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介護の基礎知識

【11月】高齢者向けレクリエーション集|介護施設・デイサービス向け

  • 公開日:2025年10月07日
  • 更新日:2025年10月27日

11月は、秋の深まりとともに紅葉や収穫など、自然や季節の恵みを感じられる時期です。介護施設やデイサービスでも、季節感を取り入れたレクリエーションを行うことで、ご利用者様に楽しみや変化を感じていただけます。文化の日や勤労感謝の日といった祝日もあり、昔の思い出を語り合ったり、感謝を伝え合ったりするきっかけにもなります。

本ブログでは、11月におすすめの高齢者向けレクリエーションをまとめました。日々の活動に取り入れて、利用者様との楽しいひとときを過ごしてみてください。

11月のレクリエーションのポイント

以下では11月のレクリエーションのポイントをご紹介します。

季節感を取り入れる

11月は紅葉や秋の味覚など、自然の移ろいを感じられる季節です。レクリエーションに季節感を取り入れることで、ご利用者様の五感を刺激し、日常に変化や楽しみをもたらします。紅葉を題材にした工作や秋の歌を歌う音楽レクなど、日常生活の中で季節を感じられる工夫をしましょう。

行事を活用する

11月には「文化の日」「勤労感謝の日」といった行事があります。文化の日には、書道や絵画など昔の趣味を思い出していただく機会に。勤労感謝の日には、これまでの労をねぎらうイベントや「ありがとうカード」づくりなど、感謝の気持ちを分かち合えるレクリエーションが喜ばれます。

体調や安全に配慮する

朝晩の冷え込みが強まり、体調を崩しやすい時期でもあります。屋外での活動を計画する場合は、防寒対策や移動時の安全に十分配慮しましょう。室内レクリエーションでも、無理のない範囲で体を動かせる体操や軽いゲームを取り入れることで、楽しみながら健康維持につなげられます。

年末イベントへの準備を始める

11月は、クリスマスやお正月に向けた準備を始めるのにぴったりの時期です。工作や飾りづくりを早めに取り入れることで、ご利用者様に先の楽しみを感じていただけます。少しずつ準備を進めることで、12月以降のイベントをより盛り上げることができます。

11月の行事や記念日

秋が深まり、冬の足音が聞こえ始める11月は、心穏やかに過ごすのにぴったりな季節です。この時期には「文化の日」や「勤労感謝の日」など、感謝や敬意を表す記念日が多くあります。
また、七五三や紅葉狩りといった季節の行事を通じて、ご家族との思い出話に花が咲いたり、地域の文化に触れるきっかけにもなります。

11月3日 文化の日
11月7日 立冬
11月15日 七五三
11月11日 箸の日・ポッキーの日
第3木曜日 ボジョレー・ヌーヴォー解禁日
11月22日 いい夫婦の日
11月23日 勤労感謝の日・文化の日
11月24日 振替休日(勤労感謝の日)

11月ならではのレクリエーション

秋も深まり、木々が色づき始める11月は、自然の美しさや文化的な行事が豊富な季節です。介護施設やデイサービスでは、この時期ならではのレクリエーションを通じて、利用者の皆さまに季節感を楽しんでいただくことができます。ここでは、11月ならではのおすすめレクリエーションをご紹介します。

書道(文化の日)

11月3日は、平和主義を原則とする日本国憲法が交付された日にちなんで「文化の日」として定められました。文化の日には、日本独自の文化や芸術、学問に親しみ、自由な表現と平和の大切さを改めて感じる日にぴったりです。

文化の日に行う書道レクリエーションは、日本の伝統文化に親しみながら、利用者様の創造力や集中力を引き出すのにぴったりの機会です。

 

■準備する物

  • 書道セット(筆、墨、硯、半紙、下敷き、文鎮)
  • 新聞紙やビニールシート(机や床の汚れ防止)
  • 見本の文字や言葉(「文化」「感謝」「秋」など季節や文化にちなんだ言葉)
  • おしぼり・手拭きタオル(手の汚れ対策)
    (必要に応じて)椅子や机の高さ調整用クッション

