介護の基礎知識
要介護認定調査(基本調査)「第2群:生活機能」の記載例
- 公開日:2023年02月16日
- 更新日:2025年01月28日

ここからの記述は、要介護認定「認定調査員テキスト2009」改訂版より抜粋しております。
「第2群 生活機能」は、移乗、食事摂取、洗顔等の日常生活動作の機能や、外出頻度の生活活動に関して調査を行う項目の群(グループ)です。評価軸は3軸あるが、能力を評価するのは、えん下のみです。有無を評価するのは、外出頻度だけであり、これ以外は、すべて介助を評価軸とすることから、2群の評価は、介助の実態を評価した項目群と考えられます。
2-1 移乗
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「移乗」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「移乗」とは、「ベッドから車いす(いす)へ」「車いすからいすへ」「ベッドからポータブルトイレへ」「車いす(いす)からポータブルトイレへ」「畳からいすへ」「畳からポータブルトイレへ」 「ベッドからストレッチャーへ」等、でん部を移動させ、いす等へ乗り移ることです。清拭・じょくそう予防等を目的とした体位交換、シーツ交換の際に、でん部を動かす行為も移乗に含まれます。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない 」
- ・「移乗」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 見守り等 」
- ・「移乗」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます 。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことです。
・また、ベッドから車いすに移乗する際、介護者が本人の身体に直接触れず、安全に乗り移れるよう、動作に併せて車いすをお尻の下にさしいれている場合は、「 2. 見守り等」を選択します。 - 「 3. 一部介助」
- ・自力では移乗ができないために、介護者が手を添える、体を支えるなどの「移乗」の行為の一部に介助が行われている場合をいいます。
- 「 4. 全介助」
- ・自分では移乗ができないために、介護者が抱える、運ぶ等の「移乗」の介助の全てが行われている場合をいいます。
調査上の留意点
義足や装具、歩行器等の準備は介助の内容には含みません。在宅で畳中心の生活であり、いすを使用していない場合で、両手をついて腰を浮かせる行為自体だけでは 移乗に該当しません。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
清拭・じょくそう予防等を目的とした体位交換を含む移乗の機会がないことは、実際には考えにくいが、 寝たきり状態などで、「移乗」の機会が全くない場合は、「 (調査項目の定義」 で規定されるような行為が生じた場合を想定し、適切な介助の方法を選択し、そのように判断できる具体的な事実を特記事項に記載します。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 重度の寝たきりであるため、じょくそう防止のために介護者が体位交換の際にでん部を動かし、移乗動作をおこなっていることから「4.全介助」を選択する。
- 通常はベッドから車いすへ介護者が身体を支える介助を行っているが、体調の良いときは介助なしで移乗することもある。より頻回に見られる状況から「3.一部介助」を選択する。
- 日中は、ベッドから車いすへの「移乗」も自力で介助なしで行っているが、夜間のみ、ポータブルトイレを使用しており、転倒防止等の理由から、介護者である夫が手を添えて、体を支える介助を行っている。夜間排尿のたび(2 回/日)に夫も起きて介助する。より頻回に見られる状況から「1.介助されていない」を選択する。
- ベッドサイドの両脇に取り付けられた 2 本の移乗バーを使用して自力で介助なしで行っており「1.介助されていない」を選択する。
- 医学的な理由から、一週間以上に渡り、「移乗」の機会が全くないが、四肢ともに筋力の低下が顕著であり、ストレッチャーからの移乗には全面的な介助を行うことが適切と判断したため「4.全介助」を選択する。
- 独居で、介助は行われていないが、「移乗」の際にいすやポータブルトイレから転倒(転げ落ちている)し、足にアザが確認できるなど不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。常に移乗できないわけではないとのヘルパーの話しもあり、「2.見守り等」を選択する。
2-2 移動
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「移動」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「移動」とは、「日常生活」において、食事や排泄、入浴等で、必要な場所への移動にあたって、見守りや介助が行われているかどうかで選択します。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない」
- ・「移動」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 見守り等」
- ・「移動」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことです。 - 「 3.一部介助」
- ・自力では、必要な場所への「移動」ができないために、介護者が手を添える、体幹を支える、段差で車椅子を押す等の 「移動」の行為の一部に介助が行われている場合をいいます。
