介護の基礎知識
【通所介護事業所必見】ケアマネジャーが紹介したくなるデイサービスとは?

デイサービスを利用する際、多くの方はまずケアマネジャーから紹介を受けることが一般的です。ケアマネジャーが利用者に適したデイサービスを提案する際には、その方のニーズに合うことはもちろん、これまでの評判や口コミ、さらには自身の経験に基づく情報など、さまざまな要素を考慮します。そのため、利用者だけでなくケアマネジャーからも信頼され、選ばれるデイサービスを目指すことが大切です。
ケアマネジャーがデイサービスを選ぶ基準とは
ケアマネジャーがデイサービスを選ぶ基準は様々ありますが、以下にざっと列挙します。
- 1日型で食事や入浴のサービスがある
- 半日型で食事や入浴のサービスがない
- マシントレーニングを中心に提供している
- レッドコードを中心とした訓練を行っている
- 個別機能訓練を提供している
- 機能訓練指導員の職種が看護師なのか、リハビリの専門職(PT・OT)なのか
- 個別機能訓練加算を算定しているかどうか
- 看護師が医療処置(胃瘻など)に対応可能かどうか
- 認知症対応のサービスを提供しているかどうか
- レクリエーションを中心にしたプログラムかどうか
- 周囲のケアマネジャーからの評判が良い
- 実際の利用者からの口コミ評価が高い
このように、デイサービスを選ぶ基準は非常に多岐にわたります。
ケアマネジャーは様々な基準から、利用者の心身の状態や、利用者・ご家族の要望に合ったデイサービスを選んで紹介します。
では、あなたの施設のデイサービスにはどのような特徴があるでしょうか?
まずは、自施設の特徴を明確に把握することが大切です。そのうえで、「〇〇に特化しており、〇〇のような方に最適です」と自信を持って説明できるように準備を整えましょう。
現在、リハビリ特化型のデイサービスは増加し、飽和状態に近づいています。しかし、こうした状況だからこそ、他と差別化できる特化した強みが求められます。例えば、マシントレーニングを中心としつつも、個別機能訓練加算Ⅱを算定し、日常生活に直結するリハビリを提供しているなどの特徴があれば差別化に繋がるでしょう。
多くのデイサービスでは、リハビリの専門職であるPT(理学療法士)やOT(作業療法士)が在籍していないことが一般的です。そのため、PT・OTがいるというだけでも十分な差別化になります。また、看護師が常勤している場合には、胃瘻などの医療処置が可能であることも特化した特徴と言えるでしょう。
まずは、他にはない自社の特徴を明確にし、それをしっかりとブランディングすることが重要です。「デイサービスでリハビリといえば〇〇」「あそこのデイサービスは看護師が常駐しているから医療処置が必要な場合も安心」「リハビリの専門職はいなくても、しっかりと機能訓練を提供してくれる」といった認識を地域に広めるため、自社の強みを積極的に発信することが求められます。
さらに、職員の接遇やコミュニケーション能力は、デイサービス運営において欠かせない要素です。従業員の教育を徹底し、利用者やその家族に信頼される対応を実現することが、集客面での成功につながる重要なポイントと言えるでしょう。
情報発信方法

先述の通り、自社のデイサービスの特徴を理解し、差別化していくことが重要ですが、差別化を行った上で、自社の魅力をケアマネジャーに発信する方法はどのようなものがあるでしょうか。以下では情報の発信方法をご紹介します。
ホームページを作成する
現代では、自社ホームページを持たない企業は珍しくなっていますが、介護業界ではまだホームページを持たない事業所も少なくありません。しかし、ホームページはケアマネジャーだけでなく、利用者さまのご家族がデイサービスを選ぶ際に必ずと言っていいほど確認する重要なツールです。「まずはWebで情報を調べる」というのが一般的なため、ホームページがあるかどうかで大きな差が生じます。
幸いなことに、現在ではペライチやWixなどのサービスを利用すれば、無料で簡単にホームページを作成することが可能です。たとえ簡易的なものであっても、「どのような企業が運営しているのか」「どのようなデイサービスなのか」「どのような特徴があるのか」といった最低限の情報を掲載することは重要です。このように情報を開示しておくことが、利用者やそのご家族から信頼を得るための第一歩となります。
ブログやSNSで発信する
ブログは情報発信のうえで非常に重要なツールです。ブログを単独で運営する方法もありますが、多くの場合、ホームページの機能として組み込まれているため、ホームページ兼ブログとして運用する方が管理が簡単で効率的です。
この記事のように、検索からブログ記事を発見し、自社のことを知ってもらえる機会になります。
デイサービスでのサービス内容やイベントの様子をブログで発信することで、提供しているサービスについての具体的な情報をケアマネジャーや利用者さまのご家族に届けることができます。このような情報発信は、利用者側に安心感を与えるだけでなく、信頼関係の構築にもつながります。ぜひ積極的に取り組んでみてください。
さらに、FacebookやX、InstagramなどのSNSを活用して情報を発信すれば、ブログとの相乗効果が期待できます。複数のプラットフォームを活用して情報を広く届けることが、より多くの人々にアプローチするための効果的な方法です。
定期的にケアマネジャーに営業活動を行う
ケアマネジャーを対象とした勉強会を行う
ケアマネジャーは、デイサービスがどのような施設なのかを実際に見て理解したいという気持ちがあります。そのため、例えばデイサービスの業務終了後に、ケアマネジャー向けの勉強会を企画・開催することで、自施設の特徴や運営方針を知ってもらうことができます。これにより、施設での研修がしっかりと行われているという印象を与えることができ、ケアマネジャーとの顔が見える関係を築くことが可能になります。
ケアマネジャーを対象としたアンケート結果

