無料体験お申込み 資料請求・お問い合わせ

介護の基礎知識

【2024年改定対応】訪問看護の加算・減算一覧

  • 公開日:2025年01月09日
  • 更新日:2025年03月10日

訪問看護事業所の運営を安定させるには、加算の取得が重要です。
訪問看護事業所では、さまざまな加算を申請することが可能ですが、「どの加算を申請できるのか?」「算定条件が分からない」といった悩みが生じることも少なくありません。

本記事では、訪問看護事業所で申請できる加算・減算の種類や単位数・算定要件について解説します。また、令和6年度の介護報酬改定によって、変更のある加算もありますので、併せて解説していきます。

加算・減算とは

介護保険における加算および減算とは、特定の要件を満たした場合に、基本単位数に対してプラスまたはマイナスを加えて算定する仕組みを指します。

加算は、国が推進したい方向性や均衡を保つための施策、また訪問看護事業所として整えるべき仕組みや制度を基に設けられています。一方、減算は国が廃止したい、あるいは評価ができないものについての仕組みや制度に基づいて設けられています。

今後、国の施策の方向性を理解するためにも、加算や減算の要件を把握することは非常に重要です。

訪問看護事業所で申請できる加算の種類

訪問看護事業所では、以下の加算を申請することが可能です。

  • 1時間30分以上の訪問看護をおこなう場合
  • 夜間若しくは早朝の場合又は深夜の場合
  • 複数名訪問加算
  • 定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携し、要介護5の利用者にサービス提供する場合
  • 特別地域訪問看護加算
  • 中山間地域等における小規模事業所加算
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算
  • 緊急時訪問看護加算
  • 特別管理加算
  • 専門管理加算
  • ターミナルケア加算
  • 遠隔死亡診断補助加算
  • 初回加算
  • 退院時共同指導加算
  • 看護・介護職員連携強化加算
  • 看護体制強化加算
  • 口腔連携強化加算
  • サービス提供体制強化加算

訪問看護事業所の減算の種類

訪問看護事業所で減算となるものは以下の通りです。

  • 准看護師の場合
  • 高齢者虐待防止措置未実施減算
  • 業務継続計画未策定減算
  • 事業所と同一建物の利用者又はこれ以外の同一建物の利用者20人以上にサービスを行う場合
  • 医療保険の訪問看護が必要である場合
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合または特定の加算を算定していない場合

それぞれの加算・減算について、以下にて詳しく解説していきます。

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

1時間30分以上の訪問看護をおこなう場合

算定単位数:300単位
算定要件:訪問看護サービスの基本報酬は、サービス提供時間に応じて以下のように定められていますが、1時間30分以上の訪問看護をおこなう場合、加算が受けられます。

<指定訪問看護ステーションの場合の基本報酬>

<病院または診療所の場合>

夜間若しくは早朝の場合又は深夜の場合

夜間・早朝・深夜にサービス提供を行った場合、サービス提供1回ごとに基本単位数に加算が適用されます。なお、夜間・早朝・深夜の時間帯の定義および加算率は、以下の通りです。

利用時間が長時間にわたる場合で、加算対象となる時間帯におけるサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合がごくわずか(半数未満)である場合、加算は算定できないため、その点は注意が必要です。

複数名訪問加算

1人での看護が困難な利用者に対し、看護師等が2名、または看護師等1名と看護補助者1名の体制でサービスを提供する場合、複数名訪問加算を算定することができます。

複数名訪問加算にはⅠとⅡがあり、それぞれに単位数と算定要件が設定されています。

定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携し、要介護5の利用者にサービス提供する場合

算定単位数:800単位
算定要件:定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携して、要介護5以上の利用者にサービス提供する場合

特別地域訪問看護加算

特別地域訪問看護加算は、厚生労働省が指定する地域でサービスを提供した場合に申請できる加算です。
指定地域には、交通の利便性が低い地域や高齢者の多い地域などが含まれます。

算定単位数:1回につき15/100
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・厚生労働大臣が定める地域(平成24年厚生労働省告示第120号)に所在する
・指定訪問看護支援事業所の介護支援専門員が指定訪問看護支援を行った場合

特別地域訪問看護加算を適用するには、対象地域の条件を満たしているか確認する必要があります。
適用される地域は限られているため、事業所の所在地が対象地域に該当するかを正確に確認しましょう。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
特別地域訪問看護加算は、令和6年度の介護報酬改定にて基準が一部見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第一項に規定する過疎地域

