介護の基礎知識
【2024年改定対応】特別地域訪問リハビリテーション加算の算定要件と単位数
- 公開日:2025年07月02日
- 更新日:2025年07月02日

特別地域訪問リハビリテーション加算とは、人口密度が希薄、交通が不便等の理由によりサービスの確保が著しく困難であると認められ、介護サービスの確保が極めて困難とされる地域などで、介護サービスの提供に貢献している事業所を評価する加算です。
都市部に比べて人材の確保やサービス体制の維持が難しい中山間地域や離島などが対象で、訪問リハビリの提供を継続して行っている事業所に対して、加算による報酬上の評価が行われる仕組みとなっています。
2024年の介護報酬改定では、この加算についても見直しが行われており、対象地域に一部変更が加えられました。制度の趣旨や条件を正しく理解することで、該当する事業所にとっては安定的な運営の支えとなり得ます。本記事では、特別地域訪問リハビリテーション加算の最新の単位数、算定要件、留意点などをわかりやすく解説します。算定漏れの防止や、地域特性を踏まえた事業戦略の参考にしていただければ幸いです。
特別地域訪問リハビリテーション加算の単位数
所定単位数×15/100
特別地域訪問リハビリテーション加算の算定要件
事業所が厚生労働大臣の定める特別地域に所在すること。
厚生労働大臣の定める特別地域
- 離島振興法第二条第一項の規定により指定された離島振興対策実施地域
- 奄美群島振興開発特別措置法第一条に規定する奄美群島
- 山村振興法第七条第一項の規定により指定された振興山村
- 小笠原諸島振興開発特別措置法第四条第一項に規定する小笠原諸島
- 沖縄振興特別措置法第三条第三号に規定する離島
- 以下の地域のうち、人口密度が希薄であること、交通が不便であること等の理由により、指定居宅サービス等の確保が著しく困難であると認められる地域であって、厚生労働大臣が別に定めるもの
- 豪雪地帯対策特別措置法第二条第一項の規定により指定された豪雪地帯
- 豪雪地帯対策特別措置法第二条第二項の規定により指定された特別豪雪地帯
- 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律第二条第一項に規定する辺地
- 過疎地域自立促進特別措置法第二条第ニ項の規定により公示された過疎地域
- その他の地域
- 令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
- 特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域は、令和6年度の介護報酬改定にて対象地域が明確化されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第一項に規定する過疎地域
↓ 変更後
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第二項により公示された過疎地域
令和6年度介護報酬改定では、加算の対象となる過疎地域の基準が見直されました。具体的には、改正後(第二条第二項)では、基準に合致する市町村から自動的に「過疎地域」が決まるのではなく、「主務大臣が該当する市町村を公示したうえで過疎地域とする」のように変更されました。
特別地域加算のQ&A
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)平成21年3月23日 問11
Q.特別地域加算(15%)と中山間地域等に居住するものへのサービス提供加算(5%)、又は、中山間地域等における小規模事業所加算(10%)と中山間地域等に居住するものへのサービス提供加算(5%)を同時に算定することは可能か。
A.特別地域加算対象地域又は中山間地域等における小規模事業所加算対象地域にある事業所が通常のサービス実施地域を越えて別の中山間地域等に居住する利用者にサービスを提供する場合にあっては、算定可能である。
まとめ
特別地域訪問リハビリテーション加算は、介護サービスの担い手が不足する地域において、訪問リハビリを継続的に提供している事業所を評価する重要な加算です。2024年の改定では、対象地域が一部見直され、より実情に即した制度設計となりました。この加算を正しく理解・活用することで、人材確保が困難な地域でも安定的なサービス提供が可能となり、地域包括ケアの維持・強化にもつながります。
特別地域で事業を継続していくには、制度を上手に活用しながら、地域に根ざしたサービス運営を続ける視点が不可欠です。今後も改定情報を注視しながら、持続可能な訪問リハビリテーションの体制づくりを進めていきましょう。