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介護の基礎知識

【2024年報酬改定対応】デイサービスの個別機能訓練加算をわかりやすく

  • 公開日:2025年02月19日
  • 更新日:2025年11月06日

デイサービスにおける個別機能訓練加算は、機能訓練指導員を配置し、利用者ごとに個別の機能訓練計画書を作成したうえで、その計画に沿った訓練を実施することで算定できる加算です。

本記事では、個別機能訓練加算の2024年の介護報酬改定での変更点や単位数、算定要件などをわかりやすくご紹介します。

2024年(令和6年)介護報酬改正による変更点

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算について、機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、 機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて 1 名以上配置しなければならないとしている要件を緩和するとともに、評価の見直しが行なわれました。報酬改定による変更点は以下の太字の箇所となります。

<算定単位数>
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 56単位/日→変更なし
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ 85単位/日→76単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ) 20単位/月→変更なし

<算定要件>
機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、 機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて 1 名以上配置しなければならないとしている要件が緩和され、「配置時間の定めなし」に変更されました。

個別機能訓練加算の単位数・算定要件

個別機能訓練加算(Ⅰ)イの算定要件(単位数:1日56単位)

個別機能訓練加算(Ⅰ)イの算定要件は以下の通りです。

  • 専従の機能訓練指導員を1名以上配置(配置時間の定めなし)
  • 居宅訪問で得られた利用者のニーズと生活状況を参考に、多職種でアセスメントを行い、個別機能訓練計画書を作成する
  • 利用者の心身状況に応じた機能訓練の内容を設定し、機能訓練指導員が実施する
  • 3ヵ月に1回以上、利用者の居宅に訪問して生活状況を確認し、本人と家族に個別機能訓練計画書の進捗状況を確認し、適宜内容の見直しをする

個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件(単位数:1日76単位)

個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件は以下の通りです。

  • 専従の機能訓練指導員を2名以上配置(配置時間の定めなし)
  • 居宅訪問で得られた利用者のニーズと生活状況を参考に、多職種でアセスメントを行い、個別機能訓練計画書を作成する
  • 利用者の心身状況に応じた機能訓練の内容を設定し、機能訓練指導員が実施する
  • 3ヵ月に1回以上、利用者の居宅に訪問して生活状況を確認し、本人と家族に個別機能訓練計画書の進捗状況を確認し、適宜内容の見直しをする

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの違いは、機能訓練指導員の配置人数が1名以上か2名以上かの違いです。

個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件(単位数:1日20単位)

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロのいずれかを算定している個別機能訓練計画の内容をLIFE(科学的介護情報システム)にて厚生労働省に提出し、フィードバックを受けていることが算定要件となります。

個別機能訓練加算の算定に必要な書類

個別機能訓練加算の算定には、自治体への届出が必要な書類と、加算の算定のための書類の提出が必要です。

自治体への届出が必要な書類

個別機能訓練加算を算定する際、まずは市区町村の役所に「届出書類」を提出します。提出が必要な書類は自治体によって多少異なります。そのため、必要な書類については、管轄自治体のホームページなどで最新の情報を確認してください。一般的に提出が必要な書類は以下の通りです。

  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(加算届)
  • 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表
  • 従業員の勤務体制および勤務形態一覧表
  • 機能訓練指導員の資格証(写し)

提出書類は、各書類ごとに2部作成し、持参または郵送で提出します。1部は自治体へ提出し、もう1部は自治体の担当者から受付印をもらい、事業所で控えとして保管してください。

また、提出方法は市区町村によって異なり、「窓口での直接提出」または「郵送提出」と指定されている場合があります。スムーズに手続きを進めるためにも、事前に事業所が登記されている市区町村へ確認しておくことをおすすめします。