ケアマネジャーを対象に、「このデイサービス(デイケア)を選んでよかった」と思うのは、どんなときですか?というテーマのアンケートがありますのでご紹介します。どういったデイサービスが、ケアマネジャーにとって求められているのか、ぜひ参考にしてみてください。
<このデイサービス(デイケア)を選んでよかったと思うのは、どんなときですか?>
■ご利用者・ご家族が喜ばれたとき
・ご本人、ご家族が喜ばれたこと(元気になった、笑顔が多くなったなど)
・ご本人の目的や目標に向けて職員一同取り組み、ご本人やご家族の満足が得られたとき
■適切なサービス提供と対応を受けたとき
・管理者や相談員だけでなく、職員一人ひとりが担当のご利用者の詳細まで把握していると感じたとき
・状態変化時に、評価(自宅訪問含む)してくれる
・接遇や姿勢がしっかりしていて、ケア技術が優れている
・認知症や医療依存の高い人にも積極的に良いアプローチがある
・個別ケアをしてくれる/個別性や、その方に必要なケア・状態把握を十分に行い、丁寧な対応/ご利用者・ご家族の状態を受け入れて、個別の対応をしてもらえるとき(不安になることを言わない。立位訓練を取り入れるなどの個別性)
■ご利用者の機能向上が見られたとき
・ADLの向上が見られたとき
・機能向上やQOLが拡大したとき
・心身の状態が改善、維持されている/ご利用者の状態が改善され、ご本人・ご家族が満足されたとき
全体として、紹介したご利用者様が良いサービスを受けられた際に、「このデイサービスを選んでよかった」と感じることがわかりました。ケアマネジャーに選ばれるためには、営業や集客にも力を入れつつ、サービス向上を行うことで、「次もまた紹介しよう」と選んでもらえるデイサービスとなることがわかります。
ケアマネジャーに選ばれるための戦略

ケアマネジャーに選ばれるために、どのようなデイサービスであることが求められているのでしょうか。以下にてご紹介します。
居宅介護支援事業所内で共有される評判を良くする
地域のニーズに合わせる
注意したいのが「地域のニーズ」と「国の方針」です。もし、ケアマネジャーと会話する時があったら、こちらからの営業トークだけではなく、ケアマネジャーの悩みや最近の受け持ち利用者の傾向などを聞き、地域のニーズの把握に努めると、思わぬ傾向がつかめたりします。
ケアマネジャーへの報連相を心掛ける
ケアマネジャーの業務には、ケアプランを作成することのほかに、毎月担当するご利用者の家に赴いてモニタリングを行います。
逆にいうと、ケアマネジャーのほとんどはモニタリングという業務を行わなければならない月1回以外は、ご利用者のことを把握する機会はほとんどないため、利用者さんに関する良いことも悪いことも、ケアマネジャーに定期的に報告・連絡・相談しておくと安心して付き合えるデイサービスだと感じてもらえます。
事故はもちろんですが、苦情やサービスに関する意見、ご家族からお聞きしたこと、ご利用者のADLの変化、ご利用者同士の人間関係のことや、ご本人の気持ちの変化、送迎の希望など、利用者の状況を細かく報告できていると良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
ケアマネジャーが紹介したくなるデイサービスになるには、自施設の強みを分かった上でケアマネジャーに発信を行っていくこと、また、ニーズに合わせた運営を心掛ける必要があります。
また、ケアマネジャーに向けたアンケート結果からは、利用者様が良いサービスを受けられた際に「このデイサービスを選んでよかった」と感じる傾向があることから、サービスの質の向上にも気を配る必要があります。
本記事がデイサービスの集客のお役に立てますと幸いです。
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