介護の基礎知識
7月のレクリエーションアイデア集|高齢者施設・デイサービス向け
- 公開日:2025年05月21日
- 更新日:2025年05月21日

暑さが本格化する7月。外出が難しい日も増え、活動が室内に偏り、マンネリ化しがちになりますよね。そんな時こそ、季節感を取り入れたレクリエーションで、心も身体もリフレッシュしていただきたいものです。
このブログでは、高齢者施設やデイサービスで取り入れやすい、7月にぴったりのレクリエーションアイデアを厳選してご紹介します。七夕や夏祭り、涼を感じる工夫など、参加者の皆さんが笑顔になれるヒントが満載です。
7月のレクリエーションのポイント
7月のレクリエーションは、季節感を大切にしながら、熱中症対策や体調管理にも配慮することがポイントです。以下に、企画・運営時に意識したい主なポイントをまとめました。
- 夏らしさを楽しむ「季節感」を演出する
7月は七夕や海の日など、夏を感じられるイベントが多くあります。短冊づくりや笹飾り、夏の風物詩にちなんだ制作(うちわや風鈴づくり)を取り入れると、視覚的にも季節を楽しめるレクリエーションになります。 - 暑さ対策・室温管理を徹底する
梅雨明けから本格的な暑さが始まる時期でもあるため、室内レクであっても冷房や水分補給に配慮が必要です。屋外活動を行う際は、時間帯を午前中にする・木陰や日陰を活用するなど、熱中症リスクを減らす工夫が大切です。 - 水分補給をレクリエーションに組み込む
レクの合間に「お楽しみかき氷タイム」や「フルーツポンチづくり」など、楽しく水分・栄養補給ができる企画を取り入れると、自然に健康管理につながります。甘味や冷たいものは利用者の楽しみにもなります。 - 動と静のバランスをとる
夏は体力が落ちやすい季節です。室内でできる軽めの運動(風船バレー、うちわリレー)と、手先を使う制作活動やクイズ・歌など、体調に応じて選べる複数のレクを用意すると無理がありません。
7月ならではのレクリエーション
7月は七夕や夏本番に向けた行事が盛りだくさん。ここでは、7月ならではのレクリエーションの具体例をご紹介します。
七夕

七夕に向けて、利用者と一緒に笹や飾りを作り、短冊に願いを書いて飾ります。自分の願いや思いを文字にすることで、気持ちを表現する機会にもなります。作った飾りは数日間展示できるため、来訪者との会話のきっかけにもなります。
■準備する物
- 笹(本物が難しければ造花や画用紙製でもOK)
- 色紙、折り紙(飾り用:ちょうちん・星・織姫・彦星など)
- 短冊用の紙と紐
- のり、ハサミ、マジックペン
■進め方
- 七夕について簡単に説明を行います。
- 短冊を配り、思い思いの願いを書いてもらいます。
- 折り紙で飾りを作成します。見本を見せながらゆっくり進行します。
- 全員の作品を笹に飾ります。
- 完成した笹飾りをホールや玄関などに飾って鑑賞します。
かき氷づくり

夏らしいひんやりレクとして、かき氷を楽しみます。シロップはいくつか用意し、利用者自身に選んでもらうことで主体性も生まれます。「子どものころ、何味が好きでしたか?」など、思い出話を引き出して盛り上げましょう。アレルギーや嚥下機能に注意し、個別対応が必要な方にはゼリーやシャーベットを用意するなど配慮しましょう。
■準備する物
- 手動または電動かき氷機
- 氷(事前に多めに準備)
- シロップ(いちご、メロン、ブルーハワイなど)
- プラスチック容器、スプーン、おしぼり
■進め方
- かき氷の機械を紹介します。
- 食べたい味を聞きながら順番にかき氷を作ります。かき氷機の操作は職員が行います。
- 氷をカップに入れ、利用者に「いちご味ですね、かけますね」と声をかけながらシロップをかけます。手が使える方には「最後にご自分でかけてみますか?」と促してみましょう。
- 出来上がったら皆で一緒に食べましょう。 「冷たくておいしいですね」「昔は縁日で食べましたよね」など楽しく会話を広げます。
- 食後のおしぼり・お茶を配って終わります。
うちわづくり

