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介護の基礎知識

【2024年改定対応】通所リハビリテーション(デイケア)の加算・減算一覧

  • 公開日:2025年03月17日
  • 更新日:2025年04月11日

通所リハビリテーションの運営を安定させるには、加算の取得が重要です。
通所リハビリテーション事業所では、さまざまな加算を申請することが可能ですが、「どの加算を申請できるのか?」「算定条件が分からない」といった悩みが生じることも少なくありません。

本記事では、通所リハビリテーション事業所で申請できる加算・減算の種類や単位数・算定要件について解説します。また、令和6年度の介護報酬改定によって、変更のある加算もありますので、併せて解説していきます。

加算・減算とは

介護保険における加算および減算とは、特定の要件を満たした場合に、基本単位数に対してプラスまたはマイナスを加えて算定する仕組みを指します。

加算は、国が推進したい方向性や均衡を保つための施策、また通所リハビリテーション事業所として整えるべき仕組みや制度を基に設けられています。一方、減算は国が廃止したい、あるいは評価ができないものについての仕組みや制度に基づいて設けられています。

今後、国の施策の方向性を理解するためにも、加算や減算の要件を把握することは非常に重要です。

通所リハビリテーションで申請できる加算一覧

通所リハビリテーション事業所では、以下の加算を申請することが可能です。

  • リハビリテーションマネジメント加算
  • リハビリテーション提供体制加算
  • 理学療法士等体制強化加算
  • 認知症短期集中リハビリテーション実施加算
  • 短期集中個別リハビリテーション実施加算
  • 退院時共同指導加算
  • 移行支援加算
  • 入浴介助加算
  • 生活行為向上リハビリテーション実施加算
  • 重度療養管理加算
  • 中重度者ケア体制加算
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算
  • 若年性認知症利用者受入加算
  • サービス提供体制強化加算
  • 口腔機能向上加算
  • 口腔・栄養スクリーニング加算
  • 感染症災害3%加算
  • 科学的介護推進体制加算(LIFE加算)
  • 介護職員等処遇改善加算
  • 延長加算
  • 栄養改善加算
  • 栄養アセスメント加算
  • 一体的サービス提供加算

通所リハビリテーションの減算一覧

通所リハビリテーションで減算となるものは以下の通りです。

  • 同一建物減算
  • 定員超過利用減算
  • 送迎減算
  • 人員基準欠如減算
  • 高齢者虐待防止措置未実施減算
  • 業務継続計画未策定減算

それぞれの加算・減算について、以下にて詳しく解説していきます。

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

通所リハビリテーションの加算

以下では通所リハビリテーションの各加算について解説していきます。

リハビリテーションマネジメント加算

リハビリテーションマネジメント加算とは、利用者の状態や生活環境を考慮し、計画の策定、適切なリハビリテーションの実施、評価、そして計画の見直しを通じて、質の高いリハビリテーションを提供する取り組みを評価する加算です。
算定要件によって以下の3つの区分に分かれます。

 

  • リハビリテーションマネジメント加算(イ)

算定単位数
・6ヶ月以内の期間:1ヶ月につき560単位
・6ヶ月超の期間:1ヶ月につき240単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・事業所の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、その他の職種が共同し、継続的にリハビリテーションの質を管理していること。
・事業所の医師が、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士に対し、利用者のリハビリテーションの目的に加え、「リハビリテーション開始前や実施中の留意事項」、「やむを得ずリハビリテーションを中止する際の基準」、「リハビリテーションにおける利用者に対する負荷」等のうち、いずれか1つ以上の指示を行うこと。
・医師、または指示を受けた理学療法士、作業療法士、もしくは言語聴覚士が、指示の内容が上記の基準に適合することが明確にわかるように記録すること。
・リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、会議の内容を記録すること。
・リハビリテーション計画について、計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、利用者またはその家族に説明し、同意を得るとともに、説明した内容等を医師へ報告すること。
・リハビリテーション計画の作成にあたって、当該計画の同意を得た日の属する月から起算して、6月以内の場合は1月に1回以上、6月を超える場合は3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、利用者の状態の変化に応じてリハビリテーション計画を見直していること。
・事業所の理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、介護支援専門員に対し、リハビリテーションの専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法、日常生活上の留意点に関する情報提供を行うこと。
・以下のいずれかを満たすこと。
・事業所の理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業所の従業者と利用者の居宅を訪問し、従業者に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から介護の工夫に関する指導と日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。
・事業所の理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、利用者の居宅を訪問し、利用者の家族に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から介護の工夫に関する指導と日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。

