介護の基礎知識
介護予防(要支援1・2)ケアプラン|1日・1年の目標文例集
- 公開日:2025年10月28日
- 更新日:2025年10月28日
要支援1・2の方に対するケアプラン(介護予防支援計画)は、介護予防を目的として作成されます。居宅サービス計画書と比べて作成機会が少ないため、「どのように書けばいいのか」と悩むケアマネジャーも多いのではないでしょうか。この記事では、介護予防ケアプランの文例集をまとめましたので、ケアプラン作成の際にご活用ください。
【介護サービス別】予防ケアプランの1日・1年の目標文例
居宅サービス計画書では半年~1年を見据えた長期目標と1〜3ヵ月で達成したい目標の短期目標を作成しますが、予防ケアプランでは健康や生活機能を維持するための1日・1年の目標を記載します。以下では実際の予防ケアプラン作成に役立つ1日・1年の目標文例を利用サービス別にご紹介します。
訪問介護
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 体調を整え、無理のない範囲で家事や身の回りのことを行う。 | 体調を保ちながら、自立した生活を継続できる。 |
| 使用した食器は当日中に洗い、台所を清潔に保つ。 | 清潔で整った環境の中で安心して暮らし続けられる。 |
| 1日1回、掃除機をかけて部屋を整える。 | 掃除や整理整頓を自分で行い、生活空間を快適に維持できる。 |
| 卓上や身の回りを整理し、整った状態を保つ。 | 身の回りの整理整頓を習慣化し、生活のリズムを安定して保てる。 |
| 1日1万歩を目安に歩行し、体力の維持を意識する。 | 体力を維持し、外出や買い物などを自分の役割として継続できる。 |
| 体調の良い日は全室の掃除機掛けを行う。 | 日常生活動作を維持し、在宅生活を継続できる。 |
| 毎日入浴または清拭を行い、清潔を保つ。 | 清潔保持を習慣化し、健康的に生活を続けられる。 |
| 夕食のおかずを一品作るなど、家事に関わる。 | 家庭内で役割を持ち、意欲的に生活を続けられる。 |
デイサービス・デイケア
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 食事の片付けなど、自分の役割を持って生活する。 | 体力を維持し、地域の趣味活動や公民館行事に参加できるようになる。 |
| 毎日、日記や家計簿をつける習慣を続ける。 | 買い物など外出の機会を増やし、一人で行動できる範囲を広げる。 |
| デイサービスでの活動を楽しみながら過ごす。 | 通所サービスを継続的に利用し、他者との交流を通して社会性を保つ。 |
| 転倒に注意しながら散歩や体操などの運動を続ける。 | 夫婦での外出や旅行などを楽しめる体力を維持する。 |
| 毎日、外に新聞を取りに行くなど外出の機会を持つ。 | 家事や洗濯などの動作を無理なく行える体力を保つ。 |
| 体調に気をつけながら、穏やかに楽しく過ごす。 | 心身ともに健やかに、前向きな気持ちで生活を続ける。 |
| 早寝早起きを心がけ、1日3食しっかり食べる。 | 規則正しい生活習慣を維持し、健康的に過ごす。 |
| 食事の量や内容に気をつけ、食べ過ぎを防ぐ。 | 適正な体重を維持し、生活習慣病を予防する。 |
| 日中はなるべく離床し、天気の良い日は外気浴や散歩を楽しむ。 | デイサービスでの機能訓練を意欲的に継続し、転倒を防止する。 |
| デイサービスで習った体操を毎日行う。 | 体力・筋力を向上させ、近所への外出ができるようになる。 |
| 朝のストレッチを習慣化する。 | 身体機能を維持し、転倒せずに安全に過ごすことができる。 |
| できる範囲の家事を自分で行う。 | 家庭菜園や花の手入れを通して、生活に張りを持つ。 |
| デイケアで教わった体操を自宅でも継続する。 | 下肢筋力を高め、転倒せずに安定した歩行ができるようになる。 |
| その日の自分の決めた日課をこなす。 | 以前できなかった家事や動作が少しずつ再び行えるようになる。 |
| デイケアのない日はラジオ体操やウォーキングを行う。 | 体力・筋力を回復し、趣味のグランドゴルフに復帰できるようになる。 |
| 日中はできるだけベッドから離れて過ごす。 | 体調を保ち、自立した在宅生活を継続することができる。 |
| 畑の水やりを毎日行う。 | 家族の一員として農作業などの家業を手伝いながら生活を続ける。 |
| 散歩を日課として続ける。 | 主婦としての役割を果たしながら、充実した日々を送ることができる。 |
福祉用具レンタル
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 歩行器を使用して自宅内や周辺で安全に歩行を続ける。 | 身体機能を向上させ、多点杖を使って歩行できるようになる。 |
| 自宅内を転倒せず、介助なしで移動できる。 | 近所を歩行車を使用して安全に散歩できるようになる。 |
| 歩行器で自宅周辺約60mの距離を毎日歩くことができる。 | 夫や長男夫婦と一緒に旅行に行ける体力を維持できる。 |
| お孫様の幼稚園バスの見送りに毎朝同行する。 | 歩行器を安全に使用し、近所のコンビニまで1人で歩行できるようになる。 |
| 慎重に歩行し、転倒を防ぐ。 | シルバーカーを使いこなし、近所の病院への通院が徒歩で可能になる。 |
| 転倒やつまずきを避けて安全に過ごす。 | 自宅2階の自室に介助なしで移動できるようになる。 |
