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介護の基礎知識

【2026年度診療報酬改定】医療保険の訪問看護基本療養費・加算とは

  • 公開日:2026年07月24日
  • 更新日:2026年07月24日

医療保険による訪問看護では、訪問看護基本療養費を中心に、利用者の状態や訪問内容、提供体制に応じてさまざまな加算を組み合わせて算定します。

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、訪問看護における医療保険請求の訪問看護基本療養費や加算の区分が見直され、同一建物に居住する利用者の人数等に応じたきめ細かな評価がされるようになりました。

本記事では、2026年度(令和8年度)診療報酬改定に対応した医療保険の訪問看護基本療養費や加算の構造、算定料の考え方についてわかりやすく解説します。

訪問看護基本療養費の構造

訪問看護基本療養費は、提供体制や対象となる利用者の状態などに応じて、(Ⅰ)~(Ⅲ)までの区分に分かれており、(Ⅰ)と(Ⅱ)は訪問看護サービスを提供する職種によってさらにイ・ロ・ハ・ニに分かれます。また、各種加算の算定要件を満たすことで、基本療養費に加えて加算を算定できます。

訪問看護基本療養費の類型

  • 訪問看護基本療養費(Ⅰ)イ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅰ)ロ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅰ)ハ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅰ)ニ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅱ)イ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅱ)ロ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅱ)ハ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅱ)ニ
  • 訪問看護基本療養費(Ⅲ)

訪問看護基本療養費の加算

  • 緊急訪問看護加算
  • 深夜訪問看護加算
  • 長時間訪問看護加算
  • 特別地域訪問看護加算
  • 難病等複数回訪問加算
  • 乳幼児加算
  • 複数名訪問看護加算
  • 夜間・早朝訪問看護加算

2026年度(令和8年度)報酬改定後の訪問看護基本療養費の算定料

訪問看護基本療養費(Ⅰ)

訪問看護基本療養費(Ⅰ)とは、同一建物居住者以外の利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する基本療養費です。算定料は以下の通りです。

週3日目まで 週4日目以降

イ 看護師等

5,550円 6,550円

ロ 准看護師等

5,050円 6,050円

ハ 緩和ケア、褥瘡ケア、人工肛門・人工膀胱ケアの専門研修を受けた看護師

12,850円

ニ 理学療法士等

5,550円

訪問看護基本療養費(Ⅱ)

訪問看護基本療養費(Ⅱ)とは、同一日に同一建物居住者(同一の敷地内の建物に居住する利用者を含む)である利用者に対して、訪問看護サービスを提供した場合に算定する基本療養費です。

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、訪問看護における同一建物居住者に対する評価の見直しが行われました。訪問看護基本療養費(Ⅱ)の算定要件が、1月当たりの訪問日数や同一建物に居住する利用者の人数について、いままで「3人以上」で一括りだった区分が、「3〜9人」「10〜19人」「20〜49人」「50人以上」と細かく刻まれるようになりました。算定料は以下の通りです。

同一日の人数 2人 3人以上9人以下 10人以上19人以下 20人以上49人以下 50人以上

イ 看護師

週3日目まで5,550円
週4日目以降6,550円
週3日目まで2,780円
週4日目以降3,280円
月20日目まで2,760円
月21日目以降2,660円
月20日目まで2,710円
月21日目以降2,610円
月20日目まで2,610円
月21日目以降2,510円

ロ 准看護師等

週3日目まで5,050円
週4日目以降6,050円
週3日目まで2,530円
週4日目以降3,030円
月20日目まで2,520円
月21日目以降2,420円
月20日目まで2,470円
月21日目以降2,370円
月20日目まで2,370円
月21日目以降2,270円

ハ 緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門・人工膀胱ケアの専門研修を受けた看護師

12,850円

ニ 理学療法士等

5,550円 2,780円 月20日目まで2,760円
月21日目以降2,660円
月20日目まで2,710円
月21日目以降2,610円
月20日目まで2,610円
月21日目以降2,510円