■進め方

  • 導入・テーマの説明
    • 文化の日の由来や意味を簡単に紹介し、「書道は日本の伝統文化のひとつです」と伝えましょう。
    • 今日のテーマ(例:「文化」「秋」「感謝」など)を提示し、参加者に選んでもらいます。
  • 道具の準備と説明
    • 書道道具の使い方を説明し、安全に配慮しながら準備を進めます。
  • 書いてみる時間
    • 見本を見ながら、自由に書いてもらいます。筆の持ち方や書き順は、必要に応じてサポート。
    • 失敗しても大丈夫な雰囲気づくりが大切です。
  • 作品の鑑賞・共有
    • 書き終えたら、作品を並べて鑑賞会を行いましょう。
    • 「この字の力強さが素敵ですね」など、前向きな声かけを。
  • 作品の展示や持ち帰り
    • 施設内に飾ったり、ご家族に見てもらえるよう持ち帰り用にするのもおすすめです。

抹茶を味わう(文化の日)

抹茶を味わうレクリエーションは手軽で安全に行える、文化の日にぴったりのイベントです。抹茶を点てるのは難しいイメージもありますが、茶道具がなくても、ボトルに材料を入れて振るだけで、空気を含んだ美味しい抹茶を手軽に作る方法もあります。

抹茶の常識を変える!?超簡単な抹茶の点て方をご紹介!

■進め方

  • 導入
    • 文化の日の意味や抹茶の歴史を簡単に紹介。
    • 「今日は日本の伝統文化“抹茶”を味わってみましょう」と声かけ。
  • 準備(5分)
    • テーブルに茶碗、抹茶、和菓子をセット。
    • お湯は職員が安全に注ぎ、抹茶を溶かして提供。
  • 体験(15分)
    • 抹茶をゆっくり味わいながら、和菓子をいただく。
    • 味や香り、色など五感で楽しむ時間に。
  • 交流・感想タイム(10分)
    • 「昔、家で飲んだことがある」「お寺でいただいた」など、思い出話が自然と出てくることも。
    • 感想を共有し、参加者同士の交流を促進。
  • 写真撮影・展示(任意)
    • 抹茶体験の様子を写真に残し、施設内に掲示したり、ご家族に共有するのもおすすめ。

干し柿作り

■準備する物

  • 渋柿(種類は「平核無柿」などが一般的。皮をむいて干す用。)
  • 包丁・ピーラー
  • ビニール手袋
  • タコ糸などのひも(長さは30〜50cm程度。)
  • 消毒用アルコールまたは焼酎

■進め方

  • 導入(5分)
    • 干し柿の歴史や効能(食物繊維・ビタミン豊富)を紹介。
    • 「昔は軒下に吊るしていた」「母が作っていた」など、思い出話を引き出す。
  • 皮むき(10〜15分)
    • 職員が安全に配慮しながら柿の皮をむく。
    • 利用者ができる範囲で参加(ピーラー使用など)。
  • 消毒・ひも通し(10分)
    • 柿のヘタ部分にひもを結び、沸騰したお湯に数秒付けて殺菌。アルコールまたは焼酎で表面を軽く消毒。
  • 吊るす(5分)
    • 物干し竿やラックに柿を吊るす。
    • 吊るした柿をみんなで眺めながら「美味しくなるといいですね」と会話を楽しむ。
  • 観察・記録(日々)
    • 数日〜2週間ほど干す。柔らかくするために定期的にビニール手袋を付けて揉む。
    • 乾燥の様子を観察し、記録したり写真を撮って展示するのもおすすめ。
  • 試食(完成後)
    • 完成した干し柿をみんなで試食。
    • 「甘くておいしい」「懐かしい味がする」と感想を共有。

秋カラーのネイル体験

秋はおしゃれを楽しむのにぴったりの季節。ボルドーやブラウンなど秋カラーのネイルを塗ることで、気分も上がります。

■準備する物

  • ネイルポリッシュ
  • 爪用シール
  • 除光液
  • コットン

■進め方

  1. いくつかネイルカラーを準備し、利用者様に好みの色を選んでもらいます
  2. はみ出さないよう丁寧に塗ります。ポイントでシールなどを貼っても良いでしょう。
  3. 記念撮影を行います。

朗読

読書の秋にちなんで朗読のレクリエーションもおすすめです。特に「高齢者が主人公の物語」や「家族の絆を描いたストーリー」を選ぶと利用者さんも共感しやすいです。理解度に合わせて作品を選びましょう。物語を想像することで、脳の活性化にもつながります。また、落語の朗読もおすすめです。伝統芸能である落語は、多くの高齢者にとって馴染み深い娯楽。有名な噺なら、「また聞けてうれしい」と懐かしさを感じてもらえるでしょう。

