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介護の基礎知識

地域密着型通所介護の実地指導(運営指導)の対策とは?

実地指導は行政の担当者が事業所を訪れ、適正な介護保険サービスが運営されているかを調査するものです。突然実地指導のお知らせが届くと驚かれる事業所様も多いのではないでしょうか。

介護保険法や指定基準に違反が見つかれば、監査に発展し、行政処分や介護報酬の返還を求められる可能性があります。しかし、実地指導は全ての事業所に平等に実施されるものであり、不正を暴くことが目的ではありません。むしろ、事業所運営の見直しや改善の機会と捉え、前向きに対応することが大切です。

本記事では、実地指導とは何かや、監査との違い、地域密着型通所介護にて必要な対策や書類について解説します。実地指導対策を通して、適切な事業所運営を目指しましょう。

実地指導とは

実地指導とは、介護保険法の目的を達成するために、都道府県などの担当者が介護サービス事業所を訪問し、適切な事業所運営が行われているかを確認する手続きです。行政が行う指導には大きく分けて「集団指導」と「実地指導」の二種類があります。

集団指導は、指定申請先となる管轄行政が主催し、複数の介護事業所を一箇所に集めて開催する形式です。一方、実地指導は、個々の介護サービス事業所を対象に直接行われることが特徴です。

実地指導の頻度については、事業所の指定有効期間内に少なくとも1回は実施されることを基本としており、全ての事業所において定期的に実施されるものとされています。

実地指導の目的

実地指導の最大の目的は、高齢者の尊厳を守り、良質なケアが提供される体制を維持・向上させること、さらに高齢者虐待を防止することで、介護保険制度への信頼を保ち、その持続可能性を確保することです。

「良質なケアが提供される体制を維持すること」は、サービス利用者や社会だけでなく、介護事業所にとっても極めて重要な課題です。つまり、実地指導は「行政との対立」ではなく、行政と協力しながら、介護保険制度やサービスの健全な運営を継続していくための重要な取り組みといえます。

実地指導の内容

実地指導の主な内容は、介護サービスの実施状況指導最低基準等運営体制指導報酬請求指導の3つです。

介護サービスの実施状況指導

介護サービスの実施状況指導は、ケアマネジメント・プロセスに基づくサービス実施がされているか、高齢者虐待や適切な手続きを経ていない身体拘束が行われていないか確認されます。虐待や身体拘束に関わる行為やそれらがもたらす影響についての理解を深め、防止に向けた取り組みの促進を行います。

最低基準等運営体制指導

最低基準等運営体制指導では、個別の介護サービスの質を確保するための体制に関する事項について確認されます。

報酬請求指導

報酬請求指導は、以下の点を確認し、適切な運営と請求を促すことを目的としています。

  • 報酬基準に基づく実施体制の確保
  • 一連のケアマネジメントプロセスに沿ったサービス提供
  • 多職種との連携によるサービス実施

上記の基本的な考え方や算定条件に基づいた運営・請求が行われているか、ヒアリングを通じて確認し、指導を行います。この指導は、不適正な請求を防止するとともに、サービスの質を向上させることを目指しています。

 

実地指導は以下の「介護保険施設等運営指導マニュアル」に基づいて実施されます。

参照:介護保険施設等 運営指導マニュアル

実地指導と監査の違い

行政から通知が来たとき、それが実地指導なのか、監査なのか、一見わからないことがあります。以下では、実地指導と監査の違いについて解説します。

事前通知のあり・なし

監査は通常、事前通知が行われないことがほとんどです。しかし、仮に事前通知がある場合には、実地指導とは異なる根拠条文が明確に記載されています

一方で、実地指導であっても、まれに事前通知が行われないケースがあります。
事前通知がなく行政の担当者が事業所を訪問した際には、実地指導と監査の用語を正確に使い分けていない場合があるため、必ず根拠条文を確認するようにしてください。