  • リハビリテーションマネジメント加算(ロ)

算定単位数
・6月以内の期間:1ヶ月につき593単位
・6月超の期間:1ヶ月につき273単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・リハビリテーションマネジメント加算(イ)の算定要件を満たしていること。
・利用者ごとのリハビリテーション計画書の内容等の情報を「LIFE」を用いて提出し、フィードバック情報等を活用していること。

  • リハビリテーションマネジメント加算(ハ)

算定単位数
・6月以内の期間:1ヶ月につき793単位
・6月超の期間:1ヶ月につき473単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・リハビリテーションマネジメント加算(ロ)の要件を満たしていること。
・事業所の従業者、または外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。
・言語聴覚士、⻭科衛生士または看護職員を1名以上配置していること。
・利用者ごとに、医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員その他の職種が共同して栄養アセスメントを実施し、利用者またはその家族に対してその結果を説明し、必要に応じて相談に応じて対応すること。
・利用者ごとに、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員その他の職種が共同して口腔の健康状態を評価し、当該利用者の口腔の健康状態に係る解決すべき課題の把握を行っていること。
・利用者ごとに、関係職種が、通所リハビリテーション計画の内容の情報等や、利用者の口腔の健康状態に関する情報及び利用者の栄養状態に関する情報を相互に共有すること。
・共有した情報を踏まえ、必要に応じて通所リハビリテーション計画を見直し、当該見直しの内容を関係職種に対して情報提供していること。
・人員基準欠如減算に該当しないこと。

  • リハビリテーション事業所の医師が利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得た場合

算定単位数:1ヶ月につき270単位

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
リハビリテーションマネジメント加算は、令和6年度の介護報酬改定にて区分が一部見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。

リハビリテーションマネジメント加算(A)イ
同意日の属する月から6月以内 560単位/月,6月超 240単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ
同意日の属する月から6月以内 593単位/月,6月超 273単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)イ
同意日の属する月から6月以内 830単位/月,6月超 510単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ
同意日の属する月から6月以内 863単位/月,6月超 543単位/月

↓ 改定後

リハビリテーションマネジメント加算(イ)
同意日の属する月から6月以内 560単位/月,6月超 240単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(ロ)
同意日の属する月から6月以内 593単位/月,6月超 273単位/月
廃止(以下の条件に統合)
廃止(以下の条件に統合)
リハビリテーションマネジメント加算(ハ)(新設)

同意日の属する月から6月以内 793単位/月,6月超 473単位/月

※医師が利用者又はその家族に説明した場合上記に加えて270単位
(新設・Bの要件の組み替え)

リハビリテーション提供体制加算

リハビリテーション提供体制加算とは、基準よりも多くのリハビリテーションに関わる専門職を配置し、リハビリテーションマネジメントに基づいて長時間にわたるサービスを提供する事業所を評価する加算です。

算定単位数
・所要時間が3時間以上4時間未満の場合:1回につき12単位

・所要時間が4時間以上5時間未満の場合:1回につき16単位
・所要時間が5時間以上6時間未満の場合:1回につき20単位
・所要時間が6時間以上7時間未満の場合:1回につき24単位
・所要時間が7時間以上の場合:1回につき28単位

算定要件:常時、事業所に配置されている理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の合計数が、事業所の利用者の数が25またはその端数を増すごとに1以上であること。

理学療法士等体制強化加算

理学療法士等体制強化加算とは、基準よりも多くの理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士を配置する事業所における短時間利用を評価する加算です。

算定単位数:1日につき30単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・所要の時間1時間以上2時間未満の場合の基本報酬を算定していること。
・人員基準に定める配置基準を超えて、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士を、専従かつ常勤で2名以上配置していること。

認知症短期集中リハビリテーション実施加算

認知症短期集中リハビリテーション実施加算とは、認知症のある利用者に対し、生活機能の改善を目的とした短期間の集中的なリハビリテーションを提供する取り組みを評価する加算です。

 

  • 認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)