↓ 変更後

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第二項により公示された過疎地域

過疎地域その他の地域で、人口密度が希薄、交通が不便等の理由によりサービスの確保が著しく困難であると認められる地域であって、特別地域加算の対象として告示で定めるものについて、前回の改正以降、新たに加除する必要が生じた地域において、都道府県及び市町村から加除の必要性等を聴取した上で、見直しが行われました。

中山間地域等における小規模事業所加算

小規模事業加算は、山間部や離島など、介護サービスの提供が困難な地域でその促進を目的とした加算です。

算定単位数:1回につき10/100
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・事業所が厚生労働大臣の定める中山間地域等に所在すること
・1ヶ月あたりの延べ訪問回数が100回以下であること
・加算を算定することを事前に利用者に説明し、同意を得ること

中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

サービス提供加算は、サービス提供時に発生する交通費や移動費に対して申請できる加算です。

算定単位数:1回につき5/100
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・厚生労働大臣が定める地域(平成21年厚生労働省告示第83号2)に居住している利用者に対して、サービスを提供する
・通常の事業の実施地域を越えて、指定訪問看護支援を行った場合

緊急時訪問看護加算

緊急時訪問看護加算とは、緊急の連絡や相談、訪問依頼に対応するための体制が整っている場合に算定できる加算です。この加算にはⅠとⅡがあり、それぞれ単位数や算定要件が異なります。
  • 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)

単位数は以下の通りです。

算定要件:以下のいずれも満たす場合
・利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること
・緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われていること

  • 緊急時訪問看護加算(Ⅱ)

単位数は以下の通りです。

算定要件:利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
緊急時訪問看護加算加算は、令和6年度の介護報酬改定にて区分と単位数が一部見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。

緊急時訪問看護加算
指定訪問看護ステーションの場合 574単位/月
病院又は診療所の場合 315単位/月
一体型定期巡回・随時対応型訪問
介護看護事業所の場合 315単位/月

↓ 改定後

緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(新設)
指定訪問看護ステーションの場合 600単位/月
病院又は診療所の場合 325単位/月
一体型定期巡回・随時対応型訪問
介護看護事業所の場合 325単位/月

緊急時訪問看護加算(Ⅱ)
指定訪問看護ステーションの場合 574単位/月
病院又は診療所の場合 315単位/月
一体型定期巡回・随時対応型訪問
介護看護事業所の場合 315単位/月

特別管理加算

特別管理加算は、利用者の処置の難しさに応じて「特別管理加算Ⅰ」と「特別管理加算Ⅱ」の2種類の評価に分かれます。

算定要件:
・利用者が特別管理加算Ⅰ・特別管理加算Ⅱに該当するだけでは適用されません
・利用者が特別管理加算Ⅰ・特別管理加算Ⅱの状態であることに加えて、計画的な管理(ケア)を行っていること
・絶対条件として24時間対応体制加算・24時間連絡体制加算を算定できる体制であること

  • 特別管理加算Ⅰ

算定単位数:1ヶ月500単位
対象者:以下のいずれかに該当する方
・在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている
・在宅気管切開患者指導管理を受けている
・気管カニューレを使用している
・留置カテーテルを使用している

  • 特別管理加算Ⅱ

算定単位数:1ヶ月250単位
対象者:以下のいずれかに該当する方
●下記指導管理を受けている
・在宅自己腹膜灌流
・在宅血液透析
・在宅酸素療法
・在宅中心静脈栄養
・在宅成分栄養経管
・在宅自己導尿
・在宅持続陽圧呼吸療法
・在宅自己疼痛管理
・在宅肺高血圧症患者
●人工肛門又は人工膀胱を留置している状態
●真皮を超える褥瘡の状態
●点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態

専門管理加算

専門管理加算は、専門性の高い看護師による計画的な管理を評価する加算です。

算定単位数:1ヶ月250単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
1.緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合
・悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法を行っている利用者
・真皮を越える褥瘡の状態にある利用者
・人工肛門又は人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者
2.特定行為研修を修了した看護師が診療報酬における手順書加算を算定する利用者に計画的な管理を行った場合
※対象の特定行為
・気管カニューレの交換
・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
・膀胱ろうカテーテルの交換
・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
・創傷に対する陰圧閉鎖療法
・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
・脱水症状に対する輸液による補正

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
専門管理加算は医療ニーズの高い訪問看護利用者が増える中で、適切かつより質の高い訪問看護を提供する観点から、令和6年度介護報酬改定にて新設されました。