実施の目的

実地指導は、事業所が指定基準を遵守し、適切な介護サービスを提供するとともに、正確な介護報酬の請求を行うことを目的として実施されます。そのため、原則としてすべての事業所を対象にランダムで行われます

一方、監査は、収集した情報から人員基準や設備基準、運営基準などの指定基準違反や不正請求が確認された場合、またはその疑いがある場合に実施されます
また、監査は運営基準等の指定基準違反や不正請求の疑いに基づいて行われることから、調査内容もそれに応じて具体的かつ厳しい場合が多いです。

地域密着型通所介護の実地指導のチェック項目

実地指導で確認される事項は多岐にわたり、提供するサービスごとに特徴があります。
以下では地域密着型通所介護にて特に確認される項目を一部ご紹介します。

個別サービスの質に関する事項

  • 指定申請時(更新時含む)又は直近の変更届の平面図に合致しているか【目視】
  • 使用目的に沿って使われているか【目視】
  • 利用申込者又はその家族へ説明を行い、同意を得ているか
  • 重要事項説明書の内容に不備等はないか
  • サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか
  • サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと密接な連携に努めているか
  • 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか
  • 居宅サービス計画等にサービス提供日及び内容、介護保険法第 42 条の 2第6項の規定により利用者に代わって支払いを受ける費用の額等が記載されているか
  • サービス提供記録に提供した具体的サービス内容等が記録されているか
  • 送迎が適切に行われているか
  • 生命又は身体を保護するため、緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等(身体拘束その他利用者の行動を制限する行為を含む)を行っていないか
  • 身体的拘束等を行う場合に要件(切迫性、非代替性、一時性)を全て満たしているか
  • 身体的拘束等を行う場合、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しているか
  • 利用者の心身の状況、希望、その置かれている環境等を踏まえているか
  • 機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載しているか
  • 居宅サービス計画に基づいて地域密着型通所介護計画又は療養通所介護計画が立てられているか
  • 利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか
  • 利用者について、計画に従ったサービスの実施状況及び目標の達成状況の記録を行っているか
  • 訪問看護計画書の内容との整合を図っているか(療養通所介護に限る)

