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介護の基礎知識

訪問介護の2時間ルールとは?適応される例や例外となるケース・複数事業所を利用するケースを解説

  • 公開日:2026年02月05日
  • 更新日:2026年02月05日

訪問介護の算定でよく話題になるのが「2時間ルール」です。
「時間が空いていないと算定できない?」「例外って何があるの?」など、現場では判断に迷う場面も少なくありません。

2時間ルールは、正しく理解していないと算定誤りや返戻につながる可能性がある重要なルールです。一方で、すべての訪問介護に一律で適用されるわけではなく、例外となるケースや、複数事業所を利用する場合の考え方も定められています。

本記事では、訪問介護の2時間ルールの基本的な考え方から、適用される具体例、例外となるケースなど、実務で迷いやすいポイントをわかりやすく解説します。現場での算定確認やケアプラン作成時の参考として、ぜひご活用ください。

訪問介護の2時間ルールとは?

訪問介護の2時間ルールとは、同一利用者に対して同日中に2回以上訪問する場合、原則として2時間以上の間隔を空けないと、それぞれを別のサービスとして算定できないというルールです。

つまり、1回目の訪問と2回目の訪問の間隔が2時間未満の場合、原則として「1回の訪問介護」とみなされ、複数回分の提供時間を合算して算定されます。

2時間ルールが導入された背景

訪問介護の2時間ルールは「報酬の適正化」を目的として導入された基準です。

2時間ルールがない場合、意図的に短時間で複数回訪問を行なうことで、高額な報酬を受け取ることができてしまいます。そのような悪質なケースを防ぐため、同一利用者へのサービス提供の間隔を2時間以上空けることが義務づけられ、それにより不適切な報酬受給の防止やサービスの透明性の確保が可能になりました。

サービス種類ごとの時間区分と単位数

訪問介護サービスには、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」といった種類があり、それぞれのサービスにかかる時間によって、介護報酬の単位数が定められています。サービス提供時間はあらかじめ設定された区分に分けられており、所要時間が長くなるほど、算定される単位数も増加します。サービスの種類ごとに基本的な内容と時間区分、単位数が決まっており、事業所が適正にサービスを提供し、報酬を請求するうえで重要な基準となっています。

主なサービス内容ごとの所要時間と単位数の目安は以下の通りです。

身体介護

サービス内容 所要時間 単位
身体0 20分未満 163単位
身体1 20分以上30分未満 244単位
身体2 30分以上1時間未満 387単位
身体3 1時間以上1時間半未満 567単位
- 1時間半以上 30分を増すごとに+82単位

※身体1~3に引き続き生活援助を行った場合は所要時間が20分から起算して25分を増すごとに+65単位(※195単位を限度)

生活援助

サービス内容 所要時間 単位
生活2 20分以上45分未満 179単位
生活3 45分以上 220単位

通院等乗降介助

サービス内容 単位
1回(片道) 97単位

2時間以上空けた場合・空けない場合の単位数の計算方法

2時間ルールがあることで、一人の利用者さんに対するサービス間が、2時間以上空く場合と2時間以上空かない場合で、単位の計算方法が異なります。また、利用者さんが他事業所の訪問介護を利用している場合についても解説します。

2時間以上空く場合の考え方

1日に複数回訪問介護を行い、前回のサービス終了時刻から2時間以上空いている場合は、それぞれの訪問が独立したサービスとして扱われます。
そのため、各回ごとの提供時間に応じた単位数をそれぞれ算定できます。

<例>

  • 1回目:10:00~10:20(排泄・更衣介助)
  • 2回目:16:00~16:50(入浴介助)

1回目の終了時刻から2回目の開始まで、5時間40分空いているため、

  • 1回目:身体1(244単位)
  • 2回目:身体2(387単位)

というように、それぞれ個別に算定することが可能です。

2時間以上空かない場合の考え方

複数回訪問していても、前回のサービス終了から次のサービス開始までが2時間未満の場合は、サービス時間を合算して1回分として扱われます。
この場合、合計した提供時間に応じた単位数で請求することになります。

<例>

  • 1回目:10:00~10:20(排泄・更衣介助)
  • 2回目:12:00~12:45(食事介助)

1回目の終了から2回目の開始までが1時間40分となり、2時間経っていません。そのため、20分+45分=65分のサービス提供とみなされ、身体介護3(567単位)が適用されます。

もし2時間以上空いていれば、合計で631単位を算定できるため、2時間空けないと算定できる単位数が少なくなってしまいます。

複数事業所でサービスを利用している場合

2時間ルールは、同一事業所内だけでなく、他事業所の訪問介護サービスも含めて適用されます。

<例>

  • A事業所:13:00~14:00(食事介助)
  • B事業所:15:30~16:30(入浴介助)