秋の植物を楽しむ

11月は紅葉やススキなど、秋を感じる植物が見頃です。施設の庭や近隣の花スポットに出かけると、季節感を味わえます。

<11月が見頃の植物一覧>

  • ススキ:9月下旬〜11月上旬
  • シュウメイギク:9月下旬〜11月上旬
  • モミジ:9月下旬〜12月中旬
  • イチョウ:10月中旬〜12月上旬
  • 菊:10月~11月
  • シュウメイギク:9月中旬~11月
  • サルビア:6月~11月
  • どんぐり:9月~11月

落ち葉のフロッタージュ(こすり出し)

落ち葉を使ったフロッタージュ(こすり出し)レクリエーションは、秋ならではの季節感を楽しめるアート活動として高齢者にも人気です。完成品は壁などに展示しておくと利用者さんの達成感になり、季節感を演出してくれます。

■準備する物

  • 落ち葉(形がしっかりしたもの)
  • コピー用紙または画用紙(A4〜B4程度の白い紙・薄めの色付き紙でもOK)
  • 色鉛筆、クレヨン、パステルなど
  • 汚れ防止用の新聞紙やビニールシート
  • (あれば)マスキングテープ(紙や葉を固定するために便利)

■進め方

  1. 落ち葉を選ぶ
    形や葉脈がしっかり出ているものを選びます。破れやすい葉や湿りすぎている葉は避けましょう。
  2. 落ち葉を紙にセットする
    落ち葉の“表側”を下にして机の上に置き、その上に紙を重ねます。動かないようにマスキングテープで軽く固定するとスムーズです。
  3. こすり出す
    紙の上からクレヨンや色鉛筆の側面で軽くこすります。葉脈の模様が浮かび上がってくるのを楽しみましょう。

秋をテーマにした創作活動

創作活動は手先を使い、脳を活性化させる効果が期待できます。秋の風景を描く絵画レクリエーションや、ちぎり絵、紅葉や秋の食材にちなんだ折り紙飾りなどが人気です。創作活動はそれぞれの利用者さんの状態によって難易度を調整できるので、幅広い方が楽しめるレクリエーションです。完成した作品を施設内に飾ることで、秋らしい雰囲気を演出できます。秋の折り紙の折り方は以下のリンクをご参考にしてください。

秋の折り紙25選!秋の風物詩のカンタンかわいい折り方

音楽レクリエーション

秋をテーマにした楽曲を鑑賞したり、歌ったりする音楽レクリエーションです。さらに、簡単な楽器を使ったリズム遊びや合奏を取り入れると、より楽しい音楽レクリエーションになります。紙コップやペットボトルを活用した手作り楽器で、リズムを刻んでみましょう。また、参加者が順番に歌を歌う歌詞リレー形式にすることで歌詞が思い出せるかどうかを楽しみながら、記憶力や発声を鍛えられます。

■おすすめ曲

  • もみじ(秋の夕日に~♪)
    美しい紅葉の情景を歌った定番の秋の唱歌。合唱にも◎
  • 里の秋
    故郷や家族を思い出すしみじみとした歌詞が魅力
  • 赤とんぼ
    昔の情景を思い起こさせる名曲。秋空を感じる一曲
  • 村祭
    秋の収穫祭をテーマにした、テンポよく明るい楽曲
  • 小さい秋みつけた
    繊細な歌詞とメロディーで、秋の訪れを優しく表現
  • 秋桜(山口百恵)
    母と娘の情景を描いた名曲。ゆったり歌える

11月のクイズ大会

秋にまつわるクイズ大会を開きます。マルバツ問題にしたり、3択にすることで難易度が下がり、高齢者の方でも答えやすくなります。

■問題例

問1:紅葉は、朝より夜の方が進みやすい。
→ 答え:〇 寒暖差が大きいと紅葉が進みやすく、夜に冷え込むことで葉の中の化学反応が進みます。

問2:秋になるとサンマが美味しく感じられる理由は?
①秋になると海の温度が下がるから
②北の海から南へ移動する途中で脂がのるから
③秋は魚に香りがつくから
→ 答え:② サンマは秋に北の海から南下する途中、エサをたっぷり食べて脂を蓄えるため美味しくなります。