個別サービスの質を確保するための体制に関する事項

  • 利用者に対し、従業者の員数は適切であるか
  • 必要な専門職が配置されているか
  • 必要な資格を有しているか
  • 管理者は常勤専従か、他の職務を兼務している場合、兼務体制は適切か
  • 管理者は看護師であるか(療養通所介護に限る)
  • 被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期限を確認しているか
  • 利用者からの費用徴収は適切に行われているか
  • 領収書を発行しているか
  • 緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか
  • 運営における以下の重要事項について定めているか
    1.事業の目的及び運営の方針
    2.従業者の職種、員数及び職務の内容
    3.営業日及び営業時間
    4.指定地域密着型通所介護の利用定員
    5.指定地域密着型通所介護の内容及び利用料その他の費用の額
    6.通常の事業の実施地域
    7.サービス利用に当たっての留意事項
    8.緊急時等における対応方法
    9.非常災害対策
    10. 虐待の防止のための措置に関する事項
    11.その他運営に関する重要事項(療養通所介護)
    ・事業の目的及び運営の方針
    ・従業者の職種、員数及び職務の内容
    ・営業日及び営業時間
    ・指定療養通所介護の利用定員
    ・指定療養通所介護の内容及び利用料その他の費用の額
    ・通常の事業の実施地域
    ・サービス利用に当たっての留意事項
    ・非常災害対策
    ・虐待の防止のための措置に関する事項
    ・その他運営に関する重要事項
  • 指定療養通所介護事業者は、安全・サービス提供管理委員会を概ね6月に1回以上開催しているか
  • 安全・サービス提供管理委員会において、安全管理に必要なデータ収集を行っているか
  • 安全・サービス提供管理委員会において、安全かつ適切なサービス提供確保のための方策を検討し、記録しているか
  • サービス提供は事業所の従業者によって行われているか
  • 資質向上のために研修の機会を確保しているか
  • 認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるため必要な措置を講じているか
  • 性的言動、優越的な関係を背景とした言動による就業環境が害されることの防止に向けた方針の明確化等の措置を講じているか
  • 感染症、非常災害発生時のサービスの継続実施及び早期の業務再開の計画(業務継続計画)の策定及び必要な措置を講じているか
  • 従業者に対する計画の周知、研修及び訓練を定期的に実施しているか
  • 定期的に計画の見直しを行い必要に応じて計画の変更を行っているか
  • 利用定員を上回っていないか
  • 非常災害(火災、風水害、地震等)に対する具体的計画はあるか
  • 非常災害時の関係機関への通報及び連携体制は整備されているか
  • 避難・救出等の訓練を定期的に実施しているか
  • 感染症の発生又はまん延しないよう次の措置を講じているか
  • 感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会開催(おおむね6月に1回以上)、その結果の周知
    ・ 感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備
    ・ 感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練の定期実施
  • 個人情報の利用に当たり、利用者(利用者の情報)及び家族(利用者家族の情報)から同意を得ているか
  • 退職者を含む、従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているか
  • 広告は虚偽又は誇大となっていないか
  • 苦情受付の窓口を設置するなど、必要な措置を講じているか
  • 苦情を受け付けた場合、内容等を記録し、保管しているか
  • 運営推進会議を概ね6月に1回以上(療養通所介護は 12 月に1回以上)開催しているか
  • 運営推進会議において、活動状況の報告を行い、評価を受けているか
  • 運営推進会議で挙がった要望や助言が記録されているか
  • 運営推進会議の会議録が公表されているか
  • 市町村、利用者家族、居宅介護支援事業者等に報告しているか
  • 事故状況、事故に際して採った処置が記録されているか
  • 損害賠償すべき事故が発生した場合に、速やかに賠償を行っているか
  • 虐待の発生又はその再発を防止するため次の措置を講じているか
    ・ 虐待の防止のための対策を検討する委員会の定期開催及びその結果の通所介護従業者への周知
    ・ 虐待の防止のための指針の整備
    ・ 虐待の防止のための研修の定期実施
  • 上記の措置を適切に実施するための担当者を置いているか
参考:厚生労働省 確認項目及び確認文書

地域密着型通所介護の実地指導で確認される標準確認文書

地域密着型通所介護の実地指導で確認される書類は以下の通りです。

  • 勤務実績表/タイムカード
  • 勤務体制一覧表
  • 従業者の資格証
  • 管理者の雇用形態が分かる文書
  • 管理者の勤務実績表/タイムカード
  • 平面図
  • 重要事項説明書(利用申込者または家族の同意があったことがわかるもの)
  • 利用契約書
  • サービス担当者会議の記録
  • 居宅サービス計画
  • 通所介護計画(利用者および家族の同意があったことがわかるもの)
  • サービス提供記録
  • 業務日誌
  • 送迎記録
  • アセスメントシート
  • モニタリングシート
  • 介護保険番号、有効期限等を確認している記録等
  • 請求書
  • 領収書
  • 緊急時対応マニュアル
  • サービス提供記録
  • 運営規程
  • 雇用の形態(常勤非常勤)がわかる文書
  • 認知症介護の研修計画、実施記録
  • 勤務実績表(勤務実績が確認できるもの)
  • 方針、相談記録
  • 業務継続計画
  • 感染症、非常災害対策の研修及び訓練計画、実施記録
  • 業務日誌
  • 国保連への請求書控え
  • 非常災害時対応マニュアル(対応計画)
  • 避難、救出等訓練の記録
  • 通報、連絡体制
  • 消防署への届出
  • 感染症及び食中毒の予防及びまん延防止のための指針、研修の記録及び訓練の記録、対策を検討する委員会名簿、委員会の記録
  • 個人情報同意書
  • 従業者の秘密保持誓約書
  • パンフレット/チラシ
  • 苦情の受付簿
  • 苦情者への対応記録
  • 苦情対応マニュアル
  • 事故対応マニュアル
  • 市町村、家族、居宅介護支援事業者等への報告記録
  • 再発防止策の検討の記録
  • ヒヤリハットの記録
  • 虐待防止の対策を検討する委員会の開催記録
  • 虐待の発生、再発防止の指針
  • 虐待防止の研修及び訓練計画、実施記録
  • 担当者を設置したことが分かる文書
  • 運営推進会議の記録(地域密着型通所介護のみ)

