介護の基礎知識
4月のレクリエーションアイデア集|高齢者施設・デイサービス向け
- 公開日:2025年03月28日
- 更新日:2025年03月28日

4月は春本番を迎え、暖かい陽気の中で活動しやすい季節です。高齢者施設やデイサービスでは、春らしいイベントやレクリエーションを取り入れることで、利用者さんに楽しんでもらいながら、心身の健康促進にもつながります。本記事では、4月にぴったりのレクリエーションアイデアを紹介します。
4月ならではのレクリエーションのポイント
春のイベントや自然の変化を取り入れたレクリエーションは、季節感を楽しむうえで重要です。
- 春の訪れを感じる … 桜や新緑を楽しむ屋外活動を計画する。
- 日本の伝統行事に親しむ … お花見や端午の節句に関連した活動を取り入れる。
- 体を動かしやすい季節を活用する … 穏やかな気候の中で軽い運動を取り入れる。
- 春の食材や文化を楽しむ … 春の味覚を使った料理や伝統文化に触れる創作活動を行う。
こうしたポイントを押さえながら、具体的なレクリエーションを計画しましょう。
4月のレクリエーションの注意点
春本番の4月は、暖かく過ごしやすい季節ですが、「花冷え」という言葉が示すように、3月から4月にかけては突然冷え込むこともあります。そのため、油断せず、レクリエーションに参加する方々の衣服の調整や、室内の温度管理には十分注意が必要です。
また、4月から新しい生活を始める方が多く、高齢者施設の利用者さんも、家族の生活の変化や施設職員の異動によって、環境や人間関係が変わることがあります。レクリエーションを行う際には、利用者さんの心身の状態を十分に配慮し、温かいサポートを心がけましょう。
さらに、4月のレクリエーションでは「春バテ」への対策も大切です。春バテは、寒暖差やストレスなどが原因で自律神経が乱れることが影響しています。春バテを予防するためには、体を温める活動や適度な運動を取り入れ、健康維持に努めましょう。
4月のイベントにちなんだレクリエーション
お花見イベント

4月といえば桜の季節です。施設の庭や近くの公園でお花見を楽しむことで、春の訪れを感じることができます。外出が難しい場合は、施設内に桜の装飾を施したり、映像や写真を活用した「室内お花見」を開催するのも良いでしょう。また、お花見に関連したクイズや、桜にまつわる思い出を語り合う時間を設けることで、より楽しい時間を過ごせます。お花見弁当を用意し、桜茶を飲みながら春の風情を楽しむのもおすすめです。
<4月が見頃の花>
- 桜(さくら)🌸(3月下旬~4月)
- チューリップ 🌷(4月~5月)
- スミレ(菫)🌿(3月~5月)
- ツツジ(躑躅)🌺(4月~5月)
- ネモフィラ 💙(4月~5月)
- 菜の花 🌾(3月~4月)
押し花作り

エイプリルフールレク

4月1日はエイプリルフール。午前中に限り、悪質でないうそをついても良い日として知られています。
レクリエーションの一環として、利用者さんに「楽しいうそ」を考えてもらうのも一つのアイデアですが、みんなが「くすっ」と笑えるようなうそを思いつくのは意外と難しいものです。そこで、レクリエーションでは「施設職員のうそを見破る」というルールでゲームを行うのが楽しい方法です。
例えば、数人の施設職員のうち1人だけがピンポン玉を握り、残りの職員は握っているふりをします。利用者さんに実際にピンポン玉を握っている職員を当ててもらうことで、うそを楽しいゲームとして楽しむことができます。
春の味覚を楽しむ料理レクリエーション

春の食材を使った料理レクリエーションも、利用者の方に喜ばれます。筍ご飯や菜の花のおひたし、桜餅など、季節を感じられる料理をみんなで作り、味わうことで、食を通じた楽しみを提供できます。また、桜団子作りや、ちらし寿司作りなど、簡単にできるメニューを取り入れると、より多くの方が参加しやすくなります。
ごはんを半分ほどつぶして作るお団子は、普通のお団子よりも喉に詰まりにくいため、安心して食べることができます。お団子には、みたらしやあんこをかけておいしくいただけます。ただし、きなこはむせやすいので、控えたほうが良いでしょう。レシピは以下のリンクよりご覧ください。
「ごはん団子」でも誤嚥が心配な方には、丸くて小さなおにぎりを作り、いろいろなふりかけをかけて、3色団子風にして楽しむのも良い方法です。
春をテーマにした創作活動

創作活動は手先を使い、脳を活性化させる効果が期待できます。春の風景を描く絵画レクリエーションや、桜のちぎり絵、春の草花を使った押し花アートなどが人気です。特に折り紙で桜の花を作る工作は、難易度を調整しやすく、幅広い方が楽しめるためおすすめです。完成した作品を施設内に飾ることで、春らしい雰囲気を演出できます。
音楽レクリエーション

