介護の基礎知識
アセスメントシートの記入例|課題分析標準項目23項目に対応した書き方とは?
- 公開日:2026年05月15日
- 更新日:2026年05月15日
介護サービスを提供するうえで欠かせない「アセスメント」。利用者の心身の状態や生活環境、本人・家族の希望などを把握し、適切な支援につなげるための重要な工程です。
本記事では、課題分析標準項目23項目に対応した現場でそのまま参考にしやすいアセスメントシートの記入例をご紹介します。実際の書き方やポイントについても紹介していますので、アセスメント作成時の参考としてぜひご活用ください。
アセスメントシートとは
アセスメントシートは、ケアマネジャーがケアプランを作成する際に使用するシートで、利用者や家族からヒアリングした内容をまとめるためにあります。ADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)、コミュニケーション能力や居住環境、精神状況を記入することで、利用者や家族の状況を把握し、ケアプランへと繋ぐことができます。このシートでは、利用者さんが具体的にどのような支援を必要としているか、またその背景にどのような事情があるかといった情報を簡潔にまとめることができます。これにより、総合的な介護方針や適切な目標設定がしやすくなり、利用者さんの情報を本人やご家族、さらには他の職種と共有するための役割も果たします。
アセスメントシートの様式
アセスメントシートの様式には決まりはなく、既存のフォーマットを利用するのはもちろん、ケアマネジャーが独自に作成しても問題ありません。アセスメントシートには以下の様式が存在するため、自身にとって使いやすいものを選んで活用するのも良いでしょう。特に居宅介護支援事業所では、「居宅サービス計画ガイドライン方式」が多く採用されています。
- 居宅サービス計画ガイドライン(全国社会福祉協議会)
- ケアマネジメント実践記録様式(日本社会福祉士会)
- 日本介護福祉士会方式(日本介護福祉士会)
- 日本訪問看護振興財団方式(日本訪問看護振興財団)
- 包括的自立支援プログラム(全国老人福祉施設協議会・全国老人保健施設協会・介護力強化病院連絡協議会)
- MDS-HC方式
- R4(公益社団法人全国老人保健施設協会)
また、令和5年には課題分析標準項目23項目が変更されました。この変更にあたり、厚生労働省は「すべての項目を必ず記入する必要はない」と通知していますが、実際には確認すべき項目の数が増えており、アセスメントの負担も増加しています。
アセスメントシートの記入例
以下ではよくある例として、軽度認知症+在宅生活継続希望のケースの記入例を記載しています。様式は課題分析標準項目23項目に対応した、トリケアトプスの独自様式となります。
軽度認知症+在宅生活継続希望のケース
基本情報(フェイスシート)
| 受付日 | ○/○(相談や依頼を受けた日) |
| 居宅サービス計画作成の状況 | 更新 |
| 受付方法 | 訪問 |
| 受付者 | 鳥谷 ケア子 |
| 世帯区分 | 同居家族あり |
| 家族構成 | 長女夫婦と同居。主介護者は長女。夫は他界。長男は県外在住。 |
| 緊急連絡先 | 長女 〇〇〇〇 TEL:090-XXXX-XXXX |
これまでの生活と現在の状況
| これまでの生活歴 | 夫が亡くなるまでは夫と2人暮らしで生活していた。長年パート勤務をしながら家事全般を担っていた。地域の友人との交流や買い物を楽しみにしており、近隣との関係も良好であった。数年前より物忘れがみられるようになり、徐々に家事の手順に混乱がみられるようになった。 |
| 現在の生活状況 | 現在は長女夫婦と同居。日中デイサービスを利用しない日は一人で過ごす時間が多い。食事や排泄は概ね自立しているが、服薬管理や金銭管理は家族支援が必要。最近は外出機会が減り、自宅でテレビを見て過ごすことが多い。 |
利用者の社会保障制度の利用情報
| 年金種類 | 国民年金・厚生年金 |
| 年金受給額 | 月額約13万円 |
現在利用している支援や社会資源の状況
| 現在利用している支援や社会資源の状況 | デイサービスを週3回利用中。かかりつけ医へ定期受診しており、家族が付き添いを行っている。地域包括支援センターとも連携中。 |
日常生活自立度
| 日常生活自立度(障害) | A1 |
| 介護支援専門員からみた現在 | A1 |
| 日常生活自立度(認知症) | Ⅱb |
| 介護支援専門員からみた現在 | Ⅱb |
主訴・意向