- 「 4. 全介助」
- ・自力では、必要な場所への「移動」ができないために、「移動」の行為の全てに介助が行われている場合をいいます。
調査上の留意点
移動の手段は問いません。
義足や装具等を装着している場合や、車いす・歩行器などを使用している場合は、その状況に基づいて 評価します。車いす等を使用している場合は、車いす等に移乗したあとの移動について選択します。外出行為に関しては、含みません。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。義足や装具等を装着している場合や、車いす・歩行器などを使用している場合は、その状況に基づいて選択します。車いす等を使用している場合は、車いす等に移乗したあとの移動について選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
浴場への移動など移動の機会がない場合は、多くはないと考えられるが、寝たきり状態などで、「移動」の機会が全くない場合は、「調査項目の定義」で規定されるような行為の生じた場合を想定して、適切な介助の方法を選択し、そのように判断できる具体的な事実を特記事項に記載します。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 現在、入所中であり、場所の理解ができず、排泄、食堂、入浴等、生活のすべての場面で手を引いて案内する必要があるため、「3.一部介助」を選択する。週 2 回、手引きをしても抵抗し、なだめるまでに 10 分程度かかることが発生しており手間がかかっている。
- 自宅内は杖を使用して自力で介助なしで「移動」を行っているため「1.介助されていない」を選択する。しかし、通院時(1 回/週)に外出する際には、車いすを押してもらう。
- 居室の隣にあるトイレまでの「移動」(5 回程/日)など、通常は自力で介助なしで行っているが、食堂(3 回/日)及び浴室(週数回)への車いすでの「移動」は、介助が行われている。より頻回の状況から「1.介助されていない」を選択する。
- 自宅内では、通常型車いすで介助が行われているため、「4.全介助」を選択する。ただし、外出(4 回/週)は、電動車いすを使用しているため、自力で介助なしで行っている。
- 医学的な理由から、一週間以上に渡り「移動」の機会が全くないが、四肢ともに筋力の低下が顕著であり、車椅子自走も不可能と判断し「4.全介助」を選択する。
- 本人は、一人で移動を行っているが、転倒があり、医師からも注意を受けているものの、介護者の妻も足腰が弱く、十分な介助を行うことができないことから、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。聞き取った転倒の頻度などから、「2.見守り等」を選択した。
2-3 えん下
1.できる 2.見守り等 3.できない
調査項目の定義
「えん下」の能力を評価する項目です。
ここでいう「えん下」とは、食物を経口より摂取する際の「えん下」(飲み込むこと)の能力です。能力の項目であるが、必ずしも試行する必要はなく、頻回に見られる状況や日頃の状況について、調査対象者や介護者からの聞き取りで選択してもよいです。
選択肢の選択基準
- 「1.できる」
- ・えん下することに問題がなく、自然に飲み込める場合をいいます。
- 「2.見守り等」
- ・「できる」「できない」のいずれにも含まれない場合をいいます。必ずしも見守りが行われている必要はないです。
- 「3.できない」
- ・えん下ができない場合、または誤えん(飲み込みが上手にできず肺などに食物等が落ち込む状態) の恐れがあるため経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)等が行われている場合をいいます。
調査上の留意点
咀しゃく(噛むこと)や口腔内の状況を評価するものではないです。食物を口に運ぶ行為については、「2-4 食事摂取」で評価します。一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。また、固形物か、液体かどうか等、食物の形状(普通食、きざみ食、ミキサー食、流動食等)によって異なる場合も、一定期間(調査日より概ね過去 1 週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
入院・入所後は、トロミ食のみを摂取しているため、居宅での生活時とは異なり、飲み込みに支障がなくなった場合は、現在の入院・入所後の状況で選択します。
特記事項の例
- 居宅では普通食のため喉に詰まらせることがあり見守っていたが、入院・入所後は、トロミ食のみのため、飲み込みに支障がなくなり「1.できる」を選択する。
2-4 食事摂取
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「食事摂取」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「食事摂取」とは、食物を摂取する一連の行為のことです。通常の経口摂取の場合は、配膳後の食器から口に入れるまでの行為のことです。また、食事摂取の介助には、経管栄養の際の注入行為や中心静脈栄養も含まれます。
選択肢の選択基準
- 「1. 介助されていない」
- ・「食事摂取」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「2. 見守り等」
- ・「食事摂取」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、行為の「確認」「指示」「声かけ」 「皿の置き換え」 等のことです。 - 「 3. 一部介助」
