介護の基礎知識
6月のレクリエーションアイデア集|高齢者施設・デイサービス向け
- 公開日:2025年04月02日
- 更新日:2025年04月02日

梅雨の季節である6月は、雨の日が多く屋外活動が制限されることが増えます。しかし、そんな時期でも高齢者の方々が楽しめるレクリエーションを取り入れることで、心身の健康を維持し、日々の生活に彩りを加えることができます。今回は、6月におすすめの高齢者向けレクリエーションアイデアをご紹介します。
6月のレクリエーションのポイント
雨で外に出られない日が増えるため、運動不足・ストレス解消を意識して室内で行える運動を取り入れるよう意識します。また、梅雨の時期は気分が沈みやすく、孤独感を抱く方も少なくありません。利用者同士の交流を増やしたり、適度な運動を取り入れるなど、明るい気分で過ごせるよう配慮が必要です。
- 雨が多いため室内で楽しめるレクリエーションを多めに取り入れる
- 6月ならではの自然や行事をテーマにすることで季節感を取り入れる
- 運動不足・ストレス解消を意識して室内で行える運動を取り入れる
- 気分が沈んでしまう方もいらっしゃるので配慮が必要
6月ならではのレクリエーション
梅雨川柳コンテスト

言葉遊びの一環として、梅雨をテーマにした川柳を考えるレクリエーションです。「梅雨」「雨」「アジサイ」などのテーマを決めて、自由に川柳を作ってもらいましょう。最後に作品を発表し、参加者同士で感想を共有することで、皆でわいわい盛り上がることができます。創造力を刺激し、言葉を考えることで脳の活性化にもつながります。
梅ジュース作り

6月は梅の実が旬を迎える時期です。梅ジュース作りは、完成までの工程を楽しみながら味わいも楽しめるレクリエーションになります。完成したジュースは参加者と一緒に味わうイベントにすると楽しいです。
■準備する物
・梅の実
・氷砂糖
・消毒済みの瓶
■進め方
1.梅のヘタを取り、水洗いして乾燥させる
2.瓶に梅と氷砂糖を交互に入れる
3.1ヶ月ほど熟成させ、梅ジュースを完成させる
梅干し作り

梅の実を使って梅干しを作ることもできます。梅干しを作った経験のある利用者様がいらっしゃれば、思い出話にも花が咲きます。
■準備する物
・梅の実
・塩
・消毒済みの瓶
■進め方
1.梅のヘタを取り、水洗いして乾燥させる
2.梅の重量に対して、18%の塩で塩漬けします
3.重しを入れてしっかりふたを閉め、3週間ほど風通しの良い場所に置いておきます
4.天気の良い日に3日間ほど天日干しにして出来上がりです
てるてる坊主作り

6月の風物詩である「てるてる坊主」を作るレクリエーションです。作った後に窓辺に飾ることで、晴れを願う楽しみもあります。完成した作品に名前をつけても愛着も湧き、盛り上がるでしょう。
■準備する物
・白い布やティッシュペーパー
・紐や輪ゴム
・マジックペン
■進め方
1.布を丸めた綿やティッシュにかぶせ、輪ゴムで固定
2.顔を描いて完成
紫陽花見学ツアー

近隣の公園や施設に咲いている紫陽花を見に行くミニツアーです。外出が難しい場合は施設内に紫陽花の装飾を施したり、映像や写真を活用した「室内お花見」を開催するのも良いでしょう。また、紫陽花以外の6月が見頃の花は以下の通りです。
- バラ
- シャクヤク
- ハナショウブ
- ラベンダー
- クチナシ
- スイレン
梅雨のクイズ大会
梅雨にまつわるクイズ大会を開きます。マルバツ問題にしたり、3択にすることで難易度が下がり、高齢者の方でも答えやすくなります。問題例は以下の通りです。
第1問:梅雨は日本特有の気象現象ですが、次のうち「梅雨」がある国はどれでしょう?
①イタリア
②インド
③韓国<答え> 梅雨は日本のほかに、中国や韓国、台湾でも見られる現象です。
第2問:梅雨の季節に見頃を迎える花「アジサイ」の花の色は、何によって変わるでしょう?
①土の成分
②日光の強さ
③気温<答え> アジサイの花の色は土壌の酸度によって変わります。酸性なら青、アルカリ性ならピンクになります。
第3問:梅雨の時期に活発になるカタツムリの目は、体のどこについているでしょう?
①背中
②触角の先端
③口の近く<答え> カタツムリの目は長い触角の先端にあり、意外と繊細な視力を持っています。
傘デコレーション

