介護の基礎知識
【12月】高齢者向けクリスマスにもぴったりの冬のレクリエーション集|介護施設・デイサービス向け
- 公開日:2025年10月28日
- 更新日:2025年10月28日
12月はクリスマスや年末といったイベントが多く、1年の締めくくりとして利用者の皆さんと楽しく過ごしたい時期です。寒さが厳しくなる一方で、気持ちは明るく前向きに過ごしてもらえるよう、季節を感じられるレクリエーションを取り入れたいですね。
本ブログでは、12月におすすめの高齢者向けレクリエーションをまとめました。日々の活動に取り入れて、利用者様との楽しいひとときを過ごしてみてください。
12月のレクリエーションのポイント
以下では12月のレクリエーションのポイントをご紹介します。
季節感を取り入れる
12月は寒さが厳しくなる一方で、クリスマスや年末の雰囲気で気持ちも華やぐ季節です。雪をテーマにした工作や、冬の歌を楽しむ音楽レクなど、季節を感じられる工夫を取り入れましょう。五感で冬を感じることで、気分転換や会話のきっかけにもなります。
行事を活用する
12月には「クリスマス」や「冬至」など、施設でも盛り上がる行事が多くあります。クリスマス会では、飾りづくりやゲーム、プレゼント交換などを通じて笑顔あふれる時間を過ごしましょう。冬至には、ゆず湯やかぼちゃを題材にしたレクリエーションで、昔ながらの風習を楽しむのもおすすめです。
体調や安全に配慮する
冷え込みが一段と強くなる12月は、体調を崩しやすい時期です。室内でも温度差に注意しながら、無理のない範囲で体を動かせる軽運動や体操を取り入れましょう。手指を使う制作やゲームも、血行促進やリハビリ効果が期待できます。暖かい飲み物を用意するなど、安心して参加できる環境づくりも大切です。
年末イベントへの準備を始める
12月は、一年の締めくくりとして特別な行事が多い月です。年末のお楽しみ会や新年に向けた飾りづくりなど、先のイベントを一緒に準備する時間もレクリエーションのひとつです。みんなで協力して作業することで達成感を味わえ、年の瀬らしい温かい雰囲気を演出できます。
12月の行事や記念日
12月は、以下のようなイベントや記念日があります。12月6日の聖ニコラスの日は、ヨーロッパの各地で、子供がプレゼントをもらえる日とされています。聖ニコラスはサンタクロースのモデルになった人物です。冬至は1年で最も日が短い日。風邪を引かないよう「ゆず湯」に浸かったり、かぼちゃや小豆を炊いたものを食べたりと厄払いする風習があります。
| 12月上旬 | お歳暮 |
| 12月6日 | 聖ニコラスの日 |
| 12月8日 | 針供養の日 |
| 12月12日 | 今年の漢字発表日 |
| 12月13日 | 正月事始め(すす払い) |
| 12月22日 | 冬至 |
| 12月23日 | 上皇誕生日 |
| 12月24日 | クリスマス・イヴ |
| 12月25日 | クリスマス |
| 12月31日 | 大晦日 |
12月ならではのレクリエーション
12月は、クリスマスや年末行事など、1年の中でも特にイベントが多く、利用者の皆さんが楽しみにされている時期です。寒さが厳しくなる中でも、季節を感じながら心が温まる時間を過ごしていただけるよう、冬ならではのレクリエーションを取り入れましょう。ここでは、施設やデイサービスで実践しやすいレクリエーションのアイデアをご紹介します。
クリスマスツリー飾り
クリスマスツリーの飾りを選んだり、配置を考えたりと、自然に会話が生まれやすく、協力して仕上げる達成感も味わえるレクリエーションです。飾りつけの後も事業所の雰囲気が一気に華やぎ、クリスマス気分を味わうことができます。オーナメントは市販のものはもちろん、手作りすることでより愛着をもって飾ることができ、より温かみのある仕上りになります。オーナメントの作り方は以下をご参考にしてください。
■準備する物
- クリスマスツリー(卓上サイズ~中型など、スペースに合ったもの)
- オーナメント(ボール、リボン、ベル、モールなど)
- LEDライト(コードレスや電池式が安全)
- ツリートップ(星や天使など)
