介護の基礎知識
訪問看護ソフト・電子カルテ12社を徹底比較!機能・料金・選び方【2025年最新版】
- 公開日:2024年12月09日
- 更新日:2025年07月17日

訪問看護の現場で、事務作業の効率をアップして、スタッフへの負担を軽減してくれる看護ソフトや電子カルテ。
事業所の新規立ち上げでソフトの導入を検討している事業所様や、Excelや紙での事務作業の負担から、導入を考えている事業所様もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、「訪問看護向けソフトを導入したいけど、選び方がわからない」「どんな基準で比較すればいいの?」といったお悩みを抱えている事業所様に向けて、ソフトの選び方やポイント・比較を分かりやすく解説し、特におすすめのソフト12選をご紹介します
訪問看護ソフトとは?

訪問看護ソフトは、訪問看護ステーションでの業務効率化を目的に開発された便利なソフトウェアです。紙での書類管理を行う場合、手書きでの記入や、各書類間での転記が手間になっていましたが、訪問看護ソフトを使用することで、移動中や空き時間にスマホやタブレットから看護記録を簡単に入力することができたり、各書類間でのデータ連携がされていることで、転記が不要になり、職員の負担を軽減することで作業効率を大幅に向上することができます。訪問看護ソフトの導入により、看護職の人材不足解消や、事務作業の負担軽減、サービスの質の向上が期待できる、業務の効率化に欠かせない便利なツールです。
特に、訪問看護はスタッフへの業務負担が高く、離職率の高い業種と言われますが、離職率の抑制にも看護ソフトや電子カルテの導入は効果的です。訪問看護師が仕事がきついと感じる理由の1つに長時間労働の影響があります。訪問看護では、利用者様宅への移動時間やスケジュールの過密化が原因で、労働時間が長引くケースがあります。十分な休息が取れないことで業務の質が低下し、さらにストレスを増幅させる負のスパイラルに陥ることで仕事がきついと感じ、スタッフの離職に繋がります。
訪問看護ソフトや電子カルテを導入することで、スマートフォンやタブレット端末を活用して訪問先でリアルタイムに情報入力ができるようになり、帰社後の事務作業を大幅に削減することで労働時間の短縮に繋がります。しっかり休息を取れる労働環境を整え、スタッフのストレスを減らすことで、看護業務に集中できる環境整備やスタッフの働きやすさ、離職率の抑制に繋がります。
訪問看護の現場でよく選ばれるソフト3社の比較
訪問看護ソフトは様々なメーカーが提供していますが、ソフトによって特徴は様々です。以下にて訪問看護の現場でよく選ばれている3社の訪問看護ソフトを比較しています。比較表を参考に、「料金」「サポート対応」「機能」の点から比較するようにしましょう。
比較の際は、以下の3つのポイントを確認するようにしましょう。
料金
訪問看護ソフトによっては初期費用がかかる場合があります。また課金方式も従量制・月額制があり、価格帯も幅があります。
サポート対応
クラウド型は自動バージョンアップやバックアップに対応している場合が多いです。乗り換えの際に注意したいのが、基本情報のデータ移行の項目です。乗り換えの際に、利用者情報などの情報を新たに手打ちするには手間がかかりすぎるため、できれば無償でデータ移行まで行ってくれるソフトを選ぶと、スムーズに乗り換えが行えます。
機能
ソフトによって提供している機能と提供していない機能、提供しているが別途オプション料金がかかる機能など様々です。まずは自社の訪問看護ステーションの課題を解決するために必要な機能を洗い出し、それらを備えた介護ソフトを選択するようにしましょう。
現状ケアプランデータ連携やLIFEは義務化されていませんが、後々義務化になった際に再度訪問看護ソフトを乗り換えるのは手間になるため、今のうちにそれらの機能を持った訪問看護ソフトを選択しましょう。また、訪問看護の場合、人によっては音声入力を使用する機会も多いと思いますので、その点も現場スタッフの要望を考慮しましょう。

主な訪問看護ソフト(電子カルテ)12社
業務の効率化や記録の正確性が求められる中で、訪問看護ソフトは欠かせない存在となっています。とはいえ、現在では多くのソフトが提供されており、「どれを選べばよいのか分からない」と悩む方も少なくありません。ここでは、機能性・使いやすさ・サポート体制などの面で注目されている訪問看護ソフト主要12社をピックアップし、料金や無料体験期間などの項目からそれぞれの特徴をわかりやすくご紹介します。