個別機能訓練加算の算定のための書類

個別機能訓練加算に必要な書類は以下の4つです。

  • 生活機能チェックシート(旧:居宅訪問チェックシート)
  • 興味・関心チェックシート
  • 個別機能訓練計画書
  • 機能訓練記録
●生活機能チェックシート
生活機能チェックシートは、利用者の居宅における生活状況を把握するための評価シートです。2021年の介護報酬改定前は「居宅訪問チェックシート」として運用されていました。
個別機能訓練加算を算定する際には、必ず作成が必要で、3ヵ月に1回提出しなければなりません。
●興味・関心チェックシート
このチェックシートは、日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)、趣味・余暇活動、スポーツ、社会参加などの項目を通じて、利用者のニーズを把握するための評価シートです。
●個別機能訓練計画書
利用者一人ひとりの心身の状態、希望・要望、自宅環境に合わせて、機能訓練の目標や訓練項目を設定する計画書です。機能訓練指導員を中心に、他の職種と連携して作成します。
生活機能チェックシートや興味・関心チェックシートを活用しながら、利用者のニーズに基づいた訓練プログラムを策定し、長期目標・短期目標・訓練項目などを具体的に記載します。「生活機能チェックシート」と同様、こちらも3ヵ月に1回の提出が必要です。
●機能訓練記録
実施した機能訓練の内容を記録するための書類です。訓練を実施するたびに記録を残し、個別機能訓練に従事する職員が閲覧できる状態にしておく必要があります。

個別機能訓練加算の算定手順

個別機能訓練加算を算定するためには、以下の9つの手順が必要です。

1.個別機能訓練加算の算定要件を確認する
2.個別機能訓練加算に必要な書類の届出
3.ケアマネジャーと利用者様へ周知する
4.対象となる利用者の居宅訪問をする
5.個別機能訓練計画書を作成する
6.利用者・ご家族への説明と同意を得る
7.機能訓練メニューを実施する
8.評価を実施する
9.個別機能訓練の実施記録を記載・保管する

1.個別機能訓練加算の算定要件を確認する
まずは、「個別機能訓練加算の算定要件」を確認しましょう。

・個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ:特定の人員配置や訓練内容が要件となります。
・個別機能訓練加算(Ⅱ):加算(Ⅰ)イ・ロの要件に加え、LIFEの活用が必須です。
2.個別機能訓練加算に必要な書類の届出
算定要件を満たしたら、次に自治体へ必要書類を提出します。
3.ケアマネジャーと利用者様へ周知する
個別機能訓練加算を算定する際は、関係者にしっかりと周知し、理解を得ることが重要です。

■ケアマネジャーへの説明
・デイサービスが個別機能訓練加算を算定する事業所であることを伝える
・加算の内容を理解してもらい、ケアプランへ明記してもらう
・提供できる具体的なサービスを説明し、適切なケアマネジメントを支援する

■利用者・家族への説明
・個別機能訓練加算を算定することで発生する追加料金について説明する
・実際に提供するサービス内容を伝え、同意を得る
4.対象となる利用者の居宅訪問をする
算定要件のひとつとして、「居宅訪問」が必須となります。

▼居宅訪問で確認する内容
・日常生活の状況(生活動作・家事動作など)
・生活上の課題や困りごと
・自宅環境の状況(トイレ・階段・段差・手すりの位置など)
💡 「生活機能チェックシート」を活用することで、生活上の課題をスムーズに把握できます。

この情報を基に、利用者に適した機能訓練プログラムを具体的に設計します。例えば、自宅の段差の高さを考慮した訓練や、実際の手すりの位置に合わせた動作訓練など、より実践的なプログラムを作成できます。
5.個別機能訓練計画書を作成する
最後に、利用者ごとに「目標」「実施時間」「実施方法」などを明記した「個別機能訓練計画書」を作成します。
6.利用者・ご家族への説明と同意を得る
個別機能訓練計画書を作成した後は、利用者本人またはご家族に対して計画の内容を丁寧に説明し、同意を得ることが必要です。
7.機能訓練メニューを実施する
個別機能訓練計画書に基づき、同意を得た後に訓練を開始します。

・利用者の状態や目標に応じたプログラムを実施する
・進捗を確認しながら、適宜内容を調整する
・利用者が無理なく取り組めるよう、サポートを行う
8.評価を実施する
機能訓練指導員を中心に、提供した訓練が利用者の目標達成にどのように貢献しているかを定期的に評価します。

評価結果に基づき、3ヶ月に1回以上の頻度で必要に応じて目標設定や訓練内容を見直し、計画書を再作成します。見直した内容は利用者・ご家族に説明し、同意・署名をもらうことが重要です。
9.個別機能訓練の実施記録を記載・保管する
実施記録の作成と保管
個別機能訓練加算を算定する際に忘れてはならないのが、実施記録の作成・保管です。以下のポイントに注意して保管を行いましょう。