算定単位数:1日につき240単位(週に2日が限度)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・認知症の診断を受け、リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された利用者に対して、医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、集中的なリハビリテーションを個別に実施すること。
・リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が適切に配置されていること。
・リハビリテーションを行うにあたり、利用者数が、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の数に対して適切であること。
・個別リハビリテーションを20分以上実施すること。
・短期集中個別リハビリテーション実施加算、生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

  • 認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)

算定単位数:1ヶ月につき1,920単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合

・認知症の診断を受け、リハビリテーションによって生活機能の改善が見込まれると判断された利用者に対して、医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が、集中的なリハビリテーションを個別または集団で実施すること。
・リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が適切に配置されていること。
・リハビリテーションを行うにあたり、利用者数が、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の数に対して適切であること。
・個別または集団のリハビリテーションを1月に4回以上実施すること(ただし、1月に8回以上が望ましい)。
・リハビリテーションの実施頻度、実施場所、実施時間等が記載された通所リハビリテーション計画を作成し、生活機能の向上に資するリハビリテーションを実施すること。
・通所リハビリテーション計画の作成にあたっては、利用者の生活環境をあらかじめ把握するため、当該利用者の居宅を訪問すること。
・リハビリテーションマネジメント加算(A)イ・ロ、(B)イ・ロのいずれかを算定していること。
・短期集中個別リハビリテーション実施加算、生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定していないこと。

短期集中個別リハビリテーション実施加算

短期集中個別リハビリテーション実施加算とは、利用者の身体機能の回復を目的に、集中的にリハビリテーションを行う取り組みを評価する加算です。

算定単位数:1日につき110単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・利用者の状態に応じて、基本的動作能力・応用的動作能力を向上させ、身体機能を回復するための集中的なリハビリテーションを実施すること。
・退院・退所日、要介護認定日から起算して3ヶ月以内の期間に、1週間におおむね2日以上、一日当たり40分以上、リハビリテーションを実施すること。

退院時共同指導加算

退院時共同指導加算とは、通所リハビリテーション事業所の理学療法士などが医療機関の退院前カンファレンスに参加し、共同で指導を行った取り組みを評価する加算です。

算定単位数:1回につき600単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・病院や診療所を退院する利用者に対し、通所リハビリテーション事業所の医師、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が退院前カンファレンスに参加し、退院時共同指導を行った後に、初回のサービス提供を行うこと。
・退院時共同指導の内容を記録すること。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
退院時共同指導加算は、退院時の情報連携を促進し、退院後早期に連続的で質の高いリハビリテーションを実施する観点から、令和6年度の介護報酬改定にて新設されました。

移行支援加算

移行支援加算とは、リハビリテーションを通じて利用者の日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL)が改善し、他のサービスへの移行が可能になったことを評価する加算です。

算定単位数:1日につき12単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・評価対象期間においてリハビリテーション終了者のうち、ADLやIADLの向上により通所介護等へ移行した者の割合が、3%を超えていること
・評価対象期間中にリハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、通所リハビリテーション終了者に対して、通所介護等の実施状況を確認し、記録すること
・通所リハビリテーションの回転率「12月÷平均利用月数」が27%であること
・リハビリテーション終了者が通所介護等の事業所へ移行するにあたり、当該利用者のリハビリテーション計画書を移行先の事業所へ提供すること

入浴介助加算

入浴介助加算とは、入浴中の利用者に対して介助サービスを提供した場合に算定できる加算です。(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類に分類されており、(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できません。

  • 入浴介助加算(Ⅰ)

算定単位数:1日40単位
算定要件
・入浴介助を適切に行うことができる人員、設備を有していること。
・通所リハビリテーション計画に基づき、入浴介助を行うこと。

  • 入浴介助加算(Ⅱ)