- ・「食事摂取」の行為の一部のみに介助が行われている場合をいいます。食卓で小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる等、食べやすくするための介助や、スプーン等に食べ物を乗せる介助が行われている場合も含みます。
・ただし、この「一部」については、時間の長短は問いません。
・また、1回ごとの食事における一連の行為中の「一部」のことであり、朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合は、 後述の 「調査上の留意点」にしたがって選択します。 - 「 4. 全介助」
- ・「食事摂取」の介助の全てが行われている場合をいいます。
調査上の留意点
食事の量、適切さを評価する項目ではなく、「食事摂取」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。調理(厨房・台所でのきざみ食、ミキサー食の準備等)、配膳、後片づけ、食べこぼしの掃除等は含みません。エプロンをかける、椅子に座らせる等は含みません。経管栄養、中心静脈栄養のための介助が行われている場合は、「4. 全介助」を選択します(特別な医療の要件にも該当する場合は、両方に選択を行います)。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 食事摂取についての介助は行われていないが、手元が不安定なため、スプーンに食べ物をのせる介助をテーブルで付き添って行っていることから、「3.一部介助」を選択する。
- 毎食介護者が経管栄養にて栄養剤を注入しているため「4.全介助」を選択する。
- 通常は介助なしで行っている。毎日朝食の際は、最初の数口は、介護者が口まで食事を運んでいる。頻度から「1.介助されていない」を選択。
- 自力で自助具を使用する。「1.介助されていない」を選択。
- 本人の拒否が強く、介助をしようとしても手を払いのけるなどの抵抗がみられる。振戦があるため、うまく口に運べず、食べこぼしが多いため、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。本来なら「3.一部介助」が行われる状況と判断した。
2-5 排尿
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「排尿」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「排尿」とは、「排尿動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、尿器への排尿)」「陰部の清拭」 「トイレの水洗」「トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除」「オムツ、リハビリパンツ、尿とりパッドの交換」「抜去したカテーテルの後始末」の一連の行為のことです。
選択肢の選択基準
- 「1. 介助されていない」
- ・「排尿」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「2. 見守り等」
- ・「排尿」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」「確認」「指示」「声かけ」や、認知症高齢者等をトイレ等へ誘導するために必要な「確認」「指示」「声かけ」等のことです。 - 「3. 一部介助」
- ・「排尿」の一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいいます。
- 「4. 全介助」
- ・調査対象者の「排尿」の介助の全てが行われている場合をいいます。
調査上の留意点
尿意の有無は問いません。
トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除は含まれるが、トイレの日常的な掃除は含みません。また使用したポータブルトイレの後始末を一括して行う場合は、排尿の直後であるかどうかや、その回数に関わらず「排尿後の後始末」として評価します。トイレまでの移動に関する介助は、他の移動行為とともに「2-2 移動」で評価するが、トイレ等へ誘導するための「確認」「指示」「声かけ」は、「2.見守り等」として評価します。トイレやポータブルトイレへの移乗に関する介助は、他の移乗行為とともに「2-1 移乗」で評価します。失禁した場合の衣服の更衣に関する介助は、他の着脱行為ともに「2-10 上衣の着脱」「2- 11 ズボン等の着脱」で評価します。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。おむつや尿カテーテル等を使用していても、自分で準備から後始末まで行っている場合は、「1.介助されていない」を選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
人工透析を行っている等で、排尿が全くない場合は、介助自体が発生していないため、「1. 介助されていない」を選択します。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。
なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 介助なく行っているが、床に尿が飛び散る量が多く、家族は気づいたときに 1 日 1 回程度トイレの床を拭いていることから「3.一部介助」を選択する。