A事業所のサービス終了からB事業所のサービス開始までが90分となり、2時間経っていないため、2事業所の提供時間を合算した120分のサービスとして扱われます。

この場合、どのように単位を分けて請求するかは、各事業所間での話し合いによって決定します。

2時間ルールの例外となるケース

ケースによっては2時間空いていない場合でもそれぞれの時間数で算定が可能な場合もあります。2時間ルールの例外となるケースは以下の4つです。

  • 緊急時訪問介護加算が算定される場合
  • 看取り期の対応の場合
  • 頻回の訪問介護
  • 通院等乗降介助

緊急時訪問介護加算が算定される場合

利用者の急な体調変化や転倒など、突発的な事態により緊急対応が必要となった場合は、緊急時訪問介護加算を算定することが可能です。(単位数:100単位/回)

緊急時訪問介護加算を算定する際は2時間ルールの対象外となり、前後の訪問時間から2時間空いていなくても訪問時間を合算せず、それぞれの所要時間で算定できる仕組みとなっています。

緊急時訪問介護加算の主な算定要件

  • 利用者・その家族等からの要請に基づき、24時間以内に訪問介護を行っていること
  • サービス提供責任者が担当の介護支援専門員と連携を図り、介護支援専門員が訪問介護を提供する必要があると判断していること
  • 訪問介護員等が居宅サービス計画外の緊急の訪問介護を行っていること
  • 要請のあった時間、要請の内容、訪問介護の提供時刻、緊急時訪問介護加算の算定対象である旨等を記録していること

看取り期の対応の場合

看取り期とは、医師が医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した状態を指します。
この時期の訪問介護では、利用者本人だけでなく、ご家族への精神的な支援も含めた、きめ細かな対応が求められます。そのため、看取り期においては、必要に応じて短時間・短間隔で訪問できるよう、2時間ルールは適用されません。

これは、令和3年度介護報酬改定により、看取り期の訪問介護について柔軟な運用が認められたことが背景にあります。

頻回の訪問介護(身体02)

「身体0」とは、20分未満の身体介護を指します。

従来は通常の訪問介護事業所が20分未満の身体介護を提供できるのは、早朝・夜間・深夜の時間帯のみに限定されていましたが、2015年度の介護報酬改定により、算定要件が緩和され、全ての事業所で日中も20分未満のサービス提供が可能になりました。

この身体0には、「身体01」と「身体02」の2つの区分があり、「身体02」は頻回の訪問として行います。2時間以上の間隔を空けずに訪問可能なのは「身体02」のみです。

種別 2時間ルール適用有無 利用者要件 事業所の体制要件
身体01 適用される 要介護1以上 全ての訪問介護事業所で算定可能
身体02 適用されない(2時間以上の間隔を空けずに訪問可能) ・要介護1・2で認知症または、要介護3以上で障害高齢者の日常生活自立度ランクB 以上の方
・サービス担当者会議を3か月に1回以上開催し、週5日以上の頻回訪問を含む、20分未満の訪問介護が必要と認められる方
・定期巡回・随時対応サービスの指定を受けている、または指定を受けていないが実施の意思があり、実施に向けた計画を算定する。 利用者さんからの連絡に随時対応できる体制が整っている。

上記の通り、身体02の算定要件を満たしている場合は、2時間ルールが適応されず、2時間以内の訪問でも1回分の訪問時間で算定することができます。

通院等乗降介助

通院等乗降介助は、利用者の通院や退院時の移動を支援するサービスです。自宅から医療機関までの移動や、車の乗り降り、車椅子介助、受付や会計時の補助などが含まれます。

このサービスは、片道につき97単位で算定されます。往復で利用するケースが多く、通院の性質上、2時間以上の間隔を空けることが現実的でないため、2時間ルールの例外として扱われています。

まとめ

訪問介護の2時間ルールは、同一利用者に対して、同日に複数回訪問する場合の報酬を適正化するためのルールです。原則として、2時間以上の間隔が空いていない訪問は、1回の訪問として合算して算定されます。

ただし、すべてのケースに当てはまるわけではなく、緊急時訪問介護加算が算定される場合や、特定の条件を満たす訪問など、例外的に2時間ルールが適用されないケースもあります。

算定ルールを誤ると、返戻や指摘の原因になるだけでなく、現場の負担増にもつながります。2時間ルールの基本と例外を正しく理解し、日々のサービス提供や記録、請求業務に活かしていくことが大切です。制度を正しく押さえた訪問介護サービスを提供しましょう。

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