| 本人の主訴や意向 | できるだけ家で生活を続けたい。デイサービスでは体操やおしゃべりが楽しい。 |
| 家族等の主訴や意向 | 転倒や服薬忘れが心配。本人の希望を大切にしながら、無理なく在宅生活を続けてほしい。 |
認定情報
| 認定の有効期間 | 〇/〇/〇~〇/〇/〇 要介護2 |
今回のアセスメントの理由
| 今回のアセスメントの理由 | サービスの変更|歩行時のふらつきや物忘れが増えてきたため、サービス内容の見直しを目的として実施。 |
健康状態
| 利用者の健康状態及び心身の状況 | 身長〇㎝ 体重〇㎏ BMI〇 血圧〇/〇 |
| 既往歴 | 高血圧症、糖尿病、変形性膝関節症。3年前に脳梗塞の既往あり。 |
| 主症病 | アルツハイマー型認知症、高血圧症。 |
| 痛み | なし |
| 褥そう | なし |
| 麻痺 | なし |
| 主治医 | 医療機関〇〇 医師名〇〇 診療科目〇〇 TEL:090-XXXX-XXXX 受診状況〇〇 |
| 服薬内容 | 降圧剤、糖尿病治療薬、認知症治療薬を内服中。服薬忘れがあるため家族が管理している。 |
| 健康に対する理解や意識の状況 | 体調不良時には自ら訴えることができるが、病識はやや乏しい。服薬の必要性について理解が不十分な場面がある。 |
| 課題/特記事項 | 膝痛による歩行不安定さあり。転倒リスクに注意が必要。夏場は水分摂取不足がみられる。 |
ADL
| 寝返り | 可 |
| 起き上がり | つかまれば可 |
| 移乗 | 一部介助 |
| 移動 | 見守り |
| 移動方法 | 杖 |
| 階段昇降 | 一部介助 |
| 歩行 | 支えがあれば可 |
| 立位保持 | 支えがあれば可 |
| 座位保持 | 支えなしで可 |
| 更衣 | 一部介助 |
| 整容 | 見守り |
| 入浴 | 一部介助 |
| 食事 | 自立 |
| トイレ動作 | 見守り |
| 課題・特記事項 | 夜間トイレ時にふらつきあり。浴室内での転倒予防が必要。 |
IADL
| 調理 | できない |
| 掃除 | 一部できる |
| 洗濯 | 一部できる |
| 買物 | できない |
| 金銭管理 | できない |
| 服薬管理 | できない |
| 電話の利用 | できる |
| 交通機関の利用 | できない |
| 車の運転 | できない |
| 課題・特記事項 | 火の消し忘れがあり、現在は家族が調理を担当している。 |
認知機能や判断能力
| 認知機能 | 中度の障害 |
| 認知症 | あり |
| 中核症状と行動・心理症状 | 日時や場所の見当識低下あり。同じ話を繰り返すことがある。不安感が強く、家族の姿が見えないと落ち着かなくなることがある。 |
| 物忘れ | あり |
| 日常の意思決定 | 特別な場合を除いてできる |
| 問題行動 | 収集癖、同じ話をする |
| 課題・特記事項 | 夕方以降に不安感が強くなる傾向あり。環境変化に配慮が必要。 |
コミュニケーションにおける理解と表出の状況
| 意思の伝達 | 問題なし |
| 他者の理解 | 問題なし |
| 視覚 | 問題あり |
| 聴覚 | 問題なし |
| 補聴器 | 未使用 |
| 言語 | 問題なし |
| 障害 | なし |
| 電話 | 使用 |
| PC | 未使用 |
| スマートフォン | 未使用 |
| コミュニケーション機器・方法 | 会話での意思疎通は可能。文字は大きめであれば読める。 |
| 課題・特記事項 | 老眼が進行しており、小さい文字は読みづらい様子 |
生活リズム
| 6:00 | 起床 |
| 6:00~6:30 | 軽い体操 |
| 6:30~8:00 | 朝食・服薬・テレビ視聴 |
| 9:00~16:00 | デイサービス(利用日) |
| 17:00~18:00 | テレビ視聴 |
| 18:00~19:00 | 夕食 |
| 19:00~20:00 | 入浴 |
| 20:00~21:00 | テレビ視聴 |
| 21:00 | 就寝 |
| 休息・睡眠の状況 | 夜間は21時頃就寝し、6時頃起床する生活リズムとなっている。夜間に1〜2回トイレで起きることがあるが、再入眠は概ね可能。日中はテレビ視聴中にうたた寝することがある。デイサービス利用日は活動量が増えるため、夜間は比較的安眠できている。 |
| 課題・特記事項 | デイサービスを利用しない日は自宅でテレビ視聴・昼寝などして過ごす。 |
排泄の状況
| 排泄の場所 | 自宅 |
| 排泄の方法 | トイレ |
| 尿意 | ときどき |
| 尿失禁 | なし |
| 便意 | ときどき |
