介護の基礎知識
【2024年度改定対応】生活機能向上連携加算について解説
- 公開日:2025年02月12日
- 更新日:2025年02月12日

生活機能向上連携加算とは、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション、医療機関の医師やリハビリ専門職と連携し、自立支援や重度化防止を目的とした介護を提供する事業所を評価する加算です。令和6年度の介護報酬改定において、この加算に関する変更はありませんでした。
本記事では、生活機能向上連携加算の単位数や算定要件について詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
対象サービス
- 訪問介護
- 通所介護
- 短期入所生活介護
- 特定施設入居者生活介護
- 介護老人福祉施設
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 地域密着型通所介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
生活機能向上連携加算の種類と単位数
- 生活機能向上連携加算(Ⅰ):100単位/月(3カ月に1回を限度)
- 生活機能向上連携加算(Ⅱ):200単位/月(個別機能訓練加算を算定している場合100単位/月)
生活機能向上連携加算の算定要件
生活機能向上連携加算の算定要件は以下の通りです。※通所介護(デイサービス)の場合
生活機能向上連携加算(Ⅰ)の算定要件
- 外部のリハビリテーション専門職等が、利用者のADL及びIADLに関する状況について、所属する事業所等のサービス提供時または機能訓練指導員等と連携してICTを活用した動画やテレビ電話装置等を用いて、利用者の状態を把握し、助言を行っていること。
- 外部のリハビリテーション専門職等の助言に基づき、機能訓練指導員等(機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種)が共同して、利用者の身体状況等の評価、個別機能訓練計画の作成を行っていること。
- 個別機能訓練計画に、利用者ごとの目標、実施時間、実施方法等の内容を記載していること。
- 個別機能訓練計画に基づき、利用者の身体機能または生活機能の向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、機能訓練指導員が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。
- 身体状況等の評価に基づき、個別機能訓練計画の進捗状況等を3月ごとに1回以上評価し、利用者・家族へ説明し、必要に応じて訓練内容の見直しを行っていること。
生活機能向上連携加算(Ⅱ)の算定要件
- 外部のリハビリテーション専門職等が、通所介護事業所を訪問し、機能訓練指導員等が共同して、利用者の身体状況等の評価、個別機能訓練計画の作成を行っていること。
- 個別機能訓練計画に、利用者ごとの目標、実施時間、実施方法等の内容を記載していること。
- 個別機能訓練計画に基づき、利用者の身体機能または生活機能の向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、機能訓練指導員が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。
- 身体状況等の評価に基づき、個別機能訓練計画の進捗状況等を3月ごとに1回以上評価し、利用者・家族へ説明し、必要に応じて訓練内容の見直しを行っていること。
- 外部のリハビリテーション専門職等とは?
- 外部のリハビリテーション専門職等とは、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション、またはリハビリテーションを提供する医療機関の専門職を指します。具体的には、許可病床数が200床未満の病院、または当該病院を中心に半径4km以内に診療所が存在しない病院に所属する医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が該当します。
- 生活機能向上連携加算の留意点
- ・テレビ電話装置を使用する場合は、個人情報の適切な取り扱いが求められます。具体的には、個人情報保護委員会および厚生労働省が定める「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」や、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」などを遵守する必要があります。
・(Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定は不可です。
生活機能向上連携加算のQ&A
平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) 平成30年3月23日 問35
Q.
指定通所介護事業所は、生活機能向上連携加算に係る業務について指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又は医療提供施設と委託契約を締結し、業務に必要な費用を指定訪問リハビリテーション事業所等に支払うことになると考えてよいか。
A.
貴見のとおりである。なお、委託料についてはそれぞれの合議により適切に設定する必要がある。
平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) 平成30年3月23日 問36
Q.
生活機能向上連携加算は、同一法人の指定訪問リハビリテーション事業所若しくは指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)と連携する場合も算定できるものと考えてよいか。
A.
貴見のとおりである。なお、連携先について、地域包括ケアシステムの推進に向けた在宅医療の主たる担い手として想定されている200床未満の医療提供施設に原則として限っている趣旨や、リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の有効活用、地域との連携の促進の観点から、別法人からの連携の求めがあった場合には、積極的に応じるべきである。
最後に
生活機能向上連携加算は、訪問・通所リハビリや医療機関のリハビリ専門職と連携し、自立支援や重度化防止を目的とする介護事業所を評価する加算で、令和6年度の介護報酬改定では変更はありません。
加算には「生活機能向上連携加算(Ⅰ)」「(Ⅱ)」の2種類があり、(Ⅰ)は外部リハビリ専門職の助言を受けICT活用が可能、(Ⅱ)は事業所訪問による直接評価が必要です。