無料体験お申込み 資料請求・お問い合わせ

介護の基礎知識

介護保険請求に必要な介護給付費明細書(様式第二)の書き方や記載例

  • 公開日:2026年01月28日
  • 更新日:2026年01月28日

介護保険サービスを提供する事業所にとって、正確な請求業務は経営の根幹を支える重要な業務のひとつです。なかでも「介護給付費請求書(様式第一)」や「介護給付費明細書(様式第二)」の内容に誤りがあると、審査遅れや返戻、減額といったトラブルに繋がる可能性があります。しかし、書式の記載項目は細かく、記載ルールも複雑。新規開設したばかりの事業所や、初めて請求を担当するスタッフにとっては、どこに何を書けばいいのか戸惑うことも多いのではないでしょうか。

本記事では、「介護給付費明細書(様式第二)」の基本的な構成や記載項目の意味、実際の記載例を交えながら、わかりやすく解説します。これから請求業務を始める方はもちろん、すでに経験のある方の確認用にも活用いただける内容です。

介護給付費明細書(様式第二)とは?

介護給付費明細書(様式第二)は、介護保険制度に基づくサービス提供の対価として、事業所が国保連合会に対して報酬の支払いを求める公式な明細書で、利用者ごとに、サービス内容や単位数、給付費の内訳が記載されています。

介護サービス事業所は、毎月1日~10日までに介護給付費請求書(様式第一)と介護給付費明細書(様式第二)を電子請求(インターネット伝送)またはCD-Rにて提出します。

国保連は請求書類の内容を確認し、不備がなければ書類に基づいた介護報酬を事業所に支払います。

介護給付費の請求の流れ

出典:介護保険 | 山口県国民健康保険団体連合会

介護サービス事業所は、介護サービスの提供に対する対価として介護報酬を利用者様と国民健康保険連合会(国保連)に請求します。介護報酬のうち、1~3割を利用者の負担金として請求し、残りの7~9割を国保連に請求します。国保連は、保険者である市町村から委託を受けて、介護給付費などの審査や支払い業務を行います。

介護サービス事業所はサービス提供月の翌月10日までに1ヵ月分の介護給付費を国保連合会へ請求します。この時提出する請求書類が介護給付費請求書と介護給付費明細書になります。これらの請求帳票を国民健康保険団体連合会に提出すると、審査が行われ、居宅介護支援事業所が提出した請求書類と突合されます。間違いや不備がなければサービス提供月の翌々月に介護報酬が入金されます。

介護給付費請求業務(レセプト)の重要性

介護給付費請求がなぜ重要かというと、レセプト業務が正確でないと、介護事業所の収益が減少する可能性があるからです。

介護サービスの費用は、利用者が1割または2割を負担し、残りを介護事業所が一時的に立て替えます。この立て替えた費用を介護給付費として国保連に請求し、給付金として支払ってもらう仕組みです。このプロセスが滞ると、立て替えた費用が事業所負担となり、経営に影響を及ぼすため、安定した事業所運営のためにも正確な国保連請求書類の作成が重要です。

介護給付費明細書等の様式の種類

介護給付費明細書の様式は、提供する介護サービスによって異なります。介護サービスごとの介護給付費明細書の様式は以下の通りです。

様式の種類 様式名 対象サービス
様式第二 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
福祉用具貸与
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
様式第二の二 介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所リハビリテーション
介護予防福祉用具貸与
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
様式第二の三 様式第二の三 訪問型サービス費
通所型サービス費
その他の生活支援サービス費
様式第三 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所生活介護
様式第三の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所生活介護
様式第四 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(老健)
様式第四の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(老健)
様式第四の三 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(介護医療院)
様式第四の四 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(介護医療院)
様式第五 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(病院・診療所)
様式第五の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(病院・診療所)
様式第六 地域密着型サービス介護給付費明細書 認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
様式第六の二 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
様式第六の三 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 特定施設入居者生活介護(短期利用以外)
地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用以外)
様式第六の四 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防特定施設入居者生活介護
様式第六の五 地域密着型サービス介護給付費明細書 認知症対応型共同生活介護(短期利用)
様式第六の六 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用)
様式第六の七 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 特定施設入居者生活介護(短期利用)
地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用)
様式第七 居宅介護支援介護給付費明細書 居宅介護支援
様式第七の二 介護予防支援介護給付費明細書 介護予防支援
様式第七の三 介護予防・日常生活支援総合事業費明細書 介護予防ケアマネジメント
様式第八 施設サービス等・地域密着型サービス介護給付費明細書 介護福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
様式第九 施設サービス等介護給付費明細書 介護保健施設
様式第九の二 施設サービス等介護給付費明細書 介護医療院
様式第十 施設サービス等介護給付費明細書 介護療養型医療施設