| 1日の段取りを決めて、日課としている家事や活動をこなす。 | 現在できていることを継続し、身体機能の低下を防ぎながら、散歩など運動習慣を維持する。 |
【疾患別】予防ケアプランの1日・1年の目標文例
以下では予防ケアプラン作成に役立つ1日・1年の目標文例を疾患別にご紹介します。
高血圧
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 減塩を心がけ、朝晩の血圧測定を欠かさない。 | 血圧が安定し、健康的に過ごすことができる。 |
| 規則正しい食事時間を守り、過食を避ける。 | 体重や血圧をコントロールし、生活習慣病の悪化を防ぐ。 |
| 毎日軽い運動や散歩を行う。 | 体力・心肺機能を維持し、日常生活を自立して行える。 |
| ストレスに注意し、リラックスできる時間を持つ。 | 心身の安定を保ち、急な血圧上昇や健康リスクを減らす。 |
| 服薬管理を忘れず、医師の指示通りに服薬する。 | 服薬習慣を継続し、症状のコントロールを維持する。 |
| 水分を適度に取り、塩分やアルコールを過剰摂取しない。 | 生活習慣を整え、心臓や腎臓への負担を減らす。 |
糖尿病
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 過度な間食を控え、毎日身体を動かす。 | 血糖値が安定し、健康的に過ごすことができる。 |
| 食べ過ぎに注意し、毎日の散歩や体操を継続する。 | 適度な運動と規則正しい生活により、血糖値の安定を維持する。 |
| 毎日犬の散歩に行き、身体を動かす。 | 運動と食生活の見直しにより血糖値が安定し、ペットとの生活を継続できる。 |
| 服薬やインスリンを忘れずに行う。 | 血糖値を安定させ、入院せずに健康的に生活できる。 |
| 毎日のウォーキングを続ける。 | 運動と服薬の継続により血糖値を安定させる。 |
| ビールはミニ缶1本までとする。 | 食生活に注意し、糖尿病の悪化を防ぐ。 |
| テレビ体操を行う。 | 日常生活で買い物や軽作業などが継続できる身体機能を維持する。 |
| インスリン注射を正しく忘れずに行う。 | 血糖値を安定させ、健康的で自立した生活を維持する。 |
脳血管疾患
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 毎日の服薬と血圧測定を忘れずに行う。 | 適度な運動・健康的な食事・服薬管理により、元気に過ごすことができる。 |
| 服薬を忘れずに行い、減塩にも注意する。 | 入院せず、自宅で安定した生活を続けられる。 |
| ビールは1日1本までにする。 | 禁煙・節酒を継続し、健康的に過ごす。 |
| 適度な運動とバランスの良い食事を心がける。 | 趣味や家庭内の役割を持ち、充実感のある生活を送ることができる。 |
| 毎日3食きちんと摂取する。 | 禁酒を継続し、心身ともに健康的な生活を維持する。 |
転倒・骨折予防
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 安全に日常生活動作を行う。 | スムーズな日常生活動作が行え、安心して在宅生活を送ることができる。 |
| 多点杖を使用して転倒せずに歩行する。 | 1泊の家族旅行に参加できる体力を維持する。 |
| 体を動かす習慣を持ち、健康的に過ごす。 | 自分で行える家事を増やし、徒歩で病院へ行ける体力をつける。 |
| 毎日ラジオ体操を行う。 | 家族と一緒に温泉旅行に参加できる。 |
| 柔軟体操やラジオ体操を継続する。 | 現在と変わらず在宅生活を安定して送ることができる。 |
| 段差につまずかず、自宅内を安全に移動できる。 | 自宅横の息子宅まで歩行器で移動できる。 |
| 転倒せずに過ごす。 | デイサービスに休まず通い、楽しく過ごせる。 |
| つま先上げ・かかと上げ体操を毎日行う。 | 家族と一緒に買い物や外食を楽しめる。 |
| 立ち上がり動作を安全に行う。 | すくみ足が減り、歩行が安定する。 |
| 毎日のストレッチを欠かさず行う。 | 転倒することなく安全に過ごせる。 |
薬の服薬管理
| 1日の目標 | 1年の目標 |
|---|---|
| 薬を正しく服用し、疾患管理が適切に行える。 | 服薬を確認し、必要に応じて支援する。 |
| 服薬が安定し、体調の悪化を防ぐことができる。 | 服薬確認を受け、正しく内服できる。 |
| 服薬を自己または家族・職員と協力して確実に行い、健康状態を維持できる。 | 服薬カレンダーや薬ケースを用いて、飲み忘れを防ぐ。 |
| 薬の副作用や効果を把握し、安全に服薬を継続できる。 | 体調の変化を記録し、異常があれば速やかに報告する。 |
| 服薬に関する理解を深め、主体的に取り組める。 | 服薬時に薬の名称や効能を確認する習慣をつける。 |
| 服薬を習慣化し、飲み忘れを防げる。 | 決まった時間にアラームや声かけで服薬を促す。 |
まとめ
予防ケアプランの目標設定は、利用者の生活の質を左右する大切なプロセスです。本記事で紹介した文例は、あくまでも参考例であり、実際には利用者一人ひとりのニーズや状態に合わせてアレンジすることが重要です。文例をヒントとして活用し、利用者の希望を反映したオリジナルの予防ケアプランを作成しましょう。
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