ターミナルケア加算

末期がんなど終末期にある利用者に対して、特別なケアマネジメントを提供する場合に申請できる加算です。

算定単位数:2,500単位/死亡月
算定要件:以下のいずれも満たした場合
・24時間連絡できる体制を確保し、必要に応じて訪問できる体制を整備していること
・体制の届出を行っていること
・主治医との連携の下に、ターミナルケアに係る計画、支援体制について利用者とその家族に説明し、同意を得てターミナルケアを行っていること
・死亡日、死亡日前14日以内に2日(末期の悪性腫瘍等の特定の利用者については1日)以上ターミナルケアを行っていること
・ターミナルケアの提供について必要な事項(以下の事項)が適切に訪問看護記録書に記録されていること
・終末期の身体状症状の変化、それに対する看護に関する記録
・療養や死別に関する利用者とその家族の精神的な状態の変化、それに対するケアの経過についての記録
・看取りを含めたターミナルケアの各プロセスにおいて利用者とその家族の意向を把握し、それに基づくアセスメントと対応の経過の記録
・ターミナルケアの実施にあたっては、他の医療関係者や介護関係者と十分な連携を図るよう努めること

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
ターミナルケアマネジメント加算は、令和6年度の介護報酬改定にて単位数が見直されました。報酬改定による変更点は以下の通りです。

ターミナルケア加算 2,000単位/死亡月→ターミナルケア加算 2,500単位/死亡月

遠隔死亡診断補助加算

遠隔死亡診断補助加算は、看護師が情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助をおこなった場合の加算です。

算定単位数:1回につき150単位
算定要件:情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、医科診療報酬における死亡診断加算を算定する利用者について、主治医の指示に基づき、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
遠隔死亡診断補助加算は離島等に居住する利用者の死亡診断について、診療報酬における対応との整合性を図る観点から、令和6年度介護報酬改定にて新設されました。

初回加算

初回加算は看護師による退院当日訪問を評価する加算です。

  • 初回加算(Ⅰ)

算定単位数:1ヶ月350単位
算定要件:新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所又は介護保険施設から退院又は退所した日に指定訪問看護事業所の看護師が初回の指定訪問看護を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。ただし、(Ⅱ)を算定している場合は、算定しない。

  • 初回加算(Ⅱ)

算定単位数:1ヶ月300単位
算定要件:新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所又は介護保険施設から退院又は退所した日の翌日以降に初回の指定訪問看護を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。ただし、(Ⅰ)を算定している場合は、算定しない。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
初回加算は要介護者等のより円滑な在宅移行を訪問看護サービスとして推進する観点から、令和6年度介護報酬改定にて新設されました。

退院時共同指導加算

退院時共同指導加算は地域の訪問看護ステーションと医療機関との連携強化を評価するために作られた加算です。

算定単位数:1回につき600単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・病院等の医療機関や介護老人保健施設など入所系施設から退院(もしくは退所)する利用者に対して、病院等の医師もしくはその施設の従業者と共同して療養上の指導を行う。
・退院時共同指導の内容を文書によって提供する。
・退院(もしくは退所)後に訪問看護サービスを実施する。
・退院時共同指導の内容を訪問看護記録書に記録する。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
退院時共同指導加算は令和6年度介護報酬改定にて新設されました。

看護・介護職員連携強化加算

看護・介護職員連携強化加算は、訪問看護の職員が訪問介護事業所と連携し、利用者に関わる計画作成の支援などをおこなった場合に算定できる加算です。

算定単位数:1ヶ月につき250単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・喀痰吸引等の業務が円滑に行われるように、たんの吸引等に係る計画書と報告書を作成し、緊急時の対応について助言を行うこと
・当該訪問介護員に同行して利用者の居宅において業務の実施状況の確認すること、または利用者に対する安全なサービス提供体制整備・連携体制確保のための会議に出席すること
・同行や会議への出席の内容を記録すること
・訪問看護が24時間おこなえる体制を整えている事業所として、緊急時訪問看護加算の届出をしていること

看護体制強化加算

看護体制強化加算とは、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算の実績が一定以上ある事業所を評価するための加算です。緊急時訪問看護加算はⅠとⅡに分かれています。

  • 看護体制強化加算(Ⅰ)

算定単位数:1ヶ月につき550単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・緊急時訪問看護加算を算定した利用者が全体の50%以上であること(算定日が属する月の前6ヶ月において)
・特別管理加算を算定した利用者が全体の20%以上であること(算定日が属する月の前6ヶ月において)
・ターミナルケア加算を算定した利用者が5名以上であること(算定日が属する月の前12ヶ月において)
・従業者の総数のうち看護職員の占める割合が60%以上であること

  • 看護体制強化加算(Ⅱ)

算定単位数:1ヶ月につき200単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・緊急時訪問看護加算を算定した利用者が全体の50%以上であること(算定日が属する月の前6ヶ月において)
・特別管理加算を算定した利用者が全体の20%以上であること(算定日が属する月の前6ヶ月において)
・ターミナルケア加算を算定した利用者が1名以上であること(算定日が属する月の前12ヶ月において)
・従業者の総数のうち看護職員の占める割合が60%以上であること