「同一敷地内建物等」の定義

同一敷地内建物等とは、「事業所と構造上または外観上、一体となっている建物」、または「同一敷地内や隣接する敷地にあり、効率的なサービス提供が可能な建物」を指します。具体的には、事業所が同じ建物内の別フロアにある場合や、渡り廊下でつながっている建物、同じ敷地内の別棟、狭い道路を挟んで隣接している建物などが該当します。

※建物の運営・管理者と訪問看護ステーションが異なる運営法人であっても、同一建物として扱います。
※同一敷地内建物であっても、効率的なサービス提供につながらない場合には、減算が適用されません。例えば、「広大な敷地に複数の建物が点在する場合」「隣接する敷地であっても、道路や河川などに敷地が隔てられており、横断するために迂回しなければならない場合」などです。

参考:同一建物減算|静岡県

訪問看護基本療養費(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いとは?

訪問看護基本療養費(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは、訪問看護を提供する利用者が「同一建物居住者」に該当するかどうかです。

訪問看護基本療養費(Ⅰ)は、同一建物居住者に該当しない利用者に対して訪問看護を行った場合に算定する基本的な区分です。一般的に、利用者さまの自宅へ個別に訪問する場合などは、この訪問看護基本療養費(Ⅰ)に該当します。

一方、訪問看護基本療養費(Ⅱ)は、同じ建物や同一敷地内の建物に住んでいる複数の利用者に対し、同じ訪問看護ステーションが同じ日に訪問看護を提供する場合に算定する区分です。たとえば、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、同じ建物内に複数の利用者がいる場合に関係しやすい区分です。

訪問看護基本療養費(Ⅲ)

訪問看護基本療養費(Ⅲ)とは、基準公示第2の2に定められる「特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者」、「特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者」、「その他在宅療養に備えた一時的な外泊に当たり、訪問看護が必要であると認められた者」に訪問看護サービスを提供した場合に算定する基本療養費です。

「その他在宅療養に備えた一時的な外泊に当たり、訪問看護が必要であると認められた者」については、入院中に1回限り算定でき、「特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者」、「特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者」については、入院中に2回まで算定できます。算定料は以下の通りです。

8,500円

訪問看護基本療養費(Ⅲ)の対象者

<特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者>

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
  • 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレ―ガー症候群)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頚髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

 

<特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者>

  • 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
  • 在宅気管切開患者指導管理
  • 気管カニューレの使用
  • 留置カテーテルの使用
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理
  • 在宅血液透析指導管理
  • 在宅酸素療法指導管理
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  • 在宅自己導尿指導管理
  • 在宅人工呼吸指導管理
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  • 在宅自己疼痛管理指導管理
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理
  • 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理
  • 人工肛門、人工膀胱の設置
  • 真皮を越える褥瘡
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定

2026年度(令和8年度)報酬改定後の訪問看護基本療養費の加算の算定料

医療保険による訪問看護では、算定要件を満たすことで、基本療養費に加えて加算を算定できます。

2026年度の診療報酬改定では、基本単価だけでなく、加算についても「同一建物」での効率性が厳しく評価されるようになりました。訪問看護基本療養費や訪問看護基本療養費、夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算、複数名訪問看護加算・複数名精神科訪問看護加算などの加算の区分が細分化されています。

また、適切な看護時間を確保するため、訪問時間は基本療養費・加算共に「30分以上を標準」とし、「20分を下回る場合」は算定できなくなりました。

頻回の訪問看護を必要とする利用者に、高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションにおいて24時間体制で対応を行う場合については、包括型訪問看護療養費が新設されています。包括型訪問看護療養費以外を算定する場合は、同一建物居住者に同一日に当該加算等を算定している人数、および1月あたりの算定日数に応じた評価に見直されます。

緊急訪問看護加算

緊急訪問看護加算は、緊急の指定訪問看護を行った場合に算定できる加算です。1日につき1回限りの算定になり、対応を行った場合は、主治医に利用者の病状を報告する必要があります。また、場合によっては特別指示書の交付を受け、訪問看護計画を見直します。