算定単位数:1日60単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・入浴介助を適切に行うことができる人員、設備を有していること。
・医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護支援専門員もしくは利用者の動作・浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者(以下医師等)が利用者の居宅を訪問し、浴室における利用者の動作と浴室の環境を評価していること。ただし、医師等による利用者の居宅への訪問が困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が利用者の居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における利用者の動作や浴室の環境を踏まえ、医師等が評価・助言を行っても差し支えない。
・浴室が利用自身または家族等の介助により入浴をすることが難しい環境の場合は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員または特定福祉用具販売の福祉用具専門相談員と連携し、浴室の環境整備に係る助言を行うこと。
・理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が医師等と連携し、利用者の身体の状況、居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。
・入浴計画に基づき、個浴その他利用者の居宅の状況に近い環境(利用者の居宅の浴室の手すりの位置や使用する浴槽の深さ及び高さ等に合わせて、当該事業所の浴室に福祉用具等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況を再現しているものをいう。)で、入浴介助を行うこと。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
入浴介助加算は、令和6年度の介護報酬改定にて算定要件が見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。

変更箇所は以下の太字の箇所となります。

<入浴介助加算(Ⅱ)>(入浴介助加算(Ⅰ)の要件に加えて)
・ 医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者(以下「医師等」という。)が、利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価し、かつ、当該訪問において、当該居宅の浴室が、当該利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合には、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。ただし、医師等による利用者の居宅への訪問が困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が利用者の居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を踏まえ、医師等が当該評価・助言を行っても差し支えないものとする。
・ 当該事業所の機能訓練指導員等が共同して、医師等と連携の下で、利用者の身体の状況、訪問により把握した居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。ただし、個別の入浴計画に相当する内容を通所リハビリテーション計画に記載することをもって、個別の入浴計画の作成に代えることができる。
・ 上記の入浴計画に基づき、個浴(個別の入浴をいう。)又は利用者の居宅の状況に近い環境(利用者の居宅の浴室の手すりの位置や使用する
浴槽の深さ及び高さ等に合わせて、当該事業所の浴室に福祉用具等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況を再現しているものをいう。)で、入浴介助を行うこと。

生活行為向上リハビリテーション実施加算

生活行為向上リハビリテーション実施加算とは、生活機能が低下した利用者に対し、リハビリテーションを通じて生活機能の改善を支援する取り組みを評価する加算です。

算定単位数
・通所リハビリテーション:1ヶ月につき1,250単位
・介護予防通所リハビリテーション:1ヶ月につき562単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・リハビリテーションを行うにあたり、利用者数が理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士の数に対して適切なものであること。
・生活行為の内容の充実を図るために、専門的な知識や経験を持つ作業療法士、または研修を修了した理学療法士や言語聴覚士を配置すること。
・生活行為の内容の充実を図るための目標、リハビリテーション実施頻度、実施場所、実施時間等を定めたリハビリテーション実施計画を作成し、同意を得て、計画に沿ったリハビリテーションを提供すること。
・リハビリテーション実施計画の実施期間中に、リハビリテーションの提供を終了した日前1月以内に、リハビリテーション会議を開催し、目標の達成状況を報告すること。
・リハビリテーションマネジメント加算のいずれかを算定していること。(※該当するリハビリテーションマネジメント加算の区分につきましては指定権者にご確認ください。)
・事業所の医師または医師の指示を受けた理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者の居宅を訪問し、生活行為に関する評価をおおむね1ヶ月に1回以上実施すること。

重度療養管理加算

重度療養管理加算とは、医学的管理が必要な重度要介護者(要介護3、4、5)に対し、計画的な医学的管理と療養に必要な処置などを実施する取り組みを評価する加算です。

算定単位数:1日につき100単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・要介護状態区分が3、4、または5であり、「利用者等告示十八に定められる状態」(※)の利用者に対して、計画的な医学的管理のもとにサービスを提供すること。
・医学的管理の内容等を診療録に記録しておくこと。
・「所要時間が1時間以上2時間未満」以外の基本報酬を算定していること。

中重度者ケア体制加算

中重度者ケア体制加算とは、中重度の要介護者を積極的に受け入れる体制を構築している事業所を評価する加算です。

算定単位数:1日につき20単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・人員基準を満たす看護職員または介護職員の配置に加えて、看護職員または介護職員を常勤換算方法で1以上配置していること
・前年度または算定日が属する月の前3ヶ月の利用者総数のうち要介護3以上の利用者が30%以上の割合を占めていること
・サービス提供時間を通じて、他の職務を兼務していない専従の看護職員を1名以上配置していること
・中重度の者であっても、社会性の維持を図り、在宅生活の継続に資するリハビリテーションを計画的に実施するプログラムを作成していること