トリケアトプス(岡谷システム株式会社)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
月額440円~(従量課金制・上限8,800円) | 最大3ヶ月間 | クラウド |
トリケアトプスは訪問看護現場の負担を軽減し、効率化を行うための訪問看護ソフトです。
シフトの確認や報告、指示確認や看護記録、勤務実績がスマホやタブレットで完結するので直行直帰が可能。記録は実績と連携しているのでミスなく1立て。請求書類もクリック一つで作成できるため、国保連請求も楽々です。
最低440円と、訪問看護向けソフトの中でも最安値。安心の上限価格ありで、利用者様人数がどんなに増えても月額8,800円以上上がりません。低価格のため、中規模事業者様や、立ち上げたばかりの事業所様にも人気の看護ソフトです。
スタッフスケジュール管理や給与計算、利用者請求など、低価格なのに嬉しい多機能付きの訪問看護ソフトです。
カナミック(株式会社カナミックネットワーク)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | あり | クラウド |
カナミックは、記録から請求業務までの書類のやり取りをペーパーレス化できるクラウド型ソフトです。タブレット対応の記録システムを活用し、統計や経営分析のためのデータ集計も可能です。クラウド型サービスのため、いつでもどこでも記録や確認を簡単に行えます。
さらに、利用者ごとのスケジュール管理や実績に基づく国保連請求データ・利用者請求データの作成にも対応しています。
介舟ファミリー(株式会社日本コンピュータコンサルタント)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
16,500円~(標準パック) | あり | クラウド |
シンプルで分かりやすい画面と操作性が特徴で、パソコンが苦手な方、新しいソフトの操作を覚えたくない方でも、できるだけ簡単に使えるソフトです。
介舟ファミリーは、現在利用中のソフトからのデータ移行に対応しており、スムーズな切り替えが可能なソフトです。初期の操作説明や初回の請求業務も丁寧なサポートがあるため、安心して使い始められます。
ほのぼのNEXT(NDソフトウェア株式会社)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | インストール・クラウド |
ほのぼのNEXTは介護保険、障がい福祉、財務や給与など、機能が充実しており、小規模事業所から大規模事業所まで対応するソフトです。
確実かつスムーズな請求業務を実現し、業務効率の向上をサポートします。月遅れ処理や返戻対応、月途中の保険者変更なども簡単に行えます。さらに、実績登録やケアマネジャーへの確認、領収書の作成も可能です。
ナーシングネットプラスワン(プラスワンソリューションズ株式会社)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
月額8,800円~ | 要問い合わせ | クラウド |
ナーシングネットプラスワンは、リーズナブルな価格と機能が充実している点が魅力のソフトです。
シンプルな操作で国保連への請求までスムーズに行えます。
利用者情報の登録、サービス利用票の作成、給付管理、介護給付費請求書の作成をはじめ、計画書やモニタリング表の作成など、幅広い業務をこれ一つで対応可能です。
ワイズマン(株式会社ワイズマン)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | クラウド |
ワイズマンは請求業務や事務作業を効率化するワンパッケージのサポートシステムです。
予定作成や稼働状況の確認、記録作業をスムーズに行うことができ、予定をそのまま実績に反映可能です。実績が予定と異なる場合のみ修正すれば記録が完了します。
CARE KARTE(株式会社ケアコネクトジャパン)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | あり | インストール型 |
CARE KARTEは“介護現場を知っているシステム会社”という創業以来培ってきたノウハウを活かし、AIを活用した音声記録ツールなど最新技術でお客様の「時間を生み出す」お手伝いをするソフトです。
看護・介護・障害福祉サービスで行われる「記録・プラン・請求」までの運営を全面的にサポートします。
福祉の森(株式会社日立システムズ)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | クラウド型 |