- 画用紙・折り紙・フェルトなど(手作り飾り用)
- 両面テープ・ひも・はさみ・マーカーなど制作道具
- BGM(クリスマスソングなど)
■進め方
- 導入(雰囲気づくり)
まずはクリスマスソングを流したり、ツリーを見せながら「今年もこの季節が来ましたね」と季節の話題を共有します。 - 飾りづくり(工作レク)
折り紙やフェルトで星・靴下・プレゼント型などのオーナメントを作ります。「去年はどんな飾りだった?」「好きな色は?」など会話を楽しみながら進めましょう。 - 飾りつけ
利用者さんが届く高さのツリーを用意し、スタッフが安全を見守りながら飾りつけ。「ここに赤を足そうか」「もう少し上に」など声を掛け合いながら協力して完成を目指します。 - 点灯式(完成のお披露目)
全員でカウントダウンをしてライトを点灯。完成したツリーを囲んで記念撮影や、ちょっとしたお茶会を開くのもおすすめです。
サンタクロースのソリレース
ダンボールで作ったソリに風船のサンタクロースを乗せて糸でくるくる引き寄せ、誰が速くサンタクロースを引き寄せられるか競争するゲームです。椅子に座ったまま糸を引くだけなので、高齢者の方でも負担なく行えます。床が滑りにくい場合は、そりの底にビニールテープを貼るとスムーズに動きます。クリスマスソングを流すのも雰囲気が出るのでおすすめです。
■準備する物
- 風船
- 段ボール
- 画用紙(サンタクロースやソリなどの装飾用)
- タコ糸など長さのあるひも
- 巻き取り用の棒(割り箸やトイレットペーパーの芯など)
■進め方
- そりの上に風船のサンタクロースを乗せます。
- 糸の片端をそりに、もう片端を棒に結びます。
- 椅子に座ったまま、棒をくるくると回して糸を巻き取り、そりを手前に引き寄せましょう。
- 「よーいスタート!」の合図でスタートし、誰が一番早くサンタを引き寄せられるかを競います。
年賀状作成
年賀状作成は年末ならではの季節を感じられるレクリエーションです。家族や友人に向けて年賀状を作成することで、周囲に感謝を伝える良い機会になります。利用者の状態に合わせてスタンプやシールなどの素材を用意し、絵や文字を書くことが難しい方も作成できるように工夫するとみんなで楽しめます。
■準備する物
- 年賀はがき
- 色鉛筆・サインペン・スタンプ・絵の具など
- スタンプやシール・折り紙・マスキングテープなどの装飾用品
- 見本カード(干支・富士山・日の出・お正月のモチーフなど)
- ビニールシートや新聞紙(テーブルの汚れ防止用)
■進め方
- テーマを決める
「来年の干支」や「初日の出」など、いくつか描くテーマを決めましょう。スタッフがいくつか見本を用意しておくと、イメージしやすくなります。 - 下書きを描く
鉛筆で軽く下書きをしてから、ペンや絵の具で彩色します。文字を書くのが難しい方は、スタンプやシールを使ってもOKです。 - 自由に飾りつけ
折り紙で作った梅の花や、マスキングテープで縁取りをすると華やかになります。 - 乾かして展示
絵の具やのりが乾いたら、乾燥スペースに並べて飾りましょう。完成した年賀状を掲示板に貼ると、施設内が一気にお正月ムードに包まれます。 - 希望者には投函も
「家族に送りたい」「仲良しの利用者さん同士で交換したい」といった希望があれば、実際に郵送するのもおすすめです。
ゆず湯(冬至)
冬至は、一年のうちで最も夜が長く、昼が短い日。この日にゆず湯に入ると「風邪をひかずに冬を越せる」と昔から言い伝えられています。ゆずのさわやかな香りには、気分をリフレッシュさせ、血行を促す効果もあると言われています。ただし、皮膚がデリケートな方は、ゆずの成分が刺激になることもあるため、足湯にゆずを浮かべて香りを楽しむ方法も安全でおすすめです。湯気とともにふわっと広がる香りに包まれながら、心も体も温まる冬至のひとときを過ごしましょう。
■準備する物
- 洗面器や足湯用バケツ(人数分または共有用)
- お湯(40℃前後)
- ゆず(1~2個/1人分が目安)
- 布袋(ゆずをカットする場合は散らからないようにお茶パックやガーゼ袋など布袋を利用すると掃除が楽です)