介護給付費明細書(様式第二)の記載例

① 公費負担者番号・公費受給者番号・被保険者情報

利用者が公費受給の対象である場合は、受給者証等に記載されている公費負担者番号および公費受給者番号を記載します。また、介護保険被保険者証を確認し、被保険者番号、氏名・フリガナ、生年月日、性別、要介護状態区分、認定有効期間を記載します。

② サービス提供年月・保険者番号

介護サービスを提供した年月と、保険者となる市町村等の保険者番号を記載します。

③ 請求事業所の情報

請求を行う事業所について、事業所番号、事業所名称、所在地、電話番号を記載します。

④ 居宅介護サービス計画

居宅サービス計画を居宅介護支援事業所が作成している場合・小規模多機能型居宅介護または看護小規模多機能型居宅介護を利用している場合(※短期利用におけるセルフプランを除く)は、「居宅介護支援事業所作成」に丸を付け、当該事業所の事業所番号および名称を記載します。セルフプランの場合は、「被保険者自己作成」に丸を付けます。

⑤ 開始年月日・中止年月日

開始年月日には、利用者に初めてサービスを提供した年月日を記載します。前月以前から継続して利用している場合は原則記載不要ですが、小規模多機能型居宅介護および看護小規模多機能型居宅介護(短期利用を除く)では、前月以前からの継続利用であっても、最初の提供開始日を記載します。

中止年月日には、月の途中でサービス提供を中止した場合に、最後にサービスを提供した年月日を記載します。翌月以降もサービスを継続する場合は記載しません。中止した場合は、該当する中止理由に丸を付けます。

⑥ 介護給付費明細欄

利用者に提供したサービスについて、サービス内容、サービスコード、単位数、回数、サービス単位数(単位数×回数)、公費分回数、公費対象単位数を記載します。サービスコードは、介護給付費単位数サービスコード表で確認します。

⑦ 住所地特例対象者(介護給付費明細欄)

利用者が住所地特例の対象となり、特定地域密着型サービス等を利用した場合は、サービス内容、サービスコード、単位数、回数、サービス単位数、公費分回数、公費対象単位数に加え、施設所在地の保険者番号を記載します。

⑧ 請求額計算欄

サービスコード

提供したサービスの種類を示す2桁のコードを記載します。

サービス実日数

実際にサービスを提供した日数を記載します。

計画単位数

サービス提供票別表に記載された、当該サービス種類における区分支給限度基準内単位数を記載します。

限度額管理対象単位数

支給限度額管理の対象となるサービス単位数を記載します。

限度額管理対象外単位数

支給限度額管理の対象外となるサービス単位数を記載します。

給付単位数

「計画単位数」と「限度額管理対象単位数」のうち少ない方の単位数に、限度額管理対象外単位数を加えた単位数を記載します。

〈記載例〉
計画単位数:3,000単位
限度額管理対象単位数:2,000単位
限度額管理対象外単位数:1,000単位
→ 給付単位数:2,000+1,000=3,000単位

