【1月】高齢者向けお正月にもぴったりの冬のレクリエーション集｜介護施設・デイサービス向け

1月は新年が始まり、気持ちを新たにスタートできる時期です。寒さが続く中でも、利用者の皆さんが「今年も良い一年になりそう」と前向きに過ごせるよう、季節感のあるレクリエーションを取り入れたいですね。本ブログでは、1月におすすめの高齢者向けレクリエーションをまとめました。日々の活動に取り入れて、利用者様との温かいひとときをお楽しみください。

以下では1月のレクリエーションのポイントをご紹介します。

1月は一年の始まりとして気持ちを新たにできる季節です。冬の澄んだ空気やお正月らしい雰囲気を感じられるよう、干支をテーマにした創作活動や、羽根つきやかるたなど、お正月らしいレクリエーションを取り入れましょう。季節の話題を共有することで、会話のきっかけづくりにもつながります。

お正月レクでは、書初め・福笑い・すごろく・羽根つきなど、世代に馴染みのある遊びを取り入れると、自然と笑顔が広がります。「今年一年をどう過ごしたいか」を考える時期でもあるため、今年の目標を立てるのも生活に張りが出ます。

1月は気温が低く、体が冷えやすい時期です。室内の温度管理に気をつけながら、軽い体操やストレッチなど無理なく体を動かせる時間を取り入れましょう。手指を使うお正月飾りづくりやゲームは、血行促進やリハビリにもつながります。温かい飲み物を用意するなど、安心して参加できる環境づくりも大切です。

1月は、以下のようなイベントや記念日があります。1月1日～1月7日までの大正月に対して、1月15日までを小正月と呼びます。小正月には正月の飾り物を燃やす「どんと焼き（左義長）」や、災いを払う意味で「小豆粥」を食べる習慣があります。 1月7日の鏡開きは、お正月にお供えしていた鏡餅を下ろして、無病息災を願って食べる日本の伝統行事です。1月11日が一般的ですが、地域や家庭によって15日に行うこともあります。1月25日の初天神は天満宮の祭神である菅原道真の命日です。初天神では、1月25日に天満宮へ参拝し、学業成就や家内安全などを祈願します。

1月は、新しい一年の幕開けとして気持ちも前向きになれる季節です。お正月の華やいだ雰囲気や昔ながらの行事を楽しめる、特別な時期でもあります。介護施設でも、干支や初詣、書初めなど1月ならではの要素を取り入れることで、利用者様にとって思い出に残る時間をつくることができます。この章では、そんな1月ならではの楽しいレクリエーションをご紹介します。

昔ながらの正月遊びの羽根つきは、1年の厄をはね除け、健康と成長を願う意味があるとされています。介護施設のレクリエーションとして行う場合は、羽根の代わりに羽根の飾り付きの風船を使うことで、ラリーが続きやすく安全に楽しむことができます。気温が下がり、外に出る機会が少ない1月の運動不足・ストレスの解消になります。羽子板は市販のものはもちろん、手作りしても良いでしょう。

• 羽根つきの風船
• 羽子板

1. 準備
   参加者に羽子板を配り、説明を行います。
2. ルール説明
   2チームに分かれてラリーが何回続くか勝負します。多くラリーが続いたチームの勝ちです。利用者さんの状態に合わせて、職員がうちわなどで補助しましょう。

今回は、お正月の定番「福笑い」をアレンジした“フライング福笑い”をご紹介します。通常は目を閉じて行う福笑いですが、この遊びでは目を開けたまま、いすに座った状態で床の顔パーツめがけてパーツを投げ入れます。思ったところに置けそうで置けない、ほどよい難しさが特徴です。シンプルながらも場が和むレクリエーションとして取り入れやすいので、ぜひ参考にしてみてください。

• 福笑いの台紙（顔の輪郭）（床に置ける少し大きめサイズ）
• 目・鼻・口・眉などのパーツ（紙や厚紙で作ると投げやすい）
• 椅子
• 台紙を固定するためのテープや重り

1. 福笑いの台紙を床にセットする
   ズレないよう軽く固定します。
2. 参加者はイスに座る
   台紙から適度な距離を保ちます。
3. パーツを1つずつ投げ入れる
   参加者はパーツを、床の台紙に向かって投げ入れます。
4. 全パーツを投げ終えたら結果を確認
   どこに落ちたかを見て、みんなで完成した顔を楽しみます。

書初めは、利用者様の創造力や集中力を引き出すのにぴったりのレクリエーションです。書き初めで書く文字は、1年の抱負や新年にふさわしい言葉、干支を表す1文字を書くと良いでしょう。

＜書初めにおすすめの文字＞

• 迎春
• 新春
• 初春
• 賀正
• 寿
• 福
• 健康
• 感謝
• 希望
• 初日の出
• 初夢
• 若竹
• 瑞気

• 書道セット（筆、墨、硯、半紙、下敷き、文鎮）
• 新聞紙やビニールシート（机や床の汚れ防止）
• 見本の文字や言葉（「文化」「感謝」「秋」など季節や文化にちなんだ言葉）
• おしぼり・手拭きタオル（手の汚れ対策）
• （必要に応じて）椅子や机の高さ調整用クッション