中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

サービス提供加算は、サービス提供時に発生する交通費や移動費に対して申請できる加算です。

算定単位数:1回につき5/100
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・厚生労働大臣が定める地域(平成21年厚生労働省告示第83号2)に居住している利用者に対して、サービスを提供する
・通常の事業の実施地域を越えて、指定居宅介護支援を行った場合

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算の対象地域は、令和6年度の介護報酬改定にて対象地域が明確化されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第一項に規定する過疎地域

↓ 変更後

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第二項により公示された過疎地域

過疎地域その他の地域で、人口密度が希薄、交通が不便等の理由によりサービスの確保が著しく困難であると認められる地域であって、特別地域加算の対象として告示で定めるものについて、前回の改正以降、新たに加除する必要が生じた地域において、都道府県及び市町村から加除の必要性等を聴取した上で、見直しが行われました。

若年性認知症利用者受入加算

若年性認知症利用者受入加算は、若年性認知症の利用者を受け入れ、担当スタッフが適切なサービスを提供した場合に算定できる加算です。対象者は40歳以上65歳未満の若年性認知症の利用者で、特性やニーズに応じたサービスを提供することが求められます。

算定単位数:1日60単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・受け入れた若年性認知症の利用者ごとに個別の担当者を決める
・担当者を中心に、利用者や家族のニーズを踏まえたサービスを提供している

サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算は、介護職員の資格(介護福祉士など)の有無や勤続年数などを基準に、質の高いサービスを提供できる体制を整えている事業所を評価するために設けられた加算です。

  • サービス提供体制強化加算(Ⅰ)

算定単位数:1回につき22単位
算定要件
・定員超過利用、人員基準欠如に該当しないこと
・下記のいずれかを満たすこと
・介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が70%以上であること
・介護職員の総数のうち、勤続10年以上の介護福祉士の占める割合が25%以上であること

  • サービス提供体制強化加算(Ⅱ)

算定単位数:1回につき18単位
算定要件
・定員超過利用、人員基準欠如に該当しないこと
・介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が50%以上であること

  • サービス提供体制強化加算(Ⅲ)

算定単位数:1回につき6単位
算定要件
・定員超過利用、人員基準欠如に該当しないこと
・下記のいずれかを満たすこと
・介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が40%以上であること
・介護職員の総数のうち、勤続年数が7年以上の者が占める割合が30%以上であること

口腔機能向上加算

  • 口腔機能向上加算(Ⅰ)

算定単位数:1回150単位(月2回まで)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員を1名以上配置していること
・利用者の口腔機能を利用開始時に把握していること
・言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種の者が共同して利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成していること
・口腔機能改善管理指導計画に従い、言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が口腔機能向上サービスを行っていること
・利用者の口腔機能を定期的に記録していること
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価していること
・評価の結果について、担当の介護支援専門員、主治医、主治歯科医に情報提供すること
・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと

  • 口腔機能向上加算(Ⅱ)イ

算定単位数:1回155単位(月2回まで)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・口腔機能向上加算(Ⅰ)の要件を満たすこと
・リハビリテーションマネジメント加算(ハ)を算定していること
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の内容等の情報をLIFEを用いて厚生労働省に提出していること
・サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた口腔機能改善管理指導計画の作成(Plan)、当該計画に基づく支援の提供(Do)、当該支援内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと

  • 口腔機能向上加算(Ⅱ)ロ

算定単位数:1回160単位(月2回まで)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・口腔機能向上加算(Ⅰ)の要件を満たすこと
・リハビリテーションマネジメント加算(ハ)を算定していないこと
・利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の内容等の情報をLIFEを用いて厚生労働省に提出していること
・サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた口腔機能改善管理指導計画の作成(Plan)、当該計画に基づく支援の提供(Do)、当該支援内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと

口腔・栄養スクリーニング加算

口腔・栄養スクリーニング加算は、口腔内の健康状態と栄養状態をスクリーニングすることで算定される加算です。定期的に口腔および栄養状態を確認し、利用者の健康管理や症状の悪化を予防することを目的としています。

  • 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)