公費分単位数

公費対象単位数の合計と給付単位数のうち、少ない方の単位数を記載します。

単位数単価

事業所所在地に応じて定められた単位数単価を記載します。

保険請求額

給付単位数 × 単位数単価 × 保険給付率で算出した金額を記載します。

利用者負担額

(給付単位数 × 単位数単価)から、保険請求額、公費請求額、公費分本人負担額を差し引いた金額を記載します。

公費請求額

(公費分単位数 × 単位数単価)×(公費給付率-保険給付率)から、公費分本人負担額を差し引いた金額を記載します。
なお、公費給付率が100%で、保険給付対象単位数と公費対象単位数が同一の場合は、給付単位数 × 単位数単価 - 保険請求額 - 公費分本人負担額で算出します。

公費分本人負担

公費負担医療や生活保護受給者等で本人負担がある場合、その金額を記載します。

合計

保険請求額、利用者負担額、公費請求額、公費分本人負担額の合計を記載します。

⑨社会福祉法人等による利用者負担軽減欄

事業所を社会福祉法人等が運営し、利用者負担軽減の申出を行っている場合は、軽減率、本来の利用者負担額、軽減額、軽減後の利用者負担額を記載します。

介護給付費請求の流れ

以下は実際に介護サービスを提供するサービス提供事業所の一般的な介護給付費請求の流れとなります。

サービス提供事業所の毎月の請求・支払いスケジュール
毎月20日~月末頃まで:居宅介護支援事業所から、翌月分のサービス提供票・別表を受け取る。提供票の内容を確認し、翌月のサービス準備(シフト調整など)を行う。
翌月1日~末日:利用者へサービスを提供し、実績記録を随時入力・管理。
翌月5日~10日頃まで:居宅介護支援事業所へ実績を提出。実績に基づき、必要に応じてケアマネと調整・確認。
翌月10日まで:国保連合会に請求データを提出。
国保連合会への請求データ提出後:利用者への自己負担分の請求書を作成・発送。
翌々月末頃:国保連合会より給付費の入金(介護報酬の支払い)を受ける。利用者からの自己負担分の入金確認・管理を行う。

介護給付費請求業務でよく聞く「返戻」「過誤」「月遅れ請求」とは?

介護給付費請求業務では、「返戻」「過誤」「月遅れ請求」といった専門用語がよく使われます。これらはすべて「通常どおりに請求が通らなかったケース」を指しますが、それぞれ原因や対応方法が大きく異なります。それぞれの用語について、以下にてご説明します。

返戻

返戻とは、一度請求を送った後に、保険者や審査機関から請求内容に不備や誤りがあるとして差し戻されることを指します。返戻になると、再度請求内容を修正・確認してから再請求しなければなりません。返戻は、請求情報の不一致や記載ミス、サービス提供実績の不足などが原因で起こることが多いです。

返戻について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
介護保険請求の返戻とは?再請求のやり方やエラーコード

過誤

過誤とは、誤った内容で請求をしてしまうことを意味します。例えば、サービス内容の誤記載や対象外の加算を算定するなど、本来請求できない内容で請求した場合が該当します。過誤請求が発覚すると、保険者から返還請求や指導を受けることがあり、事業所側は訂正や返金を求められます。請求内容に誤りがあった場合は保険者へ過誤申立を行い、請求を取り下げて再請求する必要があります。

月遅れ請求

月遅れ請求とは、本来の請求月に介護給付費の請求が間に合わなかった場合に、翌月以降に遅れて請求を行うことを指します。
たとえば、5月に提供したサービスについて本来は6月10日までに請求すべきところ、事情があって間に合わなかった場合、7月以降に「5月分」として請求を行うのが「月遅れ請求」です。

介護給付費明細書の作成の注意点

介護給付費明細書の作成は、毎月の業務の中でも特に重要な作業です。正確に作成しなければ、返戻や事業所への入金遅延につながるため、以下のポイントに注意しましょう。

記載内容の正確性

介護給付費明細書の記載内容に誤りがあった場合、書類は返戻となり、修正後の再提出が必要です。返戻対応は事務負担が大きく、入金も1か月遅れるため、安定した事業所運営のためには記載内容の正確性に注意が必要です。記載の誤りが起こりやすいポイントは以下の通りです。