これらの資料は、サービスの質や適切なサービス提供のために必要な帳票類が整備されているかを確認するためのものです。サービス種別によって必要な資料は異なるため、年に一度以上の自己点検を行い、帳票の整備状況を確認することが重要です。

各サービス種別で求められる書類については、厚生労働省が提供している「確認項目及び確認文書」の資料を参照してください。

参考:厚生労働省 確認項目及び確認文書

必要書類がない場合

事前提出書類の準備中に不備が発覚した場合、最も避けるべき行為は書類の「偽造」です

例えば、地域密着型通所介護では、利用者のサービス提供記録やモニタリング記録を適切に作成・保管することが求められています。もし特定の月の記録が抜けている場合でも、実際にサービス提供やモニタリングを行い、メモや記録が残っているのであれば、後から記録を作成すること自体は問題ありません。
しかし、実際にはサービス提供やモニタリングを行っていないにもかかわらず、あたかも実施したかのような記録を作成する行為は、明確な「偽造」に該当します。

監査において、介護事業所が報告や帳簿書類の提出・提示命令に従わず、または虚偽の報告をした場合、これ自体が指定の効力停止や指定取消処分の理由となります。さらに、実地指導中に偽造が発覚した場合、具体的な不正の疑いが明らかになれば監査に切り替えられ、厳しい行政処分を受ける可能性が高まります。

一方で、書類に不備があった場合でも、真摯に反省し、改善に向けた姿勢や取り組みを示せば、指定の効力停止や指定取消といった重い行政処分に至ることはまれです。実地指導前の事前確認で不備を発見した場合には、指摘される前に改善策を示すことを検討しましょう。

地域密着型通所介護の実地指導のチェックリスト・自己点検票とは?

自己点検票とは、介護保険法で定められた基準(人員基準・設備基準・運営基準)や介護報酬の算定が適切に行われているかを、事業所が自ら確認するためのチェックリストです。実地指導(運営指導)を受ける事業所は、指導の実施前に自己点検票を活用して事前チェックを行うことが求められます。そのため、指定権者のホームページから自己点検票をダウンロードし、内容を確認しましょう。
ここでは一例として、大津市が公開している地域密着型通所介護の自己点検票を基に、その一部の内容をご紹介します。

人員に関する基準

1.従業者の員数
事業所ごとに置くべき従業者の員数は、次のとおりになっているか。

(1)生活相談員
提供日ごとに、当該指定地域密着型通所介護を提供している時間帯に専ら当該指定地域密着型通所介護の提供に当たる生活相談員が勤務している時間数の合計数を当該指定地域密着型通所介護を提供している時間帯の時間数で除して得た数が1以上確保されるために必要と認められる数

※サービス提供の開始時刻から終了時刻までの時間数以上の勤務時間数が確保されているか。

(2)看護職員(看護師又は准看護師)
単位ごとに、専ら当該指定地域密着型通所介護の提供に当たる看護職員が1以上確保されるために必要と認められる数

※「従事時間+密接かつ適切な連携時間」でサービス提供時間帯を担保できる配置・連携体制があるか。

※看護職員については、事業所の従業者により確保することに加え、病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携により確保することも可能であるが、その場合、以下の事項を遵守しているか。

ア 事業所の従業者により確保する場合
提供時間帯を通じて、専らサービスの提供に当たる必要はないが、当該看護職員は提供時間帯を通じて、指定地域密着型通所介護事業所と密接かつ適切な連携を図っているか。