ビニール傘にシールやペンで装飾を施し、オリジナル傘を作るクラフト活動です。世界に一つだけの傘が完成し、雨の日の外出が楽しくなります。
■準備する物
・透明ビニール傘
・油性ペン、ステッカー、シール
音楽レクリエーション

梅雨をテーマにした楽曲を鑑賞したり、歌ったりする音楽レクリエーションです。さらに、簡単な楽器を使ったリズム遊びや合奏を取り入れると、より楽しい音楽レクリエーションになります。紙コップやペットボトルを活用した手作り楽器で、リズムを刻んでみましょう。また、参加者が順番に歌を歌う歌詞リレー形式にすることで歌詞が思い出せるかどうかを楽しみながら、記憶力や発声を鍛えられます。
■おすすめ曲
「雨の慕情」(八代亜紀)
「見上げてごらん夜の星を」(坂本九)
「かえるの合唱」などの童謡
梅雨をテーマにした創作活動

創作活動は手先を使い、脳を活性化させる効果が期待できます。梅雨にまつわる風景を描く絵画レクリエーションや、紫陽花のちぎり絵や折り紙は難易度を調整しやすく、幅広い方が楽しめます。完成した作品を施設内に飾ることで、室内で過ごすことが多い梅雨でも、室内を明るい雰囲気に演出できます。
室内ガーデニング体験

6月は植物が活き活きと育つ時期です。室内で行うミニガーデニングを楽しむことで、植物と触れ合いながら心を癒すことができます。成長を観察する楽しみがあり、継続的な活動につながります。
■準備物
・小さな鉢植え
・土や肥料
・ハーブや観葉植物の苗
・軍手やスコップ
屋外レクリエーション
散歩&外気浴

雨で外に出られない日が多い6月は、利用者様もストレスが貯まりやすくなります。外に出られる日は近所の散歩でも良いので、リフレッシュのために積極的に外に出るようにしましょう。
室内でできる創作・ゲームレクリエーション

6月の脳トレ(クロスワード・間違い探し)
6月にちなんだ言葉を使ったクロスワードや、間違い探しゲームを取り入れましょう。
「6月」にちなんだ言葉の例:梅雨、アジサイ、湿度、カエル、カタツムリ、父の日、傘、てるてる坊主、長靴、レインコート、虹
風船バレー
雨の日でも体を動かせるレクリエーションは、気分転換に最適です。室内でできる運動ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。
■準備するもの
・風船
・簡易ネット(タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整)
・コーンやテープ(プレイエリアの境界を作るため)
■進め方
①参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2~4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
②風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ(最初の一発)は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
③ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。
ペットボトルボウリング
ペットボトルとボールを使用したボウリングも雨の日の気分転換に最適です。チーム制にするとより盛り上がります。
■準備するもの
・空のペットボトル 10本(500ml〜2Lのものがおすすめ)
・ボール(サッカーボールやビーチボールなど、転がしやすいもの)
・水(ペットボトルの重りとして使用)
・ガムテープ(ピンの位置や投球ラインの目印用)
■進め方
①ペットボトルに少量の水を入れて重りにします。入れすぎると倒れにくくなるので、1/4程度が目安です。フタはしっかりと締めるようにしましょう。
②ボウリングと同様に、三角形の形に並べます。各列の間隔は、ボールが転がりやすいように適度に広めにしましょう。ピンの位置にはテープなどで印をつけると、倒れた後の復元がスムーズです。
③ペットボトルから2〜3メートルほど離れた位置に椅子を設置します。椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競います。
的当てゲーム
的に「10点」「30点」「50点」などの点数を書いて、的に当たった場所の点数を合計して遊びます。点数以外にも「アジサイ」「カエル」「てるてる坊主」など6月にちなんだ絵を入れて、当たった絵に応じたポイントや特典をつけるのも季節感が出ます。
■準備するもの
・的:画用紙や段ボールを使って円や四角の的を作り、点数を書き込む。市販の的を利用してもOK。
・ボール:安全で投げやすいもの
・テープやひも:参加者の座る位置や投げるラインを示す。
・ホワイトボードや紙:得点を記録するために使用。
・椅子(必要に応じて):座ったまま行う場合に使用。
■進め方
①床や机の上に的を設置します。的には得点を表示します。的と参加者の距離は、参加者の身体状況に合わせて調整しましょう。無理なく届く距離にするのがポイントです。
②1人3回ずつボールを投げるなど、回数や順番を決めます。的に当たった場所の得点を合計し、高得点の人やチームが勝ちとなります。
③参加者が順番にボールを投げ、職員が得点を記録します。
まとめ
6月のレクリエーションでは、天候や季節感に合った工夫を取り入れ、心身ともにリフレッシュできる内容が理想的です。参加者が無理なく楽しく取り組めるよう、難易度などを調整して計画してみてください。