福祉の森は介護・福祉スタッフの事務処理など生産性向上を支援するシステムです。日立システムズの持つ介護・障がい者支援事業者向けの関連サービスと連携することで入居者のケアとサービス向上により一層力を注ぐことができます。
けあ蔵(アルティウスリンク株式会社)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
1,100円 | 要問い合わせ | クラウド型 |
「けあ蔵」は専用サーバーを経由して請求データを国保連合会に請求する伝送代行サービスです。国保連伝送サービスで時間を削減したい・うっかりミスで返戻が多い・事業所のコストを見直したいなどのお悩みを解決します。
記録管理や書類作成機能はなく、伝送機能のみのため、費用が安い点が特徴です。伝送機能のみで良いという事業所様にはおすすめのソフトです。
HOPE LifeMark-WINCARE(富士通株式会社)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | インストール・クラウド型 |
HOPE LifeMark-WINCAREは、「様々な課題を解決し、介護の現場にイノベーションを」をコンセプトにお客様に最適なソリューションをお届けします。
日々の事務作業である計画書作成や利用者スケジュール調整を効率化し、時間の有効活用を図ります。
Flowers NEXT(株式会社コンダクト)

料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | インストール・クラウド型 |
直感的に使える画面や簡単入力、安定の法改正対応、手厚く安心のサポート体制が特徴のソフトです。
LIFEやケアプランデータ連携にも対応しています。
Blue Ocean Note(株式会社ブルーオーシャン)
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料金 | 無料体験 | サービス提供方法 |
---|---|---|
要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
記録管理業務に特化した記録システムです。
一日のサービスの流れに合わせたチェック表で記録が完了し、連絡ノートが自動作成されます。計画書に基づく記録管理や個別機能訓練などの加算サービスの対応した記録管理が可能です。また、バイタル測定機器とも連携し(特許取得)記録時間短縮が出来ます。
訪問看護ソフトの種類

訪問看護ソフトには機能の範囲や事業所規模、ソフトの利用方法によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解して、自事業所に最適なソフトを選ぶようにしましょう。
看護記録のみ可能なソフトと多機能型ソフト
訪問看護ソフトは看護記録のみが可能なソフトと、記録~請求まで一気通貫で行えるソフト、請求業務のみを行うためのソフトがあります。訪問看護ソフトの導入目的に合わせてどこまでの機能が必要か確認し、導入目的に合ったソフトを選ぶようにしましょう。
また、最大3/4の補助金負担を受けられるICT支援事業費補助金の要件に、記録から請求まで一気通貫のソフトであることが含まれるため、補助金を使用して訪問看護ソフトを導入する場合は補助金要件を満たすソフトかどうかも確認するようにしましょう。
ICT支援事業費補助金について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【令和7年最新】ICT支援事業費補助金活用で介護ソフト導入費が1/4に
事業所の規模別
訪問看護ソフトは大規模事業所向けソフトと小中規模事業所向けソフトがあります。
大規模事業所向けソフトは同じ利用者が複数の施設・サービスを利用する場合にもおすすめです。また、施設間の連携・情報共有によるサービスの均質化が行えるソフトもあります。中小規模事業者向けソフトは業務に必要な国保連請求や看護記録の入力など、基本的な機能が揃っています。大規模事業所向けと比較して、対応する種類や事業施設間連携に制限があるものの、その分シンプルで使いやすく、安価なソフトが多いのも特徴です。
<代表的な大規模事業所向け訪問看護ソフト>
- ほのぼのNEXT
- ワイズマンシステムSP
- カイポケ
- まもる君クラウド
- KANAMIC
- CARE KARTE
<代表的な中小規模事業所向け訪問看護ソフト>
