介護の基礎知識
介護の無駄な業務を削減する方法!「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくすには
- 公開日:2025年03月10日
- 更新日:2025年03月18日

介護業界では、無駄な業務が多いと指摘されることがよくあります。無駄な業務が積み重なると、現場の負担が増大し、職員が利用者と十分に向き合う時間を確保できなくなり、結果的に介護の質が低下したり、離職率が上がったりすることがあります。しかし、業務のどこに無駄があるのか、どう改善すればよいのかを明確にできず、悩んでいる事業所も少なくありません。この記事では、介護現場における無駄な業務を見極め、その改善方法を円滑に進めるためのポイントを紹介します。
介護現場の無駄な業務とは?
介護事業所を運営していると、無駄な業務が目立ってくることがあります。現場で働く職員の中には、「この業務は本当に必要なのか?」と疑問に思いながら仕事をしている人もいるかもしれません。介護職に無駄な業務が多い理由はいくつか考えられますが、業務の進め方が個人の経験やスキルに依存しており、属人化する傾向にあることや、アナログな記録業務が多いこと、長年の慣習が続いており、業務の見直しが行えていないこと、人員不足により、業務改善の時間が取れないことなど、介護業界ならではの理由が大きいと考えられます。業務の効率化が進んでいない介護業界だからこそ、大きく改善できる余地があるため、課題を見つけたら積極的に業務改善に取り組みましょう。
介護現場の無駄な業務の具体例
介護現場の無駄な業務とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?具体例を記載しますので、自事業所に当てはまるものがないか確認してみてください。
- 手書きした記録のパソコンへの転記
手書きでメモした記録を後ほどパソコンに転記し直す - 書類間の転記作業
同じ内容を別の書類に転記する(例:介護記録と連絡帳間の転記や利用者情報を各書類で何度も転記) - 国保連請求の返戻作業
必須項目の未入力や利用者情報の入力ミスにより返戻作業が発生すると再請求の必要があり、本来不要だった作業が発生 - 不必要な書類の作成
使用されない書類や、必要以上に詳細な書類を作成する - 長時間の会議や報告
内容がまとまらず、長時間にわたる会議 - 口頭での引き継ぎの多さ
口頭で情報を伝えることに時間をかけ、後で再確認や誤解が生じる - 業務の重複
同じ作業が複数の職員によって行われる場合(例:同じ利用者に対する確認作業やケア) - 頻繁な書類の物理的な移動
書類を物理的に移動させる作業(例:紙の記録を担当者に渡すために移動させる) - 過剰な申し送り
必要以上に細かい情報まで申し送り、時間がかかる - 不要な訪問や検査
利用者が必要としない訪問や検査 - 無駄な書類整理
書類の整理に時間を取られ、重要な業務に時間が割けなくなる - 非効率なシフト作成
手動でシフトを作成することによるミスや調整の手間 - 不適切な業務割り当て
職員のスキルや経験に応じた業務割り当てが行われないことで業務効率が悪化 - 手動での請求書作成
請求書を手動で作成し、確認や修正に多くの時間を取られる - 不適切な業務マニュアルの使用
古くて実際の業務に合わないマニュアルや手順書を使用し続ける - 不要なトレーニングや研修
職員が実際には必要ないトレーニングや研修を受けることで、業務の時間が奪われる - 古いソフトウェアやシステムの使用
効率の悪い古いソフトウェアやシステムを使い続け、業務のスピードが遅くなる - 書類の不適切な保存
書類の保存場所が整理されていないため、必要な書類を探すのに時間がかかる - 業務の属人化
自己流で業務を行う職員がいるため、業務の品質が均一でなく、無駄が生じる - 進捗報告の遅れ
業務の進捗報告が遅れ、タイムリーな対応ができない
介護業務の3Mとは?
自事業所で実際に発生している無駄な業務とは何でしょうか?無駄な業務を洗い出すために役立つ考え方の一つが「3M」です。3Mとは、業務改善の際に取り組むべき原因を示す、ムリ(無理)、ムダ(無駄)、ムラ(不均衡)の頭文字を取った言葉です。この3Mは、元々トヨタが製造業の業務改善で提唱した方法で、これらを削減することが業務の効率化につながるとされています。
介護業務における3Mについて、具体的に見ていきましょう。
介護業務の3M「ムリ」
介護業務における「ムリ」とは、職員に対してその能力を超える成果を求め、心身に過度な負担をかけている状態を指します。例えば、大柄で介護が多く必要な利用者を、小柄な職員が一人で対応する場合や、十分な教育を受けていない新任職員がいきなり夜勤を担当することなどが、ムリに該当します。特に、人手不足が続いている介護現場では、こうしたムリな状況が起こりやすいのが現実です。
介護現場のムリの例
- 免許を取ったばかりの職員に、デイサービスの大型送迎車を急に運転させる。
- 数十名が入居している介護施設で、新人職員に夜勤を担当させるなど、負担が過大な状況を作る。
介護業務の3M「ムダ」
介護業務における「ムダ」とは、職員の能力に対して負荷が低く、実際には省略できる業務を指します。例えば、介護記録やバイタル記録を何度も転記しなければならない体制や、複数のチェック表を使用することなどが該当します。また、記録で把握できる内容を再度口頭で伝える申し送りや、時間がかかるシフト作成も効率化できる部分が多いため、ムダな業務といえます。
介護現場のムダの例
- グループホームの日勤スタッフのうち1人が、ひたすら手書きの介護記録に追われており、入居者と向き合う時間が不足している。
- 業務記録をPCに入力する際、複数のスタッフが同じ時間帯に作業しており、PCの使用を待つ時間が長くなる。
介護業務の3M「ムラ」
介護業務における「ムラ」とは、職員や時期によって業務の進行にばらつきが生じる状況を指します。例えば、マニュアルに従って業務を行う職員と、自己流で進める職員によって仕事の進め方に差が出てしまい、場合によっては利用者に負担をかけることがあります。また、曜日や時間帯によって職員の人数に偏りがあり、食事介助やおむつ交換に時間がかかることもムラの一例です。請求業務なども月初や月末に集中しがちで、このような時期にムラが生じることがあります。
介護現場のムラの例
- 介護福祉士のリーダーAさんは作業が丁寧で、施設利用者への対応も温かいが、サブリーダーBさんは作業は迅速だが、利用者や他のスタッフへの対応が厳しく、利用者からのクレームが頻繁に発生している。
- 送迎車のドライバーCさんは問題なく運転しているが、担当するドライバーDさんは狭い道でスピードを出すことが多く、利用者から不安の声が上がることがある。
介護事業所の無駄な業務を減らす方法