問3:「もみじ」はどの木の葉でしょう?
①カエデ
②サクラ
③スギ
→ 答え:①

問4:11月の別名は何でしょう?
①霜月(しもつき)
②神無月(かんなづき)
③師走(しわす)
→答え:① 11月は「霜月」とも呼ばれ、霜が降り始める季節であることに由来します。

問5:11月15日に行われる、子どもの成長を祝う伝統行事は何でしょう?
①七五三
②節分
③こどもの日
→答え:①

 

11月の脳トレ(クロスワードパズル・間違い探し)

11月にちなんだ言葉を使ったクロスワードパズルや、間違い探しゲームを取り入れましょう。

「11月」にちなんだ言葉の例

  • 紅葉狩り(もみじがり)
  • 銀杏(いちょう)
  • 落ち葉(おちば)
  • 木枯らし(こがらし)
  • 秋刀魚(さんま)
  • 紅葉(もみじ)
  • ぶどう(ぶどう)
  • 梨(なし)
  • 柿(かき)
  • 干し柿(ほしがき)
  • 秋風(あきかぜ)
  • 彼岸(ひがん)
  • 栗(くり)
  • 栗拾い(くりひろい)
  • 松茸(まつたけ)
  • どんぐり(どんぐり)
  • かぼちゃ(かぼちゃ)
  • 七五三(しちごさん)
  • 文化の日(ぶんかのひ)

通年を通して楽しめる室内レクリエーション

11月以外でも、通年を通して楽しめる室内レクリエーションを集めました。室内レクリエーションであれば、天候に左右されず、体力に不安がある方でも比較的安全に行えるため簡単に取り入れやすいレクリエーションです。

風船バレー

室内でできる運動ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。

■準備するもの

  • 風船
  • 簡易ネット(タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整)
  • コーンやテープ(プレイエリアの境界を作るため)

■進め方

  1. 参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2~4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
  2. 風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ(最初の一発)は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
  3. ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。

ペットボトルボウリング

ペットボトルとボールを使用したボウリングも外に出られない日の気分転換に最適です。チーム制にするとより盛り上がります。

■準備するもの

  • 空のペットボトル 10本(500ml〜2Lのものがおすすめ)
  • ボール(サッカーボールやビーチボールなど、転がしやすいもの)
  • 水(ペットボトルの重りとして使用)
  • ガムテープ(ピンの位置や投球ラインの目印用)

■進め方

  1. ペットボトルに少量の水を入れて重りにします。入れすぎると倒れにくくなるので、1/4程度が目安です。フタはしっかりと締めるようにしましょう。
  2. ボウリングと同様に、三角形の形に並べます。各列の間隔は、ボールが転がりやすいように適度に広めにしましょう。ピンの位置にはテープなどで印をつけると、倒れた後の復元がスムーズです。
  3. ペットボトルから2〜3メートルほど離れた位置に椅子を設置します。椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競います。

的当てゲーム

的に「10点」「30点」「50点」などの点数を書いて、的に当たった場所の点数を合計して遊びます。点数以外にも「赤とんぼ」「ブドウ」「紅葉」など秋にちなんだ絵を入れて、当たった絵に応じたポイントや特典をつけるのも季節感が出ます。

■準備するもの

  • 的:画用紙や段ボールを使って円や四角の的を作り、点数を書き込む。市販の的を利用してもOK。
  • ボール:安全で投げやすいもの
  • テープやひも:参加者の座る位置や投げるラインを示す。
  • ホワイトボードや紙:得点を記録するために使用。
  • 椅子(必要に応じて):座ったまま行う場合に使用。

■進め方

  1. 床や机の上に的を設置します。的には得点を表示します。的と参加者の距離は、参加者の身体状況に合わせて調整しましょう。無理なく届く距離にするのがポイントです。
  2. 1人3回ずつボールを投げるなど、回数や順番を決めます。的に当たった場所の得点を合計し、高得点の人やチームが勝ちとなります。
  3. 参加者が順番にボールを投げ、職員が得点を記録します。

まとめ

11月は、紅葉や秋の味覚、文化的な行事が豊富な季節です。介護施設やデイサービスでは、季節の移ろいを感じながら、利用者の皆さまが楽しく参加できるレクリエーションを取り入れることで、心身の活性化やコミュニケーションの促進につながります。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、思い出に残る秋のひとときを演出してみてください。

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