- トリケアトプス
- ケア樹
- ナーシングネットプラスワン
- 介舟ファミリー
- Care-wing
- キャンビルネオ
- かんたん介護ソフト
- ワイズマンセカンドライン
- 楽すけ
インストール型・クラウド型
看護ソフトは「インストール型」と「クラウド型」の2種類があります。インストール型はソフトを事業所のパソコンに直接入れて使う方法です。インターネットがなくても使えますが、データはそのパソコンにしか入っていないため、他の場所からは確認できません。更新や修理は自分たちで対応する必要があり、専門の業者に頼むこともあります。
クラウド型は、インターネットを使ってソフトを利用する方法です。どこにいても、インターネットがあれば使用でき、スマホやタブレットで外出先からでも確認できます。ソフトの更新や修理はすべて提供元が行ってくれるので、事業所側で難しい設定をする必要はありません。「どこからでもアクセス可能」「初期費用を抑えられる」「常に最新機能が利用できる」「データの安全性が高い」などの理由から、近年クラウド型が主流になってきています。
訪問看護ソフト(電子カルテ)の主な機能

ここでは日々の業務をスムーズに進めるために役立つ、訪問看護ソフトに搭載されている主な機能についてご紹介します。
- ■利用者情報の登録・管理
- 氏名、要介護度、認定有効期間など、利用者の基本情報を登録・管理します。
- ■介護保険・医療保険の請求
- 給付費請求書や明細書を発行し、国保連伝送や医療保険のオンライン請求を行います。
- ■利用者用請求書の作成
- 訪問看護サービスの利用記録や介護報酬のデータを基に、利用者ごとの月額請求金額を自動で計算します。
- ■計画書類作成・管理
- 居宅サービス計画書や週間計画書などを作成・管理します。
- ■看護記録の作成・管理
- サービス提供記録を入力し、利用者ごとの記録を一元管理します。ソフトから記録入力・報告が行えるため、訪問看護ステーションに戻っての報告が不要になります。
- ■事業所情報管理
- サービス種類や事業者名、事業者番号など、他事業所の情報を登録・管理します。
- ■スタッフスケジュール管理・給与計算
- 訪問看護は利用者の都合による急なスケジュール変更の起きやすい職種です。スタッフスケジュールの調整・確認や勤務実績管理、給与計算などの多機能付きのソフトも多くあります。
訪問看護ソフト(電子カルテ)を導入するメリット

スマホ連携で外出先からでも実績報告できるため、訪問先から直行直帰が可能
多くの訪問看護ソフトはスマートフォンやタブレットに対応しており、訪問先からその場で記録や報告が可能です。これにより、事業所に戻ってからまとめて入力する必要がなくなり、直行直帰の働き方が実現できます。移動時間や事務作業の削減につながり、スタッフの負担を大きく軽減します。
国保連請求作業の効率化・ミス防止
訪問看護の請求業務は複雑で、少しのミスでも返戻や再提出につながる可能性があります。訪問看護ソフトでは実績と記録が連動しているので、看護記録の操作画面で「実績反映」をクリックするだけで実績に1立てすることができ、国保連請求作業が大幅に効率化。予実管理や確認・修正作業、実績の転記や記録の突合が不要になります。
これまで手書きで行っていたために避けられなかった請求ミスも、ソフトを導入することで事前に防ぐことが可能です。入力ミスがあった場合はソフトが自動で指摘してくれるため、国保連からの返戻といったトラブルの発生を減らすことができます。また、令和6年12月から義務化された医療保険請求のオンライン請求についても対応しています。
訪問看護の事務業務の効率化
訪問看護向けソフトには、サービス提供実績の記録や国保連請求だけでなく、スタッフスケジュールの管理機能やスタッフ給与計算機能、利用者請求・売上・回収機能が備わっているものもあり、業務を効率化できます。
また、書類作成機能が充実しているソフトでは、法改定に合わせて最新の様式が常に用意されていたり、書類間が連携しており、同じ内容を別の書類に何度も転記する必要が無くなったり、例文登録・音声入力が行えたりと、看護の事務作業を効率化する機能が搭載されています。紙やExcelでの運用と比べて作業の手間が大幅に減り、看護業務に集中できる環境が整います。
スケジュール管理がしやすくなる

訪問看護は、利用者の急な予定変更やキャンセルが発生しやすいサービスです。その度に予定を変更して対応しなければならないため、スケジュール管理が難しくなります。訪問看護ソフトを導入することで、スマホやタブレットからリアルタイムでのスケジュールをいつでも確認可能。急な予定変更や訪問調整にも柔軟に対応でき、スタッフ間でのダブルブッキング防止や、訪問効率の最適化にもつながります。