- 排尿行為に介助は行われていないが、認知症のため、トイレに行くタイミングがわからない。定期的に声かけを行っていることから、「2.見守り等」を選択する。
- 尿カテーテルを使用しているが、自分で準備から後始末まで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。ただし、月に数日、体調が悪いときなどは、介護者である妻が後始末を行っている。
- 人工透析を行っており、排尿が全くないため、「1.介助されていない」を選択する。
- 独居。下着への尿失禁がある。本人は自分でトイレにいけると言うが、尿臭が強く、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。身体機能に制限はないことなどから「2.見守り等」を選択する。トイレまでの移動は介助が行われているが、排便行為には介助が行われていないため、「1.介
助されていない」とする。
2-6 排便
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「排便」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「排便」とは、「排便動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、排便器への排便)」「肛門の清拭」「トイレの水洗」「トイレやポータブルトイレ、排便器等の排便後の掃除」「オムツ、リハビリパンツの交換」「ストーマ(人工肛門)袋の準備、交換、後始末」の一連の行為のことです。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない 」
- ・「排便」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 見守り等」
- ・「排便」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」「確認」「指示」「声かけ」や、認知症高齢者等をトイレ等へ誘導するために必要な「確認」「指示」「声かけ」等のことです。 - 「 3. 一部介助」
- ・「排便」の一連の行為に部分的な介助が行われている場合をいいます。
- 「 4. 全介助」
- ・調査対象者の「排便」の介助の全てが行われている場合をいいます。
調査上の留意点
トイレやポータブルトイレ、排便器等の排便後の掃除は含まれるが、トイレの日常的な掃除は含みません。 また使用したポータブルトイレの後始末を一括して行う場合は、排便の直後であるかどうかや、その回数に関わらず 「排便後の後始末」 として評価します。トイレまでの移動に関する介助は、他の移動行為とともに「2-2 移動」で評価するが、トイレ等へ誘導するための「確認」「指示」「声かけ」は、「2. 見守り等」として評価します。トイレやポータブルトイレへの移乗に関する介助は、他の移乗行為とともに「 2-1 移乗」で評価します。失禁した場合の衣服の更衣に関する介助は、他の着脱行為ともに「2-10 上衣の着脱」「2-11 ズボン等の着脱」で評価します。浣腸や摘便等の行為そのものは含まれないが、これらの行為に付随する排便の一連の行為は含みます。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって 介助の方法 が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 「実際の介助の 方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている 介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定さます。
特記事項の例
- トイレまでの移動は介助が行われているが、排便行為には介助が行われていないため、「1.介助されていない」とする。
- 排便行為は、週 1 回、看護師が摘便を行う。ズボンの上げ下げ、肛門の清拭に介助が行われているため、「4.全介助」を選択する。
- 排便行為に介助は行われていないが、認知症のため、トイレに行くタイミングがわからない。定期的に声かけを行っていることから「2.見守り等」を選択する。
- 通常は、トイレへの移動以外は介助なしに行っている。下剤を数日毎に服用。下剤服用後はポータブルトイレを使用。「ズボンの上げ下げ」の介助が行われている。より頻回な状況から「1.介助されていない」を選択する。
- 人工肛門(ストーマ)を使用しているが、自分でストーマ袋の準備、交換、後始末まで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 独居。本人によると、自分でトイレにて排便しているとのことだが、調査時にズボンに便が付いていた事を確認したため、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。ズボンの上げ下げの介助を行うことが適切と考え「3.一部介助」を選択する。
2-7 口腔清潔
1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助
調査項目の定義
「口腔清潔」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「口腔清潔」とは、歯磨き等の一連の行為のことで、「歯ブラシやうがい用の水を用意する」「歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備」「義歯をはずす」「うがいをする」等のことです。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない 」