| 便失禁 | なし |
| 後始末の状況 | 排泄後の拭き取りや衣類調整は概ね自立しているが、時折声かけや確認を要する。夜間は動作が不安定なため見守りを行っている。 |
| 排泄リズム | 日中は定期的にトイレを使用している。夜間は1〜2回程度起きて排尿あり。便通は2〜3日に1回程度で便秘傾向がみられる。 |
| 便秘 | あり |
| 下痢 | なし |
| 排泄内容 | 尿・便ともに概ねトイレで排泄可能(軽度の失敗あり)。失禁はまれにみられるが、誘導や声かけにより対応可能。便秘時には腹部不快感を訴えることがある。 |
| 課題・特記事項 | 夜間の転倒予防のため、足元照明を使用している。便秘予防のため水分摂取や食事内容への配慮が必要。 |
清潔の保持に関する状況
| 入浴や整容の状況 | 入浴は一部介助にて実施。洗身や洗髪に声かけが必要な場面がある。整容は見守りで実施可能。 |
| 皮膚の状況 | 著明な褥瘡なし。乾燥傾向あり、冬季は掻痒感を訴えることがある。 |
| じょく瘡 | なし |
| 寝具や衣類の状況 | 衣類の選択や準備に迷うことがあり、家族の声かけや一部介助を要する。更衣は時間がかかることがあるが、促しにより実施可能。寝具の整理整頓は困難となっており、家族が適宜支援している。 |
| 課題・特記事項 | 浴室内動作に不安定さあり、滑り止めマットを使用中。口腔ケアの習慣継続が必要。 |
口腔内の状況
| 歯の状態 | 12本 |
| 欠損している歯 | あり |
| 義歯の状況 | 部分床義歯 |
| 歯磨き | 見守り |
| かみ合わせの状態 | 異常なし |
| 口臭 | あり |
| 口腔内の状態 | 口腔内に著明な異常はみられない。口腔乾燥が時折みられ、食後の食物残渣が残ることがある。 |
| 口腔ケアの状況 | 歯磨きは声かけにて実施。磨き残しがみられることがある。 |
| 課題・特記事項 | 口腔ケアの実施忘れや磨き残しがみられるため、継続した声かけや確認が必要。義歯管理への配慮と、口腔乾燥による口腔内環境悪化予防が必要である。嚥下機能低下やむせ込みに注意しながら、口腔機能の維持を図る必要がある。 |
食事摂取の状況
| 食事摂取 | 自立 |
| 食事回数・量 | 1日3食、概ね8〜10割摂取可能。 |
| 使用器具 | はし |
| 食事を準備する人 | 家族 |
| 食事形態 | 常食 |
| 食事の内容 | 家族が準備した常食を摂取している。主菜・副菜ともに概ね摂取できているが、硬い物は避ける傾向がある。 |
| 嚥下 | できる |
| 栄養状態 | 良好 |
| 水分摂取 | 自立 |
| 水分制限 | なし |
| 水分量 | 適切 |
| 食事制限 | あり 糖尿病があるため間食量に配慮している。 |
| 課題・特記事項 | 夏場は脱水傾向に注意が必要。 |
社会との関わり
| 家族との関わり | 長女夫婦との関係は良好。孫との会話を楽しみにしている。 |
| 地域との関わり | 以前より交流は減少しているが、近隣住民との挨拶程度の関わりは継続している。 |
| 仕事との関わり | 以前はパート勤務をしながら家事を担っていた。現在は就労していない。 |
| 課題・特記事項 | 外出機会が減少しており、閉じこもり予防のため継続した社会参加支援が必要。 |
家族等の状況
| 主な介護者 | 〇〇〇〇 長女 |
| 仕事 | あり |
| 意欲 | あり |
| 知識・経験 | 特になし |
| 費用の負担 | 可 |
| 家族等の状況 | 長女夫婦と同居している。主介護者は長女であり、日常生活の見守りや服薬管理、通院支援を行っている。家族関係は良好で、本人の在宅生活継続の希望を尊重しながら支援している。 |
| 支援への参加状況 | 長女を中心に日常的な見守りや服薬管理、通院付き添いを行っている。家族は介護サービス利用にも協力的であり、情報共有を行いながら支援に参加している。 |
| 特に配慮すべき事項 | 認知症進行に伴い見守り場面が増えており、家族の精神的・身体的負担がみられる。 |
| 課題・特記事項 | 介護負担軽減のため、サービス継続利用とレスパイト支援の検討が必要である。 |
居住環境
| 日常生活を行う環境 | 戸建住宅。寝室は1階を使用。廊下は手すり設置あり。 |
| 住宅改修の必要性 | 歩行時のふらつきや夜間移動時の不安定さがみられるため、浴室・トイレ周辺を中心とした追加的な安全対策の検討が必要。 |
| 場所 | 浴室出入口、浴室内、トイレ内。特に立ち座り動作時や出入り動作時にふらつきがみられるため、手すり追加や滑り止め対策を検討。 |