スタッフ間の情報共有が行いやすく
訪問看護では、一人ひとりに合った看護ケアやその家のルールを把握しておく必要があります。毎回同じ看護スタッフが担当できればルールも覚えやすいですが、違うスタッフが担当することも多いため、情報共有が上手くいっていないと、スタッフごとに対応が変わってしまい、利用者からの不満につながりやすくなります。
訪問看護ソフトを使用すれば、記録内容が即座に共有できるため、申し送りや利用者の状態変化などの情報伝達がスムーズに行えます。利用者ごとに前回のサービス時の状況やADL、要望を記録しておけるため、スタッフ間でのサービスの質を統一することができます。
過去のデータをすぐに探すことができる

訪問看護ソフトなら過去の記録データを、ソフト内からすぐに検索することができます。大量の記録用紙の保管場所に困っているという声を事業所様からよく耳にしますが、ソフトを導入することで、記録データをソフト内に保存することができ、記録用紙の保管場所が不要になると共に、ペーパーレス化に繋がります。
また、訪問看護ソフトを導入することで実地指導の際にもソフト上で検索をかけることで、必要なデータをすぐに取り出すことができます。実地指導の際のデータの印刷は必須ではないため、実地指導員にソフト上からデータの確認をしてもらうことも可能です。
常に介護保険制度の変更に対応でき、法令遵守がしやすくなる
介護保険制度は数年ごとに改正が行われます。制度変更に合わせて業務のやり方や帳票類を見直すのは手間がかかりますが、クラウド型の訪問看護ソフトを導入していれば、制度改定に応じたアップデートが自動で行われるケースがほとんどです。事業所側が手動で更新作業を行わなくて済むため、運用負担が軽減されるだけでなく、常に最新のルールに基づいた運用が可能となり、事業所としての法令遵守体制を保ちやすくなります。
訪問看護ソフト(電子カルテ)を選ぶ手順

訪問看護ソフトは、記録や請求、ケアプラン作成など事業所運営に欠かせない重要なツールです。しかし、種類やメーカーが多く、それぞれ機能や特徴も異なるため、「どれを選べばいいかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、数ある訪問看護ソフトの中から、自事業所の規模や業務内容、現場職員の使いやすさに合ったソフトを選ぶために押さえておきたい選び方の流れを解説します。導入後に「思っていたより使いにくかった」「現場に合わなかった」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。
訪問看護ソフトを選ぶ際の流れは以下の通りです。
①事業所の課題を洗い出す
②インターネットで情報収集
③資料請求を行って比較
④無料体験を利用
①事業所の課題を洗い出す
訪問看護ソフトを選ぶ際に、まず最初に行うべきことは自事業所の課題を明確にすることです。ただ何となく「便利そうだから」「周りが導入しているから」という理由だけで選んでしまうと、実際に導入した後に「思ったより業務が楽にならない」「現場で使いにくい」という問題が起きやすくなります。
例えば、記録業務に時間がかかっているのか、請求業務でミスや返戻が多いのか、情報共有に課題があるのか、訪問後に事業所に立ち寄らず、直行直帰できるように業務改善を行いたいのか、事業所ごとに解決したいポイントは異なります。まずは、現場の職員や管理者から意見を集めましょう。
この課題の洗い出しをしておくことで、「どの機能が必要なのか」「どのソフトが自社の訪問看護ステーションに合っているのか」を選ぶ基準が明確になります。逆にこのステップを飛ばしてしまうと、機能が多いだけで使いこなせないソフトを選んでしまったり、現場のニーズと合わず導入が進まない原因になってしまいます。最初にじっくりと事業所の課題と向き合い、解決すべきポイントを明確にすることが、ソフト選びを成功させる第一歩です。
②インターネットで情報収集
事業所の課題を洗い出したら、次に行うべきことはインターネットでの情報収集です。「看護ソフト」や「訪問看護ソフト」「電子カルテ」で検索し、各ソフトの特徴を確認しましょう。現在、訪問看護ソフトは多くのメーカーから販売されており、公式サイトや比較サイトを活用すれば、機能や価格、導入実績などの基本情報を簡単に調べることができます。
