介護の基礎知識
盛り上がる!デイサービスで使える朝の会のネタ14選
- 公開日:2025年05月12日
- 更新日:2025年05月12日

デイサービスでは、利用者さんが集まったタイミングで「朝の会」を行う施設も多く見られます。朝の会では、その日のスケジュールを伝えるだけでなく、ちょっとしたクイズやレクリエーションを取り入れるところもあるでしょう。
そこでこの記事では、デイサービスの朝の会にぴったりな、利用者さんの気分を盛り上げてくれるネタを14個ご紹介します。朝の会のネタ選びに悩んでいる介護職の方は、ぜひ参考にしてみてください。
デイサービスで朝の会を行うメリット
デイサービスにおける朝の会は、単なる一日の始まりのあいさつにとどまらず、多くのメリットがあります。利用者さんの安心感や交流の促進、認知機能の活性化など、さまざまな良い影響が期待できます。以下に、具体的なメリットをいくつかご紹介します。
1. 一日の流れが把握できる
朝の会でその日のスケジュールを伝えることで、利用者さんが「これから何をするのか」を理解しやすくなります。特に認知症の方にとっては、予定がわからないと不安を感じやすいため、事前に一日の流れを把握することで、落ち着いて行動しやすくなります。安心感が生まれることで、活動への意欲向上にもつながります。
2. 利用者同士の交流促進
朝の会は、利用者さん同士が挨拶を交わすきっかけになります。さらに、スタッフが話題を提供し、自然と会話が生まれるように工夫することで、会話のきっかけが増え、仲間意識が芽生えやすくなります。特に、新しく通所を始めた方が打ち解けるきっかけにもなります。
3. 脳の活性化
朝の会にクイズや簡単なゲーム、計算問題などを取り入れると、脳への刺激となり、認知機能の維持・向上が期待できます。また、昔の出来事を話題にする「回想法」などを組み込めば、楽しい会話をしながら自然に記憶が引き出される効果もあります。
4. スタッフとの信頼関係の構築
朝の会では、スタッフが利用者さん一人ひとりの表情や様子を確認しながら会話を進める場面が多くなります。日々の積み重ねにより、「スタッフが自分のことをしっかり見てくれている」という安心感が生まれ、信頼関係の構築に役立ちます。信頼関係が深まることで、利用者さんが困りごとや悩みを相談しやすくなるといった効果も期待できます。
5. 生活リズムの安定
朝の会を毎日決まった時間に行うことで、生活リズムが整いやすくなります。特に、高齢者は生活リズムの乱れが体調や精神面に影響を与えやすいため、朝の会が「1日の始まりの合図」となることで、安定した日常生活の維持に役立ちます。
6. 体調や様子の確認ができる
朝の会は、利用者さん一人ひとりの体調や精神状態を観察する絶好の機会でもあります。発言の様子や声のトーン、表情などを注意深く見ることで、いつもと違う様子に気付きやすくなります。早期に変化に気付くことで、体調不良やメンタル面の不調を早めにケアできるようになります。
デイサービスにおける朝の会は、利用者さんにとって1日の大切なスタートとなる重要な時間です。利用者さんの状態や施設の特性に合わせて、より良い朝の会を工夫していくことが、充実したデイサービス運営につながるでしょう。
デイサービスで使える朝の会のネタ14選