基本情報

基本情報に誤りがあると審査で即返戻となります。特にシステム入力時の変換ミスや、旧姓・改姓後の更新漏れ、被保険者番号の入力間違いや区分変更後の介護度の変更漏れに注意しましょう。

サービスコード

介護給付費明細書には、提供サービスに対応する正しいサービスコードを記載する必要があります。コードと提供内容が一致していない場合も、返戻の対象となるため要確認です。

単位数と加算減算

単位数計算の誤りや、加算・減算適用条件の間違いは返戻理由の上位に挙げられます。特に注意したいのが以下の項目です。

  • 同一日に複数サービス提供時の単位数上限
  • 夜間早朝・深夜加算の適用時間帯
  • 減算適用が必要な場合

修正履歴の管理体制を整える

請求内容に変更があった場合、修正履歴を残しておくことは事業所運営上も非常に重要です。
特に複数スタッフが請求業務に携わる場合、以下の項目がすぐに追える状態であることが、返戻対応や監査対応時に役立ちます。

  • 誰がいつどの項目を修正したか
  • 修正前の内容は何だったか

提出期限を厳守する

介護給付費請求書と明細書はサービス提供月の翌月10日までに提出する必要があります。例えば5月提供分であれば、6月10日が提出期限です。期限を過ぎると入金が1か月遅れ、キャッシュフローに影響します。さらに再提出が重なると、職員の負担も増えるため、締め日の管理を徹底しましょう。

介護保険請求業務(レセプト)でミスを減らすには?

介護保険請求帳票の返戻がされると、請求分の審査が行われず、支払いが次回以降に持ち越されます。その場合事業所の資金繰りに影響したり、請求の再申請を行うために追加の事務作業が発生し、介護職員の負担になります。安定した事業所運営のためにも、できるだけ返戻がされないようにミスのないレセプト業務を行うことが重要です。

介護保険請求業務のミスを減らすためには、以下の対策が有効です。

ケアマネジャーとサービス提供事業所の適切な連携

給付管理票と介護給付費明細書の内容に差異が生じないよう、定期的に情報を共有し、確認作業を徹底します。

ダブルチェック体制の構築

人的ミスはどれだけ注意しても発生します。請求書作成後は、必ず別の職員がダブルチェックを行い、誤記や入力漏れがないかを確認しましょう。また、チェックリストを活用することで、抜け漏れの防止ができます。

介護ソフトの活用

記録と請求データが連動する介護ソフトを導入することで、記録から実績への転記が不要になり、転記ミスがなくなります。また、自動計算機能やアラート機能など、請求ミスを防ぐための機能が搭載されています。

以上の対策を行うことで、ミスを防ぎ、介護保険請求業務をより正確に進めることが可能です。

まとめ

介護給付費明細書(様式第二)とは、介護保険サービス事業者が 国保連合会(国保連)へ介護報酬を請求する際に提出する請求書類の一つです。

介護給付費明細書(様式第二)を紙で作成する場合、様式の理解から記入項目の確認、転記ミスや記載漏れの防止など、細かな作業が多く、請求業務の負担になりがちです。特に月末・月初の忙しい時期には、「合っているか不安」「確認に時間がかかる」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。

その点、介護ソフトを利用すれば、利用実績やサービス内容をもとに介護給付費明細書が自動作成されるため、手書きや転記の手間を大きく減らすことができます。記載漏れや計算ミスの防止につながるだけでなく、確認作業もスムーズになり、請求業務全体の効率化が期待できます。

紙での書き方を正しく理解しておくことは重要ですが、日々の業務負担を軽減し、安心して請求業務を行うためには、介護ソフトの活用も有効な選択肢の一つです。請求業務に時間を取られがちな事業所こそ、業務の見直しとして導入を検討してみることをおすすめします。

介護ソフトのトリケアトプスは、最大3ヶ月間の無料体験を実施中。 体験期間中も国保連請求やサポートを含む全ての機能をお試しいただけます。 ぜひこの機会にトリケアトプスをお試しください。

介護の基礎知識一覧へ