・機能訓練の実施内容を毎回記録すること
・記録は、個別機能訓練に従事する職員がいつでも閲覧できるように管理すること
・適切な形で保管し、必要に応じて提出できる状態にしておくこと

個別機能訓練加算についてのQ&A

「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」より、個別機能訓練加算についてのQ&Aを抜き出しました。

参考:「令和6年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)」|厚生労働省

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの人員配置要件 問 53

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているが、具体的な配置時間の定めはあるのか。

A.個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロに係る機能訓練指導員については、具体的な配置時間の定めはないが、当該機能訓練指導員は個別機能訓練計画の策定に主体的に関与するとともに、利用者に対し個別機能訓練を直接実施したり、実施後の効果等を評価したりする必要があることから、計画策定に要する時間、訓練時間、効果を評価する時間等を踏まえて配置すること。なお、当該機能訓練指導員は専従で配置することが必要であるが、常勤・非常勤の別は問わない。

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの人員配置要件 問 54

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているため、合計で同時に2名以上の理学療法士等を配置する必要があるということか。

A.貴見のとおり。

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロの人員配置要件 問 55

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているが、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名しか確保できない日がある場合、当該日は個別機能訓練加算(Ⅰ)ロに代えて個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定してもよいか。

A.差し支えない。ただし、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置しているのみの場合と、これに加えて専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置している場合では、個別機能訓練の実施体制に差が生じるものであることから、営業日ごとの理学療法士等の配置体制について、利用者にあらかじめ説明しておく必要がある。

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの人員配置要件 問 56

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)イにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっている。また個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、個別機能訓練加算(Ⅰ)イの要件である、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているが、これらの理学療法士等は病院、診療所、訪問看護ステーション等との連携により確保することとしてもよいか。

A.個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロについては、いずれの場合も、当該加算を算定する事業所に理学療法士等を配置する必要があることから、事業所以外の機関との連携により確保することは認められない。

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの人員配置要件 問 57

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているが、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは、この要件に基づき、合計で2名以上の理学療法士等を配置している時間帯において個別機能訓練を実施した利用者に対してのみ算定することができるのか。

A.貴見のとおり。例えばサービス提供時間が9時から 17 時である通所介護等事業所において、
- 9時から 12 時:専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名配置
- 10 時から 13 時:専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名配置
した場合、10 時から 12 時までに当該理学療法士等から個別機能訓練を受けた利用者に対してのみ、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定することができる。(9時から 10 時、12 時から 13 時に当該理学療法士等から個別機能訓練を受けた利用者については、個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定することができる。)

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)機能訓練指導員が専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を兼務した場合 の個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又はロの算定 問 58

Q.個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又はロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置する必要があるが、通所介護事業所(地域密着型通所介護事業所)において配置が義務づけられている機能訓練指導員に加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置する必要があるのか。

A.機能訓練指導員の配置基準は、指定通所介護事業所(指定地域密着型通所介護事業所)ごとに1以上とされている。この基準により配置された機能訓練指導員が「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等」である場合は、個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件の一つである「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置」を満たすものとして差し支えない。

まとめ

もともと通所介護(デイサービス)の主な目的は、利用者様やご家族のレスパイトケアでしたが、最近では「体力をつけたい」「一人でトイレに行けるようになりたい」など、利用者の身体機能の向上や生活機能の維持・向上を目指すニーズに応じて、機能訓練(リハビリ)を提供する事業所が増えてきました。高齢者が歳を重ねるにつれて、身体機能の衰えを感じることが多くなりますが、定期的な機能訓練(リハビリ)は、住み慣れた自宅でできるだけ長く自立した生活を維持するために非常に重要です。

令和6年度の介護報酬改定では、国が高齢者の自立支援や重度化防止に取り組む事業者を評価する方針を明確にしました。そのため、通所介護(デイサービス)の運営においても、個別機能訓練加算を算定することは非常に重要な要素となっています。

本記事は、作成時点での最新の資料・情報に基づいています。具体的な解釈や申請手続きについては、最新の情報をご確認のうえ、必要に応じて自治体などの関係機関へお問い合わせください。

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