- ・「口腔清潔 」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 一部介助 」
- ・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいいます。
・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれます。
・歯磨き中の指示や見守り、磨き残しの確認が行われている場合を含みます。
・義歯の出し入れはできるが、義歯を磨く動作は介護者が行っている場合も含みます。 - 「 3. 全介助」
- ・「口腔清潔」の全ての介助が行われている場合をいいます。
・本人が行った箇所を含めて、介護者がすべてやり直す場合も含みます。
・介護者が歯を磨いてあげ、口元までコップを運び、本人は口をすすいで吐き出す行為だけができる場合は、「 3. 全介助」を選択します。
調査上の留意点
洗面所への誘導、移動は含みません。洗面所周辺の掃除等は含みません。
義歯の場合は、義歯の清潔保持に係る行為で選択します。歯磨き粉を歯ブラシにつけない、口腔清浄剤を使用している等の場合も、「口腔清潔」に含みます。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が 、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ 本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。
特記事項の例
- 自助具の歯ブラシと、持ち易いコップを使用し介助なしで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 一週間以上に渡り歯磨きなどの口腔のケアが行われていないが、歯ぐきが腫れており、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。上肢拘縮の状況から「2.一部介助」では困難と判断し、「3.全介助」を選択した。
- 前は歯磨きを行っていたが、妻が亡くなってから習慣がなくなったという。現在、独居のため介助が行われていないが、口臭も強く、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。初期の認知症の周辺症状も見られることから「2.一部介助」が適切と判断した。
2-8 洗顔
1. 介助されていない 2.一部介助 3.全介助
調査項目の定義
「洗顔」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「洗顔」とは、洗顔の一連の行為のことで、一連の行為とは、「タオルの準備」「蛇口をひねる」「顔を洗う」「タオルで拭く」「衣服の濡れの確認」等の行為をいいます。また、「蒸しタオルで顔を拭く」ことも含みます。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない」
- ・「洗顔」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 一部介助」
- ・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいいます。
・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれます。
・洗顔中の見守り等、衣服が濡れていないかの確認等が行われている場合を含みます。
・蒸しタオルで顔を拭くことはできるが、蒸しタオルを準備してもらうなどの介助が発生している場合を含みます。 - 「 3. 全介助」
- ・「洗顔」の全ての介助が行われている場合をいいます。
・介護者が本人の行った箇所を含めてすべてやり直す場合も含みます。
調査上の留意点
洗面所への誘導、移動は含みません。洗面所周辺の掃除等は含みません。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
「洗顔」を行う習慣がない等の場合は、入浴後に顔をタオル等で拭く介助や、ベッド上で顔を拭く行為などの類似行為で代替して評価します。通常の洗顔行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含みません。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ本人の自立を阻害 しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 手指の麻痺等があり、自助具のタオル(洗い用と拭き用)を使用して、介助なしで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 一週間以上に渡り洗面所での洗顔は行われていない。ベッド上で、蒸しタオルで顔を拭く介助が毎日行われていることから、類似の行為で代替して評価し、「3.全介助」を選択する。
- 過去 1 週間にわたり、洗顔していないとのことだが、目脂がたまっており、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。洗濯物の片付けは週に数回訪問する娘の介助を受けていることから、タオルの準備など適切にされていなかったため「2.一部介助」を選択した。
2-9 整髪
1.介助されていない 2.一部介助 3.全介助
調査項目の定義
「整髪」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「整髪」とは、「ブラシの準備」「整髪料の準備」「髪をとかす」「ブラッシングする」等の「整髪」の一連の行為のことです。