- タオル(足拭き用)
- いす(安定して座れるもの)
■進め方
- 準備を整える
お湯を40℃前後に調整し、各自が座った状態で安全に足を浸せるように準備します。 - ゆずを入れる
ゆずを半分に切って布袋に入れ、お湯の中に浮かべます。まるごと入れる場合は竹串などで数ヶ所穴をあけておくと香りが広がりやすくなります。 - 香りと温かさを楽しむ
5〜10分ほど、ゆったりと足を浸してリラックスします。 - 終了後のケア
足をタオルでしっかり拭き、冷えないように靴下を履きます。滑って転倒しないように床の水気はよく拭き取りましょう。
お正月の箸袋作成
お正月の食卓を華やかに彩る「箸袋」。市販のものも素敵ですが、手作りすると季節を感じながら創作を楽しめるレクリエーションになります。自分で作った箸袋をお正月に使えば、より特別な気分で新年を迎えられます。利用者さんの好みに応じて色や柄を自由に選んでもらうことで好みに応じた箸袋を作成してもらいましょう。作り方は以下のページが参考になります。
■準備する物
- 和柄の折り紙(または色紙、包装紙など)
- のりまたは両面テープ
- はさみ
- ペンや筆ペン(名前やメッセージを書く用)
- シール・マスキングテープなどの飾り用素材
- 見本(完成イメージを1〜2種類用意)
■進め方
- 紙を選ぶ
好みの柄や色の紙を選びます。和柄や赤・金など、お正月らしい色合いがおすすめです。 - 折り方を説明する
スタッフが見本を見せながら、ゆっくり一緒に折っていきます。難しい場合は、折る部分を事前に軽く折り目をつけておくとスムーズです。 - のりづけをして形を整える
折り終えたら、のりやテープで留めて形を整えます。多少ずれても大丈夫。手作りならではの味わいを楽しみましょう。 - 飾りつけ・名前を書く
マスキングテープやシールで飾ったり、「○○様」「寿」などと筆ペンで書くと華やかに仕上がります。 - 完成・お披露目タイム
完成した箸袋を並べて鑑賞会をしても楽しい時間に。「お正月に使いましょう」など声をかけると、新年への楽しみも広がります。
12月の創作活動
創作活動は手先を使い、脳を活性化させる効果が期待できます。冬の風景を描く絵画レクリエーションや、ちぎり絵、クリスマスや冬にちなんだ折り紙飾りなどが人気です。創作活動はそれぞれの利用者さんの状態によって難易度を調整できるので、幅広い方が楽しめるレクリエーションです。完成した作品を施設内に飾ることで、12月の雰囲気を演出できます。折り紙の折り方は以下のリンクをご参考にしてください。
紅白歌合戦
大みそかの恒例番組といえば「NHK紅白歌合戦」。1951年から続く歴史ある音楽番組で、毎年楽しみにしている利用者さんも多いのではないでしょうか。この紅白歌合戦にちなんで、施設でも「紅白カラオケ大会」を開催するのもおすすめです。紅組と白組に分かれて歌の対抗戦にすれば、自然と応援の声も増えて盛り上がります。
人前で歌うのが恥ずかしい方や声を出すのが難しい方には、審査員として参加してもらうのも一案です。拍手や点数をつけるだけでも楽しく、みんなで年の締めくくりを明るく過ごせるレクリエーションになります。
12月のクイズ大会
12月にまつわるクイズ大会を開きます。マルバツ問題にしたり、3択にすることで難易度が下がり、高齢者の方でも答えやすくなります。
■問題例
問1:空気が乾燥しやすい冬、インフルエンザが流行しやすくなるのはなぜでしょう?
①寒いとウイルスが元気になるから
②乾燥するとウイルスが空気中に漂いやすくなるから
③人が外に出ないから
→ 答え:② 空気が乾燥すると、ウイルスが長く空気中を漂いやすくなり、感染しやすくなります。
問2:冬至の日に食べると良いとされているものは?
①おでん
②かぼちゃ
③おもち
→ 答え:② 冬至には「ん」がつく食べ物を食べると運がつくとされ、かぼちゃ(南瓜=なんきん)が代表です。
問3:クリスマスツリーに飾る常緑樹は、次のうちどれ?
①もみの木
②さくらの木
③けやきの木
→ 答え:① もみの木は冬でも葉を落とさないことから「永遠の命」を象徴するとされています。
問4:12月の別名は何でしょう?