算定単位数:1回20単位(6ヶ月に1回を限度)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・従業者が、利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態のスクリーニング及び栄養状態のスクリーニングを行うこと
・口腔スクリーニング及び栄養スクリーニングにて確認した情報を介護支援専門員に対して提供すること
・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと
・算定日の属する月が、以下のいずれにも該当しないこと
・栄養アセスメント加算を算定している
・栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間である
・栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスが終了した日の属する月である
・口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けている間である
・口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスが終了した日の属する月である

※ただし、口腔・栄養スクリーニング加算に基づく口腔スクリーニング又は栄養スクリーニングの結果、栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスまたは口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスの提供が必要だと判断された場合は、口腔・栄養スクリーニング加算の算定月でも栄養改善加算またはは口腔機能向上加算を算定することができます。

  • 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)

算定単位数:1回5単位(6ヶ月に1回を限度)
算定要件:(Ⅰ)の算定要件の(1)(2)のうち、いずれか1つを満たす場合
・従業者が、利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態のスクリーニング又は栄養状態のスクリーニングを行うこと
・口腔スクリーニング又は栄養スクリーニングにて確認した情報を介護支援専門員に対して提供すること
・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと
・以下のいずれかを満たすこと
・口腔スクリーニングを実施する場合、算定日の属する月が、口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けている間、または口腔機能向上サービスが終了した日の属する月「ではないこと」、かつ、栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間、もしくは栄養改善サービスが終了した日の属する月「であること」
・栄養スクリーニングを実施する場合、算定日の属する月が、栄養アセスメント加算を算定していない、かつ栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間、もしくは栄養改善サービスが終了した日の属する月「ではないこと」、かつ、口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けている間、または口腔機能向上サービスが終了した日の属する月「であること」

※ただし、口腔・栄養スクリーニング加算に基づく口腔スクリーニング又は栄養スクリーニングの結果、栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスまたは口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスの提供が必要だと判断された場合は、口腔・栄養スクリーニング加算の算定月でも栄養改善加算またはは口腔機能向上加算を算定することができます。

感染症災害3%加算

感染症災害3%加算(感染症または災害により利用者数が一定以上減少した場合の加算)とは、通所リハビリテーションにおいて感染症や災害の影響で利用者数が減少した場合でも、安定したサービス提供を支援する目的で、令和3年度の介護報酬改定で新設された加算です。

算定単位数:基本報酬×3%
算定要件:厚生労働大臣が認める感染症又は災害の発生を理由として、当該月の利用者数の実績が当該月の前年度における月平均の利用者数よりも5%以上減少していること

科学的介護推進体制加算(LIFE加算)

科学的介護推進体制加算とは、LIFE(科学的介護情報システム)に関係する加算です。

算定単位数:1ヶ月40単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の利用者の心身の状況等に係る基本的な情報を、LIFEを用いて少なくとも「3月に1回」、厚生労働省に提出していること
・必要に応じて通所介護計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報、その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
科学的介護推進体制加算は、令和6年度の介護報酬改定にて算定要件が見直されました。報酬改定による変更点は以下の太字の箇所となります。

LIFEへのデータ提出頻度について、他のLIFE関連加算と合わせ、少なくとも「3月に1回」に見直す。
○ その他、LIFE関連加算に共通した見直しを実施。
<入力負担軽減に向けたLIFE関連加算に共通する見直し>
・入力項目の定義の明確化や、他の加算と共通する項目の選択肢を統一化する
・同一の利用者に複数の加算を算定する場合に、一定の条件下でデータ提出のタイミングを統一できるようにする

介護職員等処遇改善加算

介護職員等処遇改善加算は、介護職員の処遇改善を目的に設けられた加算です。2023年度までは、処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の3つに分かれていましたが、2024年度より一本化され、改めて介護職員等処遇改善加算が創設されました。

<算定単位数の計算>

単位数
処遇改善加算の計算をするためには、まず1ヶ月あたりの総単位数を求めます。
1ヶ月あたりの総単位数を求める計算式は、以下のとおりです。

1ヶ月あたりの総単位数 = 前年度1~12月の介護報酬総単位数 ÷ 12

計算方法
1ヶ月あたりの総単位数が算出できたら、次の計算式で処遇改善加算の加算単位数を求めます。

加算単位数=1ヶ月あたりの総単位数×サービス類型別加算率

通所リハビリテーションサービスの加算率は、以下のとおりです。

算定要件は以下の表の通りです。

  • キャリアパス要件
    (Ⅰ) 介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備する
    (Ⅱ) 介護職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保する
    a:研修機会の提供又は技術指導等の実施、介護職員の能力評価
    b:資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)
    (Ⅲ) 介護職員について以下のいずれかの仕組みを整備する
    a 経験に応じて昇給する仕組み
    b 資格等に応じて昇給する仕組み
    c 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
    (Ⅳ) 経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること
    (Ⅴ) サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置していること
  • 月額賃金改善要件