口腔連携強化加算

口腔連携強化加算は、介護施設と歯科医院が情報を共有することで算定可能な加算です。歯科医療機関から提供される専門的な情報を活用し、利用者に適切な口腔ケアを行うことを目的としています。令和6年度の介護報酬改定により新設されました。

算定単位数:1ヶ月につき50単位
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果を状況提供した場合に、1ヶ月に1回に限り所定単位数を加算する。
・事業所は利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、診療報酬の歯科点数表区分番号にC000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。

令和6年度介護報酬改定での変更ポイント
口腔連携強化加算は職員による利用者の口腔の状態の確認によって、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、令和6年度介護報酬改定にて新設されました。

サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算は、介護職員の資格(介護福祉士など)の有無や勤続年数などを基準に、質の高いサービスを提供できる体制を整えている事業所を評価するために設けられた加算です。

  • サービス提供体制強化加算(Ⅰ)

算定単位数:1回につき6単位(定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携する場合:月50単位)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・すべての看護師等に対して、個別の研修計画を作成し、計画に沿った研修を実施していること
・利用者に関する情報の伝達、サービス提供の留意事項の伝達、看護師等の技術指導を目的とした会議をおおむね1ヶ月に1回以上開催し、開催状況の概要を記録していること
・すべての看護師等に対して、事業主が費用を負担して、少なくても1年に1回以上健康診断等を実施していること
・看護師等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が30%以上であること

  • サービス提供体制強化加算(Ⅱ)

算定単位数:1回につき3単位(定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携する場合:月25単位)
算定要件:以下のいずれも満たす場合
・すべての看護師等に対して、個別の研修計画を作成し、計画に沿った研修を実施していること
・利用者に関する情報の伝達、サービス提供の留意事項の伝達、看護師等の技術指導を目的とした会議をおおむね1ヶ月に1回以上開催し、開催状況の概要を記録していること
・すべての看護師等に対して、事業主が費用を負担して、少なくても1年に1回以上健康診断等を実施していること
・看護師等の総数のうち、勤続年数3年以上の者の占める割合が30%以上であること

訪問看護サービスで算定される減算一覧

准看護師の場合

准看護師がサービスを提供する場合、所定単位数の90%で算定されます。

高齢者虐待防止措置未実施減算

高齢者虐待防止措置未実施減算は、利用者への虐待の発生や再発を防止するための措置が講じられていない場合に適用される減算です。

以下の対策がされていない場合、所定単位数×1%の減算となります。

・虐待の防止のための対策を検討する委員会の定期的な開催と職員への周知をおこなうこと
・虐待防止のための指針を整備すること
・虐待防止のための研修を定期的に実施すること
・虐待防止のための担当者を配置すること

業務継続計画未策定減算

業務継続計画未策定減算は、感染症や非常災害に備えた業務継続計画(BCP)が策定されていない場合に適用される減算で、所定単位数の1%が減算されます。

令和6年度介護報酬改定による変更ポイント
業務継続計画未策定減算は、感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、令和6年度の介護報酬改定にて新設されました。

事業所と同一建物の利用者又はこれ以外の同一建物の利用者20人以上にサービスを行う場合

介護保険給付の公平性を確保する観点から、事業所と同一建物に居住する利用者へのサービス提供は効率的にできることから減算の対象になります。算定要件および減算率は以下の通りです。

  • 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者
    減算率:10%
  • 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する利用者が、1ヶ月あたり50人以上の場合
    減算率:15%
  • 1以外の範囲に所在する建物に居住する利用者が、1ヶ月あたり20人以上の場合
    減算率:10%

医療保険の訪問看護が必要である場合

医療保険で訪問看護が必要な場合、主治医が発行する訪問看護指示期間の日数に対して、1日あたり97単位が減算されます。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合または特定の加算を算定していない場合

以下の要件を満たしている場合、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問1回につき8単位が減算となります。

算定要件

  • 訪問看護事業所における前年度の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えていること
  • 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算をいずれも算定していないこと

まとめ

本記事では訪問看護ステーションで申請できる加算・減算の種類や単位数、算定要件について解説しました。訪問看護ステーションの運営を安定させるためにも、加算への理解を深めて、申請を行うことが重要です。
また、令和6年度の介護報酬改定による変更のある加算もあるため、変更点を把握しておくことも大切です。

本記事が訪問看護ステーション様のお役に立ちますと幸いです。

介護の基礎知識一覧へ