イ 病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携により確保する場合
看護職員が地域密着型通所介護事業所の営業日ごとに利用者の健康状態の確認を行い、病院、診療所、訪問看護ステーションと地域密着型通所介護事業所が提供時間帯を通じて密接かつ適切な連携を図っているか。

※アとイにおける「密接かつ適切な連携」とは、地域密着型通所介護事業所へ駆けつけることができる体制や適切な指示ができる連絡体制などを確保することである。

(3)介護職員
単位ごとに、提供時間数に応じて、専ら当該指定地域密着型通所介護の提供に当たる介護職員が以下に記載する数以上、確保されているか。

「利用者数16人以上の場合」
((利用者数(又は定員)-15)÷5)+1=A
A×平均提供時間数(又はサービス提供時間数)=B
(Bを分単位を切上)

「利用者数11~15人の場合」
平均提供時間数(又はサービス提供時間数)以上の勤務時間数が確保されているか。

単位ごとに介護職員を常時1以上配置しているか。

(4)機能訓練指導員
1以上配置しているか。

機能訓練指導員は次の資格を満たしているか。
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護職員
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師又はきゅう師
※はり師及びきゅう師については、上記はり師及びきゅう師以外の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上機能訓練指導員に従事した経験を有する者に限る。

機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とし、当該指定地域密着型通所介護事業所の他の職務に従事することができるか。

2.その他
生活相談員又は介護職員のうち1人以上は常勤であるか。

※利用定員が10人以下である場合
看護職員及び介護職員の員数を、指定地域密着型通所介護の単位ごとに、提供時間数に応じて専ら当該指定地域密着型通所介護の提供に当たる看護職員又は介護職員が、以下に記載する勤務延時間数以上確保されているか。
また、常時1以上の看護職員又は介護職員が確保されているか。
さらに、生活相談員、看護職員又は介護職員のうち1人以上は、常勤であるか。
「必要勤務延時間数」
平均提供時間数(又はサービス提供時間数)以上

3.管理者
指定地域密着型通所介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置いているか。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、当該事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事できる。

設備に関する基準

1.設備及び備品等
事業所は、食堂、機能訓練室、静養室、相談室及び事務室を有するほか、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備並びに指定地域密着型通所介護の提供に必要なその他の設備及び備品等を備えているか。
上記に掲げる設備は、専ら当該指定地域密着型通所介護の事業の用に供するものであるか。ただし、利用者に対する指定地域密着型通所介護の提供に支障がない場合は、この限りでない。

指定地域密着型通所介護事業所の設備を利用し、夜間及び深夜に指定地域密着型通所介護以外のサービス(以下「宿泊サービス」という。)を提供する場合には、当該サービスの内容を当該サービスの提供開始前に市長へ届け出ているか。

2.食堂・機能訓練室
食堂及び機能訓練室は、それぞれ必要な広さを有するものとし、その合計した面積は、3平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上であるか。
食堂及び機能訓練室は、食事の提供の際にはその提供に支障がない広さを確保でき、かつ、機能訓練を行う際にはその実施に支障がない広さを確保できる場合にあっては、同一の場所とすることができる。

3.相談室
遮へい物の設置等により相談の内容が漏えいしないよう配慮されているか。

4.消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
消防法その他の法令等に規定された設備を確実に設置しているか。

5.設備に係る共用
機能訓練室等と、併設の病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院における指定通所リハビリテーション等を行うためのスペースを共用する場合、以下の要件を満たしているか。
イ.当該部屋において、機能訓練室等と指定通所リハビリテーション等を行うスペースが明確に区分されている。
ロ.機能訓練室等として使用される区分が指定地域密着型通所介護事業所の設備基準を満たし、かつ、指定通所リハビリテーション等を行うスペースとして使用される区分が、指定通所リハビリテーション事業所等の設備基準を満たしている。