春の歌をみんなで歌うことで、懐かしい気持ちに浸りながら楽しめます。「春が来た」「さくらさくら」「チューリップ」などの童謡や、昭和の春の名曲を選ぶと、親しみやすく参加しやすいでしょう。
さらに、簡単な楽器を使ったリズム遊びや合奏を取り入れると、より楽しい音楽レクリエーションになります。紙コップやペットボトルを活用した手作り楽器で、リズムを刻んでみましょう。
また、参加者が順番に歌を歌う歌詞リレー形式にすることで歌詞が思い出せるかどうかを楽しみながら、記憶力や発声を鍛えられます。歌詞の間違いや詰まった部分があれば、他の利用者が助け舟を出し合うことで、和気あいあいと進行します。
桜の花びらキャッチゲーム

春の雰囲気を感じられる簡単な遊びです。ルールは簡単で、ピンクの紙で作った花びらを舞い落とし、手でキャッチするだけです。集中力や反射神経を養うことができます。桜にまつわる音楽を流すと春気分も盛り上がります。体調に合わせて、座ったままで参加できるような配慮をしましょう。
種まき・ガーデニング

4月は春の暖かさが増し、種まきやガーデニングに適した時期です。パンジーやチューリップ、ビオラなどの苗をプランターに植えることで、施設が華やかになります。また、4月が種まき・植え付け時期の植物は以下の通りです。
<野菜類>
🌱 葉物野菜
- 小松菜
- ほうれん草
- レタス(サニーレタス、リーフレタス)
- 春菊
- 水菜
🌱 根菜類
- 人参(春まき)
- 大根(春まき)
- ビーツ
🌱 果菜類(育苗してから植え付けることが多い)
- トマト
- ナス
- ピーマン
- きゅうり
- ズッキーニ
🌱 豆類
- 枝豆
- いんげん豆
<花>
🌺 一年草
- ひまわり
- コスモス
- マリーゴールド
- アサガオ
- ジニア(百日草)
🌿 多年草・宿根草
- ラベンダー
- デルフィニウム
- カスミソウ
<ハーブ>
- バジル
- パクチー(コリアンダー)
- ミント
- カモミール
- タイム
4月は気温が安定してくるので、発芽しやすい時期です。特に気温が15℃以上になる地域では、夏野菜の種まきや育苗に最適です。今から種まきを行うことで、成長や収穫、調理まで長く楽しめることで、利用者さんも生きがいを持って取り組むことができます。
端午の節句の準備

5月5日は端午の節句で、特に男の子の健やかな成長と幸福を祈るお祭りです。4月の内から折り紙で鯉のぼりや兜を作って、施設内に飾ることで、端午の節句を長く楽しめます。
屋外で楽しめるレクリエーション
散歩&外気浴

気候の良い4月は、近くの公園や庭での散歩が最適です。新緑が芽吹き始める季節のため、瑞々しい若葉の緑色を見て癒されましょう。歩行が難しい方も、外で新緑を感じるだけでリフレッシュできます。
室内でできる創作・ゲームレクリエーション

4月の脳トレ(クロスワード・間違い探し)
「4月」にちなんだ言葉を使ったクロスワードや、間違い探しゲームを取り入れましょう。
「4月」にちなんだ言葉の例:桜、新学期、入学式、花見、春風、卒業、新年度、花粉症、若葉、春休み、花壇など
風船バレー
体を適度に動かす室内ゲームとして、風船バレーはおすすめです。座ったままでも参加できるので、多くの方が楽しめます。
- 準備するもの
・風船
・簡易ネット(タオルや紐で代用可能。ネットの高さは低めに調整)
・コーンやテープ(プレイエリアの境界を作るため) - やり方
①参加者を2つのチームに分けます。人数に合わせて、1チーム2~4人程度が理想です。チームごとにコートを分け、プレイエリアを確保します。例えば、コーンやテープでコートの境界線を引きます。
②風船を手で打って、相手チームのコートに風船を落とします。風船は軽いので、動きが遅く予測しやすく、ゆっくり楽しめます。サーブ(最初の一発)は、1チームから順番で行います。その後はお互いに風船を打ち合って、相手チームのコートに風船を落とします。風船が地面に落ちた場合、相手チームにポイントが入ります。
③ゲーム時間が終了した際にポイントの多いチームが勝ちです。ゲーム時間は利用者の体力に合わせて5分または10分程度とします。
まとめ
4月は、春の訪れを感じながら楽しめるレクリエーションが豊富にあります。お花見や端午の節句の準備、春の食材を使った料理、創作活動、音楽レクリエーション、そして屋外での散策や軽い運動など、さまざまなアクティビティを取り入れることで、利用者さんに充実した時間を提供できます。
高齢者施設やデイサービスでのレクリエーションを通じて、春の温かさを感じながら、心も体も元気に過ごせる環境を整えていきましょう。