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介護の基礎知識

【2026年4月より順次開始】介護情報基盤とは?導入はいつから必要なの?

  • 公開日:2025年06月10日
  • 更新日:2026年05月01日

現在、要介護認定情報やレセプト情報、ケアプランなど、利用者に関する介護情報は各事業所や自治体に分散しており、情報の共有や確認は郵送や紙、電話で行っていました。こうした中で、厚生労働省は情報共有をスムーズにするために、「介護情報基盤」による情報の電子化を進めています。

介護情報基盤とは、自治体、利用者、介護事業所、医療機関などが電子的に介護情報を閲覧・共有できる全国共通のプラットフォームです。この仕組みを活用することで、これまで分散していた情報を一元的に把握できるようになり、関係機関同士の連携がスムーズになります。結果として、情報伝達の遅れや伝達ミスのリスクが軽減され、利用者一人ひとりに対してより適切で切れ目のない支援の提供が期待されます。さらに、書類作成や確認にかかる手間も削減され、現場の業務効率化にもつながっていきます。

本記事では介護情報基盤とは何かを詳しく解説するとともに、介護ソフトとの今後の関わりについても説明します。

介護情報基盤整備を行う背景

これまでの介護現場では、自治体・医療機関・介護事業所ごとに情報が分散して管理されており、必要な情報を都度確認するために電話やFAX、郵送といった手段に頼らざるを得ませんでした。その結果、情報の取得に時間がかかるだけでなく、伝達漏れや認識のズレといったリスクも生じやすい状況にありました。こうした非効率な情報共有の仕組みは、現場の業務負担を増やす一因にもなっています。高齢化の進展に伴い、医療と介護の連携の重要性はこれまで以上に高まっています。複数の関係機関が関わる中で、利用者に対して切れ目のない支援を提供するためには、正確な情報をタイムリーに共有できる環境が不可欠です。

これから先、特に2040年ごろには、団塊ジュニア世代が65歳以上になり、高齢者の数がピークを迎えると予測されています。中でも、介護や医療のサポートがより多く必要になる「85歳以上」の人が大きく増えることが見込まれています。その一方で、働く世代(生産年齢人口)はどんどん減っていくため、介護の現場で働く人も不足していくと考えられています。こうした状況に対応するためには、限られた人やお金といった資源をうまく使いながら、質の高い介護サービスを効率よく提供できる体制を整える必要があります。そのために、介護の現場や自治体では、ICT(情報通信技術)を活用して、日々の業務を効率化していくことが急務となっています。

こうした背景から、情報をデジタルで一元的に管理・共有できる「介護情報基盤」の整備が進められています。

介護情報基盤整備の目的

厚生労働省は介護情報基盤の目的を以下のように説明しております。

利用者本人、市町村、介護事業所、医療機関といった関係者が利用者に関する情報を共有、活用できる介護情報基盤を整備することにより、これまで紙を使ってアナログにやりとりしていた情報を電子で共有することで、業務の効率化(職員の負担軽減、情報共有の迅速化)を図る。
さらに、今後、介護情報基盤に蓄積された情報を活用することにより、事業所間及び多職種間の連携の強化、本人の状態に合った適切なケアの提供など、介護サービスの質の向上を図る。

以上から、介護情報基盤の整備は業務の効率化だけでなく、より質の高い連携と支援の実現に向けた基盤づくりを目的としていることがわかります。

引用:介護情報基盤について|厚生労働省

介護情報基盤の整備がもたらすメリット

介護情報基盤を整備することで、介護事業者・市町村・医療機関・利用者において以下のようなメリットがあります。

介護事業者にとってのメリット

①いつでも情報を確認

介護事業所職員やケアマネジャーが、要介護認定に必要な情報や、ケアプラン作成に必要な情報などをタイムリーに確認できます。待ち時間・ストレスが少なく情報を得ることができ、更新・進捗状況など常に最新の情報を把握することができます。

②やりとりの負担を軽減

給付に必要な情報をデジタル上で確認できるため、利用者・家族に情報を探していただく依頼をしたり、市町村へ問い合わせいただいたりする負担が減ることが期待できます。紙・電話ベースのやり取りが減り、業務が効率化します。

③質の高いケア

介護に関する情報収集が効率化されることで、本来的な業務に集中できるようになり、介護を受ける人にさらに寄り添ったサービスを提供できます。

市町村(保険者)にとってのメリット

①業務の軽減

手間のかかる郵送・印刷などの紙に関する業務や、窓口のやり取りを減らすことができ、要介護認定事務がより早くより簡易になります。

②サポートの最適化

医療機関や介護事業所が自ら、必要な情報を確認できるようになります。現場主体の自走型対応が進むことで、問い合わせ対応が軽減されます。

③施策への活用

これまで閲覧できていた情報に加え、LIFE情報の一部・ケアプランデータが閲覧できるようになります。掛け合わせることで深い分析が行え、給付適正化への活用につながります。また、地域の実態把握と運用に向けて必要なデータを収集しやすくなり施策立案への活用が可能になります。