まずは、自事業所で解決したい課題に合ったソフトがどのメーカーから提供されているかを確認しましょう。例えば、「スマホやタブレットで簡単に記録できるか」「請求ソフトと一体型か」「ケアプラン作成機能があるか」など、自分たちの優先ポイントに注目して比較していくことが大切です。
また、メーカー公式サイトには、導入事例や利用者の声が掲載されていることが多く、実際に同じ規模やサービス形態の事業所がどのように活用しているかを知る良い参考になります。口コミサイトや介護業界のニュースサイトもチェックすると、現場目線のリアルな評価や、最新のソフト事情を知ることができます。ただし、インターネット上の情報だけで判断するのではなく、最終的には資料請求やデモ体験を通じて、実際の操作感やサポート体制まで確認することが重要です。情報収集の段階では、「気になるソフトを複数ピックアップしておく」ことを意識しましょう。
■ランキングサイトを参考にする際の注意点
検索を行うと、検索結果にランキングサイトが出て来ることがあります。比較サイトのランキングを参考にすることで、看護ソフト会社から発信された情報だけでなく、客観的な視点の新たな情報収集に役立ちますが、中にはソフト会社と利害関係があり、ランキングサイトの順位や中身が偏った情報となっている場合もあるため注意が必要です。
偏った情報に惑わされず、正確な情報を得るためには、サイトの運営元を確認することが大切です。ソフト会社と関係のある会社ではないか、利害関係はなく、中立の立場であるか見極めることがポイントです。
運営元を判断するのは難易度が高い場合は、1つのランキングサイトだけを参考にするのではなく、いくつかのランキングサイトを比較し、情報が正しいかどうかを確認する方法で、ランキングサイトの信憑性を確認することができます。
③資料請求を行って比較

インターネットで気になる訪問看護ソフトをピックアップしたら、次に行うべきは各メーカーに資料請求をして比較します。公式サイトには基本情報や機能概要が掲載されていますが、実際には載っていない細かい仕様やオプション、サポート内容、料金体系の詳細などは、資料を取り寄せないとわからないことが多くあります。
資料請求をすると、パンフレットや料金表、導入事例集、操作画面イメージなどが届き、より具体的にソフトの特徴や使用感をイメージできます。また、メーカーによっては資料請求後に電話やメールで連絡があり、事業所の規模や業態に合わせた活用方法や補助金情報などを教えてくれる場合もあります。
この段階で複数メーカーの資料を比較することで、
- 自社の訪問看護ステーションに必要な機能が備わっているか
- 操作画面が現場で使いやすいか
- サポート体制は十分か
- 費用感は予算内か
などを具体的に検討できます。ただし、資料を眺めるだけでなく、現場の職員や管理者と一緒に内容を確認し、「このソフトなら現場が楽になりそうか」「請求業務まで一元管理できるか」といった視点で比較することが大切です。資料請求は少し手間に感じるかもしれませんが、導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、選定の重要なステップといえます。
④無料体験を利用
資料請求で候補を絞り込んだら、次に行いたいのが無料体験(デモ体験)の利用です。多くのソフトメーカーでは、導入前に操作感を試せるよう、無料体験版やデモ環境を用意しています。パンフレットや説明だけでは、「現場で本当に使いやすいか」「操作が複雑すぎないか」といった部分はなかなか分かりません。特に訪問看護ソフトは、日々の記録や請求業務で毎日使うものなので、現場職員が直感的に操作できるかどうかが導入成功の鍵になります。
無料体験では、
- スマホやタブレットでの入力操作
- 記録から請求までの一連の流れ
- 画面の見やすさや項目配置
- 通信速度や反応のスムーズさ
など、実際の使用環境に近い形で確認することが重要です。また、職員全員が一度は触ってみて、操作性や印象を共有することで、導入後の混乱を防ぐことができます。さらに、無料体験時にサポート担当者へ操作方法や不安点を質問してみましょう。回答の丁寧さや対応スピードは、実際に導入した後のサポート品質を見極める大きな判断材料になります。このように、無料体験を活用して現場目線で試すことで、「机上では良さそうだけど現場では使いにくい」という失敗を防ぎ、自事業所に最適なソフトを選ぶことができます。
訪問看護ソフト(電子カルテ)を選ぶ際のポイント

費用や特徴、中規模事業者様向け~大規模事業者様向け、機能など、訪問看護ソフトによって様々な特徴があります。どの訪問看護ソフトにすべきかお悩みの事業所様に向けて、選ぶ際のポイントをご紹介いたします。