| 危険箇所 | 浴室床面や玄関の段差に転倒リスクあり。夜間の廊下移動時にふらつきがみられる。 |
| 場所 | 浴室・玄関 |
| 居住環境においてリスクになりうる状況 | 住宅内に段差があり、膝痛や歩行時ふらつきにより転倒の危険性がある。夜間は照明不足により移動時の安全確保が必要。 |
| 自宅周辺の環境やその利便性等 | 住宅地に位置し、近隣との関係は良好。近隣にスーパーや医療機関があり生活利便性は高い。デイサービス送迎利用可能。 |
| 課題・特記事項 | 転倒予防のため手すりや滑り止め設置など住環境整備の継続が必要。 |
総合的な課題・支援方針
認知症の進行に伴う物忘れや判断力低下がみられ、服薬管理や金銭管理に家族支援を要している。歩行不安定さにより転倒リスクが高く、特に夜間の移動に注意が必要である。本人は在宅生活継続を希望しており、家族も同様の意向を持っているため、デイサービスや訪問介護を継続利用しながら、安全な在宅生活の継続に向け、環境整備および介護負担軽減を図る必要がある。社会交流機会を維持し、閉じこもり予防や認知機能低下予防につなげていく。
ケアマネがアセスメントシートを書く際のポイント
アセスメントシートを書くとき、注意すべきポイントには何があるでしょうか。ここでは、アセスメントシートを書く際のポイントについて解説します。
利用者を中心に作成する
アセスメントシートは、利用者さんを中心に作成することが重要です。記入する内容は、主に利用者さんから直接聞いた情報に基づいて作成しましょう。もちろん、他の関係者からの情報収集も大切ですが、利用者さん以外の情報を中心に記入してしまうと、適切なケアプランが作成できなくなります。そのため、利用者さんの声をしっかり反映させることが最も重要です。
誰が見ても分かる内容で作成する
アセスメントシートは、どの職種の人が見ても理解できる内容でなければなりません。実際、介護福祉士や看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士など、ケアに関わるさまざまな職種がこの情報を確認することになります。この情報を主観的にではなく、客観的で具体的に記載することで、誰でも正確に理解できるようになります。
その他作成のポイント
アセスメントシートのその他作成のポイントは以下の通りです。
- 5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を明確にする
- 現状の課題→原因→リスク→対策の流れで考える
- 一人でできる範囲・できない範囲を書き分ける
- できるのにやっていない・拒否していることはないかを明確にする
- 主観的事実と客観的事実を区別して記入する
- 「息子」ではなく「長男」のように主語を具体的にする
- 略語ではなく正式名称を使用する
- 利用者の趣味や趣向、習慣などもメモしておく
アセスメント作成なら介護ソフトのトリケアトプスがおすすめ
トリケアトプスは介護現場の負担を軽減し、効率化を行うための居宅介護支援向け介護ソフトです。
トリケアトプスのアセスメントシートは、現役のケアマネさんと考えた、使いやすさにこだわった様式で、課題分析標準項目23項目に対応した、トリケアトプスの独自様式となります。評価項目は入力が簡単な選択式で、テキストを打ち込む手間が省けます。また、登録済みの利用者情報やフェイスシート情報から自動でジェノグラムを作成でき、利用者様の家族構成が一目で分かります。アセスメントシートの課題分析の結果は、「課題分析シート」「課題整理総括表」「居宅サービス計画書(2)」に連携しており、文章を流用することができるため、 転記の手間が不要。書類作成業務が効率化できます。
トリケアトプスでは無料版のアセスメントシートも提供しており、ダウンロード不要でどなたでも活用していただけます。以下の「無料版アセスメント作成」のボタンをクリックするとページを確認できます。ダウンロードしなくても、ブラウザ上で簡単に入力することができ、アセスメントシートは無料で出力可能です。ケアマネージャーの日々のアセスメントにぜひお役立てください。
まとめ
アセスメントシートは、利用者の生活課題や支援の方向性を整理するための大切な書類です。課題分析標準項目23項目を意識して整理することで、利用者の状態を漏れなく把握しやすくなり、その後のケアプラン作成やサービス調整にもつながります。
本記事で紹介した記入例を参考に、自事業所の運用や利用者の状況に合わせてアレンジしながら、日々のアセスメント業務に役立ててみてください。