(Ⅰ) 新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給または決まって毎月支払われる手当)の改善に充てる
(Ⅱ) 前年度と比較して、現行のベースアップ等加算相当の加算額の3分の2以上の新たな基本給等の改善(月給の引上げ)を行う

  • 職場環境等要件
入職促進に向
けた取組
・法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
・事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
・他産業からの転職者・主婦層・中高年齢者等・経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
・職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 ・働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
・研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
・エルダー・メンター制度等導入
・上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保
両立支援・多様な働き方の推進 ・子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
・職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
・有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
・有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている
腰痛を含む心身の健康管理 ・業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
・短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
・介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
・事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
生産性向上のための業務改善の取組 ・厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会
の活用等)を行っている
・現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している
・5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
・業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
・介護ソフトおよび情報端末の導入
・介護ロボットの導入
・業務内容の明確化と役割分担を行った上で、間接業務については、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担い、介護職員がケアに集中できる環境を整備
・各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
やりがい・働きがいの醸成 ・ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
・地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
・利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
・ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供
令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
介護職員等処遇改善加算は、令和6年度の介護報酬改定にて一部見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。
介護現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引上げを行いました。また、介護職員等の確保に向けて、介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化を行いました。
※ 一本化後の加算については、事業所内での柔軟な職種間配分を認める。また、人材確保に向けてより効果的な要件とする等の観点から、月額賃金の改善に関する要件及び職場環境等要件を見直します。

延長加算

延長加算は、あらかじめ定められた基本報酬区分を超えてサービスを提供した場合に算定できる加算です。通所系サービスでは、基本報酬区分が1時間単位で設定されており、サービス時間に応じて単位数が変動します。

算定単位数
8時間以上9時間未満:1回に50単位
9時間以上10時間未満:1回に100単位
10時間以上11時間未満:1回に150単位
11時間以上12時間未満:1回に200単位
12時間以上13時間未満:1回に250単位
13時間以上14時間未満:1回に300単位

算定要件:以下のいずれも満たす場合
・所要時間7時間以上、8時間未満の通所リハビリテーションの前後に延長サービスを提供していること
・本来の所要時間とその前後に提供したサービス時間の通算が8時間以上であること

栄養改善加算

栄養改善加算とは、低栄養状態またはその恐れがある利用者に対して栄養状態の改善に取り組んだ際に算定できる加算です。

定単位数:1回200単位(月2回を限度)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・事業所の従業者または外部との連携により、管理栄養士を1名以上配置すること
・利用者の栄養状態を利用開始時に把握していること
・管理栄養士等が共同して、利用者ごとの摂食・嚥下機能、食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成していること
・栄養ケア計画に従い、必要に応じて利用者の居宅を訪問して、管理栄養士等が栄養改善サービスを行っていること
・利用者の栄養状態を定期的に記録していること
・利用者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価していること
・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと

栄養アセスメント加算

栄養アセスメント加算とは、利用者に対して管理栄養士や介護職員などが共同して、栄養アセスメントを実施した際に算定される加算です。

算定単位数:1ヶ月50単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・事業所の従業者として又は外部との連携により、管理栄養士を1名以上配置していること
・利用者ごとに、医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員、その他の職種の者が共同して、栄養アセスメントを実施していること
・利用者又はその家族に対して栄養アセスメントの結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること
・利用者ごとの栄養状態等の情報をLIFEを用いて厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、栄養状態等の情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報(LIFEのフィードバック情報等)を活用していること
・定員超過利用・人員欠如減算に該当していないこと

一体的サービス提供加算

一体的サービス提供加算とは、運動器機能向上サービス、栄養改善サービス及び口腔機能向上サービスを一体的に実施することで、要支援者等の心身機能の改善効果を高めることを目的とした加算です。

