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介護の基礎知識

給付管理業務とは?ケアマネが行う給付管理票提出の流れや注意点

  • 公開日:2025年04月23日
  • 更新日:2025年06月20日

介護保険制度の中核を担うケアマネジャー。その業務のひとつに「給付管理」があります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、給付管理は介護サービスが適切に提供され、必要な費用が正しく請求・支払われるための重要な役割です。
この記事では、給付管理とはどのような業務なのか、その具体的な流れや注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。これからケアマネジャーを目指す方や、現場で働く方の業務理解に役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

ケアマネジャーが行う給付管理の業務とは?

介護サービスを利用した際、サービス提供事業者は国民健康保険団体連合会(以下「国保連」)に対して介護給付費を請求します。この介護給付費の支給に関わる一連の業務を、ケアマネジャーが担う「給付管理」といいます。

給付管理の中でも特に重要なのが、国保連に提出する「給付管理票」の作成です。

給付管理票の記入項目はサービス事業者、サービスの種類、給付計画単位数などです。事業者から返送されたサービス提供票・別表と、サービス利用票の控えを照らし合わせて内容を確認し、給付管理票に転記していきます。

国保連では、サービス提供事業者が提出する明細書と、ケアマネジャーが作成する給付管理票を突合し、内容を審査した上で介護給付費を支払います。ケアマネジャーが作成する給付管理票は請求手続きに不可欠であり、事業者の請求書や明細書のみでは支払いが行われません。

ケアマネジャーの介護保険請求の仕組み

出典:宮城県国民健康保険団体連合会 1.2保険給付の基本的な流れ

居宅サービスの基本的な流れは、上記の表の通りです。この中で、ケアマネジャー(介護支援専門員)が関与する給付管理業務には、①サービス計画の作成依頼、②サービス利用票の交付、⑤請求、⑧支払の4つの工程が含まれます。

以下に、表を参照しながら居宅サービスの流れをより詳しく説明します。

① 要介護者またはその家族は、居宅介護支援事業所に対して、居宅介護支援サービスの提供を依頼します。同時に、市町村へ「居宅サービス計画書の作成依頼届出書」を提出します。

② 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)は、利用者の同意のもと、サービス事業者と連携してサービス内容の調整を行い、「居宅サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。その計画に基づいて「サービス利用票」と「サービス提供票」を作成し、それぞれ利用者とサービス事業者へ交付します。

③ サービス事業者は、交付されたサービス提供票に基づき、計画されたサービスを利用者に提供します。

④ サービス提供後、サービス事業者は介護保険の給付対象範囲に応じて、利用者から自己負担分を徴収し、領収書を発行します。

⑤ サービス事業者は、提供したサービスについて「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」を作成し、翌月初めに都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)に提出します。また、居宅介護支援事業所も、利用者が受けたサービスに基づいて「給付管理票」を作成し、「居宅サービス計画書」等の関連書類とあわせて国保連に提出します。サービス内容に変更があった場合は、その内容を反映します。

⑥ 国民健康保険団体連合会は、提出された給付管理票と請求書類を突合し、支給限度額やサービス内容の審査を行います。

⑦ 審査後、保険者(市町村など)は、国民健康保険団体連合会に対して給付費の支払いを行います。

⑧ 国民健康保険団体連合会は、審査を通過した金額を、居宅介護支援事業所および各サービス事業所に支払います。

給付管理で作成する書類と業務の流れ

給付管理業務でケアマネジャーが使用する書類には、「サービス利用票およびサービス利用票別表」「サービス提供票およびサービス提供票別表」「給付管理票」があります。ケアマネジャーの給付管理業務では、以下の手順に従い、介護給付費の支給に必要な書類を作成します。

(1)サービス利用票とサービス利用票別表を作成する

出典:介護保険最新情報Vol.1286|厚生労働省

はじめに、ケアマネジャーは介護サービスを利用する利用者に対し、毎月「サービス利用票」と「サービス利用票別表」を作成して交付します。
「サービス利用票」にはその月に利用する予定の介護サービス内容を記載し、「サービス利用票別表」には利用者の支給限度額や負担額の概算を記載します。それぞれの書類は、利用者に交付する分と控えとして保管する分の2部を作成する必要があります。

 

