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介護の基礎知識

【2024年改定対応】認知症短期集中リハビリテーション実施加算の単位数や算定要件とは

  • 公開日:2025年02月18日
  • 更新日:2025年11月07日

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、認知症の進行を遅らせ、生活の質を向上させることを評価する加算です。短期間で集中的にリハビリテーションを実施することにより、認知機能の維持や改善を目指したプログラムに対して加算されます。ただし、具体的な単位数や算定要件については、理解が難しいと感じる方も多いでしょう。

この記事では、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の概要や、単位数・算定要件の詳細について、分かりやすく解説します。

認知症短期集中リハビリテーションとは?

認知症短期集中リハビリテーションとは、認知症の進行を遅らせ、生活の質(QOL)を向上させるためのリハビリテーションのことです。

治療法の例としては、以下のようなリハビリプログラムを通して行動の改善を目指します。

  • 作業療法
  • 運動療法
  • 音楽療法
  • 学習療法
  • 回想法
  • 現実見当識訓練
  • 日常生活動作訓練

認知症短期集中リハビリテーション実施加算とは?

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、認知症を持つ利用者に対して短期間で集中的にリハビリテーションを行った際に算定されます。この加算を受けるためには、国が定めた条件を満たした上で届出を提出する必要があります。ただし、介護老人保健施設の場合は届出の提出は不要です。

2024年(令和6年)介護報酬改正による変更点

認知症短期集中リハビリテーション実施加算に関する介護報酬改正における変更点は以下の2点です。

①認知症短期集中リハビリテーション実施加算の対象施設に訪問リハビリテーションが追加

認知症のリハビリテーションを推進していく観点から、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の対象施設に訪問リハビリテーションが追加されました。

②介護老人保健施設における「認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)」の区分の新設

認知症を有する入所者の居宅における生活環境に対応したサービス提供を推進する観点から、現行の認知症短期集中リハビリテーション実施加算について、当該入所者の居宅を訪問し生活環境を把握することを評価する新たな区分が設けられました

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の対象事業所

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の対象事業所は以下の3事業所です。

  • 介護老人保健施設
  • 通所リハビリテーション
  • 訪問リハビリテーション

認知症短期集中リハビリテーション実施加算の単位数と算定要件

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、対象となるサービスごとに単位数や算定要件が異なります。

介護老人保健施設の単位数・算定要件

単位数

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)
240単位/日
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)
120単位/日※両加算とも週3日を限度とする
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

算定要件

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)
(1)リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が適切に配置されていること。
(2)リハビリテーションを行うに当たり、入所者数が、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の数に対して適切なものであること。
(3)入所者が退所後生活する居宅又は社会福祉施設等を訪問し、当該訪問により把握した生活環境を踏まえたリハビリテーション計画を作成していること。
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の(1)及び(2)に該当するものであること。

※算定上の注意:短期集中個別リハビリテーション実施加算、または生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

通所リハビリテーションの単位数・算定要件

単位数

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)
240単位/日※週2日を限度とする
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)
1,920単位/月

算定要件

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)
・生活機能の改善が見込まれると判断された利用者に対して、医師などが、集中的なリハビリテーションを個別に実施すること
・リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が配置されていること
・リハビリテーションをおこなうにあたり、利用者数が、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の数に対して適切であること
・1週間に2日を限度として、個別リハビリテーションを20分以上実施すること
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の算定要件に加えて以下2つの基準のいずれにも適合すること。

・月に4回以上リハビリテーションを実施すること
・利用者の居宅へ訪問し、生活環境の把握、応用動作能力等の評価等をおこない、リハビリテーションの実施頻度・場所・時間等が記載された通所リハビリテーション計画を作成・実施すること
・通所リハビリテーション費における、リハビリテーションマネジメント加算(イ)(ロ)いずれかを算定していること

※算定上の注意:短期集中個別リハビリテーション実施加算、または生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

訪問リハビリテーションの単位数・算定要件

単位数

認知症短期集中リハビリテーション実施加算
240単位/日

算定要件

認知症短期集中リハビリテーション実施加算
認知症であると医師が判断した者であって、リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された者に対して、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が、その退院(所)日又は訪問開始日から3月以内の期間に、リハビリテーションを集中的に行うこと。

※算定上の注意:短期集中リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算についてのよくある質問

認知症短期集中リハビリテーション実施加算のよくある質問は以下の通りです。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できるの?

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は、併せて算定することはできません。

認知症短期集中リハビリテーションは中核症状やBPSDの改善に効果があるの?

公益社団法人全国老人保健施設協会では、平成18年に創設された「認知症短期集中リハビリテーション」の効果について検証を行いました。その研究結果では、認知症の進行予防や心の健康維持を通じたADLの改善が認められ、非常に有効であるとされています

また、この研究結果は、厚生労働大臣の呼びかけによって始まった「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告でも言及されており、認知症短期集中リハビリテーションが中核症状やBPSDの改善にも効果的であるとされています。

参考:機関誌『老健』平成20年10月号掲載「認知症短期集中リハビリテーションに大きな効果」特集

まとめ:認知症短期集中リハビリテーション実施加算を取得しよう

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、認知症の進行を遅らせ、生活の質(QOL)を向上させることを目的とした加算です。短期間で集中的にリハビリテーションを実施し、認知機能の維持・改善を目指します。各サービスによって単位数や算定要件が異なり、担当するリハビリ専門職の配置や、リハビリ計画の作成・実施が求められます。また、他のリハビリ加算との併用が制限されている点にも注意が必要です。

認知症短期集中リハビリテーションは、適切に活用することで認知症の進行を遅らせ、利用者の自立支援や生活の質の向上に大きく貢献します。施設や事業所での導入・運用にあたり、要件を正しく理解し、効果的に活用していきましょう。

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