オリジナルのうちわを作り、夏を楽しく迎える準備をします。実用性もあり、持ち帰りや展示もできます。認知症の方にも取り組みやすい活動です。完成品を持ち帰ってもらうとご家族との話題にもなります。
■準備する物
- 無地のうちわ(100均や通販で購入可能)または厚紙+割りばしで手作り
- 色鉛筆、クレヨン、スタンプ、折り紙などの装飾素材
- のり、ハサミ、マジックペン
- 夏らしいイラストの見本(ひまわり、花火、スイカなど)
■進め方
- 作業机に新聞紙を敷いて準備をしましょう。手の不自由な方には貼る素材をあらかじめ切っておきます。
- どんな絵を描いたり飾りを貼りたいか話しながら制作します
- 職員は「いい色ですね」「その花火、きれいです!」など声かけしながらサポートしましょう。手先が不自由な方には「このあたりに貼りましょうか?」など聞きながら介助します。
- 完成後、皆で見せ合って写真撮影や展示をします。
プロジェクターでの花火鑑賞会

本物の花火大会への外出が難しくても、施設内で“花火気分”を楽しめる鑑賞会です。プロジェクターやテレビを活用し、映像と音で臨場感を演出します。音が苦手な方には音量を調整。時間も20~30分程度に抑えると集中しやすいです。
■準備する物
- 花火大会の映像(YouTubeなどの無料素材やDVD)
- プロジェクターや大型テレビ、スピーカー
- 会場の装飾(提灯風飾り、うちわなど)
- 冷たいお茶やラムネなどの飲み物
■進め方
- 会場を花火大会風に飾りつけし、少し暗くします。
- 映像を流す前に「昔、どこで花火を見ましたか?」など回想を促す会話をしましょう。
- 花火映像を上映しながら「たまや~!」「すごいね!」と職員も一緒に盛り上げます。
- 途中で冷たい飲み物を配って“夏祭り”気分を盛り上げます。
- 鑑賞後は「また見たいね」「きれいだったね」など感想を共有します。
スイカ割り

スイカ割りを通して夏気分を味わいながら、利用者の笑顔と交流を引き出すレクです。実物のスイカは難しいので、スイカ柄の紙風船で代用しましょう。転倒リスクがある場合は座ったままでもOK。参加が難しい方にもスイカのおすそ分けで一体感を出しましょう。
■準備する物
- スイカ柄の紙風船
- 新聞紙を丸めた棒(安全性を重視)
- アイマスク(ハンカチなどでOK)
- ビニールシート(床保護用)、タオル
- 冷やしたスイカのカット or スイカゼリー(嚥下配慮)
■進め方
- 「今日はスイカ割りに挑戦します!」と元気にスタートします。
- 安全を確認し、順番に棒を持ってチャレンジします。(座位・立位は個別に判断)
- 周囲の方も「右だよ!」「そこそこ!」と声かけをして参加します。
- 割れたら拍手して盛り上げます。
- ひと段落したら冷やしておいた本物のスイカを食べましょう。
- 食べる際には「昔、縁側で食べたね」「種飛ばししたね」など会話を広げます。
風鈴づくり

透明カップやペットボトルなどを使って、風鈴を手作りします。音を楽しむだけでなく、装飾の楽しさ・完成後の展示も喜ばれます。風鈴作りの工作は個性が出やすく、感性を活かせます。「どんな模様にしましょうか?」「この色、夏らしいですね」など会話も弾みます。
■準備する物
- プラコップ(透明)またはペットボトルの底部分
- 色画用紙、折り紙、マジック、シール(飾り用)
- タコ糸、鈴またはビー玉など音の出る素材
- テープ、はさみ、のり、穴あけパンチ
- 吊るすためのフックまたは壁面展示スペース
■進め方
- 職員がプラコップに穴を開け、糸と鈴を通して準備しておきます。
- 利用者に色紙や折り紙を使って自由に装飾してもらいましょう。
- 完成したら施設内に吊るして飾っておきましょう。
金魚すくいゲーム