1. 導入・テーマの説明
   書初めの由来や意味を簡単に紹介し、書きたい文字を選んでもらいます。
2. 道具の準備と説明
   書道道具の使い方を説明し、安全に配慮しながら準備を進めます。
3. 実際に書いてみる
   見本を見ながら、自由に書いてもらいます。筆の持ち方や書き順は、必要に応じてサポート。失敗しても大丈夫な雰囲気づくりが大切です。
4. 作品の鑑賞・共有
   書き終えたら、作品を並べて鑑賞会を行いましょう。「この字の力強さが素敵ですね」など、前向きな声かけを。
5. 作品の展示や持ち帰り
   書き初めをした後は、松の内（関東は1月7日、関西は1月15日）まで飾り、正月飾りなどと一緒におたき上げに出すのが慣習です。可能であれば、自治体や近くの神社に依頼するとよいでしょう。

「笑い初め」としてお正月に寄席に行く人も多く、落語鑑賞はお正月にぴったりのレクリエーションです。施設では落語の朗読やDVD鑑賞のレクリエーションとして楽しむことができます。

＜おすすめの有名落語＞

①寿限無
長すぎる名前を付けた子どもにまつわる定番落語。

②時そば
そば屋で「今なんどきだい？」と時間をごまかして得をし、別の男がそれを真似して逆に損をしてしまうというオチ。

③饅頭こわい
饅頭が怖いと言っていた男が、実は饅頭が大好きだとバレてしまう話。

④子ほめ
お世辞を言ってただ酒を飲もうとする男の失敗を描いた滑稽噺。

絵馬は、神社に初詣をする際に、その年の願い事を書いて奉納する板です。奈良時代には生きた馬を奉納していましたが、次第に板に馬の絵を描く方法に変わり、庶民の間にも広まりました。感染症が心配な冬はレクリエーションで絵馬を製作すれば、初詣に行けない利用者にもお正月らしさを感じてもらえます。加えて、折り紙や画用紙などで簡単に工作でき、準備費用があまりかからないのも絵馬作りのメリット。できあがった絵馬を廊下などに飾れば、ほかの人の願い事を眺める楽しみ方もできます。

• 絵馬の型紙（厚紙を絵馬の形に切ったもの）
  ※ダンボール紙・画用紙厚手でもOK
• 色ペン・色鉛筆・サインペン
• のり・両面テープ
• 折り紙（赤・金などお正月カラーが人気）
• 和柄シール、シールタイプの飾り
• 見本サンプル（1〜2個あると安心）
• テーブル用の下敷きシート（汚れ防止）

1. 絵馬の土台を渡す
   　絵馬の形に切っておいた厚紙を利用者に配ります。事前に紐を通す用に穴あけパンチで上部に穴を開けておきましょう。
2. 書き方を説明する
   　「健康」「笑顔で過ごす」「家族と仲良く」など、書きやすい例を提示すると参加しやすいです。
3. 願いごとを書く
   色ペンやサインペンで願いごとを記入します。
4. デザインづくりを楽しむ
   　折り紙やシールで飾り付けをします。職員が周りながら軽く手伝い、好みの色やテーマを聞きながら進めます。
5. 紐を通して仕上げる
   　仕上がった絵馬の上部の穴にテープや紐を通して完成です。
6. 施設内に飾る
   　エントランスや掲示板などに「願いごとコーナー」を作り絵馬を飾ります。

創作活動は手先を使い、脳を活性化させる効果が期待できます。風景を描く絵画レクリエーションや、ちぎり絵、お正月にちなんだ折り紙飾りなどが人気です。創作活動はそれぞれの利用者さんの状態によって難易度を調整できるので、幅広い方が楽しめるレクリエーションです。完成した作品を施設内に飾ることで、1月の雰囲気を演出できます。門松や紅白鶴、だるまや梅などお正月の折り紙の折り方は以下のリンクをご参考にしてください。

お正月をテーマにした楽曲を鑑賞したり、歌ったりする音楽レクリエーションです。さらに、簡単な楽器を使ったリズム遊びや合奏を取り入れると、より楽しい音楽レクリエーションになります。紙コップやペットボトルを活用した手作り楽器で、リズムを刻んでみましょう。また、参加者が順番に歌を歌う歌詞リレー形式にすることで歌詞が思い出せるかどうかを楽しみながら、記憶力や発声を鍛えられます。

• 雪列車／前川清
  冬の旅情の雪景色を列車の情景にのせて歌い上げる名曲。
• 春の海／宮城道雄
  春の海の様子やかもめの声などを描写した曲。
• 雪國／吉幾三
  失われた恋人を追いかけていく男性の心情を歌った正統派演歌です。

1月にまつわるクイズ大会を開きます。マルバツ問題にしたり、3択にすることで難易度が下がり、高齢者の方でも答えやすくなります。

問１：1月7日に食べると良いとされているものは？
①七草がゆ
②栗きんとん
③赤飯
→ 答え：①　七草がゆは無病息災を願い、1月7日に食べられます。正月で疲れた胃を休める役割もあります。