介護業務の問題点を見つけたら、新しい手法やツールを取り入れて改善しましょう。以下はおすすめの改善方法です。
介護ソフトの導入
近年特に導入が進んでいるのが介護ソフトです。介護ソフトの導入により、ケアプラン作成や記録業務、請求業務、スタッフ管理などが効率化され、データの相互連携によって手入力を削減することができます。クラウド型ソフトであれば、現場からのデータ入力や確認がリアルタイムで行えるため、情報の共有がスムーズに行えます。介護ソフトを導入することで、書類間の転記の手間が不要になったり、国保連請求のミスが減って返戻対応が不要になったり、職員間での情報共有がスムーズになったり、オンライン上で書類の保存が行えたりと、業務の改善効果が高い方法です。
最近では、バイタル測定機器からのデータ取り込みや、ケアプランのオンライン連携といった新機能を搭載したソフトも登場しています。自施設の規模や状況は時間とともに変化していることもありますので、現在使用しているソフトが適切かどうかを再評価することが重要です。場合によっては、より適切なソフトへのリプレイスによって業務の無駄を削減できる可能性もあります。
マニュアルの作成・改善を行う
業務のムラを減らすためには、属人化を防ぐためのマニュアル作成が重要です。入浴、食事、巡回など、各業務の手順を客観的かつわかりやすくまとめましょう。写真や動画を活用することで、より具体的なイメージを提供できます。大切なのは、「マニュアルに従えば、誰でも同じ業務を再現できる」ということです。完全に同じ品質を再現するのは難しいかもしれませんが、スタッフ全体のスキル向上には大いに役立つでしょう。
作成したマニュアルは、常にアクセスできる場所に保管し、内容に変更があった場合は、スタッフ全員に速やかに共有するようにしましょう。
インカムの導入
広い施設や入所施設では、インカムの導入が非常に効果的です。離れた場所にいる複数の職員がリアルタイムでコミュニケーションを取ることができ、情報共有が円滑に行われるため、業務の効率化が図れます。
介護ロボットの導入
見守りシステムの導入
夜勤者の負担を軽減するためには、見守りシステムの導入が効果的です。センサーやモニターを使用して利用者の行動を監視し、異常を検知すると職員に通知が届きます。これにより、夜間の定期巡回回数を減らし、職員の介護負担を軽減することができます。
業務改善を進めるポイント

介護事業所で業務改善を進めるためには、効果的に進めるためのポイントを押さえることが重要です。以下の4つのポイントを参考に、業務改善を実施していきましょう。
①現場の声をしっかりと聞き、課題を明確にする
業務改善を行うためには、現在抱えている課題をしっかりと把握することが必要です。多くの課題は現場にありますので、現場職員の意見や体験を積極的に聞くことが重要です。課題把握シートやフィードバックシートを活用し、現場の声を集め、その内容を分析して課題を可視化しましょう。
②業務改善の目的を全職員で共有する
介護現場には多くの職員が関わっており、目的が不明確なままだと、職員の不安や不満を招く可能性があります。なぜ今業務改善を行うのか、その理由をしっかりと伝え、職員全員で目的を共有しましょう。これにより、事業所全体が同じ方向に向かって業務改善に取り組むことができます。
③問題点を1度に改善しようとせず、1つずつ着手する
一度に複数の改善策を導入すると、スタッフの負担が増すだけでなく、改善効果の検証が難しくなります。スタッフと利用者の双方にとってのメリットを考慮し、まずは実行可能な改善策から少しずつ導入していきましょう。
④業務改善の成果を定期的に振り返り、適切な修正を行う
業務改善を実施した後は、その成果を振り返ることが大切です。進捗状況を可視化できるツールや進捗管理シートを使用することで、複数の職員が参加している場合でも成果や課題が共有しやすくなります。振り返りを通じて、改善すべき点が見えてきた場合は迅速に修正を行い、その修正点についても再評価を忘れずに行いましょう。定期的な振り返りを繰り返すことで、業務の無駄を減らし、効率的な運営が可能となります。
まとめ:無駄な業務を減らしてサービスの質を高めよう
介護現場の無駄な業務を削減することは、職員の負担軽減と働きやすい環境の整備につながります。快適な労働環境を整えることで、職員は利用者一人ひとりの介護ニーズにより丁寧に対応でき、結果として施設全体の介護の質が向上します。無駄な業務の見直しから始め、働きやすい環境づくりを目指してみましょう。
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