医療機関にとってのメリット

①紙の作業を削減

主治医意見書や主治医意見書作成料請求書をオンラインで扱えるようになり、印刷・郵送の手間やコストが削減されます。

②即座にオンライン確認

居宅療養管理指導などに必要な情報が連携され、現場でスピーディに確認し、対応できるようになります。

③サービスの質向上

ケアプラン、LIFE情報の一部が新たに共有されることで、利用者の状態をより細やかに把握できるため、気づきにつながります。長い目で寄り添ったサービスの提供が可能になります。

利用者にとってのメリット

①スムーズな情報の管理

健康保険証等の情報と同様にマイナポータル上で介護保険証等の情報を確認できるようになります。

②安心感の付与

介護保険証や各種書類などの紛失の心配が減り、災害や緊急時においても安心です。

③より良いサービスの利用

事業所における市町村間や事業所間での情報連携により、より質の向上した介護サービスが利用できます。自身の介護情報に合わせて、主体的にサービスを選択できます。

引用:介護情報基盤ポータル

介護情報基盤による情報共有の範囲

介護情報基盤にて共有できるようになる情報は以下の通りです。

  • 要介護認定情報
  • 請求・給付情報
  • LIFE情報
  • ケアプラン
  • 住宅改修費利用等の情報

介護情報基盤の導入はいつから?

令和8年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含めた標準化対応(各市町村の介護保険システムにおける、介護情報基盤へ連携するための機能要件を含めた標準準拠システムへの移行)が完了した市町村から、順次、介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行、介護情報基盤経由での情報共有を開始します。令和10年4月1日までに、全市町村において、介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行も含めて完了し、介護情報基盤の活用を開始することを目指します。各市町村の介護情報基盤の対応状況は以下の介護情報基盤ポータルよりご確認いただけます。

介護情報基盤ポータル

介護事業所が介護情報基盤の施行に向けて必要となる準備

介護事業所が介護情報基盤の施行に向けて必要となる準備は以下の通りです。導入については導入支援事業者に依頼することも可能ですが、自事業所で対応いただいてもどちらでも問題ありません。

インターネット環境の整備

介護WEBサービスはクライアント端末をインターネット接続して利用します。Wi-Fiや有線LAN、SIMカードなどを活用してインターネット環境を用意しましょう。

介護情報基盤に接続し、情報を閲覧する端末の準備

介護情報基盤を閲覧するために、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を用意します。元々事業所で使っていた端末も利用可能です。

電子証明書のインストール

電子請求受付システムへ直接ログインしてレセプト請求を実施している、又はケアプランデータ連携システムを利用している介護事業所以外は電子証明書の取得が必要です。電子証明書の取得は以下の手順書を参考にしてください。

参考:別紙 セットアップ手順書|電子証明書編

マイナンバーカードを読み込むカードリーダーの準備

カードリーダーは接触せずにかざして読取する非接触型と機器に差し込む等で読取する接触型があります。スマートフォンによっては、単体でマイナンバーカードを読み取り可能な場合もあります。その場合は、カードリーダーは不要です。

参考:初めてご利用される方への 導入準備作業手引き

介護情報基盤と介護ソフトとの今後の関わり

介護情報基盤の導入により、今後、介護ソフトとの関係も大きく変わっていきます。これまで、介護事業所では利用者の情報を紙で管理したり、複数のシステムを使って手作業でデータを入力したりしてきました。しかし、介護情報基盤が整備されることで、こうした情報が一つにまとめられ、電子的に安全にやり取りできるようになります。

介護ソフトはこの介護情報基盤と直接つながることで、たとえば利用者の基本情報や被保険者証、ケアプラン、LIFE情報(科学的介護情報)などを自動で取得したり、他の事業所や医療機関とスムーズに共有できるようになります。これにより、ケアマネジャーや事業所の職員が、何度も同じ情報を入力する必要がなくなり、作業の手間やミスが大幅に減ります。また、情報の共有がスムーズになることで、病院からの退院後すぐに必要なケアを準備できるなど、サービスの質も向上します。さらに、利用者本人もマイナポータルを通じて自分の介護情報を確認できるようになるため、本人の理解や納得のもとでケアを進めることがしやすくなります。

このように、介護ソフトは今後、介護情報基盤と連携することで、単なる業務支援ツールから、情報共有とケアの質を支える「中核的なインフラ」へと進化していくことが期待されています。

まとめ:介護情報基盤の整備により、業務の効率化やサービスの質の向上が期待できます

2026年4月から本格的に始まった「介護情報基盤」は、これまで紙や分散されたシステムで管理されていた介護情報を一元化し、関係者同士がスムーズに情報をやりとりできるようにする、大きな改革です。自治体、介護事業者、医療機関、そして利用者本人が必要な情報にアクセスできるようになり、介護・医療の連携が進むとともに、業務の効率化やサービスの質の向上が期待されます。

介護ソフトの活用も今後ますます重要となる見込みであり、被保険者情報の自動取得やケアプランの共有、LIFE情報の登録など、日常業務を支える中核的な役割を担っていくことになります。

デジタル化が進む介護の現場において、今から準備を進めておくことが、より良いサービス提供と業務改善のカギとなります。今後の動向をしっかりと把握し、変化に対応していくことが求められます。

参考文献:介護情報基盤について|厚生労働省
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