単位数:1ヶ月につき480単位

算定要件:以下の全てを満たす場合
・栄養改善サービス及び口腔機能向上サービスを実施していること。
・利用者が介護予防通所リハを利用した日に、当該利用者に対し、栄養改善サービス又は口腔機能向上サービスのうちいずれかのサービスを行う日を1月につき2回以上設けていること。
・栄養改善加算、口腔機能向上加算を算定していないこと。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
一体的サービス提供加算加算は、選択的サービス複数実施加算の廃止に伴って令和6年度の介護報酬改定にて新設された加算です。変更点は以下の通りです。

<算定単位数>
運動器機能向上加算 225単位/月→廃止(基本報酬に包括化)
選択的サービス複数実施加算Ⅰ 480単位→廃止(栄養改善加算、口腔機能向上加算で評価)
選択的サービス複数実施加算Ⅱ 700単位→一体的サービス提供加算 480単位/月(新設)

通所リハビリテーションの減算

以下では通所リハビリテーションの各減算について解説していきます。

同一建物減算

単位数:1日につき-94単位

適用要件:以下のいずれかに該当した場合

  • 事業所と同一敷地内建物等に居住する利用者にサービスを提供した場合
  • 事業所と同一建物から事業所に通う者にサービスを提供した場合

定員超過利用減算

定員超過利用時の減算は、月々の利用者の平均利用人数が規定の定員を超える場合に減算されます。

算定単位数: 所定単位数より-30%/月
算定要件:1月間(暦月)の利用者の数の平均が、提出した運営規程に定められる定員を超過している場合、原則として減算の対象となります。

送迎減算

送迎減算とは、自宅などと事業所間の送迎を行わない場合に適用される減算です。
令和6年度の介護報酬改定では、通所系サービスにおける送迎について、利便性の向上や運転専任職の人材不足への対応を目的に、「送迎先」や「他の介護事業所利用者との同乗」に関する見直しが行われました。

算定単位数: 片道-47単位
算定要件:利用者に対して居宅と事業所の間の送迎を行わない場合

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
送迎減算は令和6年度の介護報酬改定にて利便性の向上や運転専任職の人材不足等に対応する観点から、送迎先について利用者の居住実態のある場所を含めるとともに、他の介護事業所や障害福祉サービス事業所の利用者との同乗を可能としました。

人員基準欠如減算

人員基準欠如時の減算は、介護サービスに定められた人員基準を満たさない状態でサービスを提供した場合に適用される減算です。

算定単位数: 所定単位数より-30%
算定要件:人員基準に定められている医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員の員数を満たしていない

高齢者虐待防止措置未実施減算

高齢者虐待防止措置未実施減算とは、虐待の発生や再発を防ぐための適切な措置が講じられていない場合に適用される減算です。

単位数:所定単位数より×1%の減算
適用要件:以下の対策等を講じていない場合

  • 虐待の防止のための対策を検討する委員会の定期的な開催と職員への周知
  • 虐待防止のための指針の整備
  • 虐待防止のための研修の定期的な実施
  • 虐待防止のための担当者の配置
令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
高齢者虐待防止措置未実施減算は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、令和6年度の介護報酬改定にて新設されました。

業務継続計画未策定減算

業務継続計画未策定減算とは、運営基準で策定が義務付けられている業務継続計画(BCP)が未策定の場合に適用される減算です。近年の自然災害の増加や感染症の流行を受け、災害や感染症の発生時にも介護サービスを継続して提供できる体制を整えるため、業務継続計画の策定が義務化されました。

単位数:所定単位数×1%の減算
適用要件:業務継続計画(BCP)を策定し、業務継続計画に従い、必要な措置を講じている。

令和6年度介護報酬改定による変更ポイント
業務継続計画未策定減算は、感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、令和6年度の介護報酬改定にて新設されました。

まとめ

本記事では通所リハビリテーション事業所で申請できる加算・減算の種類や単位数、算定要件について解説しました。通所リハビリテーション事業所の運営を安定させるためにも、加算や減算への理解を深めて、申請を行うことが重要です。
また、令和6年度の介護報酬改定による変更点を把握しておくことも大切です。

本記事が通所リハビリテーション事業所様のお役に立ちますと幸いです。

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