選択肢の選択基準
- 「1. 介助されていない」
- ・「整髪」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「2. 一部介助」
- ・一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいいます。
・見守り等(確認、指示、声かけ)が行われている場合も含まれます。 - 「3. 全介助」
- ・「整髪」の全ての介助が行われている場合をいいます。
・本人が行った箇所を含めて介護者がすべてやり直す場合も含みます。
調査上の留意点
洗面所等鏡がある場所への誘導、移動は含みません。洗面所周辺の掃除等は含みません。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
頭髪がない場合、または、短髪で整髪の必要がない場合は、入浴後に頭部をタオル等で拭く介助や、ベッド上で、頭を拭く行為などで代替して評価します。通常の整髪行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含みません。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 一般の「整髪」の道具では自力で行うことはできないが、とかしやすい整髪ブラシの自助具を使用しており、自力で介助なしで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 頭髪がなく、「整髪」を全く行っていないが、寝たきり状態で、毎日頭部の汗を拭き取るなどの介助が行われていることから、類似の行為で代替して評価し、「3.全介助」を選択する。
- ベッド上での生活となっているが、耳の後ろなどあせもができており、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。寝たきりの生活で、上肢にも可動域制限があること、食事摂取などもすべて介助されていることから「3.全介助」を選択した。
2-10 上衣の着脱
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「上衣の着脱」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「上衣の着脱」とは、普段使用している上衣等の着脱のことです。
選択肢の選択基準
- 「1. 介助されていない」
- ・「上衣の着脱」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「2. 見守り等」
- ・「上衣の着脱」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことです。 - 「3. 一部介助」
- ・「上衣の着脱」の際に介助が行われている場合であって、「見守り等」、「全介助」のいずれにも
含まれない場合をいいます。 - 「4. 全介助」
- ・「上衣の着脱」の一連の行為すべてに介助が行われている場合をいいます。
調査上の留意点
時候にあった衣服の選択、衣服の準備、手渡し等、着脱までの行為は含みません。
服を体にあてがう行為や袖通しなど一連の行為すべてが介護者によって行なわれていれば、首や体幹を揺り動かすなどの行為は、介護者の介助の方法や負担に大きな影響を与えていないことから、選択肢の選択には影響を及ぼさないと判断し、一連の行為全体に対してすべて介助されていると考え、「4. 全介助」を選択します。
一方、介護者が構えている服に「自ら袖に腕を通す」場合は、服を構える介助は行われているものの、袖通しは自ら行っていることから、一連の行為の一部に介助があると判断し、「3.一部介助」を選択します。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ本人の自立を阻害しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 介護者が上着を構えると自ら袖に腕を通すので「3.一部介助」を選択する。
- 袖を通す際に首や体を揺するようにして動かすことがあるが、介護者が着脱全体の介助を行っていることから、「4.全介助」を選択する。
- 普通の上衣の着脱を自力で行うことはできないが、着脱しやすい上衣を使用しており、自力で介助なしで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 自分で脱ぎ着しているが、ヘルパー訪問時には、裏返しのまま着るなど、おかしな様子がみられたことから、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。着脱行為には介助は必要ないが、見守りを行うのが適切と考え「2.見守り等」を選択する。
2-11 ズボン等の着脱
1.介助されていない 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
調査項目の定義
「ズボン等の着脱」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「ズボン等の着脱」とは、普段使用しているズボン、パンツ等の着脱のことです。
選択肢の選択基準
- 「 1. 介助されていない 」
- ・「ズボン等の着脱」の介助が行われていない場合をいいます。
- 「 2. 見守り等」
- ・「ズボン等の着脱」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいいます。
