入
- 介護ロボットの導入 ・業務内容の明確化と役割分担を行った上で、間接業務については、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担い、介護職員がケアに集中できる環境を整備
- 各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
やりがい・働きがいの醸成
- ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
- 地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
- 利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
- ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供
令和8年度特例要件
ケアプランデータ連携システムに加入(または見込み)であること。
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ケアマネ事業所の介護職員等処遇改善加算の取得手順
介護職員等処遇改善加算を算定するには、「体制等状況一覧表」「処遇改善計画書」「実績報告書」などの提出が必要です。 それぞれの書類には注意点があるため、取得に向けた流れとあわせて、以下で詳しく解説します。
手順①体制等状況一覧表(体制届出)を提出する
新加算等を算定するには、介護サービス事業ごとに「体制等状況一覧表」などの必要書類を提出する必要があります。
提出期限は、居宅系サービスは前月15日まで、施設系サービスは当月1日までとなっており、事業所の所在地を管轄する都道府県知事や市町村長へ提出します。
手順②処遇改善計画書の作成・提出
新加算等を算定するためには、改正後の基準に基づいた「処遇改善計画書」や「特定処遇改善計画書」を作成し、初めて算定する月の前々月末までに都道府県知事などへ提出する必要があります。
また、作成した書類は、根拠資料とともに2年間保存することが求められます。ただし、確認に十分な時間が確保できる場合、提出期限の延長が可能です。
加算算定により利用者の自己負担額が増加するため、加算取得前に重要事項説明書や同意書を更新し、利用者やその家族へ説明・交付し、同意を得ることが必要です。同意書の提出タイミングは明確には決まっていませんが、処遇改善計画書と同時期に提出する可能性が高いと考えられます。
手順③施策の実施
体制等状況一覧表(体制届出)の提出が完了し、処遇改善計画書の作成・提出が終わったら、計画書に基づいた施策を実行します。
手順④実績報告書の作成・提出
新加算等を算定した介護サービス事業所は、大臣基準告示に基づき、実績報告を別紙様式3-1および3-2に沿って作成し、各事業年度における最終の加算支払があった月の翌々月末までに、都道府県知事等へ提出する必要があります。
また、根拠資料は2年間保存することが求められます。
処遇改善加算を算定する際の注意点
処遇改善加算に関する書類・記録はしっかり保管する
処遇改善加算の実施状況は、運営指導の際に確認されます。以下の書類や記録が確認対象となるため、2年間は必ず保管しましょう。
- 処遇改善計画書・報告書
- 職員への周知方法
- 研修や職場環境の改善に関する記録
- 雇用契約書
- 給与の支払い状況(賃金台帳など)
- 職員への適切な分配が確認できる証憑
規程を変更した際は届出を忘れない
処遇改善加算の取得に伴い、運営規程や賃金規程などの作成・変更が必要となる場合があります。変更があった際は、以下の届出を忘れないよう注意しましょう。
- 運営規程 → 指定権者へ届出
- 賃金規程 → 労働基準監督署へ届出
加算以外の部分で賃金を引き下げない
処遇改善加算は、現在の賃金に上乗せして賃上げを行うためのものです。そのため、現在の賃金を引き下げ、その分を処遇改善加算で補填することはできません。
パートや派遣職員も加算の対象となる
2024年度の新処遇改善加算から、職種ごとの配分ルールが廃止されました。「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分しつつ、事業所内で柔軟な配分を認める」とされており、介護職員だけでなく、パートや派遣職員が加算の対象となりました。
賃金の配分は著しく偏ってはならない
職務内容や勤務実態に見合わない著しく偏った配分は禁止されています。例えば「一部の職員に加算を原資とする賃金改善を集中させる」「同一法人内の一部の事業所だけに賃金改善を集中させる」などは行わないよう注意しましょう。
最後に
令和8年6月1日から、今まで介護職員等処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援が対象サービスに新たに追加されると発表されました。
ケアマネの介護職員等処遇改善加算の加算率は2.1%で、算定要件は加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件を区分ごとに1つ以上)または令和8年度特例要件により算定が可能です。
ケアマネ事業所は処遇改善加算の要件をよく理解し、令和8年6月からの加算取得に向けて準備を進めましょう。
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