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介護の基礎知識

介護計画書とは?ケアプランとの違いについてもわかりやすく解説

介護計画書は利用者がどのような介護を希望しているのか、また具体的にどのようなサービスをどのように提供するかが記載されており、介護の方針を決定するにあたり、非常に重要な役割を果たしています。本記事では、この介護計画書の書き方や記入例について詳しく解説します。

介護計画書とは?

介護計画書は、ケアマネジャーが作成するケアプランを基に、利用者に適した介護サービスを提供するための詳細な計画をまとめたものです。この計画に基づき、利用者のニーズに応じたサービスが提供されます。

介護計画書の目的

介護計画書の目的は主に以下の3つです。

1. 利用者とご家族に安心してサービスを受けていただくため

介護計画書は、利用者が受けるサービスの内容を具体的に示し、ご家族にも分かりやすく説明するために作成されます。これにより、サービス内容に対する理解が深まり、安心感を得られます。

2. 職員間でサービスの方向性を共有するため

複数の介護スタッフが共通の目標や方針を持ってサービスを提供することで、ケアの質が均一化され、利用者にとって最適な支援が可能になります。また、訪問介護の場合には、ケアマネジャーと事業所間で意識を共有するためにも活用されます。

3. 介護報酬の算定を適切に行うため

提供した介護サービスの内容を明確にすることで、適切な介護報酬を算定する基礎となります。
介護計画書は、利用者とそのご家族が安心してサービスを受けられる環境を整えるだけでなく、ケアの進捗状況を把握し、必要に応じて改善するための重要な指針となります。

介護計画書とケアプランの違い

介護計画書とケアプランは混同されがちですが、異なる書類です。

ケアプランは、利用者が受けるサービス全体をまとめた計画で、ケアマネジャーが作成します。介護保険サービスに限らず、医療や福祉など幅広いサービスを含めた総合的なプランです。一人ひとりの生活全般を支えるための全体像を示します。

一方、介護計画書は、介護サービスに特化した計画書です。ケアマネジャーが作成したケアプランの内容に基づき、事業所がアセスメントを行った上で作成されます。この計画書には、具体的なサービス内容や実施方法が詳細に記載されており、現場でのサービス提供を円滑に進めるための重要な役割を果たします。

介護計画書とケアプランは両方必要?

ケアマネジャーがケアプランを作成した際には、介護事業所は介護計画書の作成が必要となります。

ケアプランを作成したケアマネジャーは、事業所から提出された介護計画書の内容を確認し、ケアプランとの連動性や整合性を確保する必要があります。

これは、利用者に提供するサービス内容の一貫性を高めるだけでなく、ケアマネジャーと事業所が目的や方向性を共有するためにも重要です。

ケアマネジャーはケアプランを作成したら、事業所から介護計画書の提出を受け、内容をしっかりと確認するようにし、事業所はケアマネジャーからケアプランを受け取ったら介護計画書を必ず作成するようにしましょう。

介護計画書の種類

介護計画書には、利用者が受ける介護サービスの種類に応じて、いくつかのタイプがあります。

居宅サービス計画書

居宅サービス計画書は、自宅で介護を受ける方のために作成される計画書です。訪問介護やデイサービス、リハビリテーションなど、在宅で提供される介護サービスの内容が記載され、ケアマネジャーが利用者とその家族から情報を収集し、アセスメントを行った後に作成されます。

通所介護計画書

通所介護計画書は、通所サービスを利用する方のために作成される計画書です。日帰りで受ける介護サービスのスケジュールや具体的な内容が記載され、日常生活の支援や機能訓練に関する内容が含まれます。ケアマネジャーが中心となって作成し、利用者や家族の同意を得ることが必要です。

支援計画書

支援計画書は、比較的軽度な介護が必要な方を対象とした計画書で、主に要支援1・2の方が対象です。自立支援を目的とし、生活習慣の改善や身体機能の維持をサポートする内容が盛り込まれます。対象となるサービスは、予防給付や総合事業の介護予防サービスであり、主に地域包括支援センターのケアマネジャーや保健師が作成します。

訪問介護計画書の書き方・流れ

①ご利用者の基本情報を記載
訪問介護サービスを利用する方の基本情報を記載します。
②援助目標の設定
ご利用者の課題や目標を具体的に記載します。以下の内容を含めて整理しましょう。
・解決すべき課題
・長期および短期目標
・ご本人やご家族の希望
・サービス提供時の留意点

これらはケアプランを基にして、訪問介護サービスにおける課題や目標を明確に示します。
③週間計画表の作成
1週間の訪問介護サービス提供予定を具体的に記載します。
④援助内容の詳細記載
週間計画表に基づき、各サービスの具体的な内容を明記します。
⑤説明と同意の記録
訪問介護計画書の内容を、ご利用者やご家族に丁寧に説明します。その際の説明日、担当者名を記録し、説明後にご利用者やご家族から同意の署名をいただきます。

介護計画書の記入例

介護計画書は、ケアマネジャーが作成したケアプランを基に作成します。「解決すべき課題」「長期目標」「短期目標」は、ケアプランから該当する部分を転記しましょう。以下は訪問介護を例に記入例をご紹介します。

解決すべき課題
・継続して家事を自分で行いたい
・自宅でゆっくり入浴を楽しみたい
・転倒せずに安全に自宅内を移動したい
長期目標
・自分で家事を継続的に行えるようになる
・自分で洗髪や洗身ができるようになる
・自宅内全体で安全に移動できるようになる
短期目標
・周囲の助けを借りながら家事を行える
・手の届く範囲は自分で体を洗える
・自宅内の生活導線を安全に移動できる
本人・家族の希望
■本人の希望
・自分のことはできる限り自分でやりたい
・身体を洗うのは大変だが、できる範囲は自分でやりたい
・転倒することで大けがをするのは避けたい

■家族の希望
・母が楽しみながら家事を続けてほしい
・安全にゆっくりと入浴してほしい
・怪我をすることなく安心して生活してほしい
援助内容のサービスの具体的内容
・ご本人がスムーズに家事を行えるよう、必要な用具を事前に準備します。
・手が届く範囲はご本人に対応していただき、その他の箇所は訪問介護員が補助します。
・生活導線を妨げる物を取り除き、安全な環境を整備します。また、移動時は見守りを実施します。
援助内容における留意点
・ご本人が家事を行う際、使用する用具や道具を都度確認します。
・介助を行う際は、事前にご本人の意思を確認し、同意を得た上で対応します。
・ご本人と相談しながら移動しやすい環境を整えるよう心掛けます。

まとめ

介護計画書は利用者がどのような介護を希望しているのか、また具体的にどのようなサービスをどのように提供するかが記載されており、介護の方針を決定するにあたり、非常に重要な役割を果たしています。
ケアプランと混同されがちですが、ケアプランは介護保険サービスに限らず、医療や福祉など幅広いサービスを含めた総合的なプランである点で違いがあります。
ケアプラン・介護計画書の違いをよく理解し、それぞれの役割に沿った内容で記入を行いましょう。

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