①霜月(しもつき)
②師走(しわす)
③弥生(やよい)
→ 答え:② 12月は「師走」と呼ばれ、師(僧)が年末に走り回るほど忙しい時期という意味があります。
問5:除夜の鐘は何回鳴らすでしょう?
①99回
②108回
③120回
→ 答え:② 人の煩悩の数といわれる108回を除夜の鐘でつき、新しい年を清らかな気持ちで迎えます。
12月の脳トレ(クロスワードパズル・間違い探し)
12月にちなんだ言葉を使ったクロスワードパズルや、間違い探しゲームを取り入れましょう。
「12月」にちなんだ言葉の例
- クリスマス
- サンタクロース
- トナカイ
- プレゼント
- イルミネーション
- 忘年会
- 大晦日
- 年越しそば
- 除夜の鐘
- 冬至
- お歳暮
- 雪
- 霜柱(しもばしら)
- 氷
- 寒波
- 吐く息(はくいき)
- こたつ
- ストーブ
- マフラー
- 手袋
- ダウンコート
- 年賀状
- カレンダー
- 大掃除
- 鏡餅
- こたつ
- おでん
- 鍋
- みかん
- 湯たんぽ
- ゆきだるま
- そり
- もみのき
- ほし(星)
- てぶくろ
- くつした
- ろうそく
- 除夜(じょや)
- 師走(しわす)
- 丙午(ひのえうま)
一年を通して楽しめる室内レクリエーション
12月以外でも、一年を通して楽しめる室内レクリエーションを集めました。室内レクリエーションであれば、気温や天候に左右されず、体力に不安がある方でも比較的安全に行えるため簡単に取り入れやすいレクリエーションです。
風船バレー
室内でできる運動ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。
■準備するもの
- 風船
- 簡易ネット(タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整)
- コーンやテープ(プレイエリアの境界を作るため)
■進め方
- 参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2~4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
- 風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ(最初の一発)は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
- ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。
ペットボトルボウリング
ペットボトルとボールを使用したボウリングも外に出られない日の気分転換に最適です。チーム制にするとより盛り上がります。
■準備するもの
- 空のペットボトル 10本(500ml〜2Lのものがおすすめ)
- ボール(サッカーボールやビーチボールなど、転がしやすいもの)
- 水(ペットボトルの重りとして使用)
- ガムテープ(ピンの位置や投球ラインの目印用)
■進め方
- ペットボトルに少量の水を入れて重りにします。入れすぎると倒れにくくなるので、1/4程度が目安です。フタはしっかりと締めるようにしましょう。
- ボウリングと同様に、三角形の形に並べます。各列の間隔は、ボールが転がりやすいように適度に広めにしましょう。ピンの位置にはテープなどで印をつけると、倒れた後の復元がスムーズです。
- ペットボトルから2〜3メートルほど離れた位置に椅子を設置します。椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競います。
的当てゲーム
的に「10点」「30点」「50点」などの点数を書いて、的に当たった場所の点数を合計して遊びます。点数以外にも「サンタクロース」「トナカイ」「プレゼント」など12月にちなんだ絵を入れて、当たった絵に応じたポイントや特典をつけるのも季節感が出ます。
■準備するもの
- 的:画用紙や段ボールを使って円や四角の的を作り、点数を書き込む。市販の的を利用してもOK。
- ボール:安全で投げやすいもの
- テープやひも:参加者の座る位置や投げるラインを示す。
- ホワイトボードや紙:得点を記録するために使用。
- 椅子(必要に応じて):座ったまま行う場合に使用。
■進め方
- 床や机の上に的を設置します。的には得点を表示します。的と参加者の距離は、参加者の身体状況に合わせて調整しましょう。無理なく届く距離にするのがポイントです。
- 1人3回ずつボールを投げるなど、回数や順番を決めます。的に当たった場所の得点を合計し、高得点の人やチームが勝ちとなります。
- 参加者が順番にボールを投げ、職員が得点を記録します。
まとめ
12月は一年の締めくくりとして、感謝や温かさを共有できるレクリエーションがぴったりです。季節の行事や冬の風物詩を取り入れることで、利用者の方々の笑顔や交流の輪が広がります。体調を崩しやすい季節でもありますので、無理のない範囲で参加できるよう配慮しながら、心も体もあたたまる時間を過ごしていただきましょう。