2,650円

深夜訪問看護加算

深夜訪問看護加算は、深夜の時間帯に訪問看護を行った場合に算定できる加算です。

同一建物内1人または2人 同一建物内3人以上9人以下 同一建物内10人以上19人以下 同一建物内20人以上49人以下 同一建物内50人以上
4,200円 月15日目まで 4,200円
月16日目以降 4,000円
月15日目まで 3,900円
月16日目以降 2,300円
月15日目まで2,100円
月16日目以降 1,500円
月15日目まで 1,800円
月16日目以降 1,300円

長時間訪問看護加算

長時間訪問看護加算は、長時間の訪問を要する利用者に対して、1回の訪問看護の時間が1時間30分(90分)を超えた場合に、1人の利用者に対して週1日に限り算定できる加算です。

長時間の訪問を要する利用者の条件は以下の通りです。

  • 特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている利用者
  • 15歳未満の超重症児または準超重症児の利用者
  • 特別管理加算の対象になる利用者
5,200円

特別地域訪問看護加算

特別地域訪問看護加算とは、離島や過疎地域等のサービスの確保が困難な地域におけるサービスの実施を評価する加算です。算定要件を満たす場合、特別地域訪問看護加算として、所定額の100分の50に相当する額を加算します。

所定額の50%

難病等複数回訪問加算

難病等複数回訪問加算は、難病等の理由で1日に何度も訪問看護が必要な利用者に対して算定可能な加算です。

同一建物内1人または2人 同一建物内3人以上9人以下 同一建物内10人以上19人以下 同一建物内20人以上49人以下 同一建物内50人以上
1日に2回の場合 4,500円 4,000円 3,700円 3,500円 3,300円
1日に3回以上の場合 8,000円 月20日目まで7,200円
月21日目以降6,900円
月20日目まで6,300円
月21日目以降5,200円
月20日目まで4,800円
月21日目以降3,500円
月20日目まで4,100円
月21日目以降3,000円

乳幼児加算

乳幼児加算は、6歳未満の利用者に対して訪問看護を実施した場合に1日につき1回を上限として算定できる加算です。

1,400円

複数名訪問看護加算

複数名訪問看護加算は、複数名で訪問看護を行った場合に算定できる加算です。

イ:特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
ロ:特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者
ハ:特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者
ニ:暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者
ホ:利用者の身体的理由により1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる者
ヘ:その他利用者の状況等から判断して、イからホのいずれかに準ずると認められる者

参考:22_令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】
指定訪問看護の実施者 同時に訪問する者 算定日数等 同一建物内1人または2人 同一建物内3人以上9人以下 同一建物内10人以上19人以下 同一建物内20人以上49人以下 同一建物内50人以上
イ~ニ 看護職員 看護師等(准看護師を除く) 週1日 4,500円 4,000円 3,400円 3,000円 2,700円
イ~ニ 看護職員 准看護師 週1日 3,800円 3,400円 2,800円 2,500円 2,200円
ニ~ヘ 看護職員 その他職員 週3日 3,000円 2,700円 2,100円 1,900円 1,600円
イ~ハ 看護職員 その他職員 1日に1回 3,000円 2,700円 2,100円 1,900円 1,600円
イ~ハ 看護職員 その他職員 1日に2回 6,000円 5,400円 3,800円 3,450円 3,300円
イ~ハ 看護職員 その他職員 1日に3回 10,000円 9,000円 5,500円 4,800円 4,500円

夜間・早朝訪問看護加算

夜間・早朝訪問看護加算は夜間・早朝に訪問看護を行った場合に算定できる加算です。

同一建物内1人または2人 同一建物内3人以上9人以下 同一建物内10人以上19人以下 同一建物内20人以上49人以下 同一建物内50人以上
2,100円 月15日目まで 2,100円
月16日目以降 1,900円
月15日目まで 1,800円
月16日目以降 1,300円
月15日目まで1,200円
月16日目以降 950円
月15日目まで 1,000円
月16日目以降 800円

最後に

この記事は、作成時点で入手可能な最新の資料や情報に基づいています。制度の具体的な解釈や申請手続きについては、最新の情報を随時ご確認のうえ、自治体などの担当窓口にお問い合わせください。

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