運営に関する基準(一部抜粋)

1.内容及び手続の説明及び同意
指定地域密着型通所介護の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得ているか。
※運営規程の概要、勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、第三者評価の実施状況等をわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧な説明を行い、同意については書面で確認しているか。(2)磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに第1項に規定する重要事項を記録したものを交付する方法

(2)に規定する方法は、利用申込者又はその家族がファイルへの記録を出力することにより文書を作成することができるものとしているか。

「電子情報処理組織」について、事業者の使用に係る電子計算機と、利用申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織としているか。

(2)の規定により第1項に規定する重要事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該利用申込者又はその家族に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得ているか。
(一)地域密着指定基準第37条で準用する第3条の7第2項各号に規定する方法のうち事業者が使用するもの
(二)ファイルへの記録の方式

上記による承諾を得た事業者は、当該利用申込者又はその家族から文書又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該利用申込者又はその家族に対し、第1項に規定する重要事項の提供を電磁的方法によって行っていないか。ただし、当該利用申込者又はその家族が再び上記の規定による承諾をした場合は、この限りでない。

参考: 地域密着型サービス事業所の指導に係る自己点検表 | 大津市

実地指導のポイント

実地指導(運営指導)において指摘や指導を受けないために、以下の対策ポイントを押さえておきましょう。

1.算定要件の理解と確認
基本報酬や加算の算定要件を正しく理解し、要件を満たした上で適切に算定されているか確認します。

2.介護報酬と実績の一致確認
請求した介護報酬と実際のサービス提供実績に差異がないかを定期的にチェックします。

3.書類の定期的な確認
書類に不備がないか、日頃から定期的に確認を行います。

4.記録の適切な保管
研修の実施状況や利用者から寄せられた苦情の内容を記録し、必要に応じて確認できるようにしておきます。

5.整理整頓と清潔な環境維持
事務所内を常に整理整頓し、清潔な状態を保つよう努めます。

これらのポイントを実践することで、実地指導時の指摘や指導を未然に防ぐことができます。

実施指導に関するQ&A

Q.当日は何人の職員が来るの?

A.当日に来所する職員の人数や氏名、担当部署については、事前に送付される通知書に記載されています。部署ごとに調査に来る場合もあるため、職員数が多くても過度に身構える必要はありません。

Q.質問には全て答えなければならないの?

A.実地指導は事前に日時が通知されるため、当日はシフト調整を行い、事業所の運営状況やサービス提供に詳しい職員(運営担当者、人員担当者、利用者担当者など)を可能な限り出勤してもらう必要があります。
その場で的確に回答することで、事業所が適切に運営されていることを印象付け、信頼度の向上や追加調査の軽減につながります。

ただし、質問内容によっては、必ずしもその場で全て回答する必要はありません。
例えば、「正確な回答のため、関連書類を確認した後で改めてお答えします」のように回答することも可能です。ですが、質問に対して多く「分かりません」と答えると、事業所に対する不信感を招く恐れがあるため注意が必要です。

Q.実地指導にかかる時間はどのくらい?

A.実地指導の所要時間は、事前に送付される通知書に具体的な時間が記載されていますが、基本的には丸一日がかりと考えておくべきです。そのため、対応する職員については、シフトを調整し、可能な限り時間を確保できるようにしておいてください。

まとめ

地域密着型通所介護の実地指導とは、介護保険法の目的を達成するために、都道府県などの担当者が地域密着型通所介護事業所を訪問し、適切な事業所運営が行われているかを確認する手続きです。実地指導の最大の目的は、高齢者の尊厳を守り、良質なケアが提供される体制を維持・向上させること、さらに高齢者虐待を防止することで、介護保険制度への信頼を保ち、その持続可能性を確保することです。

実地指導での調査の内容の主たる部分は、事前に準備を求められる書類関係のチェックです。実地指導のお知らせが届いてから慌てないためにも日々の書類管理を徹底することが非常に重要です。

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