<「サービス利用票」は2025年4月から一部様式が変更になりました>

「サービス利用票」は2025年4月から一部様式が変更になります。画像赤枠の通り、福祉用具貸与に関しては、商品ごとに11桁のTAIS(タイス)コードまたは届出コードを記載する欄が設けられました。今回の様式改定はケアプランデータ連携システムの標準仕様改訂がきっかけとなっています。ケアプランデータ連携を使用してCSVデータをやり取りする際、TAISコードを事業所側で別途入力する手間が発生していたため、サービス利用票にTAISコードなどの情報を追加することで、別途コード入力する必要を無くすことを目的にサービス利用票の様式が変更されました。

(2)「サービス提供票」と「サービス提供票別表」の作成および交付

(1)で作成した「サービス利用票」と「サービス利用票別表」をもとに、サービス提供事業者に関連する内容を記載した「サービス提供票」と「サービス提供票別表」を作成します。作成後、これらの書類をサービス事業者に交付します。

(3)「給付管理票」の作成および国保連への送付

サービスが実際に提供されると、サービス提供事業者はその実績を「サービス提供票」に記載してケアマネジャーに再送付します。ケアマネジャーは送られてきた「サービス提供票」と控えの「サービス利用票」を照らし合わせ、内容に不一致がないか確認します。
内容に相違がなければ、「サービス利用票」の実績欄に記入し、その内容を反映した「給付管理票」を作成して国保連に送付します。

居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)が支払いを受けるまでのスケジュール

ケアマネジャーが支払いを受けるまでのスケジュールは以下の表の通りです。

サービス提供の前月 20日~サービス提供月の10日まで:サービス提供計画書を作成・サービス提供事業所に送付
サービス提供月 月末~:サービス提供事業所より実績が送付されるため、受取・確認を行う
サービス提供月の翌月 10日まで:帳票類を作成
サービス提供の翌々月 26日前後:国保連から給付金の振込

まずは、サービス提供前月の20日~サービス提供月の10日までにサービス提供計画書を作成・サービス提供事業所に送付します。

サービス提供月の月末にサービス提供事業所より実績が送付されるため、受取・確認を行います。サービス提供月の翌月10日までに、サービス提供事業所と同様に、帳票類を作成します。サービス提供の翌々月の26日前後に国保連から給付金の振込が行われます。

以上から分かる通り、事業所がサービスの提供を行ってから、介護給付費が国保連より振り込まれるまでは約2ヶ月の期間がかかります。

給付管理の注意点

給付管理業務では、サービス利用者がケアプラン通りにサービスを受けているか、また利用者に不必要な負担がかかっていないかをしっかり確認することが重要です。そのため、利用者や家族へのモニタリングでは、サービス内容に対する満足度の確認も欠かさず行わなければなりません。

さらに、国保連への書類提出期限は毎月10日と定められており、この期限を過ぎると、事業者への介護給付費の支払いが翌月に遅れてしまいます。もし給付管理票に誤りがあった場合、それが原因で給付が遅れると、事業者に損害を与えることにもなりかねません。そのため、給付管理業務では書類内容の照合を慎重に行うことはもちろん、書類作成および交付のスケジュール管理も徹底しなければならない点に注意が必要です。

まとめ

給付管理業務では特に国保連に提出する「給付管理票」の作成が重要になります。「給付管理票」の作成のためには、サービス利用票・サービス提供票などの書類の作成が必要です。書類作成や書類の照合などの給付管理業務は国保連への書類提出期限の10日までに完了できるよう、スケジュールを徹底しましょう。

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介護ソフトのトリケアトプスでは、各書類間が連携しているため、サービス利用票・サービス提供票を作成すると、ワンクリックで給付管理票が作成できます。内容を転記する手間がなく、国保連請求への伝送も楽々行えます。ケアプランデータ連携機能も標準装備のため、活用することで、サービス提供票・サービス利用票作成も更に素早く行えます。

利用者情報や事業所情報を一元管理できるため、書類作成の度に手打ちする手間が不要。入力部分もミスがあればアラートが表示され、入力ミスを防ぎます。エラーの場合も、Q&Aサポートが理由を解説。それでも解決しない場合は繋がりやすい電話サポートに問い合わせいただくことで解決できます。

また、法改正にも無償でバージョンアップ対応しており、2025年4月からのサービス利用票の様式変更に対応しております。

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