水に浮かせた金魚(風)をお玉やうちわで救うゲーム。視覚・手先・集中力・笑いが生まれる夏レクです。体を乗り出して前傾する動きが自然に促されるため、リハビリ効果もあります。水が怖い方には「乾いた金魚すくい」バージョンも可。
■準備する物
- タライや大きめの容器(床濡れ対策にビニールシート)
- 赤いスポンジ・フェルトなどで作った「金魚」
- すくう道具:お玉、紙皿に穴を開けたもの、プラスチックスプーンなど
- タイマー(制限時間を設けても◎)
■進め方
- タライに水を貼って金魚を浮かべて準備しておきます。
- 順番に挑戦してもらい、職員が「がんばって!あと1匹!」と声かけします。
- 難易度はお玉→紙皿→うちわと変更できます。
- 成功したら「〇匹ゲット!すごい!」と拍手で盛り上げます。
- 終了後は「本物の金魚をすくったことありますか?」など会話を楽しみましょう。
ヨーヨー釣り風バランス運動

水風船の代わりに軽量ボールや風船を使い、釣りの動作でバランス・腕の可動域・集中力を楽しく刺激します。体幹・腕・視覚のトレーニング要素があり、ゲーム性が高く盛り上がります。高齢者の身体機能に合わせて距離や道具を調整しましょう。水を少なくしたヨーヨーでも可能ですが、顔や手に当たると危ないので、軽い風船を使った方法をご紹介します。
■準備する物
- カラーボール、紙風船など軽い“ヨーヨー”素材
- 糸にクリップを付けた“釣り竿”(洗濯バサミや磁石も可)
- ヨーヨーを置く容器(浅め)
- 安全対策のため、座って行う環境(椅子 or 車椅子)
- タイマー
■進め方
- ヨーヨーを配置して準備をしておきます。
- 利用者に釣り竿を持ってもらい、ゲームをスタートします。
- 「少し前に出してみましょう」「もう少し右です」と丁寧に声かけします。
- 釣れたら大きく反応して「やったー!」「上手ですね!」と声掛けしましょう。
- 成果を記録したり、釣った数でちょっとした景品を渡しても盛り上がります。
音楽レクリエーション

夏をテーマにした楽曲を鑑賞したり、歌ったりする音楽レクリエーションです。さらに、簡単な楽器を使ったリズム遊びや合奏を取り入れると、より楽しい音楽レクリエーションになります。紙コップやペットボトルを活用した手作り楽器で、リズムを刻んでみましょう。また、参加者が順番に歌を歌う歌詞リレー形式にすることで歌詞が思い出せるかどうかを楽しみながら、記憶力や発声を鍛えられます。
■おすすめ曲
- 夏の思い出/森山良子など多数
→ 「夏がくれば 思い出す…」の歌詞が印象的。 - 真っ赤な太陽/美空ひばり
→ 明るく元気に歌える夏の定番。 - 海(「海は広いな 大きいな~」)
→ 夏の定番唱歌。穏やかな雰囲気で合唱しやすい。 - 我は海の子(「われは海の子 白波の~」)
→ 夏の海の雄大な情景が浮かぶ力強い歌。男性利用者にも人気。 - 君といつまでも/加山雄三
→ 海や若さ、夏の恋を感じる一曲。BGMにも最適。 - 二人の銀座/和泉雅子・山内賢
→ 夏のデート風景が描かれるさわやかなデュエット曲。
7月のクイズ大会

夏にまつわるクイズ大会を開きます。マルバツ問題にしたり、3択にすることで難易度が下がり、高齢者の方でも答えやすくなります。
■問題例
問1:「た〜まや〜!」「か〜ぎや〜!」というかけ声は、どんな時に使う?
①鏡開き
②花火大会
③節分
<答え>②:江戸時代の有名な花火師の屋号(玉屋・鍵屋)にちなんだかけ声。今でも花火大会の風物詩です。
問2:7月の別名「文月(ふみづき)」は、何が由来とされていますか?
①本を読む月だから
②手紙や願い事を書く風習があるから
③学校が始まる月だから
<答え>②:七夕に短冊を書くことから、文(ふみ=手紙・願い)を大切にする月とされました。
問3:日本の夏祭りで使われる「金魚すくい」の金魚は、もともとどこの国から来た?
①中国
②アメリカ
③ヨーロッパ
<答え>①:中国から日本に伝わり、江戸時代に庶民の間で親しまれるようになりました。
7月の脳トレ(クロスワードパズル・間違い探し)