問2：七草がゆの七草にふくまれるのはどれ？
①ほうれん草
②せり
③水菜
→ 答え：②　春の七草…せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ

問3：おせち料理に「れんこん」を入れる理由は何でしょう？
①輪切りにするとかわいいから
②穴があいていて、先の見通しが良いとされるから
③保存がきく野菜だから
→ 答え：②　れんこんの穴から「先の見通しが良いように」と願いが込められています。

問4：1月の別名はどれでしょう？
①卯月（うづき）
②睦月（むつき）
③葉月（はづき）
→ 答え：②　1月は「睦月」と呼ばれ、家族・親戚が仲睦まじく集まる月という説があります。

問5：鏡もちの上にのせるのは【温州（うんしゅう）みかん】。○か×か？
答え：×　鏡もちの上にのせるのはミカン科の「ダイダイ」の実です。枝になった実が落ちずに、次の実ができても残ることから、長寿を願ってそなえられます。家が代々（ダイダイ）続くという意味も込められています。

1月にちなんだ言葉を使ったクロスワードパズルや、間違い探しゲームを取り入れましょう。

「1月」にちなんだ言葉の例

■お正月・行事

• おしょうがつ（お正月）
• はつもうで（初詣）
• はつゆめ（初夢）
• かがみもち（鏡餅）
• かがみびらき（鏡開き）
• しめかざり（しめ飾り）
• しちくさ（七草）
• ななくさがゆ（七草がゆ）
• かどまつ（門松）
• かきぞめ（書き初め）
• おみくじ
• おとそ
• おぞうに（お雑煮）

■ おせち料理

• くりきんとん（栗きんとん）
• れんこん
• たづくり
• くろまめ（黒豆）
• かずのこ
• こうはくかまぼこ（紅白かまぼこ）

■ 季節・自然

• ふゆ（冬）
• かんぱ（寒波）
• ゆき（雪）
• こおり（氷）
• はつひので（初日の出）
• だいやもんどふじ（ダイヤモンド富士）

■ 暦・言葉

• むつき（睦月）
• えと（干支）
• たつ（辰：干支）
• しょうがつそう（正月草…※七草の別名）

■ 神社・縁起

• えま（絵馬）
• だるま
• おまもり（お守り）
• おさいせん（お賽銭）

1月以外でも、一年を通して楽しめる室内レクリエーションを集めました。室内レクリエーションであれば、寒い1月でも気温や天候に左右されず、体力に不安がある方でも比較的安全に行えるため簡単に取り入れやすいレクリエーションです。

室内でできる運動ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。

• 風船
• 簡易ネット（タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整）
• コーンやテープ（プレイエリアの境界を作るため）

1. 参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2～4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
2. 風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ（最初の一発）は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
3. ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。

ペットボトルとボールを使用したボウリングも外に出られない日の気分転換に最適です。チーム制にするとより盛り上がります。

• 空のペットボトル 10本（500ml〜2Lのものがおすすめ）
• ボール（サッカーボールやビーチボールなど、転がしやすいもの）
• 水（ペットボトルの重りとして使用）
• ガムテープ（ピンの位置や投球ラインの目印用）

1. ペットボトルに少量の水を入れて重りにします。入れすぎると倒れにくくなるので、1/4程度が目安です。フタはしっかりと締めるようにしましょう。
2. ボウリングと同様に、三角形の形に並べます。各列の間隔は、ボールが転がりやすいように適度に広めにしましょう。ピンの位置にはテープなどで印をつけると、倒れた後の復元がスムーズです。
3. ペットボトルから2〜3メートルほど離れた位置に椅子を設置します。椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競います。

的に「10点」「30点」「50点」などの点数を書いて、的に当たった場所の点数を合計して遊びます。点数以外にも「梅」「門松」「今年の干支」など1月にちなんだ絵を入れて、当たった絵に応じたポイントや特典をつけるのも季節感が出ます。

• 的：画用紙や段ボールを使って円や四角の的を作り、点数を書き込む。市販の的を利用してもOK。
• ボール：安全で投げやすいもの
• テープやひも：参加者の座る位置や投げるラインを示す。
• ホワイトボードや紙：得点を記録するために使用。
• 椅子（必要に応じて）：座ったまま行う場合に使用。

1. 床や机の上に的を設置します。的には得点を表示します。的と参加者の距離は、参加者の身体状況に合わせて調整しましょう。無理なく届く距離にするのがポイントです。
2. 1人3回ずつボールを投げるなど、回数や順番を決めます。的に当たった場所の得点を合計し、高得点の人やチームが勝ちとなります。
3. 参加者が順番にボールを投げ、職員が得点を記録します。

1月は新しい一年の始まりとして、希望や節目を感じられるレクリエーションがぴったりです。お正月ならではの行事や季節の楽しみを取り入れることで、利用者の皆さまの会話も弾み、穏やかで明るい雰囲気が広がります。寒さが厳しい時期でもありますので、体調に配慮しながら、無理なく参加できる工夫をしつつ、心も体もほっとあたたまる時間を過ごしていただきましょう。