①タブレット・スマートフォンへの対応
看護実績を手書きで管理する場合、利用者さんのお宅に訪問後、内容を覚えておいて記録票に後から記入するため、内容を忘れてしまったり、後から内容を整理するのに手間がかかってしまいます。
スマホ連携が行える訪問看護ソフトを選ぶことで、移動中や訪問先でも、看護実績の入力が可能となり、効率的に看護記録業務が行えます。
判断するポイント
スマホやタブレット連携が行える看護ソフトかどうかを判断するポイントは以下の通りです。
✅ 「クラウド型」の訪問看護ソフトか
クラウド型はインターネットからソフトを使用する方法で、インターネット環境さえあればスマホやタブレットからでも使用できます。インストール型はソフトをパソコンに直接入れて使う方法のため、インストール済みのデバイスからしか使用することができません。スマホやタブレットからもソフトを使用したい場合は、「クラウド型」を選ぶようにしましょう。
✅ 専用アプリが用意されているか
訪問看護業務で使う頻度が高い看護記録はブラウザ上だけでなく、専用アプリが用意されていると、すぐに立ち上げができ、見やすい画面で入力ができます。
②スタッフスケジュール管理機能の付いたソフトを選ぶ
訪問看護は、利用者の急な予定変更やキャンセルが発生する可能性があるため、スタッフのスケジュール管理機能の付いたソフトを選ぶことが重要です。シフト作成機能が付いているか、サービス開始・終了の実績計測の機能が付いているかなど、どこまで機能が充実しているかや、使い勝手を確認する必要があります。
③費用
訪問看護ソフトの利用料は10,000円~30,000円ほどと、金額に幅があります。また、初期費用がかかる場合もあります。欲しい機能に対してオーバースペックな訪問看護ソフトを導入してコストが高くなってしまった…なんてことのないように、費用と欲しい機能を照らし合わせて、コストパフォーマンスの良い訪問看護ソフトを選ぶようにしましょう。
④各事業所・目的に合った訪問看護ソフト
請求に強いソフト・看護記録に強いソフトなど、ソフトによって特徴が異なります。導入目的に合わせた看護ソフトを選ぶようにしましょう。また、パソコン作業に不安があるため、サポートが充実している訪問看護ソフトを選ぶ・使用したい補助金に対応しているソフトを選ぶなど、事業所に合った訪問看護ソフトを選ぶことも大切です。また、事業所で訪問看護以外のサービスを行っている場合、その他医療や介護、障害に対応しているのかなど、事業所の提供するサービスに合った機能があるのかを確認する必要があります。
⑤大規模事業者様向け・中規模事業者様向け
複数の施設・事業を運営する、大規模事業所向け機能を搭載したタイプか、対応する種類や事業所施設間連携に制限があるものの、その分シンプルで使いやすく、安価なソフトが多い中規模事業者向けか、事業所の規模に合わせた訪問看護ソフトを選びましょう。
⑥機能
費用が安い分、機能に制限のある訪問看護ソフトもあります。新LIFEや・ケアプランデータ連携など、欲しい機能が付いているか確認するようにしましょう。
また、以下の機能の付いた多機能ソフトもあります。
・勤怠管理
・シフト作成
・経営管理
・会計処理
多機能型ソフトは費用が高めの場合もあるため、優先順位を明確にすることが重要です。
⑦外部機器・システムとの連携
訪問看護ソフトによっては、見守りシステムやナースコール、服薬管理システムと連携することも可能です。
現状使用している外部機能があれば、それらと連携可能な訪問看護ソフトを選択すると、更なる業務効率化に繋がります。
⑧口コミ・評判
比較サイトやSNSで、実際に導入した事業所の声を参考にするのがおすすめです。特に「使いやすさ」や「解決できた課題」など、具体的な評価に注目しましょう。
⑨サポート体制
導入後の運用をスムーズにするため、サポート内容も比較しましょう。例えば以下のようなサポートがあると安心です。
- 開業支援やデータ移行支援
- 導入時の訪問サポート
- メール・電話での運用サポート
特に、日々のメールや電話でのサポートは、操作方法が分からなかったり、困った際にすぐに相談できる点で重要です。
サポートの繋がりやすさや、親切に回答してくれるかなどを無料体験期間に確認するようにしましょう。
令和6年12月から訪問看護レセプト(医療保険請求分)のオンライン請求が義務化されました
令和6年12月から訪問看護のレセプト(医療保険請求分)においてオンライン請求が義務化されました。この義務化により、医療保険分のレセプト請求業務はオンライン化が基本となり、印刷や郵送の手間が省けるため、業務効率化が期待されています。