今日は何の日?季節や時事ネタ、「○○の日」紹介
「本日の話題紹介」は、季節や時事ネタなどをテーマに司会者が話題を提供する、デイサービスの朝の会で人気の定番ネタです。たとえば、節分や冬至などの季節の行事を取り上げたり、今朝のニュースの話題を話したりすると、自然と会話が広がりやすくなります。
さらに、「一般社団法人日本記念日協会」などが認定する1年365日の記念日を参考にするのもおすすめです。「娘婿を励ます日」や「親バカ愛の日」など、ユニークな記念日を紹介することで、利用者さんの興味を引きやすく、会話のきっかけにもつながるでしょう。由来やエピソードと合わせて話すことで、さらに盛り上がります。
朝から脳を活性化「365日クイズ」
「365日クイズ」は、「今日は何の日?」に関連したクイズを出題するアイデアです。単に話題を紹介するだけでなく、利用者さんが答えを考える時間を設けることで、脳の活性化にもつながります。
例えば、10月10日は「スポーツの日」。この日は日本の体育振興を目的として制定された記念日です。この話題に関連して、「スポーツの起源はどこの国?」や「オリンピックで最も多くのメダルを獲得した国は?」など、運動やスポーツに関するクイズを出すと、スポーツ好きの方でも、あまり詳しくない方でも楽しめます。
1日の活力になるかも「今日の占い」
占いに対する関心は人それぞれですが、星座や誕生月などに関する運勢を話題にすると、利用者さんの関心を引きやすいです。特に、前向きでポジティブな内容を伝えることで、1日の活力につながるでしょう。
また、「ラッキーカラー」を伝えて「この色の折り紙で製作をしよう」や、「ラッキーアイテム」が「花」であれば「今日は生花を飾ろう」「手芸で花を作ろう」など、その日の活動につなげる工夫も効果的です。朝の会が、より楽しく有意義な時間になるでしょう。
生活習慣を見直そう「健康の雑学」
高齢者の方々は、健康に関する話題に関心が高い傾向があります。朝の会で「健康の雑学」を取り上げると、その日の行動を見直すきっかけになるかもしれません。
たとえば、「靴底の減り方でケガや病気の兆候が分かることがある」と伝えれば、自分の靴底をチェックしたり、歩き方を意識するきっかけになります。これを機に姿勢や歩行を見直す方もいるでしょう。
声を出してリフレッシュ「朝の歌」
「朝の歌」で声を出すと、脳の活性化にも役立つと言われています。デイサービスの朝の会では、利用者さんが親しみやすい季節の歌を取り入れるのがおすすめです。
<季節の歌>
春:さくらさくら、茶摘み、朧月夜、荒城の月、春よ来い
夏:われは海の子、浜辺の歌、ふじの山、七つの子
秋:虫の声、旅愁、故郷の廃家、村の鍛冶屋
冬:雪、冬の夜、冬景色、故郷
歌詞を紙に印刷したり、ホワイトボードに書いたりすると、より参加しやすくなります。
身体を動かして活力UP「ラジオ体操」
デイサービスでは、朝の会に「ラジオ体操」を取り入れているところも多くあります。
朝は筋肉や神経が目覚めていないことが多いため、体操を行うことで1日の活動に向けた準備が整いやすくなります。
「ラジオ体操」は利用者さんにとってなじみ深いため、安心して参加できるでしょう。「全国ラジオ体操連盟」のYouTubeでは座ったまま行う方法も公開されており、立位が難しい方への配慮として活用できます。
頭の体操にぴったり!「クイズ&漢字問題」
デイサービスの朝の会では、頭を使う「脳トレ」ネタが人気です。なぞなぞや間違い探しなどバリエーションが豊富なので、毎回異なる内容を楽しめるのも魅力です。
<おすすめの脳トレ例>
- 「漢字問題」:難読漢字や熟語の読みを当てるクイズ
- 「都道府県当てクイズ」:ヒントから都道府県名を当てるゲーム
- 「後出しじゃんけん」:勝ち負けのルールを変えて脳を活性化
- 「歌クイズ」:歌の一節から曲名を当てる問題
- 「間違い探し」:左右の絵を見比べて違いを探す
準備が少なく、気軽に取り組めるものを選ぶと、利用者さんも楽しみやすいでしょう。
手軽にできる「指回し体操」
デイサービスの朝の会で、座ったまま簡単にできる「指回し体操」もおすすめです。指を動かすことで血行が促進され、手先の器用さや集中力の向上が期待できます。
<指回しの手順>
- 胸の前で両手の指先を軽く合わせる
- 親指から順に、左右交互に円を描くように回す
- 他の指が離れないよう意識しながら、すべての指で行う
薬指は特に動かしにくいため、「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声かけをすると、利用者さんも安心して参加できます。
会話のきっかけにも「1日1手話」
「1日1手話」として、毎回1つずつ手話を紹介するのも良いでしょう。指や手の動きが脳を刺激し、認知機能の活性化につながります。
さらに、聴覚に不安のある利用者さんがいる場合は、コミュニケーションの幅を広げるきっかけにもなります。NHKの「手話CG単語検索サイト」で手話を知りたい単語を検索すると、手話の表現をCGアニメーションで確認できて便利なので、ぜひ活用してみてください。
楽しく発声「早口言葉口腔体操」
デイサービスの朝の会では、落語に登場する「寿限無(じゅげむ)」を使った早口言葉も盛り上がるでしょう。
<寿限無で登場する男の子の名前>
じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーの ポンポコナーの ちょうきゅうめいのちょうすけ
まずはゆっくりと読み上げ、徐々にスピードアップしながら挑戦することで、口の運動や発声練習にもつながります。
笑いと会話を引き出す「シルバー川柳クイズ」
大人数でワイワイ盛り上がる「伝言ゲーム」
「伝言ゲーム」は、多くの人が参加でき、笑いが生まれやすいゲームです。正確に伝わると達成感があり、間違えても思わぬ珍回答が出て盛り上がること間違いなし。短期記憶を使うので、脳トレにも効果的です。お題は短く、覚えやすい言葉を選ぶと参加しやすくなります。
<お題の例>
- 簡単な早口言葉
- 人気の曲の歌詞
- 童話の一節
耳が遠い方がいる場合は、糸電話を活用したり、ジェスチャーや文字、イラストを取り入れたりすると、より多くの方が楽しめるでしょう。利用者さんの状況に合わせた工夫が大切です。
クイズで食事を楽しみに「食材でメニュー当て」
その日の食材をヒントに、どんな料理が出るかを当てるクイズも朝の会にぴったり。食欲が落ちている方でも、ゲーム感覚で楽しめるので、食事への関心が高まりやすくなります。
<メニュー当てクイズの例>
- 豚肉、じゃがいも、玉ねぎ、糸こんにゃく、にんじん → 肉じゃが
- とうもろこし、玉ねぎ、牛乳、バター、パセリ → コーンポタージュ
- 鶏肉、ごぼう、しいたけ、こんにゃく、お米 → 五目ごはん
難しい場合は「おふくろの味」「甘くてとろっとしている」「もちもちした食感」などのヒントを加えると、より答えやすくなります。
連想しながら脳を活性化「言葉連想ゲーム」
ひとつの言葉から次々に関連する言葉を考えていく「言葉連想ゲーム」は、想像力や発想力を鍛えるのにぴったりの脳トレです。参加人数を問わず、全員で取り組めるのも魅力です。
<お題の例>
- 歴史上の人物
- 観光地の名前
- 動物の名前
- ことわざ
慣れないうちはなかなか言葉が出てこないかもしれませんが、繰り返すことでスムーズに連想できるようになり、自然と記憶力の向上が期待できます。
まとめ

デイサービスの朝の会は、スケジュールを共有できたり、脳を活性化したり、体調や様子の確認ができるなどのメリットがあります。ゲームを取り入れる場合は、脳トレや軽いレクリエーション、朝の発声につながるネタがおすすめです。実際にやってみて盛り上がったネタは覚えておいて、定期的にテーマを変えて継続してみると楽しんでもらえるでしょう。ご紹介した内容を参考に、朝の会をより楽しく、にぎやかな時間にしてみてはいかがでしょうか。