・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」や、認知症高齢者等の場合に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」等のことです。 - 「 3. 一部介助 」
- ・「ズボン等の着脱」の際に介助が行われている場合であって、「見守り等」、「全介助」のいずれにも含まれない場合をいいます。
- 「 4. 全介助」
- ・「ズボン等の着脱」の一連の行為すべてに介助が行われている場合をいいます。
調査上の留意点
時候にあった衣服の選択、衣服の準備、手渡し等、着脱までの行為は含みません。服を体にあてがう行為やズボンに足を通すなど一連の行為すべてが介護者によって行なわれていれば、足や腰、体幹を揺り動かすなどの行為は、介護者の介助の方法や負担に大きな影響を与えていないことから、選択肢の選択には影響を及ぼさないと判断し、一連の行為全体に対してすべて介助されていると考え、「4. 全介助」を選択します。
一方、介護者が構えているズボンに「自ら足を通す」場合は、服を構える介助は行われているものの、ズボンに足を通す行為は自ら行っていることから、一連の行為の一部に介助があると判断し、「3.一部介助」を選択します。
① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合
一定期間(調査日より概ね過去1か月)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載します。
② 福祉用具(補装具や介護 用品等)や器具類を使用している場合
福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択します。
③ 調査対象の行為自体が発生しない場合
日頃、ズボンをはかない場合(浴衣形式の寝巻きなど)は、パンツやオムツの着脱の行為で代替して評価します。通常のズボンの着脱行為がある場合は、これらの行為を評価対象には含みません。
④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合
「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。なお、認定調査員が、「実際に行われている 介助が不適切」と考える場合には、
・独居や日中独居等による介護者 不在のために適切な介助が提供されていない場合
・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合
・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合
・介護者による介助が 、むしろ 本人の自立を阻害 しているような場合
など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定されます。
特記事項の例
- 介護者がズボンを構えると自ら脚を通すが、引き上げとボタンを留める動作は介助を行っている。「3.一部介助」を選択する。
- ズボンを引き上げようとする際に、足をもぞもぞと動かすことがあるが、足を通す、引き上げる、ボタンを留めるなどの一連の行為すべてに介助が行われているため「4.全介助」を選択する。
- 着脱しやすいズボンを使用しており、自力で介助なしで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。
- 浴衣タイプの寝巻きを着ているため、ズボンを着脱する機会がないことから、パンツの着脱の行為で代替して評価する。トイレ時も入浴時も介助されていないことから、「1.介助されていない」を選択する。
- 自分でズボンの着脱をしているが、ヘルパー訪問時には、ボタンが留められておらず、ずり落ちていることがあることから、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。ズボンに足を通す行為に介助は必要ないが、指先の動きが悪く、ボタンを留める行為ができないため「3.一部介助」を選択する。
- 自分でズボンをはくことができるが、時間を要するため職員が全介助で行っている。動きは緩慢であるが、ズボンを引き上げるなどの行為は自分で行うこともできるとのことであった。身体機能の維持の観点から、不適切な状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。指先の動きが悪くボタンには介助を行うことが適切と考え、「3.一部介助」を選択する。
2-12 外出頻度
1.週1回以上 2.月1回以上 3.月1回未満
調査項目の定義
「外出頻度」を評価する項目です。
ここでいう「外出頻度」とは、1回概ね30分以上、居住地の敷地外へ出る頻度を評価します。
一定期間(調査日より概ね過去1か月)の状況において、外出の頻度で選択します。
選択肢の選択基準
- 「 1. 週1回以上」
- ・週1回以上、外出している場合をいいます。
- 「 2. 月1回以上」
- ・月1回から3回、外出している場合をいいます。
- 「 3. 月1回未満」
- ・月1回未満の頻度で外出している場合をいいます。
調査上の留意点
外出の目的や、同行者の有無、目的地等は問いません。徘徊や救急搬送は外出とは考えません。
同一施設・敷地内のデイサービス、診療所等への移動することも外出とは考えません。
過去1ヶ月の間に状態が大きく変化した場合は、変化した後の状況で選択を行うものとします。
特記事項の例
- 自宅の庭で 30 分以上、花の手入れをすることが週 1 回あるが、外出することはないため、「3.月 1 回未満」を選択する。