医療保険のオンライン請求に必要な機器や準備
医療保険のオンライン請求を行うには、専用の端末や周辺機器を整える必要があります。
やむを得ない事情がある訪問看護ステーションについては期限付きの経過措置が設けられておりますが、基本的には令和5年度中にこれらの機器を準備するよう事業所に要請しています。
国が事業所に求める主な準備内容は以下の通りです。
- レセプト作成用端末
- レセプト作成ソフト
- オンライン請求用端末
- オンライン請求用ネットワーク回線
- 電子証明書
また、上記機器等の準備とあわせて、導入に向けた作業(セキュリティ対策の実施等)も必要です。
医療保険のオンライン請求に対応している訪問看護ソフト
ご紹介した訪問看護ソフトのうち、以下のソフトが医療保険のオンライン請求に対応していることが確認できました。(2024年12月時点)
- トリケアトプス(岡谷システム株式会社)
- カナミック(株式会社カナミックネットワーク)
- 介舟ファミリー(株式会社日本コンピュータコンサルタント)
- ほのぼのNEXT(NDソフトウェア株式会社)
- ナーシングネットプラスワン(プラスワンソリューションズ株式会社)
- ワイズマン(株式会社ワイズマン)
- CARE KARTE(株式会社ケアコネクトジャパン)
- 福祉の森(株式会社日立システムズ)
- Flowers NEXT(株式会社コンダクト)
訪問看護ソフトに関するよくある質問

Q. 訪問看護ソフトはスマホやタブレットでも使えますか?
A. はい、多くの訪問看護ソフトはモバイル対応しており、スマートフォンやタブレットから記録や確認が可能です。外出先でも実績入力やスケジュール確認ができ、直行直帰の働き方に対応します。
Q. 国保連請求に対応している訪問看護ソフトはありますか?
A. はい、国保連への請求業務に対応した訪問看護ソフトが多数あります。実績データから請求データを自動生成し、ミスを減らしながらスムーズな請求処理が可能になります。
Q. 電子カルテとの違いは何ですか?
A. 電子カルテは医療機関向けに開発されたものが多く、訪問看護ソフトは在宅医療・訪問看護に特化した機能(移動スケジュール、外出先入力、訪問記録管理など)に対応しています。訪問看護ステーションには、専用ソフトのほうが適しています。
Q. 小規模な訪問看護ステーションでも導入できますか?
A. はい、少人数のステーション向けに、料金体系がシンプルで低コストな訪問看護ソフトも多数あります。1人事業所や数人規模でも無理なく導入でき、業務の効率化が期待できます。
訪問看護ソフトならトリケアトプスがおすすめ

訪問看護ソフトのトリケアトプスは、現場の負担を軽減し、効率化を行うためのソフトです。 トリケアトプスが選ばれてきたポイントは以下の4つです。
- 01 業界最安値
- トリケアトプスは従量課金制を採用しており、ご請求は使った分のみ。従量課金制の訪問看護ソフトの中では業界最安値です。
最低440円/人~使用できるので、事業所立ち上げの際や、中小規模の事業所様にぴったり。上限価格もあるため安心です。
オプションによる追加費用も無しで、全ての機能を標準装備で使用可能です。 - 02 パソコンが苦手な人でも使いやすい画面
- ケアマネジャーやヘルパーさん、どんな人でも使いやすいよう、直感的にどこに何があるか、分かりやすい操作画面を設計しました。
iOS/Androidのスマホアプリも対応しており、スマホからでも簡単に実績入力が行えます。
イメージキャラクターのトリケアちゃんが見守ってくれる、女性に人気の可愛い操作画面です♪ - 03 ご利用いただいている事業者様の92%が「サポートに満足」と回答
- 訪問看護ソフトの使い方で分からないことがあれば、お電話頂ければ、専任のオペレーターが丁寧に対応致します。
開発元が運営も行っているため、わからないことは丁寧にしっかりとご説明することができます。
電話もつながりやすく、困っている時にすぐ頼っていただけます。 - 04 お客様のお声から機能を開発
- お客様から多くの声を寄せられた「こんな機能がほしい!」という機能を、他社では対応できないスピードでの実装を実現。ほぼ標準機能としてアップデートしているため、追加費用はいただきません。開発元がサポートも行っているため、ダイレクトに機能を反映することができます。
トリケアトプスは、最大3ヶ月間の無料体験を実施しています。 この機会にトリケアトプスをぜひお試しください。