7月にちなんだ言葉を使ったクロスワードパズルや、間違い探しゲームを取り入れましょう。
「7月」にちなんだ言葉の例
- 七夕(たなばた)
- 短冊(たんざく)
- 星(ほし)
- 織姫(おりひめ)
- 彦星(ひこぼし)
- 浴衣(ゆかた)
- 花火(はなび)
- 夏休み(なつやすみ)
- 土用(どよう)
- うなぎ
- ひまわり
- スイカ
- 海(うみ)
- 梅雨明け(つゆあけ)
- 風鈴(ふうりん)
- ラジオ体操(らじおたいそう)
- 蚊(か)
- 扇風機(せんぷうき)
- 虫取り(むしとり)
- 金魚すくい(きんぎょすくい)
通年を通して楽しめる室内レクリエーション
7月以外でも、通年を通して楽しめる室内レクリエーションを集めました。
7月は気温や湿度が高く、熱中症のリスクも増す時期です。そのため、室内でのレクリエーションは、安心・安全に活動を楽しむための良い選択肢となります。冷房の効いた室内なら、体力に不安のある方や暑さに弱い方でも無理なく参加でき、活動の幅も広がります。
風船バレー

室内で体を動かせるレクリエーションは、暑くて外に出られない日の気分転換に最適です。室内でできる運動ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。
■準備するもの
- 風船
- 簡易ネット(タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整)
- コーンやテープ(プレイエリアの境界を作るため)
■進め方
- 参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2~4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
- 風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ(最初の一発)は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
- ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。
ペットボトルボウリング

ペットボトルとボールを使用したボウリングも雨の日の気分転換に最適です。チーム制にするとより盛り上がります。
■準備するもの
- 空のペットボトル 10本(500ml〜2Lのものがおすすめ)
- ボール(サッカーボールやビーチボールなど、転がしやすいもの)
- 水(ペットボトルの重りとして使用)
- ガムテープ(ピンの位置や投球ラインの目印用)
■進め方
- ペットボトルに少量の水を入れて重りにします。入れすぎると倒れにくくなるので、1/4程度が目安です。フタはしっかりと締めるようにしましょう。
- ボウリングと同様に、三角形の形に並べます。各列の間隔は、ボールが転がりやすいように適度に広めにしましょう。ピンの位置にはテープなどで印をつけると、倒れた後の復元がスムーズです。
- ペットボトルから2〜3メートルほど離れた位置に椅子を設置します。椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競います。
的当てゲーム

的に「10点」「30点」「50点」などの点数を書いて、的に当たった場所の点数を合計して遊びます。点数以外にも「ひまわり」「花火」「うちわ」など夏にちなんだ絵を入れて、当たった絵に応じたポイントや特典をつけるのも季節感が出ます。
■準備するもの
- 的:画用紙や段ボールを使って円や四角の的を作り、点数を書き込む。市販の的を利用してもOK。
- ボール:安全で投げやすいもの
- テープやひも:参加者の座る位置や投げるラインを示す。
- ホワイトボードや紙:得点を記録するために使用。
- 椅子(必要に応じて):座ったまま行う場合に使用。
■進め方
- 床や机の上に的を設置します。的には得点を表示します。的と参加者の距離は、参加者の身体状況に合わせて調整しましょう。無理なく届く距離にするのがポイントです。
- 1人3回ずつボールを投げるなど、回数や順番を決めます。的に当たった場所の得点を合計し、高得点の人やチームが勝ちとなります。
- 参加者が順番にボールを投げ、職員が得点を記録します。
まとめ

7月は季節の行事や自然を楽しむネタが豊富な月です。外に出づらい日も、工夫次第で室内にいながら夏らしさを感じられるレクリエーションがたくさんあります。行事をきっかけに会話が弾んだり、手作業を通じて手先を動かすことが、心身の活性化にもつながります。
参加される方の体調や好みに合わせて、無理なく楽しめる形で取り入れてみてください